ゲーム評論家の桐谷シンジです。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、2025年11月6日に発売が迫った待望の新作「ゼルダ無双 封印戦記」が、なぜ最新ハードのNintendo Switch 2(以下、スイッチ2)でしか発売されないのか、そしてその影響で販売本数が振るわず、いわゆる「爆死」になってしまうのではないかと心配されているのではないでしょうか。

この記事を読み終える頃には、「ゼルダ無双 封印戦記」がスイッチ2独占で発売される理由と、その販売ポテンシャルについての疑問が解決しているはずです。
- スイッチ2独占は性能を最大限に活かすための必然
- 過去作データと本体普及率から導き出すリアルな販売本数予測
- 「爆死」の心配を払拭する複数の明確な根拠
- 先行プレイで判明した圧倒的なゲーム体験と進化の詳細
それでは解説していきます。

「ゼルダ無双 封印戦記」の全貌!先行プレイで見えた核心
まずは、先日開催された東京ゲームショウ2025の先行プレイで明らかになった「ゼルダ無双 封印戦記」の基本的な情報と、実際に触れて感じたゲームの核心部分から解説していきましょう。 多くのファンが気になっているのは、やはりその手触りや前作からの進化点のはずです。

発売日と対応ハードの基本情報
最初に基本情報をおさらいしておきましょう。
項目 | 内容 |
---|---|
タイトル | ゼルダ無双 封印戦記 |
発売日 | 2025年11月6日 |
対応ハード | Nintendo Switch 2 のみ |
ジャンル | アクション |
プレイ人数 | 1〜2人 |
CERO | 審査予定 |
最大の注目点は、やはり対応ハードが「スイッチ2」のみという点です。 前作「ゼルダ無双 厄災の黙示録」がNintendo Switch(以下、スイッチ1)で発売され、全世界で400万本以上という大ヒットを記録しただけに、なぜその後継機でのみ展開するのか、多くのユーザーが疑問に思うのは当然でしょう。 この点については、後ほど詳しく考察していきます。
物語の幕開け:フィローネの森の地底から始まる新たな戦い
今回の先行プレイでは、物語の序盤と思われる「フィローネの森の地底」を探索するパートを体験できました。 物語は、ゼルダ、そしてゾナウ族のラウルとミネル、さらにハイリア人の兵士2名を加えた5人で、未知の領域である地底を調査するところから始まります。

ミネルのセリフによれば、彼女の研究作業場のさらに奥は未踏の地であり、そこを調査していくことが序盤の目的となるようです。 この時点で、ゼルダはラウルとソニアによる特訓の成果か、すでに光の力を宿した剣を手に戦える状態になっています。 これは、前作「厄災の黙示録」で描かれた、戦う力を持たなかったゼルダからの大きな成長を感じさせるポイントです。
地底には、危険な生物だけでなく、かつてゾナウ族が配置したであろうゴーレムたちが徘徊しており、彼らを退けながら奥へと進んでいくことになります。 物語の背景としては、ラウルたちが地上に来てからしばらく経ち、ミネルがゾナウのルーツである地底の文明を調査している、という流れのようです。 「ティアーズ オブ ザ キングダム」で語られた封印戦争の、さらに前日譚が描かれることは間違いないでしょう。
圧倒的なグラフィックとパフォーマンス:スイッチ2の性能が炸裂
先行プレイで最も衝撃を受けたのは、その圧倒的なグラフィックとパフォーマンスです。 スイッチ2の性能が遺憾無く発揮されており、特に光の表現は目を見張るものがありました。
地底の暗闇を照らすライトの反射、それによって浮かび上がるキャラクターやオブジェクトの質感、ゼルダの背中できらめく光の粒子など、現行のスイッチ1では間違いなく表現不可能なレベルに達しています。 イワロックの岩肌のテクスチャなども非常に高精細になっており、次世代機のパワーをまざまざと見せつけられました。
そして何より特筆すべきは、パフォーマンスの安定性です。 前作「厄災の黙示録」では、大量の敵が出現する場面などで、どうしても処理落ちが発生することがありました。 これは無双シリーズの宿命とも言える部分でしたが、「封印戦記」では、大量のゴーレムや巨大なボスとの戦闘中でも、処理落ちは一切体感できませんでした。 フレームレートも非常に安定しており、ストレスフリーで爽快なアクションに没頭できます。 まさに「無双系ゼルダの完成形」と呼ぶにふさわしい快適なプレイ体験が、そこにはありました。
