編集デスク ゲーム攻略ライターの桐谷シンジです。今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、ZAバトルクラブのランクマッチで流行しているドリュウズの突破方法が分からず、パーティ構築や立ち回りで悩んでいることと思います。
この記事を読み終える頃には、ドリュウズに対する明確な対策
- ドリュウズの強みである型破りとすなかきへの理解
- タイプ相性と特性「がんじょう」で完封するエアームドの運用法
- 天候操作で有利を取るメガリザードンYの活用
- 先制技と耐久調整で殴り勝つローブシンの育成
それでは解説していきます。
ZAバトルクラブでドリュウズが環境トップに君臨する理由
まず対策を立てる前に、なぜ今作の「ZAバトルクラブ」においてドリュウズがこれほどまでに猛威を振るっているのか、その本質的な理由を分解して理解しておく必要があります。敵を知らずして勝利はあり得ません。多くのプレイヤーが単に「地面・鋼タイプだから強い」という認識で止まっていますが、ランクマ上位帯ではより深い理由で採用されています。
優秀すぎる耐性と攻撃範囲の両立
ドリュウズの最大の魅力は、その複合タイプ「じめん・はがね」にあります。この組み合わせは、攻撃面でも防御面でも非常に隙が少ないのが特徴です。防御面では、どく、でんきの一貫を切りつつ、環境に多いフェアリー、ドラゴン、エスパー、ノーマル、ひこう、むし、いわ、はがねに対して耐性を持っています。これだけの耐性があれば、後出しから有利対面を作ることが容易です。
攻撃面に目を向けると、タイプ一致の「じしん」と「アイアンヘッド」だけで、等倍以上でダメージを与えられる範囲が非常に広いのです。特に今作はカロス地方が舞台ということもあり、フェアリータイプが多く採用される環境です。そこに刺さる「アイアンヘッド」の高火力は、フェアリー主体のパーティにとって脅威以外の何物でもありません。
特性「かたやぶり」による浮遊潰し
多くのトレーナーを苦しめているのが、この特性「かたやぶり」の存在です。通常、じめん技は「ふゆう」特性を持つロトムやマタドガスなどには無効化されます。しかし、かたやぶりドリュウズの前ではその常識が通用しません。
「ウォッシュロトムで受ければ安定」と考えて後出しした瞬間に、かたやぶり補正の乗った「じしん」が直撃し、サイクルが崩壊するというケースが後を絶ちません。この「相手の特性を無視して攻撃できる」という性能が、ドリュウズの受けを極めて困難にさせているのです。特にミミッキュの「ばけのかわ」や、がんじょう持ちのポケモンを一撃で処理できる点は、対面性能を底上げしている大きな要因と言えるでしょう。
砂パにおける絶対的エース「すなかき」
もう一つの脅威が、天候を「すなあらし」状態にすることで素早さが2倍になる特性「すなかき」です。バンギラスやカバルドンといった砂起こし要員と組ませることで、環境に存在するほぼ全てのポケモンの上を取ることが可能になります。
ZAの環境ではメガシンカポケモンが多く、素早さのインフレが起きていますが、すなかき発動中のドリュウズはそれらをも凌駕します。上からの「いわなだれ」による怯み狙いも含め、一度展開されると止める手立てが限られてしまうのが、この型が「砂パのエース」と呼ばれる所以です。
「つのドリル」による受けループ破壊
耐久型のポケモンで数値受けをしようとしても、ドリュウズには一撃必殺技「つのドリル」があります。これにより、本来であればドリュウズを受け切れるはずのポリゴン2やラッキーといった高耐久ポケモンであっても、30%の確率で強引に突破されてしまいます。
ランクマッチにおいて「30%の負け筋」を常に押し付けられるというのは精神的にもプレッシャーがかかります。また、こうそくスピンの素早さ上昇効果と合わせることで、試行回数を稼がれるケースもあり、受け思考のパーティに対する強烈なメタとして機能しています。
メガシンカ環境に対するメタ性能
レジェンズZ-Aの特徴である「メガシンカ」の復権も、ドリュウズには追い風です。環境に多いメガクチート、メガゲンガー、メガサーナイトといった強力なメガシンカポケモンに対し、タイプ相性や素早さ関係で有利を取りやすいのです。
