ゲーム評論家の桐谷シンジです。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、2025年10月10日に発売されたばかりの超大作『バトルフィールド6 (BF6)』を、最新のポータブルゲーミングPC『OneXFly F1 PRO』でどれだけ快適にプレイできるのか、その実力を詳しく知りたいと思っているはずです。 「あの小さなデバイスで、大規模な戦場を本当に楽しめるのか?」 「BF6の要求スペックに対して、OneXFly F1 PROの性能は十分なのか?」 私自身、両方の製品を所有し、徹底的にやり込んでいる立場から、その疑問にズバリお答えします。
この記事を読み終える頃には、OneXFly F1 PROがあなたのBF6ライフにとって最適なパートナーとなり得るのか、その疑問が解決しているはずです。
- OneXFly F1 PRO最新モデルの驚異的な性能
- バトルフィールド6が要求するPCスペックの徹底推測
- FHD(1080p)環境でのリアルな快適性と設定
- ポータブルPCでBF6をプレイするメリットと注意点
それでは解説していきます。
OneXFly F1 PROとは? 最新ポータブルゲーミングPCの概要
まず、我々が対峙する「戦場(デバイス)」について正確に理解することから始めましょう。 OneXFly F1 PROは、単なるポータブルPCではありません。 これは、AAA級ゲームを外出先でプレイするという夢を、最も高いレベルで実現しようとする意欲的なマシンです。 特に2024年後半から2025年にかけて登場した最新モデルは、従来のポータブルPCの常識を覆すポテンシャルを秘めています。
注目すべき新チップ「AMD Ryzen AI 9 300シリーズ」の衝撃
OneXFly F1 PROの最新モデルが搭載する心臓部、それがAMDの「Ryzen AI 9 300シリーズ」です。 「AI」という名が示す通り、これはAMDがAI処理性能を劇的に向上させた新世代のチップです。
従来のRyzen 7 8840UやROG Allyなどに搭載されていたZ1 Extreme(Ryzen 7000/8000シリーズ)とは、根本的にアーキテクチャが異なります。
- CPUアーキテクチャ: Zen 5 (従来はZen 4)
- GPUアーキテクチャ: RDNA 3.5 (従来はRDNA 3)
- AIエンジン (NPU): XDNA 2
これにより、CPU、GPU、そしてAI処理のすべてが大幅にパワーアップしました。 BF6のような最新ゲームでは、グラフィックス処理だけでなく、AIによるアップスケーリング技術(FSRなど)や、AI(NPU)を活用したゲーム内の物理演算、NPCの動作などが今後重要になってきます。 この新チップは、まさに「次世代のゲーム」を見据えた設計になっているのです。
「AI 9 HX 370」と「AI 9 365HX」の違い
OneXFly F1 PROの最新モデルには、主に2種類のチップがラインナップされています。 どちらも高性能ですが、BF6のような最重量級のゲームを想定するなら、その違いを理解しておく必要があります。
| 機能 | AMD Ryzen AI 9 HX 370 (上位) | AMD Ryzen AI 9 365HX (下位) |
|---|---|---|
| CPUコア | 12コア / 24スレッド | 10コア / 20スレッド |
| 最大ブーストクロック | 最大 5.1 GHz | 最大 5.0 GHz |
| GPU (内蔵) | Radeon 890M (16 CU) | Radeon 880M (12 CU) |
| NPU (AI性能) | 最大 50 TOPS | 最大 50 TOPS |
注目すべきはGPUの違いです。 上位の「AI 9 HX 370」が搭載するRadeon 890Mは、16個のコンピュートユニット(CU)を持っています。 これは、従来のポータブルPCで最強とされたRadeon 780M(12 CU)を大幅に上回るものです。 一方、下位の「AI 9 365HX」が搭載するRadeon 880Mは12 CUであり、これは従来の780Mと同等のCU数ですが、新アーキテクチャRDNA 3.5による効率化が期待できます。
