ゲーム評論家の桐谷シンジです。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、「レジェンズZA」の通信交換で意図せず改造ポケモンを受け取ってしまい、どうすれば良いか不安に感じているのではないでしょうか。 私も多くのゲームをプレイしてきましたが、オンライン機能が充実すればするほど、こうしたグレーな存在との遭遇は避けられない問題となります。

この記事を読み終える頃には、改造ポケモンに関する正しい知識と、万が一受け取ってしまった際の冷静な対処法についての疑問が解決しているはずです。
- 改造ポケモンの具体的な見分け方
- 改造ポケモンを受け取る潜在的リスク
- 受け取った場合の唯一かつ最善の対処法
- 改造ポケモンを未然に防ぐための予防策
それでは解説していきます。



改造ポケモンとは?その危険性と見分け方を解説
まずは根本的な部分から解説します。 通信交換で送られてきたポケモンが「何かおかしい」と感じた時、それが本当に改造ポケモンなのか、そしてどのような危険があるのかを正しく理解することが、冷静な対処への第一歩です。
そもそも改造ポケモンとは何か?
改造ポケモンとは、本来のゲームプレイでは入手不可能なデータを持つ、不正に改ざんされたポケモンの総称です。 専用のツールやソフトウェアを使い、ポケモンのステータス、技、色違いの有無、捕まえたボールの種類、親の名前といったデータを意図的に書き換えて作られます。

これらは、通常のプレイで地道に厳選や育成を行ったポケモンとは全くの別物です。 ゲームのプログラムが想定していない、いわば「ルール違反」のデータによって構成されています。 そのため、ゲームの正常な動作を妨げる可能性を秘めた、非常に厄介な存在と言えるでしょう。
なぜ改造ポケモンが出回るのか?その目的
改造ポケモンを作成し、配布する目的は様々ですが、主に以下のような理由が挙げられます。
- 自己顕示欲: 他のプレイヤーが入手できないような珍しいポケモンを簡単に見せびらかしたい、という欲求です。
- 営利目的: 海外では、改造ポケモンを生成し、オンライン上で販売して利益を得ている悪質な業者も存在します。特に、珍しい色違いの伝説ポケモンなどは高値で取引されるケースがあります。
- 嫌がらせ: 他のプレイヤーのセーブデータを破壊したり、不快な思いをさせたりすることを目的とした、悪意のある配布です。親の名前に不適切な言葉や宣伝用のURLなどが設定されている場合は、このケースが疑われます。
- 実験的好奇心: ゲームのデータをどこまで改変できるか、という技術的な興味本位で作成されることもあります。
いずれの目的にせよ、ゲームの利用規約に違反する不正行為であることに変わりはありません。
改造ポケモンの具体的な見分け方
「このポケモン、もしかして改造かも?」と感じた時にチェックすべきポイントを具体的に解説します。 一つでも当てはまれば、改造の可能性が高いと判断して良いでしょう。
見分け方のポイント一覧
チェック項目 | 正常な状態 | 改造が疑われる状態 |
---|---|---|
親の名前 (OT) | 通常のプレイヤー名 | WebサイトのURL、宣伝文句、不自然な文字列 |
覚えている技 | レベルアップや技マシンで覚える技 | 本来覚えないはずの強力な技(例:ピカチュウが「はどうだん」) |
ステータス | 努力値や個体値に基づいた正常な値 | HPや攻撃力などが異常に高い(例:レベル50でHP999) |
入っているボール | ゲーム内で入手可能なボール | 通常ではあり得ない組み合わせ(例:プレシャスボール入りのコラッタ) |
色違い | 非常に低い確率で出現 | プレシャスボール入りなのに色違い、配布ポケモンが色違いなど |
出会った場所 | 本来そのポケモンが出現する場所 | ありえない場所(例:ミアレシティでミュウツーを捕獲) |
リボンの種類 | 通常プレイで入手できるリボン | 配布限定リボンなどが不自然についている |
特に注意すべきは「親の名前」です。 「○○.com」や「○○TV」といった形式の親名は、改造ポケモンを配布しているサイトや配信者の名前である可能性が極めて高く、最も分かりやすい判断基準の一つです。 また、本来は特別なイベントでのみ配布される「プレシャスボール」に、野生で出現するような一般的なポケモンが入っている場合も、100%改造と断定できます。
改造ポケモンを受け取ることの危険性
改造ポケモンを自分のデータ内に保持することには、いくつかの深刻なリスクが伴います。 「ただ持っているだけなら大丈夫だろう」と安易に考えるのは非常に危険です。
