編集デスク ゲーム攻略ライターの桐谷シンジです。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方はProject Motor Racingの追加コンテンツに登場する車種が気になっていると思います。 2025年11月の発売前から、シムレーシング界隈では「GTR 2の精神的続編」として大きな話題を呼んでいた本作。
特にモータースポーツファンを唸らせるマニアックな収録車種は、発売前から多くの議論を呼んでいました。 今回は、予約特典やDLCで追加されるマシンを中心に、その入手方法と全収録車種の魅力を余すところなく解説します。
この記事を読み終える頃には追加DLCの全貌と入手方法の疑問が解決しているはずです。
- 全70車種以上の収録マシンリスト公開
- GTEディケイドパックの入手条件解説
- グループ5リバイバルパックの詳細情報
- 各クラスのマシン特性と挙動の傾向
それでは解説していきます。
Project Motor Racingの魅力と追加DLCの概要
Project Motor Racing(以下PMR)は、かつて伝説的なレースシム『GTR 2』を生み出したイアン・ベル氏率いるStraight4 Studiosが開発を手掛けた最新作です。 本作が発表された当初、業界内外から驚きの声が上がりました。それは単に新作が出るからではなく、開発チームが目指す「到達点」があまりにも高かったからです。
GIANTS EngineとHadron Engineの融合
本作の最大のトピックは、農業シミュレーション『Farming Simulator』シリーズで知られるGIANTS Softwareのグラフィックエンジンと、物理演算に特化したHadronエンジンの融合にあります。 一見すると奇妙な組み合わせに思えるかもしれません。しかし、GIANTS Engineは広大な地形と自然環境の再現において卓越した能力を持っています。これをレースゲームに応用することで、サーキット周辺の環境、天候による光の移ろい、そして何より「路面のコンディション変化」がかつてないレベルで描写されることになりました。
一方、Hadron Engineは物理演算の中核を担います。 これにより、タイヤのゴムが路面の細かな凹凸に食いつく感触(マイクロ・ラフネス)や、サスペンションのダンパーがオイルを押し出す抵抗感、シャーシのねじれといった挙動が、これまでのレースゲームとは一線を画すリアルさで再現されているのが特徴です。 従来のタイヤモデルが「点」で接地を計算していたのに対し、Hadron Engineではタイヤを「柔らかな構造体」として計算し、接地面(コンタクトパッチ)の形状変化をリアルタイムにシミュレーションしています。
“ザ・スティグ”による監修
さらに、あのイギリスBBCの人気番組『トップ・ギア』で「ザ・スティグ」として知られるベン・コリンズ氏がハンドリングの監修を行っている点も見逃せません。 彼の実車での経験、特に限界域でのコントロールや、スリップアングルがついた状態からのリカバリーといった感覚がフィードバックされています。 その結果、PMRの挙動は「難しいが、理不尽ではない」という絶妙なバランスを実現しました。タイヤの声を聞き、荷重移動を丁寧に行えば、車は手足のように反応してくれます。
基本パッケージだけでも2004年・2005年のFIA GT選手権車両を中心に、最新のGT3やLMDh、さらにはヒストリックカーまで幅広いカテゴリーを網羅していますが、本作の真骨頂は追加コンテンツにあります。 モータースポーツの歴史を彩った伝説的なマシンたちが、DLCという形で現代の最新物理エンジン上に蘇るのです。 ここからは、特に追加コンテンツとして注目されているパックについて深掘りしていきましょう。
【GTE Decade Pack】予約特典で手に入る珠玉の名車たち
まず最初に解説するのは、多くのユーザーが気になっているであろう「GTE Decade Pack」です。 このパックは、主に予約特典(プレオーダーボーナス)として提供されるコンテンツであり、近年のル・マン24時間レースなどで激闘を繰り広げたGTE(Grand Touring Endurance)クラスのマシンが収録されています。