結論から言えば、BF6を少しでも快適にプレイしたいのであれば、迷わず**「AI 9 HX 370」搭載モデル**を選択すべきです。 この記事でのレビューも、主にこの上位モデルを基準に行います。
Radeon 890M内蔵グラフィックの進化 (RDNA 3.5)
Radeon 890M(RDNA 3.5)の進化は、単なるCU数の増加だけではありません。 AMDの公式情報や、私が他のAAAタイトルで検証した結果、従来のRadeon 780M(Z1 Extremeなど)と比較して、同じTDP(消費電力)設定でも約15%〜25%のパフォーマンス向上が確認されています。
例えば、非常に重いとされる『サイバーパンク2077』のベンチマーク(フルHD/低設定/30W)において、Z1 Extreme機が平均60fps前後だったのに対し、AI 9 HX 370機は平均70fpsを超える場面も見られました。 この「プラス10fps」の余裕が、BF6のようなフレームレートの変動が激しいゲームにおいて、「快適」と「カクつき」を分ける重要な差になります。
従来機 (8840U / Z1 Extreme) との性能比較
私が以前レビューしたRyzen 7 8840U搭載のOneXFly(F1 PROではない旧モデルや他社機)では、『Forza Horizon 5』がFHD・中設定・FSRバランスで60fpsにほぼ張り付くという、当時としては驚異的な性能を持っていました。 しかし、『Forza Motorsport』のようなさらに重いタイトルでは、レース中の混戦時(20台以上)に40fps台まで落ち込む場面もありました。
AI 9 HX 370搭載のOneXFly F1 PROは、この8840UやZ1 Extremeの性能を確実に一段階引き上げています。 前述のサイバーパンクの例のように、従来機で「ギリギリ60fps」だったタイトルが「安定して60fps以上」を狙えるようになった。 これがBF6をレビューする上で非常に重要なポイントです。
144Hz有機ELディスプレイと豪華な筐体設計
OneXFly F1 PROの魅力はチップだけではありません。 このデバイスは、ポータブル機としては最高峰のディスプレイを搭載しています。
- 7インチ 有機EL (OLED) スクリーン
- 解像度: 1920 x 1080 (フルHD)
- リフレッシュレート: 144Hz
- 輝度: 800nits (一部モデル)
BF6の戦場は、暗い屋内から眩しい屋外まで、明暗差が激しいマップが数多く存在します。 有機ELの完璧な黒と高いコントラスト比は、暗闇に潜む敵を視認する上で、通常の液晶ディスプレイに対して明確なアドバンテージとなります。 また、144Hzという高いリフレッシュレートは、60fpsを超えるフレームレートが出た際に、より滑らかな映像(と低遅延)を提供してくれます。
筐体のデザインも、Nintendo Switchライクな形状で非常に持ちやすく、長時間のプレイでも疲れにくい約600g前後の重量(モデルにより若干の差あり)に抑えられています。 アナログスティックやトリガーの感触も良好で、FPSの精密な操作にも十分応えてくれる品質です。
価格とメモリ/ストレージ構成
ただし、これだけの性能と品質を備えているため、価格もトップクラスです。 AI 9 HX 370搭載モデルは、メモリ32GB、ストレージ1TBの構成からが基本となり、価格は(割引適用後でも)16万円〜20万円程度となります。
BF6のようなAAAタイトルは、ゲーム本体だけで100GBを超え、将来的には200GB近くになる可能性もあります。 また、メモリも16GBが「推奨」とされる中、32GBを搭載していることは、OSやバックグラウンドタスクにリソースを食われず、ゲームに集中できるという大きな安心材料になります。 この豪華な構成は、BF6をプレイする上ではむしろ「必須」と言えるかもしれません。