特にメガクチートに対しては、相手の「ふいうち」を透かしつつ、上からの「じしん」で致命傷を与えられます。メガシンカ枠を使わずに、相手のメガシンカ枠を処理できるスペックを持っていることが、採用率の高さを支えています。
持ち物の選択肢による型の読みにくさ
「こだわりスカーフ」を持たせて奇襲をかける型、「きあいのタスキ」を行動保証にしてステロを撒く型、「いのちのたま」や「ジメンZ(※もしあれば)」のような火力特化型など、持ち物によって役割が大きく変わります。
対面した瞬間に「どの型のドリュウズか?」を判別するのが難しく、スカーフだと思って交代したら剣の舞を積まれたり、耐久型だと思って挑発を入れたらアタッカーだったりと、情報の非対称性を利用した戦術が取れるのも厄介な点です。
ダイマックス(※過去作要素)なき後の制圧力
(※Z-Aの仕様によりますが、純粋な殴り合いを想定) ダイマックスによる耐久上昇がない環境下では、ドリュウズのA135族から放たれる一致技の通りが非常によくなります。純粋な数値の殴り合いにおいて、この攻撃種族値は正義であり、半端な耐久調整のポケモンでは受け出しが成立しません。
ドリュウズを完封・対策できるおすすめポケモン
ここからは、実際に私がランクマッチで使用し、高い勝率を維持できている「対ドリュウズ」に特化したポケモンたちを紹介します。ドリュウズ対策は「数値で受ける」か「タイプで無効化する」か「上から叩く」の3パターンに分類されます。
エアームド(鉄壁の物理受けとドリル無効)
カロス地方における物理受けの筆頭であり、ドリュウズ対策としてこれ以上ない性能を持っています。タイプが「はがね・ひこう」であるため、ドリュウズの主力技である「じしん(無効)」「アイアンヘッド(半減)」を完封できます。
さらに最大の強みは特性「がんじょう」です。これにより、ドリュウズの最後の手である一撃必殺技「つのドリル」すら無効化します。事故死のリスクがゼロになるため、精神的にも非常に安定して立ち回ることが可能です。「てっぺき」を積んでからの「ボディプレス」で、逆にドリュウズを起点にしてしまいましょう。
育成のポイント 性格は「わんぱく」。努力値はHBぶっぱで物理耐久を最大化させます。持ち物は「ゴツゴツメット」がおすすめで、ドリュウズの接触技に対して定数ダメージを稼げます。
ウォッシュロトム(鬼火による機能停止)
かたやぶりドリュウズには弱いと前述しましたが、それはあくまで「後出し」の場合です。対面操作や立ち回り次第では、依然として強力な対策枠になります。特に「おにび」の存在が大きく、物理アタッカーであるドリュウズに火傷を負わせれば、その時点で機能停止に追い込めます。
さらに、水技「ハイドロポンプ」はドリュウズの弱点であり、H振りドリュウズ程度なら確定1発で持っていける火力があります。スカーフ型であれば上からハイドロポンプを撃てますし、オボン型であれば一発耐えてからの返しの攻撃が可能です。
運用のコツ ドリュウズ対面では「かたやぶりじしん」を警戒し、安易な居座りは危険ですが、シュカのみ(地面半減実)を持たせることで、対面性能を劇的に向上させることができます。
メガリザードンY(天候書き換えと特殊火力)
ドリュウズが「すなかき」型であった場合、天候を「ひざしがつよい(晴れ)」に変えてしまうメガリザードンYは天敵となります。メガシンカした瞬間に特性「ひでり」が発動し、砂嵐を解除してドリュウズの素早さ倍増効果を消し去ります。
素早さが通常に戻ったドリュウズに対して、C特化メガリザードンYの「かえんほうしゃ」や「オーバーヒート」はオーバーキル級の火力となります。ドリュウズ側が岩技を持っていたとしても、砂による特防上昇恩恵も消えているため、特殊耐久の薄いドリュウズはひとたまりもありません。
ローブシン(マッハパンチによる縛り)
ドリュウズよりも素早さが遅いですが、強力な先制技「マッハパンチ」を持つローブシンは、削れたドリュウズを縛るのに最適です。特性「てつのこぶし」や「こんじょう」による火力補正が乗ったマッハパンチは、ドリュウズの防御種族値では受けきれません。
