ゲーム評論家の桐谷シンジです。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、先日発表された『ドラゴンクエストVII リイマジンド』のグラフィックが、ご自身の期待と少し違ったと感じているのではないでしょうか。 国民的RPGの待望の再リメイクなだけに、「ドラクエ8や11のような美麗グラフィックになるのでは?」と心待ちにしていたファンも少なくないはずです。

しかし、公開されたのは温かみがありながらもデフォルメされた3Dポリゴンベースの映像でした。 このレビューでは、なぜこのグラフィックに賛否両論が巻き起こっているのか、そしてオリジナル版や3DS版から何が進化し、何が変わるのか、その全貌を徹底的に解説していきます。
この記事を読み終える頃には、『リイマジンド』に対する様々な意見や新たな魅力を理解し、購入を判断するための疑問が解決しているはずです。
- ポリゴンベースの新グラフィックへの賛否両論
- オリジナル版・3DS版からの進化と変更点
- 新システム「バースト」や刷新された職業システム
- シナリオ再編と追加要素への期待と不安
それでは解説していきます。

ドラクエ7リイマジンド発表!しかしグラフィックに賛否の声
2026年発売予定として突如発表された『ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち リイマジンド』。 数々の伝説とトラウマ(?)を生み出した名作の再リメイクに、多くのファンが歓喜の声を上げました。 しかし、その一方で公開された映像、特にグラフィック表現に対しては、ファンの間で大きな賛否両論が巻き起こっています。 まずは、その背景と具体的な内容について詳しく見ていきましょう。

発表の衝撃とファンの純粋な喜びの声
Nintendo Directで最初の映像が流れた瞬間、多くの視聴者が「何の新作だろう?」と思ったはずです。 しかし、特徴的なBGMと見覚えのある風景が映し出された時、それが『ドラゴンクエストVII』のリメイクであることに気づき、SNSは驚きと喜びの声で溢れかえりました。
- 「まさかの7リメイク!鳥肌が立った!」
- 「PS版も3DS版もプレイしたけど、またあの冒険ができるなんて嬉しすぎる」
- 「ボイス付きでキーファやマリベルが喋るのが楽しみ」
オリジナル版の発売から25年以上、3DS版からも10年以上が経過した今、最新ハードで名作が蘇るというニュースは、シリーズのファンにとってこれ以上ない朗報でした。 特に、フルボイス対応になる点は大きな注目を集め、キャラクターたちの魅力がさらに深まることへの期待が寄せられています。 石板探しの果てしない旅、重厚で心に深く刻まれるシナリオ、そして愛すべき仲間たちとの冒険が、現代の技術でどのように再構築されるのか。 その期待感は、発表直後の熱狂的な反応からも明らかでした。
なぜガッカリ?多くのファンが期待していたグラフィック
しかし、その熱狂と同時に、一部のファンからは戸惑いや落胆の声も上がり始めました。 その主な原因は、多くの人が想像していたものとは異なるグラフィックの方向性です。
近年、スクウェア・エニックスは『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』を「HD-2D」という美麗なドット絵と3D技術を融合させたスタイルでリメイクすることを発表していました。 このHD-2Dのクオリティが非常に高かったため、多くのファンは「今後のロトシリーズや天空シリーズのリメイクも、この路線で進むのではないか」と期待を寄せていました。
さらに、完全な3D作品に目を向ければ、『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』のような、鳥山明氏のイラストがそのまま動き出したかのような、リアル頭身で描かれるフォトリアルなアニメ調のグラフィックがあります。 特に海外市場も意識するならば、この路線が本命だと考えていたファンは少なくなかったでしょう。 「ドラクエ7の壮大な世界を、ドラクエ11のようなグラフィックで冒険したい」。 そんな夢を描いていたファンにとって、今回発表されたデフォルメされたポリゴンベースのグラフィックは、肩透かしを食らったように感じられたのです。
