ゲーム評論家の桐谷シンジです。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、2025年10月14日から開催されている待望の新作「ドラゴンクエスト スマッシュグロウ(スマグロ)」のクローズドβテスト(CBT)で育成したデータが、正式サービス開始後にどうなるのか、つまり引き継ぎは可能なのかという点が非常に気になっていると思います。

結論から言うと、今回のCBTのデータは引き継ぎできませんが、参加することで得られる大きなメリットも存在します。
この記事を読み終える頃には、スマグロのデータ引き継ぎに関する疑問はもちろん、正式サービス開始後にスムーズにプレイするための知識まで、すべて解決しているはずです。
- CBTのセーブデータは正式版へ引き継ぎ不可
- 引き継ぎができない理由とゲーム業界の慣例
- CBT参加者だけがもらえる豪華な限定特典
- 正式サービス開始後に必須となるデータ管理術
それでは解説していきます。

スマグロのクローズドβ(CBT)版データは正式サービスに引き継ぎできる?
多くのプレイヤーが時間と情熱を注いでプレイするCBT。 その成果が製品版にどう影響するのかは、誰もが知りたい最重要事項でしょう。 ここでは、スマグロのデータ引き継ぎに関する公式の見解と、その背景にある理由を深く掘り下げていきます。
結論:CBTのプレイデータは引き継ぎ不可
早速、核心からお伝えします。 残念ながら、今回のクローズドβテストでプレイしたデータは、正式サービス開始後には一切引き継がれません。

これは、スマグロの公式サイトで明確に発表されています。 レベル、入手したキャラクターや装備、クリアしたクエストの状況など、すべての進捗がCBT終了後にリセットされ、正式サービスでは全プレイヤーが同じ状態からスタートすることになります。
「せっかく育てたのに…」と肩を落とす気持ちは、ゲームを愛する者として痛いほどよくわかります。 しかし、これにはちゃんとした理由があるのです。 次の項目で、なぜデータを引き継ぐことができないのか、その理由を詳しく解説していきましょう。
なぜ?スマグロでデータが引き継がれない3つの主な理由
データが引き継がれないのには、プレイヤーが正式サービスをより快適に、そして公平に楽しむための重要な理由が隠されています。 これはスマグロに限った話ではなく、多くのオンラインゲームで採用されている一般的な方針です。
理由①:ゲームバランスの最終調整のため
CBTの最大の目的は、ゲームバランスの最終確認と調整です。 開発チームは、CBTで得られた膨大なプレイヤーデータを分析し、「特定のキャラクターが強すぎないか」「敵の硬さは適切か」「アイテムのドロップ率は快適か」といった点を細かくチェックします。
例えば、CBTで「このスキルが強力すぎて、他のキャラの出番がない」というフィードバックが多く寄せられた場合、正式サービスではそのスキルの性能が下方修正される可能性があります。 もしCBTのデータを引き継げてしまうと、修正前の強力なキャラクターやアイテムを所持したプレイヤーと、そうでないプレイヤーとの間に不公平が生まれてしまいます。 すべてのプレイヤーが調整後の完成されたゲームバランスで楽しめるよう、一度データをリセットする必要があるのです。
理由②:正式サービス開始時の公平性を保つため
もしCBTのデータが引き継がれると、CBTに参加できた一部のプレイヤーだけが、レベルや資産が圧倒的に有利な状況でゲームをスタートすることになります。 これは、CBTに参加できなかった大多数のプレイヤーにとっては非常に不公平です。