GTEクラスは、かつてのGT2クラスの流れを汲むカテゴリーで、自動車メーカーが威信をかけて開発した「最強のGTカー」たちが集う場所でした。 トラクションコントロールの使用が認められているものの、ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)は禁止されているのが大きな特徴です。 これにより、ブレーキング競争ではドライバーの繊細なペダルワークが勝敗を分けます。 現在はGT3クラスに主役の座を譲る形でWEC(世界耐久選手権)からは消滅してしまいましたが、その速さとサウンド、そしてメーカー間の激しい開発競争は、今でもファンの記憶に新しく刻まれています。
このパックを入手することで、以下の7台がガレージに追加されます。
収録車種一覧(GTE Decade Pack)
| メーカー | 車種名 | 年式 | エンジン形式 | 特記事項 |
|---|---|---|---|---|
| Aston Martin | Vantage GTE | 2020 | 4.0L V8 Twin Turbo | 甲高いエキゾーストノートと美しいスタイリング |
| BMW | M8 GTE | 2020 | 4.0L V8 Twin Turbo | 「ビッグ・マム」の愛称で親しまれた巨大なボディ |
| Chevrolet | Corvette C7.R | 2017 | 5.5L V8 NA | 伝統のFRレイアウト最終世代、重低音サウンド |
| Chevrolet | Corvette C8.R | 2020 | 5.5L V8 NA | ミッドシップ化された革命児、フラットプレーンクランク採用 |
| Dodge | SRT Viper GTS-R | – | 8.0L V10 NA | 大排気量V10エンジンの圧倒的トルクモンスター |
| Ford | GT LM GTE | 2020 | 3.5L V6 Twin Turbo | 空力性能を極限まで追求した近未来的なデザイン |
| Porsche | 911 RSR GTE | 2020 | 4.2L Flat-6 NA | ミッドシップ配置された水平対向エンジンの咆哮 |
注目のマシン解説:Porsche 911 RSR GTE 2020
このパックの中で私が特に注目しているのは、やはりポルシェ911 RSR GTEです。 このモデルは、ポルシェ911のアイデンティティであるRR(リアエンジン・リアドライブ)レイアウトの制約を打破するため、エンジンをリアアクスルの前方に移動させた「事実上のミッドシップレイアウト」を採用した歴史的な一台です。
【歴史的背景】 長年、ポルシェはリアエンジンによるトラクション性能を武器に戦ってきましたが、近代のレースではリアのディフューザーを大型化してダウンフォースを稼ぐことが重要になりました。しかし、リアにエンジンがあると巨大なディフューザーを設置できません。 そこでポルシェは、伝統を曲げてでも「勝つため」にエンジンを前に動かしたのです。
【ゲーム内での挙動】 PMRのHadron物理エンジンは、この特殊な重量配分による回頭性の良さを完璧に再現しています。 コーナーの入り口でブレーキを残しながらステアリングを切った際、ノーズがスッとインに入っていく感覚は、他のFRレイアウトのGTカーでは味わえない快感です。 また、4.2リッターに拡大された水平対向6気筒エンジンのサウンドは、まさに「叫び声」と呼ぶにふさわしい高周波音を奏でます。コックピット視点でドライブすると、背後から響くメカニカルノイズと排気音が、ドライバーのアドレナリンを沸騰させます。
注目のマシン解説:BMW M8 GTE
対照的な存在として面白いのが、BMW M8 GTEです。 その巨大なボディサイズから、ネット上のミーム画像で「巨大なM8がコースを塞ぐ」といったネタにされたこともありましたが、レースカーとしての実力は本物です。
【ゲーム内での挙動】 ロングホイールベースによる直進安定性はクラス随一です。 ル・マンのユノディエールのような超高速ストレートでも、ステアリングがピタリと安定し、微動だにしません。 また、縁石に乗っても挙動を乱しにくいサスペンション設定と強靭なシャシー剛性は、耐久レースのような長丁場でドライバーの精神的疲労を軽減してくれます。 繊細な操作が求められるポルシェとは異なり、多少荒っぽい操作でも受け止めてくれる「懐の深さ」が魅力です。 ただし、その巨体ゆえにタイヤへの負担は大きく、レース後半でのタイヤマネジメントが勝負の鍵を握ります。