3Dポリゴンベース「ドールルック」とは?その特徴を解説
では、今回採用されたグラフィック「ドールルック」とは、具体的にどのようなものなのでしょうか。 公式の発表によると、「人形をスキャンしてキャラクターモデルを起こしている」とのことです。 映像を見ると、キャラクターは3〜4頭身ほどにデフォルメされており、粘土やフィギュアのような温かみのある質感が特徴です。

背景やフィールドも、キャラクターに合わせてミニチュアのジオラマのように作り込まれています。 全体的に、まるで精巧な人形劇や絵本の中の世界を冒険しているような、独特の雰囲気を持っています。 これは、フォトリアルな方向性とは真逆のアプローチであり、あえて「作り物感」を残すことで、ファンタジーの世界観を表現しようという意図が感じられます。 光の表現や水の質感などは最新技術が使われており、デフォルメされつつも非常にリッチな見た目に仕上がっています。
肯定的な意見:温かみのあるグラフィックへの評価
もちろん、この「ドールルック」を肯定的に捉える声も数多く存在します。
- 「絵本みたいで可愛いし、ドラクエ7の雰囲気に合っている」
- 「リアル路線より、このくらいデフォルメされている方がファンタジー感があって好き」
- 「キャラクターの表情が豊かで、感情が伝わってきやすい」
特に、オリジナル版の持つどこか物悲しく、寓話的なストーリーには、リアルすぎるグラフィックよりも、こうした温かみのある表現の方がマッチしているという意見は説得力があります。 また、キャラクターがデフォルメされていることで、プレイヤーが感情移入しやすくなるという側面もあるでしょう。 すべてをリアルに描くのではなく、あえて想像の余地を残すことで、プレイヤー一人ひとりの心の中にキャラクターが生き続ける。 そうした古き良きRPGのスタイルを、現代の技術で再解釈したのが「ドールルック」なのかもしれません。
否定的な意見:期待外れだったグラフィックへの批判
一方で、やはり否定的な意見も根強く残っています。
- 「スマホゲームみたいでチープに見える」
- 「PS5や次世代スイッチで出すクオリティではない」
- 「ドラクエ11のグラフィックでやりたかった。なぜ技術を退化させるのか」
これらの意見の根底にあるのは、「最新ハードの性能をフルに活かした、最高峰のグラフィックで遊びたい」という純粋な欲求です。 特に、フルプライスでの発売が予想される中で、グラフィックのクオリティが価格に見合っていないと感じるユーザーがいるのも無理はありません。 また、キャラクターのデフォルメ具合が、オリジナル版の鳥山明氏のイラストが持つシャープなイメージから離れていると感じる人もいるようです。 特に、シリアスなシーンでデフォルメされたキャラクターが登場することに違和感を覚えるのではないか、という懸念の声も見受けられます。
過去作のリメイクと比較して見えてくるもの
ここで、過去のドラクエリメイクと比較してみましょう。
作品名 | リメイク手法 | グラフィックの特徴 | ファンの反応 |
---|---|---|---|
ドラクエ3 HD-2D | HD-2D | ドット絵と3D CGの融合 | 絶賛の声が多い |
ドラクエ11S | 3D / 2Dモード | リアル頭身アニメ調 / SFC風ドット絵 | どちらのモードも高評価 |
ドラクエ7 リイマジンド | ドールルック | デフォルメされた3Dポリゴン | 賛否両論 |
このように比較すると、『リイマジンド』のグラフィックが、これまでのリメイク作品のどれとも異なる、新しいアプローチであることがわかります。 HD-2D版『ドラクエ3』が「ドット絵の究極進化」として受け入れられ、『ドラクエ11S』が「最新3Dと懐かしの2Dの両立」で評価されたのに対し、『リイマジンド』は「デフォルメ3D」という、やや好みが分かれやすい路線を選択しました。 これは、スクウェア・エニックスがリメイクに対して画一的な手法を取るのではなく、作品ごとに最適な表現を模索していることの表れとも言えるでしょう。
なぜこのグラフィック表現が採用されたのか考察
では、なぜ開発チームは賛否両論を覚悟の上で「ドールルック」を採用したのでしょうか。 いくつかの理由が考えられます。
1. 物語との親和性