また、ローブシン自体が物理耐久が高く、ドリュウズの攻撃を一発耐えてから「ドレインパンチ」で回復しつつ倒すという動きも可能です。たすき型ドリュウズに対しても、一度耐えて攻撃→マッハパンチという処理ルートが確立されています。
ギャラドス(威嚇とタイプ相性の制圧)
カロス地方でもお馴染みのギャラドスは、特性「いかく」により、場に出ただけでドリュウズの攻撃ランクを1段階下げることができます。さらに飛行タイプ複合のため、ドリュウズのメインウェポンである「じしん」を無効化(※かたやぶり型には注意が必要ですが、威嚇が入るため耐えやすくなります)できます。
タイプ一致の「たきのぼり」や「アクアテール」でドリュウズの弱点を突くことができ、メガシンカすれば「かたやぶり」による地震も等倍で受け止めつつ、圧倒的な火力で粉砕可能です。
ゲッコウガ(変幻自在と水手裏剣)
カロス地方の御三家であるゲッコウガも、対策として機能します。特に高い素早さからの水技は脅威です。先制技「みずしゅりけん」があれば、すなかき発動中のドリュウズや、スカーフドリュウズに対しても先制してダメージを与えられます。
また、「きあいのタスキ」を持たせることで、ドリュウズの攻撃を一度耐えてからの「なみのり」や「ハイドロポンプ」での返り討ちが可能です。夢特性「へんげんじざい」であれば、相手の技に合わせてタイプを変え、ダメージを軽減するテクニカルな立ち回りも狙えます。
メガヘラクロス(連続技でタスキごと貫通)
カロス図鑑に登場するヘラクロスは、メガシンカすることで特性が「スキルリンク」に変化します。これにより「タネマシンガン」や「ミサイルばり」が必ず5回当たるようになります。
ドリュウズが「きあいのタスキ」を持っていたとしても、連続技であれば貫通してそのまま倒し切ることが可能です。また、タイプ一致の格闘技「インファイト」もドリュウズに刺さります。耐久も大幅に上がるため、ドリュウズの攻撃を一発耐える余裕があるのも強みです。
ランクマでのドリュウズ入り構築への立ち回り方
対策ポケモンを用意するだけでは不十分です。実際のバトルでは、相手もこちらの対策を読んで行動してきます。ここでは、実戦で役立つ立ち回りのセオリーを解説します。
初手ドリュウズの傾向と対策
初手にドリュウズが出てくる場合、以下の2つのパターンが多いです。
- ステロ撒き型(きあいのタスキ): 「ステルスロック」を撒いて後続のエースを通しやすくするサポート役。
- スカーフ奇襲型: 初手に出てきやすいロトムやコケコなどを上から狩る役割。
この場合、こちらは「連続技持ち(メガヘラクロスやパルシェン)」を初手に合わせるか、ステロを撒かれても痛くない、かつドリュウズを一撃で倒せるポケモン(スカーフ持ちの霊獣ランドロスなど、あるいはゲッコウガ)を合わせるのが正解です。安易に積み技を使うと、「つのドリル」や高火力技で出落ちするリスクがあるので注意しましょう。
砂嵐ターンの管理
相手がバンギラスやカバルドンといった砂始動要員とドリュウズを選出している場合、「すなかき」による全抜きを狙っています。ここで重要なのは「砂嵐のターン管理(5ターン、岩なら8ターン)」です。
相手が砂を展開した直後はドリュウズが最強の状態なので、まともに殴り合ってはいけません。以下の方法でターンを枯らすのが定石です。
- 「まもる」や「みがわり」を持つポケモンで時間を稼ぐ。
- 耐久の高いポケモン(ポリゴン2やエアームド)に交代し、壁にする。
- 自身の天候技(あまごい、日本晴れ)や特性(ひでり、あめふらし)で天候を上書きする。
砂さえ止んでしまえば、ドリュウズの素早さは並程度(最速でも実数値154)に戻ります。こうなれば、ゲッコウガやマニューラなどの高速アタッカーで上から処理できます。
相手の「かたやぶり」を逆手に取る
「かたやぶり」はこちらの特性を無視しますが、逆に言えば「ドリュウズ自身の防御面にはプラスに働かない」特性でもあります。例えば、威嚇は入りますし、接触時の静電気やゴツメダメージも入ります。
また、かたやぶりドリュウズは「すなかき」ではないため、素早さは努力値と持ち物に依存します。スカーフでなければ最速でも100族と同速対決にはなりません。スカーフ判別(初手の行動順など)ができれば、上から叩くルートが見えてきます。
一撃必殺「つのドリル」へのメンタルケア