新旧コルベットの比較体験:FRからMRへの進化
このDLCの素晴らしい点は、シボレー・コルベットのC7.RとC8.Rの両方を乗り比べられることです。これは自動車工学の進化を体感できる貴重な教材でもあります。
【Chevrolet Corvette C7.R (2017)】 伝統的なロングノーズ・ショートデッキのスタイルを持つ最後の世代です。 フロントに巨大なV8エンジンを搭載し、リアタイヤを駆動します。 アクセルオンでのリアの沈み込み(スクワット)を感じながら、強大なトラクションで車を前に押し出す感覚は、クラシックなアメリカンGTの醍醐味です。 クロスプレーンクランク特有の「ドロドロ」とした重低音V8サウンドも健在で、音だけでご飯が食べられるというファンも多いでしょう。
【Chevrolet Corvette C8.R (2020)】 エンジンを運転席の後ろ(ミッドシップ)に移動させた革命児です。 これにより、回頭性が劇的に向上しました。C7.Rではワンテンポ遅れて反応していたようなシケインの切り返しでも、C8.Rは瞬時に反応します。 エンジンもフラットプレーンクランクに変更され、フェラーリのような甲高いサウンドへと変貌しました。 同じ「コルベット」という名前でありながら、レイアウトの違いがこれほどまでに挙動に影響するのかという点を、シミュレーターを通じて比較体験できるのは、PMRならではの楽しみ方です。
【Group 5 Revival Pack】伝説のシルエットフォーミュラ
続いて紹介するのは、往年のレースファンにはたまらない「Group 5 Revival Pack」です。 1970年代後半から80年代初頭にかけて世界中のサーキットを席巻した「グループ5」規定、通称「シルエットフォーミュラ」のマシンたちが収録されています。
このカテゴリーのコンセプトは「外観は市販車のシルエットを保つこと」でしたが、それ以外は大幅な改造が認められていました。 その結果、極端に巨大化されたオーバーフェンダー、路面に擦りそうなほど低いフロントスポイラー、そして車体からはみ出すほどの巨大なリアウィングを持つモンスターマシンたちが誕生しました。
収録車種一覧(Group 5 Revival Pack)
| メーカー | 車種名 | 年式 | 特記事項 |
|---|---|---|---|
| Ford | Capri Zakspeed Group 5 | 1980 | 1.4L/1.7L Turbo |
| Nissan | Skyline Super Silhouette | 1982 | 2.0L Turbo |
| Porsche | 935/80 | 1979 | Flat-6 Turbo |
| Nissan | 280 ZX IMSA GTX | 1982 | – |
| BMW | 320 Turbo Group 5 | 1978 | 2.0L Turbo |
注目のマシン解説:Nissan Skyline Super Silhouette
日本のファンにとって最も重要な一台は、間違いなく日産スカイライン・スーパーシルエットでしょう。 R30型スカイラインをベースに、空力パーツで武装したその姿は、当時のレース少年の憧れでした。長谷見昌弘選手がドライブし、その勇姿は今も語り草となっています。
【メカニズムの狂気】 直列4気筒DOHCターボエンジン(LZ20B型)から絞り出される570馬力以上のパワーは、現代のGT3マシンをも凌駕します。 当時のターボ技術は未熟で、「ドッカンターボ」と呼ばれる極端な出力特性を持っていました。 アクセルを踏んでもすぐには加速せず、数秒後に爆発的なパワーが唐突に発生するのです。
【ゲーム内でのドライビング】 ゲーム内での挙動は一言で言えば「暴れ馬」です。 コーナー出口に向けてアクセルを踏み込むタイミングを間違えると、ブーストがかかった瞬間にリアタイヤが一気に空転し、スピンモードに突入します。 ドライバーは「未来を予測して」アクセルを踏む必要があります。 また、アクセルオフ時にエキゾーストから激しく炎を吹き上げる「アフターファイア」も再現されており、視覚的な迫力も満点です。 このマシンをねじ伏せて好タイムを出せた時の達成感は、他のカテゴリーでは味わえません。