セーブデータ破損のリスク
最も恐ろしいリスクが、セーブデータの破損です。 前述の通り、改造ポケモンはゲームが想定していない不正なデータです。 このようなデータがボックス内に存在することで、ゲームプログラムに予期せぬエラーを引き起こし、最悪の場合、セーブデータが読み込めなくなる可能性があります。
一度破損したセーブデータは、基本的に復旧できません。 何百時間もかけて集めたポケモンや、共に旅をした思い出が、一瞬で消え去ってしまうリスクがあるのです。
オンライン機能の利用停止(アカウントBAN)のリスク
任天堂や株式会社ポケモンは、利用規約でデータの改造を明確に禁止しています。 改造ポケモンを意図せず受け取っただけで即座にペナルティが課される可能性は低いですが、そのポケモンを使ってオンライン対戦に参加したり、他のプレイヤーとの交換に出したりした場合、不正行為と見なされる可能性があります。
サーバー側で不正なデータが検知された場合、アカウントが一時的または永久に利用停止(BAN)され、『レジェンズZA』だけでなく、他のゲームのオンライン機能も利用できなくなる恐れがあります。
レジェンズZAにおける改造ポケモンの現状
『レジェンズZA』は発売からまだ日が浅いですが、過去のシリーズ同様、残念ながら既に改造ポケモンが出回り始めています。 特に、誰とでも手軽に交換できる「通信交換コード」や、ランダムにポケモンが送られてくる「マジカル交換(サプライズ交換)」は、改造ポケモンの温床となりやすいのが実情です。
開発側も対策を講じてはいますが、改造技術とのいたちごっこになっており、プレイヤー一人ひとりが自衛の意識を持つことが不可欠です。
【最重要】改造ポケモンを受け取ってしまった場合の正しい対処法
通信交換で「怪しい」ポケモンを受け取ってしまったら、誰でも不安になるものです。 しかし、パニックになる必要はありません。 これから解説する手順に従って、冷静かつ迅速に行動してください。
パニックにならないで!まずやるべきこと
交換が完了し、手元のポケモンが改造だと気づいた瞬間、まず深呼吸をしてください。 焦ってソフトをリセットしたり、Switch本体の電源を切ったりする必要は全くありません。

改造ポケモンがボックスに転送された時点では、まだセーブデータに深刻なダメージが及んでいる可能性は低いです。 重要なのは、その後の行動です。
対処法①:速やかにポケモンを逃がす
改造ポケモンを受け取ってしまった場合の、唯一にして最善の対処法。 それは、**「速やかにそのポケモンを逃がす」**ことです。
ボックスを開き、該当のポケモンを選択して「逃がす」を選んでください。 「本当に逃がしますか?」という確認メッセージが表示されますが、一切ためらう必要はありません。 「はい」を選択し、自分のゲームデータから完全に消去してください。
なぜ逃がすべきなのか?その理由を徹底解説
「もったいない」「珍しいから持っておきたい」という気持ちが湧くかもしれませんが、その感情は非常に危険です。 改造ポケモンを保持し続けることは、時限爆弾を抱えているのと同じです。
- データ破損のリスクを根絶するため: 存在するだけでリスクとなる不正なデータを、ゲーム内から完全に削除することが最も安全です。
- 誤って使用するのを防ぐため: ボックスに置いておくと、うっかりパーティに入れてしまったり、交換に出してしまったりする可能性があります。二次被害を防ぐためにも、即座に逃がすのが賢明です。
- 精神的な安心のため: 「このデータは大丈夫だろうか」と不安を抱えながらプレイを続けるのは、精神衛生上よくありません。原因を断ち切ることで、安心してゲームに集中できます。
改造ポケモンは、たとえ見た目が華やかでステータスが高くても、それは偽りの姿です。 ゲームの世界における「関わってはいけない存在」と割り切り、きっぱりと別れを告げましょう。
対処法②:絶対にオンライン対戦や交換で使わない
これは当然のことですが、念のため強調しておきます。 改造ポケモンを、ランクバトルなどのオンライン対戦や、他のプレイヤーとの通信交換に絶対に使用しないでください。
これは明確な利用規約違反であり、アカウントBANに直結する非常にリスクの高い行為です。 また、あなたが改造ポケモンを交換に出すことで、被害がさらに拡大してしまいます。 不正の連鎖を断ち切るためにも、責任を持って自分の代で処分(逃がす)することが、コミュニティの一員としてのマナーです。
対処法③:ソフトのリセットは必要か?