ゲームシステムの新要素と考察
先行プレイでは、戦闘を奥深くする数々の新要素も確認できました。
ゾナウギアの活用
「ティアーズ オブ ザ キングダム」でお馴染みのゾナウギアは、本作でも健在です。 先行プレイでは「火龍の頭」と「タイマーバクダン」が使用できました。 特筆すべきは、ゾナウギアが使い捨てではなく、バッテリーを消費することで何度でも使用可能という点です。 これにより、戦略の幅が大きく広がっています。 バッテリーは自動回復しますが、使い切らないと回復が始まらない仕様のため、計画的な運用が求められそうです。
固有技とカウンター
各キャラクターには専用の「固有技」が用意されています。 これは、敵の弱点を強制的に露出させたり、敵が赤いオーラをまとって繰り出す強力な攻撃に合わせて使用することで、カウンターとして機能したりします。 前作のシーカーアイテムに近い役割ですが、よりキャラクターの個性と結びついたアクションになっており、戦闘の駆け引きを熱くさせます。
追撃システム
遠くの敵をダウンさせた際に、瞬時に距離を詰めて攻撃できる「追撃」システムが追加されました。 前作では、バクダンなどで遠くのボスのダウンを取っても、近づく前に起き上がってしまうというジレンマがありましたが、本作ではその心配がありません。 このスピーディーな挙動は非常に爽快で、ゲームテンポを格段に向上させています。
シンクストライク
本作最大の新要素と言えるのが「シンクストライク」です。 操作キャラクターとパートナーキャラクター、2人のシンクゲージが最大まで溜まった状態で、かつ近くにいると発動できる協力必殺技です。 その威力は通常の必殺技の約2倍と絶大で、ボスの体力を一気に削り取ることができます。 発動条件はやや厳しいものの、戦況を覆しうる切り札として、非常に重要なシステムとなるでしょう。
なぜスイッチ2独占?販売本数と「爆死」の噂を徹底考察
さて、ここからは本題である「スイッチ2独占販売」の理由と、それに伴う販売本数の予測について、深く掘り下げていきましょう。 「爆死するのでは?」というファンの不安を、データと論理で解消していきます。

スイッチ1で発売されなかった決定的な理由
なぜ「封印戦記」はスイッチ1とのマルチプラットフォーム展開を選ばなかったのか。 その理由は、先行プレイを体験して明確になりました。 結論から言えば、**「開発陣が目指す最高のゲーム体験が、スイッチ1のスペックでは実現不可能だったから」**です。
理由1:処理性能の限界
前述の通り、「封印戦記」では無数の敵が画面を埋め尽くす状況でも、一切の処理落ちを感じさせません。 これは、スイッチ2に搭載された新しいCPUやGPU、そして増強されたメモリの恩恵に他なりません。 無双シリーズの醍醐味は「一騎当千の爽快感」です。 もしスイッチ1でも発売するとなれば、敵の表示数を大幅に減らすか、あるいは頻繁な処理落ちを許容する必要があったでしょう。 それは、ゲーム体験を著しく損なう妥協であり、開発陣が望むものではなかったはずです。
理由2:グラフィック表現の壁
先行プレイで見た、あの息をのむような光の表現や高精細なテクスチャは、明らかにスイッチ1の描画能力を超えています。 特に、光の力を操るゼルダやラウルの技は、高度なライティング技術があってこそ、その神々しさが表現されます。 スイッチ1でこれを再現しようとすれば、グラフィックを大幅にダウングレードせざるを得ず、「封印戦記」本来の魅力が半減してしまいます。
理由3:「新しい遊び」の提供
任天堂は、新しいハードを出す際に、そのハードでしか味わえない「新しい遊び」を提供することを常に重視してきました。 「ゼルダ無双 封印戦記」は、まさにスイッチ2のローンチ期を牽引するキラータイトルとしての役割を担っています。 スイッチ2の性能を限界まで引き出し、「これぞ次世代機のゲームだ」とユーザーに体感させることが、このソフトの重要な使命なのです。 中途半端にスイッチ1版を用意することは、その使命を放棄することに繋がります。 スイッチ2でしか味わえない最高の体験を届けることこそが、長期的に見てブランド価値を高める最善の策であると、任天堂とコーエーテクモゲームスは判断したのでしょう。
スイッチ2の現状の販売台数と今後の普及予測
とはいえ、ソフトが売れるためには、まずハードが普及していなければなりません。 スイッチ2は2025年9月に発売されたばかりで、ソフト発売時点(11月6日)での普及台数はどの程度になるのでしょうか。