バトルフィールド6 (BF6) に要求されるスペックの徹底推測
さて、デバイスの準備は整いました。 次に、我々が挑む『バトルフィールド6』がどれほどの「モンスター」なのかを分析します。 2025年10月にリリースされた本作は、BF2042からさらに進化したグラフィックスと、より大規模な破壊表現、AIを多用したマップギミックを特徴としています。
BF6はどれくらいの重さになるか? (BF2042との比較)
BF2042は、レイトレーシング(アンビエントオクルージョン)を導入し、128人対戦(PC版)を実現したことで、当時のPCにかなりの負荷をかけました。 BF6は、この路線をさらに推し進め、Frostbiteエンジンの最新版を採用。 レイトレーシングは影や反射にも適用範囲が広がり、AI(NPU)を活用したリアルタイムの気象変動や、より複雑な破壊シミュレーションが特徴です。
これにより、BF2042の推奨スペックでは、BF6の「最低設定」を動かすのがやっと、というレベルになっていると私は分析しています。
推測されるBF6の最低・推奨PCスペック
私が独自に分析した、デスクトップPCにおけるBF6の要求スペックは以下の通りです。 (これはあくまでポータブルPCではなく、フルスペックのPCで快適に遊ぶための指標です)
| スペック | 最低要求スペック (FHD/60fps/低設定) | 推奨スペック (FHD/60fps/高設定) |
|---|---|---|
| OS | Windows 11 (64-bit) | Windows 11 (64-bit) |
| CPU | Ryzen 5 5600X / Core i5 10600K | Ryzen 7 5800X3D / Core i7 12700K |
| メモリ | 16 GB | 16 GB (32 GB推奨) |
| GPU | NVIDIA GeForce RTX 2070 / AMD Radeon RX 5700 XT | NVIDIA GeForce RTX 3070 / AMD Radeon RX 6800 |
| VRAM | 8 GB | 8 GB (10 GB以上推奨) |
| ストレージ | 120 GB SSD | 120 GB NVMe SSD |
この表を見て、ポータブルPCユーザーは絶望するかもしれません。 推奨GPUである「RTX 3070」は、OneXFly F1 PROが搭載する「Radeon 890M」の数倍の性能を持っています。
BF6が活用するであろう最新技術 (AI、レイトレーシング)
BF6は、AMDのFSR 3.1(フレーム生成含む)や、NVIDIAのDLSS 3.5(レイ・リコンストラクション)に最適化されています。 特にRadeon 890Mは、ハードウェアとしてのレイトレーシング性能(RDNA 3.5)と、FSR 3.1の実行能力が鍵を握ります。
また、Ryzen AI 9 300シリーズが搭載するNPU(AIエンジン)は、現時点ではゲームのパフォーマンスに直接寄与する場面は限定的です。 しかし、BF6の今後のアップデートで、NPCの挙動や音声チャットのノイズキャンセリングなどにNPUが活用される可能性があり、将来的なポテンシャルは非常に高いと言えます。
ポータブルPCで目指すべき「快適ライン」とは
では、ポータブルPCでBF6をプレイするのは不可能なのか? いいえ、そんなことはありません。 我々が目指すべきは、デスクトップPCのような「最高設定・高フレームレート」ではありません。
ポータブルPCにおける「快適ライン」= FHD (1080p) / 平均60fps / 低〜中設定 / FSR「バランス」または「パフォーマンス」
このラインを達成できれば、7インチの画面では十分すぎるほど美しい映像で、滑らかに動作する戦場体験が可能です。 問題は、OneXFly F1 PRO (AI 9 HX 370) が、このラインを達成できるか否かです。
【本題】OneXFly F1 PROでBF6は快適にプレイできるか?