結論から言うと、ソフトのリセットは不要です。
改造ポケモンを逃がしさえすれば、不正なデータはあなたのゲームから消去されます。 わざわざゲームの進行状況を最初からやり直す必要はありません。
焦って初期化してしまうと、これまで育ててきた正規のポケモンたちまで失うことになり、それこそ本末転倒です。 「逃がす」という操作だけで十分安全だと認識してください。
任天堂やゲームフリークへの報告は必要?
現状、プレイヤー側から個別の改造ポケモンを報告するための専用窓口は設けられていません。 そのため、ユーザーが個別に「このプレイヤーから改造ポケモンを受け取りました」と報告する必要はありませんし、その義務もありません。
開発側はサーバーログなどで不正行為を監視しており、大規模な不正行為者に対しては然るべき対応を取っています。 私たちプレイヤーができる最善の策は、前述の通り、受け取った不正なデータを速やかに自分のデータから削除することです。
改造ポケモンを未然に防ぐための予防策
最善の策は、そもそも改造ポケモンを受け取らないことです。 完全な防御は難しいですが、リスクを大幅に減らすための予防策は存在します。 日頃から意識して、安全なポケモンライフを送りましょう。
通信交換コードの利用シーンを見極める
本レビューのテーマでもある「通信交換コード」は、図鑑埋めなど特定の目的を持つプレイヤー同士が手軽にマッチングできる非常に便利なシステムです。 しかし、その手軽さゆえに、素性の知れない相手と繋がる可能性も高くなります。

特に、通信進化が目的ではなく、珍しいポケモン(色違いや伝説など)の交換を持ちかけるようなコードには注意が必要です。 基本的には、「ゴースト⇄ゴースト」のような、お互いが図鑑埋めのために進化させる、といった明確な目的を持つ交換にのみ利用を限定するのが賢明です。
改造ポケモンの温床となりやすい「マジカル交換」のリスク
不特定多数の相手とランダムにポケモンを交換する「マジカル交換(サプライズ交換)」は、改造ポケモンとの遭遇率が最も高い場所と言っても過言ではありません。
特に海外のプレイヤーからは、親の名前がURLになっている改造ポケモンが頻繁に流れてきます。 マジカル交換を利用する際は、「改造ポケモンが流れてくる可能性が非常に高い」ということを常に念頭に置き、送られてきたポケモンは必ずステータスを詳細にチェックする癖をつけましょう。 そして、少しでも怪しいと感じたら、ためらわずに逃がしてください。
安全な交換相手を見つける方法
最も安全なのは、やはり信頼できる友人と直接交換することです。 しかし、周りにプレイしている友人がいない場合も多いでしょう。 その場合は、オンラインの交換掲示板を利用するのが次善の策となります。
掲示板利用時のチェックポイント
- 信頼できる大手サイトを利用する: Game8やGameWithといった、利用者が多く管理が行き届いている大手ゲーム攻略サイトの掲示板を利用しましょう。
- 相手のプロフィールや過去の投稿を確認する: 掲示板でのやり取りの履歴や、プロフィール情報から、相手が信頼できるプレイヤーかどうかをある程度判断できます。
- 交換条件を明確にする: 「国産の正規個体のみ」「改造個体はご遠慮ください」といった一文を募集内容に加えるだけでも、不正プレイヤーを遠ざける効果があります。
- 交換前に詳細を確認する: 交換が成立する前に、ポケモンのレベル、親名、ボールの種類などをチャットで確認し合うことで、トラブルを未然に防げます。
手間はかかりますが、貴重なポケモンを交換する場合や、安全性を最優先したい場合は、こうした手順を踏むことが非常に重要です。
通信交換コードの基本と安全な使い方
改造ポケモンのリスクを理解した上で、便利な「通信交換コード」を安全に活用する方法を再確認しておきましょう。 このシステムは、正しく使えば図鑑完成への強力な味方になります。
レジェンズZAの通信交換コードの仕組み
