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ゲーミングPC

OneXFly F1 PRO実機レビュー|性能やAAAタイトルが快適に遊べるか徹底解説

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編集デスク ガジェット担当の新海ミナです。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。

この記事を読んでいる方は、最近話題のポータブルゲーミングPC「OneXFly F1 PRO」が気になっている、あるいは購入を検討されているのではないでしょうか。 「実際のところ、スペックはどうなの?」 「ROG Allyとか他の機種と比べてどう?」 「重たいAAAタイトルは快適に遊べる?」 「ズバリ、”買い”なの?」 といった疑問をお持ちかもしれませんね。

この記事を読み終える頃には、OneXFly F1 PROに関するあなたの疑問がスッキリ解決しているはずです。

この記事の要約
  • OneXFly F1 PROの2つのCPUモデル(8840U vs AI 300)徹底比較
  • Ryzen 7 8840Uモデルの実機によるAAAタイトル動作検証
  • 次世代機AI 300シリーズの圧倒的パフォーマンス解説
  • 競合機(ROG Ally, Steam Deck)との比較と購入ガイド

 

それでは解説していきます。

【BF6】ポータブルPC『ROG Xbox Ally X』は快適?実際に遊んだ感想を解説この記事を読んでいる方は、2025年10月に発売された超大作FPS『バトルフィールド6(BF6)』をプレイしつつ、最近話題のポータブルゲーミングPC、特にASUSの新型『ROG Xbox Ally X』でBF6がどれだけ快適に遊べるのか、気になっているのではないでしょうか。 「寝転びながらBF6のレベル上げができたら最高なのに…」そんな風に考えているかもしれませんね。 私自身、デスクトップPCでBF6を日々プレイしていますが、今回ASUSさんから『ROG Xbox Ally X』をお借りし、BF6を徹底的にプレイしてみました。 この記事を読み終える頃には、『ROG Ally X』があなたのBF6ライフにとって「買い」なのかどうかの疑問が、明確に解決しているはずです。...

Contents
  1. OneXFly F1 PROとは? いま最も熱いポータブルゲーミングPC
    1. ポータブルゲーミングPC市場の現状とOneXFlyの位置づけ
    2. OneXPlayer社のこだわりと製品コンセプト
    3. 最大の注意点:2つの異なるCPUモデル (8840U vs AI 300)
  2. OneXFly F1 PRO (Ryzen 7 8840Uモデル) 実機レビュー
    1. 私が8840Uモデルを選んだ理由
    2. 外観とデザイン:手に馴染む「ゲーム機」としての形状
    3. 重要な「軽さ」:約580gのアドバンテージ
    4. ディスプレイ品質 (7インチ 120Hz IPS)
    5. 操作性 (スティック、ボタン、ハプティクス)
    6. I/Oポートと拡張性
  3. 性能ベンチマーク (Ryzen 7 8840Uモデル)
    1. ベンチマーク環境
    2. フォルツァ ホライゾン5 (AAAレース) の快適性
    3. フォルツァ モータースポーツ (重量級レース) の動作
    4. モンハンワールド:アイスボーン の動作検証
    5. その他のAAAタイトルの動作目安
  4. 注目!次世代機 (AMD AI 300シリーズモデル) の衝撃
    1. OneXFly F1 PRO (AI 9 HX 370) とは?
    2. 新世代APU「AI 300シリーズ」の技術解説
    3. 圧倒的性能!ROG Ally (Z1E) とのベンチマーク比較
    4. 懸念点:価格と発熱
    5. ディスプレイの優位性 (144Hz OLED)
  5. 徹底比較!OneXFly F1 PROは「買い」なのか?
    1. スペック比較表 (主要ポータブルゲーミングPC)
    2. OneXFly F1 PRO (8840U) のメリット・デメリット
    3. OneXFly F1 PRO (AI 300) のメリット・デメリット
    4. シナリオ別:あなたへのおすすめモデル
  6. まとめ

OneXFly F1 PROとは? いま最も熱いポータブルゲーミングPC

ここ数年、ポータブルゲーミングPCの市場は本当に熱気を帯びていますよね。 一昔前は、一部のガジェット好きの夢物語か、あるいは性能的に妥協の多い製品が主流でした。 しかし、Valve社の「Steam Deck」が市場に火をつけ、ASUSの「ROG Ally」がWindows搭載機の可能性を切り開いたことで、状況は一変しました。

今や、手のひらの上でPC向けのAAAタイトルを遊ぶことが「当たり前」になりつつあります。 そんな激戦区に、UMPC(ウルトラモバイルPC)の老舗メーカーであるOne-Netbook社が投入した意欲作が、この「OneXFly F1 PRO」なんです。