特に、ランキングを競うようなPvP(対人戦)コンテンツや、協力して強敵に挑むマルチプレイコンテンツが実装された場合、スタートラインの差は致命的になりかねません。 全プレイヤーが「よーいドン!」で一斉に冒険を始められる環境を整えること、これもまたデータをリセットする重要な理由の一つです。
理由③:致命的なバグや不具合の修正と影響をなくすため
CBTのもう一つの重要な役割は、プレイヤーに実際にプレイしてもらうことで、開発環境だけでは見つけきれなかった重大なバグや不具合を発見することです。
過去の様々なゲームでは、「特定の操作でアイテムが無限に増殖する」「ありえない量の経験値が手に入る」といった致命的なバグがCBTで発見された例が数多くあります。 万が一、このようなバグを利用して不正に強化されたデータが正式サービスに持ち越されてしまうと、ゲーム経済やバランスは崩壊し、サービスそのものの存続が危ぶまれる事態になりかねません。 そうしたリスクを完全に排除するためにも、一度すべてのデータをクリーンな状態に戻す必要があるのです。
他のスクエニ作品や人気スマホゲームのCBT事例
スマグロの「CBTデータ引き継ぎ不可」という方針は、決して珍しいものではありません。 むしろ、これが現在のスマホゲーム業界におけるスタンダードと言えます。 参考までに、スクウェア・エニックスの他タイトルや、他の人気タイトルのCBTがどうだったかを見てみましょう。
ゲームタイトル | CBTデータ引き継ぎ | 参加特典の有無 |
---|---|---|
ドラゴンクエスト スマッシュグロウ | 不可 | あり |
ドラゴンクエストウォーク | 不可 | あり |
ドラゴンクエストタクト | 不可 | あり |
ファイナルファンタジーVII エバークライシス | 不可 | あり |
ウマ娘 プリティーダービー | 不可 | あり |
原神 | 不可 | あり |
このように、国民的ヒット作のほとんどがCBTのデータを引き継がない方針をとっています。 その代わり、テストに協力してくれた感謝の印として、参加者限定の特典を配布するのが通例となっています。
引き継ぎはないけど無駄じゃない!CBTに参加する大きなメリット
データがリセットされると聞くと、「じゃあ、CBTをプレイする意味はないの?」と思うかもしれません。 しかし、それは大きな間違いです。 CBTへの参加には、データ引き継ぎ以上に価値のあるメリットがたくさんあります。
- 誰よりも早くゲームを体験できる 正式リリースを心待ちにしている話題の新作を、世界中の誰よりも早くプレイできるのは最大の特権です。 新しいドラクエの世界をいち早く冒険できる高揚感は、何物にも代えがたいものがあります。
- ゲーム開発に貢献できる あなたのプレイデータやアンケートを通じて送る意見・感想が、ゲームをより面白くするための貴重な資料となります。 自分のお気に入りのゲームを「育てていく」感覚を味わえるのも、CBTならではの醍醐味です。
- 参加者限定の豪華特典がもらえる 前述の通り、CBT参加者には正式サービス開始後に使用できる限定アイテムなどの特典が用意されています。 これはテストに参加した勇者の証であり、他のプレイヤーに少しだけ差をつけることができる嬉しいプレゼントです。
- 正式リリース後のスタートダッシュを有利に進められる これが最も実用的なメリットかもしれません。 CBTをプレイしておくことで、ゲームのシステム、キャラクターの特性、効率的な進め方などを事前に把握できます。 どのキャラクターを優先的に育てるべきか、どのクエストから始めるべきかといった知識は、正式サービスが始まった際のスタートダッシュにおいて絶大なアドバンテージとなるでしょう。
【重要】スマグロCBT参加特典と正式サービス後のデータ連携・セーブ方法