通信交換コードは、特定の8桁の数字(パスワード)を合言葉として入力することで、同じコードを入力した世界中のプレイヤーと自動的にマッチングする非公式のシステムです。 例えば、「ゴーストをゲンガーに進化させたい」プレイヤー同士が、コミュニティで暗黙的に決められたゴースト用のコードを入力し、お互いのゴーストを交換することで、双方の目的を達成します。
あくまでプレイヤー間の善意と共通の目的意識によって成り立っている文化であり、公式が保証するものではないことを理解しておく必要があります。
通信進化用のコード一覧(アイテム不要)
アイテムを持たせる必要がなく、交換するだけで進化するポケモン用の代表的なコードです。 利用者が多く、比較的スムーズにマッチングします。
交換に出すポケモン | 進化後のポケモン | 共通交換コード |
---|---|---|
ゴースト | ゲンガー | 0001-0001 |
ユンゲラー | フーディン | 0003-0003 |
ゴーリキー | カイリキー | 0007-0007 |
ゴローン | ゴローニャ | 0074-0074 |
ボクレー | オーロット | 0709-0709 |
アイテム進化用のコード一覧
特定のアイテムを持たせて交換することで進化するポケモン用のコードです。 交換前に、自分と相手のポケモンが正しくアイテムを持っているか確認することが非常に重要です。
交換に出すポケモン | 必要なアイテム | 進化後のポケモン | 共通交換コード |
---|---|---|---|
イワーク | メタルコート | ハガネール | 0208-0208 |
ストライク | メタルコート | ハッサム | 0212-0212 |
ニョロゾ | おうじゃのしるし | ニョロトノ | 0186-0186 |
ヤドン | おうじゃのしるし | ヤドキング | 0079-0079 |
交換時に相手のポケモンを確認する重要性
マッチングが成立すると、交換を確定する前に相手がどのポケモンを出しているかを確認する画面が表示されます。 この確認ステップが、改造ポケモンや意図しない交換を防ぐ最後の砦です。
- 目的のポケモンか?: ゴーストの交換のはずが、相手が全く違うポケモンを出していないか。
- アイテムは持っているか?: アイテム進化の場合、相手のポケモンの持ち物欄に正しいアイテムが表示されているか。
- 何か違和感はないか?: ポケモンの名前、親名、色違いの有無などを瞬時にチェックし、少しでも怪しいと感じたら、迷わずBボタンで交換をキャンセルしてください。
この一手間を惜しまないことが、自分の大切なデータを守る上で最も効果的なのです。
まとめ
今回は、『ポケモン レジェンズ Z-A』における改造ポケモンの問題と、その対処法について詳しく解説しました。 オンラインでの交流が不可欠な現代のゲームにおいて、こうした問題は避けて通れない道です。 しかし、正しい知識と冷静な判断力があれば、過度に恐れる必要はありません。
本レビューの要点:
- 改造ポケモンは不正なデータであり、セーブデータ破損やアカウントBANのリスクがある。
- 親名がURL、ありえない技やボール、異常なステータスなどが主な見分け方。
- 万が一受け取ってしまったら、ためらわずに「逃がす」のが唯一の正しい対処法。
- ソフトのリセットや公式への報告は不要。逃がせばそれで解決。
- マジカル交換は特に注意し、通信交換コード利用時は相手のポケモンを必ず確認する。
便利な通信交換は、多くのプレイヤーの善意によって支えられています。 私たち一人ひとりがルールとマナーを守り、不正な存在には毅然とした態度で臨むことが、コミュニティ全体の安全と快適なプレイ環境を守ることに繋がります。
この記事が、あなたの不安を解消し、より安全で楽しいミアレシティでの冒険の一助となれば幸いです。 それでは、また次回のレビューでお会いしましょう。