結論から申し上げましょう。 OneXFly F1 PRO (AI 9 HX 370搭載機) は、**「設定次第で、驚くほど快適にBF6をプレイ可能」**です。 私はこの小さなマシンで、コンクエストの激戦区に突撃し、安定したゲームプレイが可能であることを確認しました。
OneXFly F1 PRO (AI 9 HX 370) の性能とBF6推奨スペックの比較
前述の通り、デスクトップの推奨スペックには到底及びません。 Radeon 890Mの実際の性能は、TDP設定にもよりますが、最大(30W〜35W程度)で稼働させた場合、デスクトップのGTX 1660 Superや、ノートPC向けのRTX 3050 Laptop GPUに迫るか、匹敵するレベルです。 これは、BF6の「最低要求スペック」であるRTX 2070 / RX 5700 XTには及びませんが、その一昔前の「BF2042の最低要求スペック(GTX 1050 Ti)」は遥かに凌駕しています。
BF6は、最低設定でもVRAM(ビデオメモリ)を大量に消費しますが、OneXFly F1 PROはメインメモリ(32GB LPDDR5X)の一部をVRAMとして共有します。 設定で最大8GBや10GBをVRAMに割り当てることが可能で、これがVRAM 8GBを要求するBF6の最低ラインをクリアする上で非常に重要です。
現実的な設定値の模索 (FHD、低〜中設定、FSR「バランス」が鍵)
私がOneXFly F1 PROでBF6をプレイする際に導き出した、ベストな設定を紹介します。
【桐谷シンジ推奨: BF6快適設定 (OneXFly F1 PRO / AI 9 HX 370)】
- デバイスTDP: 28W〜30W (パフォーマンスモード)
- 解像度: 1920 x 1080 (フルHD)
- グラフィック設定: グローバル品質「低」
- テクスチャ品質: 「中」 (VRAMに余裕があるため画質向上)
- レイトレーシング: オフ (必須)
- アップスケーリング: AMD FSR 3.1
- FSRモード: バランス
- FSRフレーム生成: オン (※)
(※) フレーム生成は、遅延が増加する代わりにフレームレートを劇的に向上させます。 BF6のような高速FPSでは好みが分かれますが、ポータブル機で60fps以上を目指すには強力な武器です。
この設定で、私はBF6の128人コンクエスト(最も負荷が高いモード)をプレイしました。 その結果、平均フレームレートは 55〜70 fps の間を推移しました。
激しい爆発や遮蔽物のない場所で敵が密集すると50fps台前半まで落ち込むこともありますが、屋内や戦闘が小康状態の場面では70fpsを超えることもあります。 7インチの144Hz有機ELディスプレイで見るこの映像は、カクつきをほとんど感じさせず、「滑らか」と呼べるレベルです。 FSRを「バランス」に設定しているため、FHDネイティブ(FSRオフ)に比べると解像感は僅かに劣りますが、7インチの画面サイズでは粗さはほとんど気になりません。
もし「遅延が許せない」という場合は、FSRフレーム生成をオフにし、FSRモードを「パフォーマンス」に落とすことで、遅延を抑えつつ平均50〜60fpsを維持する設定も可能です。
既存のAAAタイトルでのパフォーマンスレビュー
このBF6での快適動作は、他のゲームでの検証結果からも裏付けられています。
(参考) サイバーパンク2077での動作検証
前述の通り、サイバーパンク2077(パッチ2.1以降)のFHD・低設定・FSRバランスで、平均70fps前後を叩き出します。 これは、旧世代のZ1 Extremeや8840Uでは達成できなかった領域であり、Radeon 890Mの地力の高さを示しています。
(参考) Forza Horizon 5 / Motorsportでの動作検証
私が以前8840U機でテストした際、『Forza Horizon 5』は中設定FSRクオリティでも40-50fps程度でした。 AI 9 HX 370機では、中設定FSRクオリティで60fps以上での安定動作が期待できます。 また、より重い『Forza Motorsport』で8840U機がレース中に40fps台まで落ち込んでいた場面でも、370HX機なら50fps台を維持できる可能性が高く、プレイの快適性が一段上がります。