前述の通り、ドラクエ7の物語は、失われた世界を石板によって一つずつ取り戻していくという、寓話的で少し物悲しい側面を持っています。 人間の醜さや弱さが描かれる重いエピソードも多いです。 こうした物語を、フォトリアルなグラフィックで描くと、あまりに生々しくなりすぎる可能性があります。 あえて人形劇のようなスタイルにすることで、プレイヤーとの間に適度な距離感が生まれ、物語を客観的に、そして深く味わうことができるという狙いがあるのかもしれません。
2. 開発コストと期間のバランス
『ドラクエ11』レベルのグラフィックをゼロから作り上げるには、膨大な開発コストと時間が必要です。 『ドラクエ7』は元々非常にボリュームの大きい作品であり、そのすべてを最高峰の3Dグラフィックで再現しようとすれば、発売はさらに数年先になっていた可能性も否定できません。 「ドールルック」は、最新の表現を取り入れつつも、開発を効率化し、ファンが待ち望むリメイクを現実的な期間で届けるための、ある種の最適解だったと考えることもできます。
3. 新しいファン層の開拓
リアル頭身のグラフィックは、一部のプレイヤーに敬遠されることもあります。 より幅広い年齢層、特に若い世代やライトユーザーにアピールするために、親しみやすく可愛らしいデザインを採用したという側面もあるでしょう。 まるで絵本が動き出したかのようなビジュアルは、新規プレイヤーが『ドラゴンクエスト』の世界に入るための、最適な入り口になるかもしれません。
このように、グラフィック一つをとっても、様々な意見や開発側の意図が交錯しています。 最終的な評価は、実際にゲームをプレイしてみないと下せないというのが、現時点での私の結論です。
グラフィックだけじゃない!ドラクエ7リイマジンドの進化と変更点を徹底解説
『ドラゴンクエストVII リイマジンド』の魅力は、グラフィックの刷新だけに留まりません。 むしろ、システム面にこそ、今回のリメイクの真価が隠されていると言っても過言ではないでしょう。 オリジナル版や3DS版から、バトル、育成、シナリオに至るまで、あらゆる要素が「再構築(リイマジン)」されています。 ここでは、現在判明している進化と変更点を、過去作を振り返りながら徹底的に分析していきます。

オリジナル版(PS版)と3DS版の歴史を振り返る
『リイマジンド』を語る上で、過去の2作品を無視することはできません。 それぞれの作品が持つ特徴と、プレイヤーから寄せられた評価を振り返ってみましょう。
伝説の始まり:プレイステーション版(2000年)
「100時間遊べるRPG」というキャッチコピーと共に発売され、国内で400万本以上を売り上げた伝説的な作品です。 シリーズで初めて本格的な3Dグラフィック(フィールドや町)を採用し、仲間との会話システムや移民の町など、多くの新要素が盛り込まれました。 しかし、その評価は賛否両論でした。
- 批判点:
- 石板集めの煩雑さ: 次に進むべき場所のヒントが少なく、小さな石板のかけらが見つからずに進行が止まってしまうプレイヤーが続出しました。
- キャラクターの離脱: 物語序盤で頼れる仲間だったキーファが永久離脱し、中盤ではマリベルも一時離脱。戦力ダウンと育成計画の変更を余儀なくされました。
- 序盤の長さと暗いシナリオ: 転職システムが解放されるまでが非常に長く、各エピソードも救いのない暗い話が多いため、途中で挫折する人も少なくありませんでした。
遊びやすさを追求:ニンテンドー3DS版(2013年)
PS版の不満点を解消し、より多くの人が楽しめるようにフルリメイクされた作品です。
- 改善点:
- 石板システムの快適化: 「石板レーダー」が導入され、近くに石板があると知らせてくれるようになり、迷うことが大幅に減少しました。
- グラフィックのフル3D化: キャラクターもポリゴンで描かれ、臨場感が増しました。
- シンボルエンカウントの採用: 敵の姿がフィールドで見えるようになり、戦闘を避けやすくなりました。
- 職業システムの調整: 熟練度稼ぎが楽になり、上級職で覚えた特技・呪文は他の職業に転職しても使えるようになりました(一部除く)。
この3DS版によって、『ドラクエ7』は「煩雑で難しいゲーム」から「遊びやすく奥深い名作」へと評価を大きく変えました。 『リイマジンド』は、この3DS版をベースに、さらなる進化を遂げるものと予想されます。
シナリオの再編:「主者選択」が意味するものとは?