これはあくまで予測ですが、過去のNintendo Switchの販売実績を参考に考察します。 スイッチ1は発売後約1ヶ月で全世界274万台を販売しました。 スイッチ2も同様に好調なスタートを切っており、品薄や転売問題も発生している状況を鑑みると、発売から約2ヶ月後の11月上旬時点で、全世界累計販売台数は400万台~500万台に達すると予測するのが妥当なラインでしょう。
もちろん、これはスイッチ1の累計販売台数1億4000万台以上(2024年時点)と比べれば、ごくわずかな数字です。 しかし、新しいハードのローンチ期において、この数字は決して少なくありません。 重要なのは、この初期購入層が、最もゲームへの関心と購買意欲が高いコアユーザーであるという点です。
過去作データから見る「ゼルダ無双 封印戦記」の予想販売数量
それでは、具体的な販売本数を予測してみましょう。 比較対象となるのは、前作「ゼルダ無双 厄災の黙示録」です。
タイトル | 発売ハード | 発売4日間の世界累計販売本数 | 最終的な世界累計販売本数 |
---|---|---|---|
ゼルダ無双 厄災の黙示録 | Nintendo Switch | 300万本 | 400万本以上 |
「厄災の黙示録」は、すでに十分に普及したスイッチ1で発売され、初動から驚異的な数字を記録しました。 では、「封印戦記」はどうでしょうか。 ここでは、ハードの推定普及台数に対するソフトの購入率である「アタッチレート」という指標を用いて計算します。
予測の前提
- ソフト発売時点でのスイッチ2の世界累計販売台数:450万台と仮定
- 初期購入層におけるキラータイトルのアタッチレート:**25%~35%**と予測 (これは、ハードを買う動機になったソフトであるため、通常より高い数値が見込まれます)
予想販売数量
- 初週(発売4日間)の世界累計販売本数:
- 450万台 × 25% = 112.5万本
- 450万台 × 35% = 157.5万本
- → 約110万本~160万本
- 発売1ヶ月の世界累計販売本数:
- 年末商戦に向けてハードの供給も安定し、さらに販売が伸びると予測。
- → 約200万本~250万本
- 最終的な世界累計販売本数:
- スイッチ2の普及と共にロングセラー化し、セールや口コミでさらに伸びる。
- → 最終的に前作同様、400万本を超える可能性も十分にある。
予測期間 | 予想販売数量(世界累計) |
---|---|
初週(発売4日間) | 110万本 ~ 160万本 |
発売1ヶ月 | 200万本 ~ 250万本 |
最終(ライフサイクル全体) | 400万本以上 |
いかがでしょうか。 初動でミリオンセラーを達成し、最終的には前作に匹敵する大ヒットとなる可能性が非常に高いと予測できます。
結論:「爆死」はあり得ないと言える複数の根拠
以上の考察から、「ゼルダ無双 封印戦記」が「爆死」することは、まずあり得ないと断言できます。 その根拠を改めて整理しましょう。
- ローンチタイトルとして十分すぎる販売予測: 初週で100万本以上という数字は、新しいハードのローンチタイトルとしては紛れもなく「大成功」の部類です。 これを「爆死」と呼ぶことはできません。
- ハードを牽引するキラータイトルの役割: このソフトは、スイッチ2本体の売上を牽引する非常に重要な役割を担っています。 「封印戦記をプレイしたいからスイッチ2を買う」というユーザーが多数存在するため、ハードの初期購入者におけるアタッチレートは極めて高くなります。
- 長期的な販売(ロングセラー)への期待: スイッチ2がこれから何年もかけて普及していく中で、「封印戦記」は定番ソフトとして売れ続けます。 ハードの普及台数が増えるにつれて、販売本数も着実に積み上がっていくでしょう。
- 「ゼルダの伝説」という強力なブランド力: 「ゼルダの伝説」シリーズ、そして「ゼルダ無双」シリーズが築き上げてきたブランドと信頼は絶大です。 ファンは、最高の体験ができるのであれば、ハードごと購入することも厭いません。
確かに、もしスイッチ1でも発売されていれば、初動の販売本数はもっと大きな数字になったかもしれません。 しかし、それはクオリティを犠牲にした上での数字です。 任天堂とコーエーテクモゲームスは、目先の数字よりも、長期的なブランド価値とユーザーの満足度を優先したのです。 この戦略は、決して間違いではないと私は考えます。