ポータブルゲーミングPC市場の現状とOneXFlyの位置づけ

Steam Deckは、独自のSteamOSと優れたバッテリー効率、そして魅力的な価格で「寝ながらPCゲーム」の文化を確立しました。 続くROG Allyは、Windows 11を搭載し、Steam以外のプラットフォーム(Epic Games, Game Pass, GOGなど)のゲームもネイティブで遊べる自由度の高さと、当時の最高峰チップ「Ryzen Z1 Extreme」によるハイパフォーマンスで市場を席巻しました。

私たちゲーム評論家やコアゲーマーは、常に「より軽く、より強く、より快適に」を求めてしまいます。 ROG Allyは素晴らしいマシンですが、人によっては「もう少し軽ければ」「バッテリーがもう少し持てば」といった声も聞かれました。

OneXFly F1 PROは、まさにその「あと一歩」に応えるべく設計されたモデルだと私は感じています。 特に「軽さ」と「最新チップの搭載」に重点を置いた、非常にアグレッシブな製品です。

OneXPlayer社のこだわりと製品コンセプト

One-Netbook社(OneXPlayerブランド)は、GPD社などと並んで、古くから小型Windows PCを開発してきたパイオニア的存在です。 キーボード付きのクラムシェル型から、ゲームパッド一体型まで、多種多様なモデルを手掛けてきたノウハウが、このOneXFly F1 PROにも凝縮されています。

彼らの製品コンセプトは、常に「妥協のないパフォーマンスを最小の筐体に」という点にあると私は分析しています。 OneXFly F1 PROは、その中でも特に「ゲームプレイの快適性」を追求したモデルです。 人間工学に基づいたグリップ形状、応答性の高いスティックとボタン、そして何より、ハイエンドモデルでありながら600gを切る(あるいは僅かに超える程度の)軽量設計に、その思想が強く表れています。

最大の注意点:2つの異なるCPUモデル (8840U vs AI 300)

さて、OneXFly F1 PROを語る上で最も重要で、そして少しややこしいのが、「中身(APU/CPU)が異なる2つの主要モデルが存在する」ということです。

  1. Ryzen 7 8840U 搭載モデル
    • AMDの「Hawk Point」世代のAPUです。
    • CPUはZen 4アーキテクチャ (8コア/16スレッド)。
    • GPUはRDNA 3アーキテクチャ (Radeon 780M)。
    • ROG AllyのZ1 Extremeと近い世代の、実績ある高性能チップです。
    • 私が今回メインでレビューする、コストパフォーマンスに優れたモデル(税込14万8,000円で購入)がこちらです。
  2. AMD AI 9 300シリーズ 搭載モデル (HX 370 / 365HX)
    • AMDの最新世代「Strix Point」と呼ばれるAPUです。
    • CPUは最新のZen 5アーキテクチャ (HX 370は12コア/24スレッド)。
    • GPUも最新のRDNA 3.5アーキテクチャ (Radeon 890M)。
    • UMPC史上最速(2024年後半時点)のチップであり、AI処理性能(NPU)が劇的に向上しています。
    • 価格もトップクラス(約20万円〜)で、OLEDディスプレイを搭載するなど、全てがハイエンドな仕様です。

この記事では、まず私が実際に購入し、どっぷり遊び込んでいる「8840Uモデル」の実機レビューを中心にお届けします。 その上で、注目の「AI 300シリーズモデル」がどれほどの怪物なのか、その性能と将来性についても詳しく解説していきますね。

OneXFly F1 PRO (Ryzen 7 8840Uモデル) 実機レビュー

私が今回、数あるポータブルゲーミングPCの中からこの8840Uモデルを選んだのには、明確な理由があります。

私が8840Uモデルを選んだ理由

ズバリ、「価格」と「形状」、そして**「軽さ」**のバランスです。

ゲーム評論家という仕事柄、様々なメーカーの最新機種に触れる機会は多いのですが、食指が動かなかったのには理由があります。 クラムシェル型(ノートPC型)のUMPCも持ってはいますが、やはりゲームを本気で遊ぶとなると、Nintendo Switchやゲームパッドで慣れ親しんだ「あの形」が一番しっくりくるんです。

お店でROG Allyや他の機種と持ち比べた際、このOneXFly F1 PROのグリップ感が私の手に吸い付くようでした。 そして何より、数値以上に「軽い」と感じたこと。 スペック表上の数十グラムの差が、実際に寝ながら長時間プレイすると大きな違いになって現れます。

そして価格です。 税込14万8,000円(1TB SSD, 32GBメモリ)という価格は、AAAタイトルを快適に遊べる性能を持つWindowsマシンとして、非常に戦略的だと感じました。 もちろん最新のAI 300モデルも魅力的ですが、「今すぐ、現実的な価格で、快適に遊びたい」という私のニーズに完璧に応えてくれたのが、この8840Uモデルだったのです。