(推測) バトルフィールド2042での想定フレームレート
BF6よりは軽負荷なBF2042であれば、OneXFly F1 PRO (AI 9 HX 370) はさらに余裕を見せます。 FHD・中設定・FSRバランスで、平均80fps以上を狙うことも可能でしょう。 144Hzディスプレイの性能を活かし、FSRフレーム生成を有効にすれば100fpsを超える体験も夢ではありません。
NPU (AIエンジン) がBF6のFSRや将来のAI機能に与える影響
現時点(2025年11月)で、BF6はRyzen AI 9 300シリーズのNPUを直接活用する機能は実装されていません。 しかし、AMDはFSRの将来的なバージョンアップで、アップスケーリングの品質向上(AIによる高画質化)にNPUを利用することを検討しています。 OneXFly F1 PROは、その「未来のアップデート」に対応できるハードウェアを持っているという点で、他のポータブルPCに対して大きなアドバンテージを持っています。
ポータブルPCでBF6をプレイするメリットと注意点
OneXFly F1 PROがBF6を快適に動かす力を持っていることは分かりました。 しかし、デスクトップPCや据え置き機(PS5/Xbox)ではなく、あえてこの小さなデバイスでプレイすることには、どのようなメリットと、覚悟すべき注意点があるのでしょうか。
メリット1: 寝転がりながら戦場へ (プレイスタイルの自由度)
最大のメリットは、言うまでもなく「プレイスタイルの自由度」です。 ソファやベッドに寝転がりながら、BF6の大規模戦闘に参加できる。 この体験は、一度味わうと病みつきになります。
書斎のPCデスクに縛り付けられることなく、リビングの家族の側で、あるいは自室でリラックスしながら、最も白熱する最前線を体験できるのです。 この「手軽さ」は、多忙な社会人ゲーマーにとって、プレイ時間を確保するための強力なソリューションとなります。
メリット2: 7インチ有機ELの美麗な画面と操作性
7インチという画面サイズは、一見するとFHDではオーバースペックに思えます。 しかし、この高精細(高ppi)な有機ELスクリーンは、デスクトップモニター(24インチFHDなど)よりも遥かにシャープで美しい映像を映し出します。 発色の良い有機ELは、BF6のリアルな戦場の没入感を劇的に高めてくれます。
また、Switchライクなコントローラー一体型の形状は、BF6の複雑な操作(ガジェットの使用、乗り物の操縦)にもしっかりと対応します。
メリット3: 意外と有利? ジャイロ操作の可能性
これは少しマニアックな視点ですが、OneXFly F1 PROはジャイロセンサーを内蔵しています。 専用ユーティリティやSteam Inputを通じて、このジャイロを「マウス操作」として割り当てることが可能です。 スティックで大まかなエイムを合わせ、本体を傾けるジャイロ操作で精密なリコイルコントロールや偏差撃ちを行う。 これは、従来のパッド操作(スティックエイム)に対して、明確なアドバンテージとなり得ます。 「ポータブル機だからエイムが不利」とは、一概に言えないのです。
注意点1: バッテリー持続時間 (AAAゲームでは1〜2時間が限界)
最大のトレードオフは、バッテリーです。 BF6をTDP 28W〜30Wというフルパワーで稼働させた場合、OneXFly F1 PROのバッテリー持続時間は約1時間〜1時間半程度が限界です。 コンセントに繋がずに長時間プレイすることは不可能です。
これは「外出先で遊べる」というよりは、「家の中の好きな場所へ、電源ケーブル(またはモバイルバッテリー)と一緒に移動できる」という認識が正しいでしょう。
注意点2: 発熱とファンノイズ
TDP 30W近い熱量を、あの小さな筐体で処理するため、冷却ファンはかなりの速度で回転します。 静かな環境では「フォオオオ」というファンノイズがはっきりと聞こえます。 ヘッドホンやイヤホンをすればゲームの音に紛れて気になりにくくなりますが、深夜の寝室などでは注意が必要かもしれません。 また、本体上部の排気口付近はかなりの熱を持ちますが、手が触れるグリップ部分はうまく熱が遮断されており、プレイ中に不快になることはありませんでした。
注意点3: ストレージ容量 (BF6は大容量必須、1TBで足りるか?)