『リイマジンド』の発表で、ファンを最もざわつかせた言葉の一つが「シナリオの取捨選択と再編」です。 これは、単なるブラッシュアップではなく、一部のエピソードが削除されたり、物語の順番が変更されたりする可能性を示唆しています。
どのエピソードが対象になるのか?
ドラクエ7は、大小様々な島(地方)を復活させていくオムニバス形式で物語が進行します。 その中には、メインストーリーの根幹(四精霊の復活など)に直接関わらないエピソードも存在します。 ファンの間では、
- ダイアラック: 灰色の雨が降り続く、救いのない物語。
- グリーンフレーク: 人間関係が複雑で、後味の悪い結末を迎える。
- ルーメン: 虫たちとの争いが描かれるが、どちらの選択をしても悲劇が待っている。
といった、特に暗く、メインストーリーとの関連性が薄いエピソードが「取捨選択」の対象になるのではないかと噂されています。 もちろん、これらのエピソードにも熱心なファンは多く、削除されれば大きな反発を招く可能性もあります。 開発陣がどのような判断を下すのか、続報が待たれます。
ストーリー構成の再編
トレーラー映像では、本来はハーメリアでのグラコス戦以降に仲間になるはずの「アイラ」が、それ以前の場面に登場しているシーンが確認されました。 これは、キャラクターの加入タイミングや、各エピソードを攻略する順番が変更されることを意味しています。 アイラの早期加入は、パーティの戦力アップに繋がるだけでなく、彼女の出自である「ユバールの民」関連のイベントに、より深みを持たせることになるかもしれません。 オリジナル版のシナリオを知っているプレイヤーにとっても、新鮮な驚きが待っていそうです。
バトルシステムの進化:5人パーティとターン制の変更点
バトルシステムにも大きな変更が加えられています。

オルスバン(お留守番)の廃止
オリジナル版では、パーティメンバーは最大4人だったため、5人目の仲間であるメルビンが加入すると、誰か一人を待機させておく必要がありました(通称:オルスバン)。 『リイマジンド』の戦闘画面では、戦闘に参加している4人の他に、スタンバイメンバーとしてメルビンが表示されているのが確認できます。 これにより、戦闘中にメンバーを入れ替える戦略が可能になり、状況に応じて柔軟な戦い方ができるようになるでしょう。 これは『ドラクエXI』などで採用されたシステムであり、純粋な進化と言えます。
ターン制の変更の可能性
戦闘画面のUIを見ると、行動順が来たキャラクターからコマンドを入力する、『ドラクエX』や『XI』に近い形式になっているように見えます。 オリジナル版は、ターン開始時に全員のコマンドをまとめて入力する伝統的なターン制でした。 もし『XI』方式に変更されるのであれば、敵の行動を見てから次の一手を考えられるため、より戦略性が高まります。 素早さの重要性も増し、行動順を調整するような戦術(例えば、素早いキャラで補助呪文をかけ、その後で攻撃役が行動する)が有効になるかもしれません。
職業システムの大幅刷新:「掛け持ち」と「モンスター職廃止」
ドラクエ7の代名詞とも言える「職業システム」も、大きく生まれ変わります。
モンスター職の廃止
オリジナル版には、スライムやゴーレムといったモンスターになりきれる「モンスター職」が存在しました。 モンスターの心を手に入れることで転職でき、ユニークな特技を覚えられましたが、その種類は非常に多く、コンプリートするのは至難の業でした。 『リイマジンド』では、「数が多すぎる」という理由で、このモンスター職が一律で削除されることが明言されています。 やり込み要素が減ることを惜しむ声もありますが、複雑すぎたシステムを整理し、人間職にフォーカスするという判断は、多くのプレイヤーにとって歓迎すべき変更かもしれません。
新システム「職業の掛け持ち」
モンスター職廃止の代わりとして導入されるのが、「職業の掛け持ち」システムです。 これは、メインの職業とは別に、サブの職業を一つ設定できるというものです。 公開された情報によると、サブに設定した職業のステータス補正も得られるようです。