注目のマシン解説:Ford Capri Zakspeed Group 5
一方で、フォード・カプリ・ザクスピードは、よりテクニカルな走りが楽しめるマシンです。 ドイツのチューナー「ザクスピード」が手掛けたこのマシンは、1.4リッターないし1.7リッターという小排気量エンジンを搭載しています。 「そんな小さなエンジンで速いのか?」と思うかもしれませんが、巨大なKKK製ターボチャージャーによって過給され、リッターあたり300馬力近い出力を発揮していました。
【ゲーム内でのドライビング】 軽量なボディと巨大なダウンフォース相まって、コーナーリングスピードは非常に高いです。 まるでフォーミュラカーのようにコーナーを駆け抜けますが、エンジン特性はピーキーです。 パワーバンド(エンジンの力が発揮される回転数)が非常に狭いため、適切なギア選択をしないとコーナー出口で失速してしまいます。 PMRのリアルなトランスミッション挙動と相まって、シフト操作の正確性がタイムに直結する、玄人好みの仕上がりになっています。Hパターンシフトとクラッチペダルを駆使して走らせたい一台です。
クラス別収録車種徹底解説|往年の名車から最新マシンまで
DLC以外にも、PMRには全70車種以上が収録されており、10のクラスに分類されています。 ここでは、基本パッケージに含まれる主要なクラスと、その代表的な車種、そしてゲーム内での立ち位置について解説していきます。
Group C:黄金時代のモンスターマシン
1980年代から90年代初頭にかけての耐久レース黄金期を象徴するカテゴリーです。 現代のLMP1マシンにも匹敵するラップタイムを叩き出すモンスターたちですが、電子制御デバイス(ABSやトラクションコントロール)はほとんど搭載されていません。
- Mazda 787B (1991) 日本車として初のル・マン総合優勝を果たした記念碑的モデル。 4ローター・ロータリーエンジン(R26B)の超高回転サウンドは、PMRのサウンドエンジンによって「楽器」のような美しさで再現されています。 低回転トルクが薄いため、常に高回転を維持するドライビングが求められます。シフトダウン時のブリッピング(回転合わせ)が決まった時の快感は格別です。
- Mercedes-Benz Sauber C9 (1989) 「シルバーアロー」の復活を告げたマシン。 V8ツインターボエンジンの強烈なトルクが特徴で、直線の長いサーキット(旧ル・マンのユノディエールなど)では時速400kmに迫る圧倒的な最高速を見せます。 アクセルワークに対する反応が鋭敏で、ラフな操作は即スピンにつながります。雨天時のコントロールは至難の業です。
- Jaguar XJR-9 (1990) 大排気量V12自然吸気エンジンを搭載。 ターボ車のようなラグがなく、アクセルペダルとリアタイヤが直結しているかのようなリニアな加速感が魅力です。 リアタイヤを覆うスパッツが空力的特徴で、高速コーナーでの安定感に寄与しています。
GT1:公道を走るレーシングカー
90年代後半のGTレースブームを牽引したカテゴリーです。 「ロードカーをベースにする」という規定がありましたが、メーカー各社は「レースカーを作ってから、それを1台だけロードカーに改造して登録する」という手法を取り始めました。 その結果生まれたのが、これらのモンスターマシンです。
- Mercedes-Benz CLK GTR 極めて低い車高と長い全長が特徴。 エアロダイナミクスが強力ですが、特定の条件下(丘の頂上など)ではフロントのリフトに注意が必要です。 かつてル・マンで宙を舞ったアクシデント(実際はCLRですが)を想起させるような、空力の危うさと隣り合わせの速さを体験できます。
- Toyota GT-One (TS020) 「トランクにスーツケースが入ればGTカー」という解釈の極致。 事実上のプロトタイプカーであり、その速さは当時のLMPクラスをも脅かしました。 非常にクイックなハンドリング特性を持っており、現代のフォーミュラカーに近い感覚でドライブできます。 赤い流線型のボディは美しく、フォトモードでの撮影対象としても人気が高いです。