どれだけ完璧に対策しても、30%の確率で飛んでくる「つのドリル」だけは防ぎようがない場面があります(ゴーストタイプ以外)。これに対する回答は「試行回数を与えない」ことに尽きます。
ドリュウズに対して「有利だから」といって、火力の低い受けポケモンでダラダラとサイクルを回していると、相手は「崩せないからドリル連打」という思考に切り替えます。試行回数を稼がれればいつか当たります。ですので、ドリュウズに対しては「受け」よりも「攻め」の意識を持ち、早期決着を目指すプレイングが、結果的に被弾率を下げることに繋がります。
選出画面での見極め
相手のパーティに「バンギラス」「カバルドン」がいるか? → いるなら「すなかき」エース運用の可能性大。天候対策と物理受けを選出。
相手のパーティに「ロトム」「ミミッキュ」に強いポケモンが少ないか? → 少ないなら「かたやぶり」で補完している可能性大。浮遊に頼らない選出を心がける。
相手にステロを撒きそうな他のポケモン(ガブリアス、ナットレイ等)がいないか? → いないならドリュウズがステロ役の可能性あり。ちょうはつ持ちを初手に置く検討を。
ドリュウズ対策ポケモンの努力値調整例
具体的な数値調整を知りたいという声にお応えして、私が実際に使用している調整案を公開します。
エアームド(対ドリュウズ特化)
- 性格: わんぱく(防御↑ 特攻↓)
- 特性: がんじょう
- 持ち物: ゴツゴツメット
- 努力値: H252 B252 S4
- 実数値: H172 A100 B211 C- D90 S91
- 技構成: ボディプレス / ドリルくちばし / てっぺき / はねやすめ
解説 物理耐久に特化させることで、A特化ドリュウズの攻撃を余裕を持って受けられます。特性「がんじょう」のおかげで、一撃必殺の事故もありません。鉄壁を積んでボディプレスの火力を上げれば、遂行速度も確保できます。
ウォッシュロトム(物理流しオボン型)
- 性格: ずぶとい(防御↑ 攻撃↓)
- 特性: ふゆう
- 持ち物: オボンのみ(またはシュカのみ)
- 努力値: H252 B196 C60
- 技構成: ハイドロポンプ / 10まんボルト / おにび / ボルトチェンジ
解説 HBベースに厚く振ることで、かたやぶりドリュウズの攻撃を耐える確率を上げます。C60振りは、無振りドリュウズをハイドロポンプで確1にするラインの調整です(乱数含む)。シュカのみを持たせれば、より安定して「おにび」を入れることができます。
メガリザードンY(砂対策CSぶっぱ)
- 性格: おくびょう(素早さ↑ 攻撃↓)
- 特性: もうか → ひでり
- 持ち物: リザードナイトY
- 努力値: CS252 B4
- 技構成: かえんほうしゃ / ソーラービーム / エアスラッシュ / きあいだま
解説 単純明快なCSぶっぱですが、これが最も強いです。臆病最速にすることで、準速ドリュウズ(S実数値140)を上回る実数値167を確保します。天候を奪った上で、上から超火力を叩き込む、まさに「力こそパワー」な調整です。
まとめ
今回の記事では、ZAバトルクラブにおけるドリュウズ対策について徹底解説しました。
ドリュウズは「かたやぶり」と「すなかき」という強力な特性を持ち、優秀な耐性と火力を兼ね備えたトップメタの一角です。しかし、明確な弱点や苦手な相手も存在します。
- エアームドで完封する: 特性「がんじょう」で一撃必殺も無効化する完璧な受け。
- 天候を操作する: メガリザードンYなどで砂嵐を解除し、ドリュウズの足を止める。
- 上から縛る: マッハパンチ持ちやスカーフ持ちで、行動される前に叩く。
- 特性を過信しない: かたやぶりを常に警戒し、ロトムなどの浮遊枠に頼りすぎない。
これらの要素を意識してパーティを組めば、今まで苦戦していたドリュウズ入り構築に対しても、自信を持って選出し、勝利を掴むことができるはずです。
最後に、対策ポケモンを育成したら、まずはカジュアルマッチなどで使用感を確かめてみることをお勧めします。ダメージ感覚を養うことで、ランクマッチ本番でのプレイングミスを減らすことができます。
皆さんのZAバトルクラブでの健闘を祈っています。また次回の記事でお会いしましょう。