例えば、
- メイン「ゴッドハンド」 × サブ「バトルマスター」: 物理攻撃に特化した超攻撃型キャラクター
- メイン「戦士」 × サブ「僧侶」: 攻撃も回復もこなせる万能型キャラクター
- メイン「魔法使い」 × サブ「賢者」: 呪文の威力とMPを極限まで高めた大魔道士
といった、プレイヤーの好みに合わせた自由なカスタマイズが可能になります。 さらに、1回の戦闘で2つの職業の熟練度を同時に稼げるのであれば、育成効率も大幅にアップします。 これは、ドラクエ7の育成の楽しさを損なうことなく、現代のプレイスタイルに合わせてテンポを良くするための、非常に優れた改良点と言えるでしょう。
新要素「バースト」とは?各職業の効果を徹底分析
そして、今回のリメイクにおける最大の目玉とも言える新システムが「バースト」です。 これは、戦闘中に特定の条件を満たすと発動できる、各職業固有の必殺技のようなものです。 現在判明している効果を、職業ごとに詳しく見ていきましょう。
職業 | バースト名 | 効果 | 考察 |
---|---|---|---|
【基本職】 | |||
魔法使い | 魔力暴走 | 2ターンの間、唱える呪文が必ず暴走する | メラガイアーなどの超強力呪文と組み合わせれば、一撃で戦況を覆せる可能性を秘めています。 |
僧侶 | 天使の歌声 | 仲間全体を確実に復活させ、悪い効果も消し去る | ドラクエ11の「聖者の詩」に似た効果。高難易度のボス戦で切り札となりそうです。 |
踊り子 | ペアダンス | 自分にかかった良い効果の一部を隣の仲間に付与 | バイキルトやスクルトなどを共有できれば強力。どの効果が対象になるかが鍵です。 |
盗賊 | 悪事千里 | 敵に状態異常を与えると再行動できる | 状態異常が効く敵に対しては、一方的に攻撃し続ける「無限ループ」も可能かもしれません。 |
羊飼い | 怒涛の羊 | 攻撃後に追撃ダメージを与える | オリジナル版で猛威を振るった特技の復活。追撃のダメージ倍率次第で評価が変わりそうです。 |
吟遊詩人 | バーンラプソディ | 味方全員の消費MPが0になる | 強力な呪文や特技を連発できるチャンス。長期戦で非常に有効です。 |
【上級職】 | |||
バトルマスター | 背水の構え | 守りを捨てて物理攻撃の威力をぐんと上げる | 単なるバイキルト以上の、与ダメージ自体を増加させる効果(ドラクエ10のウォークライなど)が期待されます。 |
パラディン | パラディンガード | ガード率を最大にしてダメージを軽減する | ドラクエ9では無敵でしたが、今回はダメージを受ける模様。それでも味方を守る壁役として最強クラスの性能でしょう。 |
賢者 | やまびこのさとり | 唱えた呪文が2回発動する | オリジナル版の「やまびこのぼうし」と同じ効果。メドローアを2連発できれば絶大な威力になります。 |
スーパースター | ショータイム | 自分以外の仲間がバーストチャージしやすくなる | 仲間全員のバーストを誘発させるサポーター役。パーティ全体の火力を底上げします。 |
海賊 | 海鳴りのカノン | 攻撃するたびに攻撃力・守備力が上がりHPが回復 | 自己強化と回復を同時に行う、継戦能力に優れた効果。長期戦になるほど強さを発揮します。 |
ゴッドハンド | アルテマソード? | (詳細不明) | 公式サイトの画像から、メルビンがアルテマソードを使っているため、これがバースト技だと予想されます。 |
これらのバースト効果は、どれも戦況を大きく左右する強力なものばかりです。 どの職業のバーストを優先して使うか、どのタイミングで発動するかといった、新たな戦略性が生まれることは間違いないでしょう。
特技・呪文の追加:「メドローア」「メラガイアー」の衝撃