CBTのデータは引き継がれませんが、その代わりに用意されている参加特典や、来るべき正式サービス開始後に絶対に知っておくべきデータ管理術について解説します。 特にデータ連携は、大切なセーブデータを守るために必須の知識です。
判明しているCBT参加者特典まとめ
CBTに参加し、指定された条件(例:プレイヤーレベル10に到達)を達成することで、正式サービス開始後に以下の特典が配布されることが発表されています。
- CBTテスター限定称号
- CBTテスター限定アイコンフレーム
- ガチャチケット ×10枚
限定称号やアイコンフレームは、他のプレイヤーに「自分は初期からのコアなファンだ」とアピールできるアイテムです。 また、序盤においてガチャ10回分のアドバンテージは非常に大きく、強力なキャラクターや装備を入手できるチャンスが広がります。
特典の受け取り方(予想)
特典の受け取りは、おそらく「CBT参加時に使用した外部アカウント(スクエニ アカウントなど)で、正式サービス版にログインする」という形になるでしょう。 そのため、CBTに応募・参加した際にどのアカウントを使ったか、忘れないようにしっかりとメモしておくことが重要です。
正式サービス開始後のデータセーブ・バックアップ方法を予想
正式サービスが始まったら、まず最初に行うべきことがセーブデータのバックアップ設定です。 スマホの故障や紛失、アプリの不具合といった不慮の事故で、これまで育てたデータが一瞬で消えてしまう悲劇を防ぐために、必ずデータ連携を行いましょう。 スマグロで採用される可能性が高いデータ連携方法を、優先度順に解説します。
【最有力】スクウェア・エニックス アカウント連携
最も可能性が高く、そして最も推奨されるのが「スクウェア・エニックス アカウント」との連携です。 スクエニの多くのスマホゲームで採用されており、信頼性と利便性は折り紙付きです。
- メリット
- 異なるOS間でのデータ移行が可能(iPhoneからAndroid、AndroidからiPhoneなど)
- 複数の端末(スマホとタブレットなど)で同じデータを共有してプレイできる
- 機種変更時のデータ引き継ぎが非常にスムーズ
- アカウントさえ覚えていれば、万が一の際もデータを復旧できる可能性が高い
- 連携手順(予想)
- ゲーム内の「メニュー」や「設定」を開く
- 「データ連携」や「アカウント連携」といった項目を選択
- 「SQUARE ENIX ACCOUNTで連携」をタップ
- ブラウザが起動し、スクエニ アカウントのログインページが表示される
- IDとパスワードを入力してログインすれば連携完了
スクエニ アカウントをまだ持っていない方は、今のうちに無料で作成しておくことを強くお勧めします。
各OSのID(Apple ID / Google アカウント)との連携
次に考えられるのが、使用しているスマホのOSに紐づいたアカウントとの連携です。 iPhoneならApple ID、AndroidならGoogle アカウントでの連携がこれにあたります。
- メリット
- 普段使っているアカウントなので、IDやパスワードを忘れる心配が少ない
- 連携手順が非常に簡単で、数タップで完了することが多い
- デメリット
- 異なるOS間でのデータ移行ができない場合が多い(iPhone→Androidへの機種変更時にデータを引き継げない)
- OSのアカウント自体に問題が発生した場合、ゲームデータにも影響が及ぶ可能性がある
手軽ではありますが、将来的に異なるOSのスマホに機種変更する可能性が少しでもあるなら、スクエニ アカウントでの連携を選んだ方が賢明です。
引き継ぎコードとパスワードの発行は?