Modern GT3:現代シムレーシングのスタンダード
現在のレースゲームで最も人気があり、プレイヤー人口も多いカテゴリーです。 ABSやトラクションコントロールが標準装備されており、アマチュアからプロまで幅広い層が楽しめる設計になっています。 PMRでは最新の2024年スペックのマシンも多数収録されています。
- Ferrari 296 GT3(未収録の可能性について) 現時点のリストにはフェラーリの名前がありません。 これはシムレーシング界隈でよくあるライセンス問題絡みと思われますが、コミュニティからは追加を望む声が非常に多く上がっています。 現時点では、ランボルギーニ・ウラカンやポルシェ911 GT3 R、BMW M4 GT3といったライバル車たちがしのぎを削ります。
- Ford Mustang GT3 2023 新たに登場したマスタングのGT3モデル。 大柄なボディとV8サウンドが特徴で、豪快な走りが楽しめます。 ショートホイールベースの車両に比べて縁石での安定性が高く、攻撃的なライン取りが可能です。
- Corvette Z06 GT3.R 2023 ミッドシップ化されたコルベットのGT3バージョン。 GTEクラスのC8.Rで培ったノウハウが投入されており、非常に高いコーナリング性能を誇ります。 世界中のプライベーターチームに使用されており、多様なカラーリング(リバリー)が楽しめるのも魅力です。
LMDh / LMH:ハイパーカー時代の幕開け
現在のWEC(世界耐久選手権)やIMSAのトップカテゴリーです。 ハイブリッドシステムを搭載しており、エンジン出力に加えてモーターアシストを活用した戦略的な走りが求められます。
- Toyota GR010 Hybrid 2023 ル・マン5連覇の王者。 フロントにモーターを搭載した四輪駆動システムによるトラクション性能が圧倒的です。 特にウェットコンディションや低速コーナーからの立ち上がりで、後輪駆動のライバルを置き去りにします。 ただし、高速域ではレギュレーションによりフロントモーターが使えないため、エネルギー管理が重要になります。
- Porsche 963 2023 LMDh規定で作られたポルシェの最新鋭機。 伝統のV8ツインターボエンジンを搭載し、信頼性と速さを兼ね備えています。 トヨタに比べてシステムがシンプルで車重配分が良く、軽快なハンドリングが持ち味です。 北米のIMSAシリーズでも活躍しており、バンピーな路面への追従性も高いです。
ゲーム内での挙動と物理エンジンの特徴:なぜPMRはリアルなのか
PMRの根幹を成す「Hadronエンジン」について、もう少し技術的な視点から解説しましょう。
タイヤモデルの革命「ソフトボディシミュレーション」
多くのレースゲームでは、タイヤを「硬い円盤」として扱い、グリップ係数という単純な数字で摩擦を計算していました。これだと、グリップの限界を超えた瞬間に唐突にスピンするといった挙動になりがちです。 PMRのHadronエンジンは、タイヤをゴムの塊(ソフトボディ)として計算しています。 コーナーで横Gがかかると、タイヤの接地面(コンタクトパッチ)が物理的に歪み、ねじれる様子がシミュレートされます。 プレイヤーは、ステアリングを通して「タイヤがよれて踏ん張っている感覚」や「限界を超えてズルズルと滑り出す感覚」を、グラデーションのように感じ取ることができます。 これにより、限界ギリギリの領域でコントロールする楽しさが格段に向上しています。
フォースフィードバック(FFB)の進化
ハンドル型コントローラー(ハンコン)を使用しているプレイヤーにとって、FFBの情報量は生命線です。 PMRのFFBは、単にハンドルが重くなるだけでなく、以下のような詳細な情報を伝えてきます。
- 路面のテクスチャ: アスファルトの粒状感や、コンクリート路面の継ぎ目。
- サスペンションの動き: 縁石に乗った際の突き上げや、荷重移動によるスプリングの伸縮。
- ABSの作動: ブレーキロック寸前にペダルやステアリングに伝わる微細な振動(脈動)。
特に、古いグループCカーやグループ5マシンのような、ダウンフォースとメカニカルグリップのバランスが極端な車を運転する際、フロントタイヤの接地感が抜ける(軽くなる)感覚や、リアがパワースライドし始める予兆を感じ取れることは、タイムアップに直結します。