『リイマジンド』では、新たな特技や呪文も追加されます。 トレーラーで最も衝撃的だったのが、マリベルが放つ「メドローア」です。 これは『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』に登場した、メラ系とヒャド系の呪文を融合させた極大消滅呪文であり、その威力は700ダメージを超えていました。 オリジナル版の最強単体攻撃呪文「ギガスラッシュ」や「アルテマソード」のダメージが400〜500程度だったことを考えると、これは破格の威力です。
さらに、公式サイトでは主人公が「メラガイアー」を放つ姿も確認できます。 これはメラ系の最上位呪文であり、こちらも絶大なダメージが期待できます。 これらの超強力な攻撃呪文の追加は、これまで物理攻撃職が優遇されがちだったドラクエ7のパワーバランスを、呪文職が有利になる方向へ大きく変える可能性があります。 ステータスに「こうげき魔力」と「かいふく魔力」が細分化されていることからも、呪文の重要性が増していることが伺えます。
闘技場や謎の新キャラクターなど、その他の追加要素
その他にも、様々な追加・変更点が判明しています。
- 闘技場のランク戦: オリジナル版ではストーリーの一部だった格闘場が、ブロンズ杯、シルバー杯、ゴールド杯といったランク戦を楽しめるやり込み要素として拡充されるようです。
- 謎の新キャラクター: トレーラーには、オリジナル版にはいなかった、フードを被った謎の人物が登場します。彼が物語にどう関わってくるのか、ファンの間で様々な憶測が飛び交っています。キーファに関連する人物ではないか、という声も…?
- 便利な機能: バトルスピードの調整機能や、オートバトル機能なども追加され、より快適にプレイできるようになるようです。
グラフィックだけでなく、ゲームシステムの根幹から見直され、数多くの新要素が追加される『ドラゴンクエストVII リイマジンド』。 これは単なるリメイクではなく、全く新しい作品として生まれ変わると言っても過言ではないでしょう。
まとめ
今回は、発表されたばかりの『ドラゴンクエストVII リイマジンド』について、特に賛否両論を呼んでいるグラフィックと、刷新されるゲームシステムを中心に徹底的に解説してきました。

グラフィックについて
「ドールルック」と名付けられた新しいグラフィックは、温かみのある絵本のような世界観を表現しており、ドラクエ7の寓話的な物語とマッチしているという肯定的な意見がある一方で、最新ハードの性能を活かしたリアルなグラフィックを期待していたファンからは、物足りなさやチープさを指摘する声も上がっています。 こればかりは個人の好みが大きく影響するため、どちらが正しいということはありません。 重要なのは、このグラフィック表現が、あの壮大な物語を体験する上で、どのような効果をもたらすかです。 実際にプレイした時、デフォルメされたキャラクターたちが生き生きと動き、感情を揺さぶるような体験ができれば、その評価はきっと変わってくるはずです。
システムについて
グラフィック以上に注目すべきは、ゲームシステムの大幅な再構築です。
- 5人パーティによる入れ替えバトル
- モンスター職を廃止し、「掛け持ち」を導入した新職業システム
- 戦況を覆す必殺技「バースト」の追加
- メドローアなど超強力呪文の登場によるパワーバランスの変化
- シナリオの再編による新たな物語体験
これらの変更点は、オリジナル版や3DS版をプレイした人にとっても、全く新しい感覚で冒険を楽しめる要素となるでしょう。 特に、育成の自由度を広げる「職業の掛け持ち」と、バトルに新たな戦略性を与える「バースト」は、ドラクエ7の魅力をさらに一段階引き上げる可能性を秘めています。
最終的に、『ドラゴンクエストVII リイマジンド』は、古き良き物語の核を大切にしながらも、現代のプレイヤーが最大限に楽しめるよう、あらゆる面で大胆な「再構築」に挑んだ意欲作と言えます。 グラフィックへの懸念を持つ方も、ぜひシステム面の進化に目を向けてみてください。 そこには、あなたの知らない新たな『ドラクエ7』の魅力が、きっと隠されているはずです。
発売は2026年と少し先になりますが、今後の続報に期待しながら、再びあの石板を巡る冒険に出られる日を心待ちにしましょう。