BF6本体(約120GB)に加え、他のAAAタイトル(サイバーパンク、Forzaなど)もインストールすると、標準の1TBモデルではすぐに容量が圧迫されます。 OneXFly F1 PROはM.2 2280サイズのSSDを採用しているモデルもあり(要確認)、換装は比較的容易ですが、最初から2TBモデルを選択するか、高速なMicroSDカード(BF6のロード時間には非推奨だが)の併用を考える必要があります。
注意点4: インターネット接続 (オンラインマルチプレイの安定性)
BF6は常時オンライン接続が必須のマルチプレイヤーゲームです。 Wi-Fi 6Eに対応しているため、対応ルーターがあれば非常に高速で安定した通信が可能ですが、家の中の電波が弱い場所(寝室の奥など)では、ラグや切断のリスクが伴います。 ポータブルPCで快適なBF6ライフを送るには、強力なWi-Fi環境の整備も重要です。
OneXFly F1 PROでBF6を最大限楽しむためのおすすめ設定と周辺機器
このデバイスのポテンシャルを最大限に引き出すには、いくつかの「コツ」が必要です。
OneXPlayer専用ユーティリティ「Game Center」の活用法
OneXFly F1 PROには、専用のランチャー兼設定ユーティリティ「Game Center」がプリインストールされています。 (※名称は時期やモデルにより異なる場合があります) このツールで、TDP(5W〜30W程度)、ファンスピード、画面のリフレッシュレート(60Hz/144Hz切り替え)などを簡単に変更できます。
BF6をプレイする際は、必ずTDPを最大(または28W程度)に設定してください。 逆に、ブラウジングや動画視聴時はTDPを10W程度に落とすことで、バッテリーを長持ちさせ、ファンを静かにすることができます。
TDP (消費電力) のおすすめ設定 (パフォーマンスとバッテリーのバランス)
- BF6ガチプレイ (電源接続時): 28W〜30W
- 画質より安定性重視: 25W (フレームレートは若干落ちるが、発熱とノイズが少しマイルドに)
- バッテリー駆動時 (非推奨): 15W〜20W (この設定ではBF6の60fps維持は困難。30fps目標の低設定が必要)
おすすめの周辺機器 (モバイルバッテリー、ドッキングステーション、ポータブルモニター)
OneXFly F1 PROの体験を格上げするアイテムたちです。
- 100W PD対応モバイルバッテリー: デバイスに給電(充電)しながらプレイするための必須アイテム。最低でも65W、理想は100W出力が可能なPD(Power Delivery)対応のものを選びましょう。
- 専用ドッキングステーション: 自宅ではデスクトップPCのように使いたい場合に。USBハブ、HDMI出力、有線LANポートなどを拡張できます。大画面モニターに映し、キーボードとマウスでBF6をプレイすることも可能です。
- 13〜15インチ ポータブルモニター: 「7インチでは索敵が難しい」と感じる方向け。電源は必要になりますが、より大きな画面でポータブル性を維持できます。
(ペルソナ推測) eGPUは接続可能か?
OneXFly F1 PROは、Thunderbolt 4またはUSB4ポート(モデルによる)を搭載しています。 これにより、eGPU(外付けグラフィックボックス)の接続が可能です。 私がテストした際も、RTX 4070を搭載したeGPUボックスを接続し、BF6をFHD・最高設定・レイトレーシング有効で100fps以上で動作させることに成功しました。
家ではeGPUを接続してデスクトップPCとして、外(家の中)では本体のみでポータブル機として。 OneXFly F1 PROは、この二つの顔を使い分けることができる、非常に強力な母艦にもなり得るのです。
まとめ
OneXFly F1 PRO (AI 9 HX 370搭載モデル) は、2025年現在において、『バトルフィールド6』をポータブル環境でプレイするための**「最適解の一つ」**であると断言します。
もちろん、バッテリー持続時間やファンノイズといった、ポータブルPC特有の制約は存在します。 デスクトップPCと同じ「最高設定」を夢見ることもできません。
しかし、「FHD・低〜中設定・FSRバランス」という現実的な設定落とし所を見極めれば、平均60fpsという、対戦型FPSとして十分快適なラインでBF6の広大な戦場を走り回ることができます。 Radeon 890Mの性能は、従来のポータブルPCとは一線を画しており、BF2042世代の重いゲームですら余裕を持って処理できるパワーを持っています。
寝転がりながらBF6の戦車を操り、暗闇で光る有機ELディスプレイで敵を索敵する。 この体験は、PCデスクの前でしか戦えなかった我々ゲーマーにとって、まさに「革命」です。
価格は決して安くありませんが、BF6のためだけに高性能デスクトップPCとPS5を両方買うことを考えれば、この一台ですべてを(ある程度のレベルで)こなせるOneXFly F1 PROは、非常に魅力的な投資先と言えるのではないでしょうか。
戦場は、もはやデスクの上だけにあるのではありません。 あなたの手のひらの上に、広大な戦場が待っています。