先行プレイで判明!主要キャラクターのアクション性能を徹底解剖
最後に、先行プレイで体験できた3人のプレイアブルキャラクター、「ゼルダ」「ラウル」「ミネル」の具体的なアクション性能について、詳しく解説していきます。 これもまた、スイッチ2の性能があってこその、多彩で派手なアクションに満ちていました。

ゼルダ:光の力で薙ぎ払うスピード&範囲タイプ
光の力を宿したゾナニウムの剣を手に戦うゼルダ。 全体的な印象としては、攻撃の手数が多く、移動もスピーディー。 そして、広範囲を巻き込む攻撃に長けており、雑魚敵の集団を一掃する能力が非常に高いと感じました。 反面、単体のボスに対する火力は、ラウルに一歩譲るかもしれません。
- 強攻撃:
- 巨大な光の輪をフープのように回しながら移動する「強5攻撃」が特に強力。
- 移動、範囲、巻き込み性能のすべてが優秀で、序盤はこれを主軸に戦うことになりそうです。
- 固有技:
- 前方に無数の光の矢を放ったり、長いリーチのビームを放ったりと、遠距離から敵を制圧できる技が揃っています。
- スマッシュ攻撃:
- PVでも印象的だった、剣で攻撃した後に、光の力で剣を戻して追撃するアクション。
- 非常にスタイリッシュで、使っていて楽しい技でした。
<h3>ラウル:豪快な光の剛剣を操るパワー&制圧タイプ</h3>
初代ハイラル国王であるラウルは、光の力で生成した巨大な剣を、ウルトラハンドのように自在に操って戦います。 一撃の重さと攻撃範囲に優れており、対ボス戦におけるエースアタッカーとなりそうな性能でした。 ただし、移動速度はやや遅めで、立ち回りに工夫が必要かもしれません。
- 強攻撃:
- 巨大な剣を前方に振り回す「強1攻撃」や、歩きながら剣を振り回す「強2攻撃」は、雑魚処理能力が非常に高いです。
- 左右から光のビームを放ち、中央で交差させる「強4攻撃」も広範囲をカバーでき、強力でした。
- 固有技:
- 地面から光の柱を突き出させる技が中心。
- リーチはやや短いものの、ヒットさせた際のダメージは大きそうです。
- カウンターとして使うには、敵をギリギリまで引きつける必要があり、玄人向けの性能かもしれません。
- スマッシュ攻撃:
- 手で三角形を作り、第三の目を開眼させて極太のビームを放つ、まさに必殺技といった趣のド派手な攻撃です。
ミネル:ゴーレムを率いるテクニカル&成長タイプ
魂の賢者ミネルは、自身が戦うというよりは、ゾナウギアやゴーレムを使役して戦う、非常にテクニカルなキャラクターです。 先行プレイの段階では、正直に言うとゼルダやラウルに比べて地味で、火力も低い印象でした。 しかし、これは彼女が「大器晩成型」のキャラクターであることを示唆しています。 物語を進め、強力なゾナウギアやゴーレムのパーツを集めていくことで、どんどん強化されていく、伸びしろのあるキャラクターなのでしょう。
- 強攻撃:
- 2体のゴーレムを召喚して矢を放たせたり、ハンマーで叩きつけさせたりします。
- ゾナウギアで作ったトゲ付きの車で移動しながら攻撃する「強4攻撃」は、移動と攻撃を両立できて便利でした。
- 固有技:
- ピンボールのような装置から鉄球を射出するなど、トリッキーな攻撃が特徴です。
- スマッシュ攻撃:
- 多数のゴーレムを召喚し、一斉に攻撃させるという、物量で圧倒する技。
- 育成が進めば、とてつもない火力を叩き出す可能性を秘めています。
まとめ
今回のレビューでは、「ゼルダ無双 封印戦記」がスイッチ2独占で発売される理由と、その販売本数予測について、徹底的に考察してきました。
結論として、スイッチ2独占は、処理落ちのない快適なプレイ環境と、新ハードならではの圧倒的なグラフィックという、最高のゲーム体験をユーザーに届けるための、必然的な選択であったと言えます。
そして、販売本数に関しても、初週で100万本以上を売り上げる可能性が非常に高く、新しいハードの門出を祝うにふさわしい大ヒットが確実視されます。 「爆死」という懸念は、まったくの杞憂に過ぎません。
先行プレイで体験できたのは、物語のほんの序盤に過ぎませんが、そこには確かに「ゼルダ」の名を冠するにふさわしい、圧倒的なクオリティと熱量が込められていました。 スイッチ2と共に、新たな伝説が幕を開ける瞬間を、一人のゲームファンとして心から楽しみにしています。 発売まであと約1ヶ月。 さらなる続報に期待しましょう。