天候変化と「生きた」路面
GIANTS Softwareのグラフィックエンジンは、環境変化の再現において真価を発揮します。 雨が降り始めると、コース上の低い部分に水たまりができ始めます。これは単なるテクスチャの変化ではなく、物理的な「深さ」を持った水たまりです。 そこに高速で突っ込むと、タイヤが水膜に乗って浮き上がる「ハイドロプレーニング現象」が発生します。ステアリングの手応えがフッと消える恐怖感は、シムレーサーなら誰もが鳥肌を立てる瞬間です。 雨が止むと、走行ライン上から徐々に路面が乾いていく「ドライライン」が出現します。 まだ濡れている部分と乾いた部分を跨ぐ時のグリップ変化もリアルに再現されており、レース戦略(いつスリックタイヤに交換するか)に深みを与えています。
今後のDLC展開とコミュニティの期待
現在公開されているリストは非常に魅力的ですが、コミュニティからはさらなる車種追加への要望が絶えません。 特にコメント欄やSNSで多く見られるのは、以下の車種やカテゴリーへの期待です。
フェラーリ不在への反応と期待
リストを見て「フェラーリがない」と気づいた方も多いでしょう。 499P(ハイパーカー)や296 GT3といった最新モデルはもちろん、F40 LMや512 BB LMといったヒストリックカーの追加を望む声は根強いです。 Straight4 Studiosは過去にフェラーリとのライセンス契約を実現させた実績があるため、発売後のサプライズ、あるいは大型DLCとしての追加に期待が高まっています。
ブリティッシュGT選手権への憧憬
また、あるユーザーが指摘していたように、1998年から2005年頃のブリティッシュGT選手権に参戦していたレアなマシンの追加も熱望されています。 例えば、Sintura S99 GTSやLister Storm GTLといった、マイナーながらもカルト的な人気を誇る車種です。 PMRは「2004-2005年のFIA GT選手権」をフィーチャーしているため、この時代のニッチなマシンがDLCとして登場する可能性は十分に考えられます。
ヒストリックサーキットの導入
車種だけでなく、コースの追加も重要です。 現在28種類のレイアウトが発表されていますが、マニアックな車種に合わせて、当時のレイアウトを再現したヒストリックサーキットが求められています。 シケインのないモンツァ・サーキットや、森の中を駆け抜ける旧ホッケンハイムリンクなどが追加されれば、最高速重視のグループCカーやグループ5マシンのポテンシャルを、当時のドライバーと同じ視点で楽しめるはずです。
まとめ
Project Motor Racingは、単なる新作レースゲームではなく、シムレーシングの歴史に対するリスペクトと、最新技術の融合を目指した意欲作です。 イアン・ベル氏が「GTR 2の精神的続編」と呼ぶにふさわしい、硬派で奥深い世界が広がっています。
今回紹介したDLCや収録車種は、どれも開発チームの強いこだわりを感じさせるラインナップとなっています。 特に予約特典の「GTE Decade Pack」とDLCの「Group 5 Revival Pack」は、異なる時代のレーシングカーの魅力を凝縮したパッケージであり、手に入れる価値は十分にあります。 最新のGT3マシンでオンラインレースを楽しむもよし、雨の夜のル・マンで孤独にグループCカーを走らせるもよし。多様な遊び方がプレイヤーを待っています。
最後に、今回の記事のポイントを整理します。
・往年の名車から最新プロトタイプまで70台以上を網羅 ・GTEパックでは新旧コルベットの挙動差やポルシェの進化を体感可能 ・グループ5マシンは強烈なターボラグとパワーをねじ伏せる快感がある ・物理エンジンはタイヤの変形や路面状況をリアルタイムにシミュレート
発売日の2025年11月25日まであと少し。 ハンコンのセットアップを済ませ、これら名車たちをステアリングでねじ伏せる瞬間を楽しみに待ちましょう。 あなたのガレージに、どのマシンを迎え入れるかは決まりましたか? この記事が、あなたのProject Motor Racingライフのスタートダッシュに役立つことを願っています。