旧来のスマホゲームでよく見られた、一時的な「引き継ぎコード」と「パスワード」を発行する方法です。 近年ではアカウント連携が主流となり、この方法を採用するゲームは減少傾向にあります。
- デメリット
- 発行したコードとパスワードをスクリーンショットなどで保存しておく必要がある
- スクリーンショットを紛失したり、メモを忘れたりするとデータを復旧できない
- 引き継ぎコードには有効期限が設けられている場合が多い
- 一度使用すると無効になるため、機種変更のたびに再発行が必要
利便性や安全性の面から、スマグロでこの方法がメインになる可能性は低いと考えられますが、万が一に備えて、こうした形式も存在することを覚えておくと良いでしょう。
要注意!データ引き継ぎで失敗しないためのポイント
いざという時に「データが引き継げない!」と慌てないために、以下の点を心に留めておいてください。
- サービス開始直後は連携作業を忘れずに! ゲームに夢中になるあまり、データ連携を後回しにしてしまうのは危険です。 ゲームを始めたら、チュートリアルが終わった直後にでも連携設定を済ませてしまいましょう。
- 連携したアカウント情報は厳重に管理! スクエニ アカウントのID(メールアドレス)とパスワードは、絶対に忘れないようにパスワード管理アプリや手帳などに記録しておきましょう。
- 安易なアンインストールは禁物! ゲームの動作が少しおかしいからといって、データ連携が済んでいない状態でアプリをアンインストールすると、セーブデータが完全に消えてしまいます。 アンインストールは最終手段と考え、まずは公式サイトのお知らせなどを確認しましょう。
スマグロはどんなゲーム?CBTでわかった魅力と評判
データ引き継ぎの話から少し視野を広げて、CBTをプレイしてわかった「ドラゴンクエスト スマッシュグロウ」そのものの魅力や、プレイヤーからの評判についても触れておきましょう。
直感的で爽快な「スマッシュ・アクション」
スマグロの戦闘は、タップとスワイプを組み合わせた非常に直感的な操作で行われます。 キャラクターを引っ張って狙いを定め、敵にぶつけて攻撃する「スマッシュ・アクション」は、ビリヤードやモンスターストライクを彷彿とさせますが、そこにドラクエならではの戦略性が加わっています。 敵を吹き飛ばして壁に当てたり、仲間との連携でコンボを繋いだりする爽快感は格別で、ついつい何度もプレイしたくなる中毒性があります。
歴代ドラクエキャラクターが夢の共演
本作の大きな魅力の一つが、歴代「ドラゴンクエスト」シリーズのキャラクターたちがデフォルメされた可愛らしい姿で登場し、共に戦ってくれる点です。 「ダイの大冒険」のキャラクターなども参戦しており、シリーズの垣根を越えたドリームチームを編成して戦えるのは、ファンにとってたまらない要素と言えるでしょう。 CBTの段階でも多くのキャラクターが登場しており、今後のアップデートで誰が追加されるのか、期待が膨らみます。
CBT参加者のSNSでのリアルな声
SNS上では、CBT参加者から様々な意見が飛び交っています。
- ポジティブな意見
- 「操作が簡単で気持ちいい!敵が吹っ飛ぶのが最高に爽快!」
- 「キャラクターがとにかく可愛い。色々なキャラを集めて育てたくなる。」
- 「BGMが歴代の名曲ばかりでテンションが上がる。」
- 改善を期待する意見
- 「スタミナの消費が激しくて、もう少し長く遊びたい。」
- 「ガチャの提供割合が少し気になる。正式版で改善してほしい。」
- 「育成素材を集めるのが大変そう。」
こうしたプレイヤーのリアルな声が、正式サービスに向けての改善に繋がっていきます。 全体的には、ゲームのコア部分であるアクションの楽しさを評価する声が多く、期待の高さが伺えました。
まとめ
最後に、今回のレビューの要点を改めて確認しましょう。
- クローズドβテストのデータは、正式サービスには引き継がれない。
- 理由は「ゲームバランス調整」「公平性の確保」「バグ修正」のため。
- 引き継ぎはないが、CBT参加者には限定称号などの豪華特典が贈られる。
- CBTでゲームシステムを把握しておくことは、正式サービスでの大きなアドバンテージになる。
- 正式サービスが始まったら、何よりも先に「スクウェア・エニックス アカウント」でのデータ連携を済ませること。
CBTのデータがリセットされるのは少し残念ですが、それはスマグロが最高の形で私たちの元に届けられるための、いわば産みの苦しみのようなものです。 テストに参加できた方は、その貴重な経験を活かして正式サービスで最高のスタートダッシュを切りましょう。 参加できなかった方も、今回のレビューで解説したデータ管理術をしっかり覚えておけば、安心して冒険を始められるはずです。
一人のゲームファンとして、完成度が高まった「ドラゴンクエスト スマッシュグロウ」の正式リリースを心から楽しみにしています。