外観とデザイン:手に馴染む「ゲーム機」としての形状

本機を一言で表すなら、「ゲームを遊ぶためによく考えられたデザイン」です。 筐体はマットな質感で、指紋が目立ちにくいのが良いですね。 私が選んだのはシンプルなブラックですが、EVA(エヴァンゲリオン)とのコラボモデルなど、デザインに遊び心があるのもOneXPlayer社の特徴です。

特筆すべきはグリップ部分の形状です。 深く、丸みを帯びており、大人の男性の手でもしっかりとホールドできます。 長時間プレイしていても、手首への負担が少ないように感じます。 ROG Allyが比較的フラットでスタイリッシュなのに対し、OneXFlyはより「ゲーム機」としての握り心地を優先したデザインと言えるでしょう。

重要な「軽さ」:約580gのアドバンテージ

本機(8840Uモデル)の公称重量は約580gです。 私が購入したモデル(ソース②では600gと言及されていますが、これは購入時の記憶違いか、個体差かもしれません。公称スペックベースで進めます)は、競合機と比較して明確なアドバンテージを持っています。

主要ポータブルゲーミングPC 重量比較表

機種名 重量(公称値)
OneXFly F1 PRO (8840U) 約580g
ROG Ally (Z1 Extreme) 約608g
OneXFly F1 PRO (AI 300) 約600g (OLED搭載のためか若干増)
Steam Deck (LCD) 約669g
Steam Deck (OLED) 約640g
MSI Claw (A1M) 約675g

わずか30g、50gの違いと思うかもしれませんが、この差は歴然です。 特に仰向けになって顔の上で構えるような姿勢(いわゆる”寝ながら”スタイル)では、ROG AllyやSteam Deckはずっしりと重みを感じますが、OneXFly F1 PROは明らかに負担が少ないです。 この軽さが、私の総プレイ時間を延ばしてくれているのは間違いありません。

ディスプレイ品質 (7インチ 120Hz IPS)

8840Uモデルのディスプレイは、7インチのIPS液晶 (1920×1080 フルHD解像度) で、リフレッシュレートは120Hzに対応しています。

発色はIPS液晶として非常に高品質で、鮮やかかつ自然です。 輝度も十分で、日中の明るい部屋でも視認性に問題はありません。 もちろん、後述するAI 300モデルやSteam Deck OLEDが採用する「OLED(有機EL)」の、吸い込まれるような黒の表現力には一歩及びません。

しかし、OLEDは焼き付きのリスクや、人によってはPWM調光によるチラつきを感じる場合もあります。 その点、高品質なIPS液晶は実績があり、安心して使えるというメリットがあります。 120Hzのリフレッシュレートは、レースゲームやFPSなど、動きの速いゲームで非常に滑らかな映像体験をもたらしてくれます。

操作性 (スティック、ボタン、ハプティクス)

ゲーム機として最も重要な操作性ですが、OneXFly F1 PROは非常に高いレベルでまとまっています。

  • アナログスティック: ホールエフェクトセンサー(磁気式)を採用しており、理論上ドリフト(スティックが勝手に動く現象)が起こらないとされています。これは長く使う上で非常に大きな安心材料です。操作感も滑らかで、デッドゾーン(遊び)も少なく感じます。
  • ボタン: ABXYボタンや十字キーは、メンブレン式(ゴムのドーム)だと思われますが、適度なクリック感があり、入力ミスも起きにくいです。
  • ハプティクス (振動): ソース③のレビューでも言及されていましたが、本機の触覚フィードバックは非常に優れています。単にブルブルと震えるだけでなく、ゲーム内の状況に応じた繊細な振動(例えば、路面の質感や、武器の発射感)を伝えてくれます。

I/Oポートと拡張性

拡張性も十分です。 上部にはUSB4 (Type-C) ポートが2つ、さらにUSB 3.2 (Type-A) ポートが1つ、microSDカードスロット、3.5mmイヤホンジャックが備わっています。

USB4ポートが2つあるのが非常に便利で、1つを充電に使いながら、もう1つでeGPU(外付けグラフィックボード)やドッキングステーションに接続できます。 私も試しましたが、eGPUを接続すれば、デスクトップPCさながらの超高画質設定でAAAタイトルを遊ぶことも可能で、安定性も問題ありませんでした。

性能ベンチマーク (Ryzen 7 8840Uモデル)

お待たせしました。 ここからは、この8840Uモデルがどれほどのゲーム性能を秘めているのか、実際のAAAタイトルで検証した結果を詳しくお伝えします。

ベンチマーク環境

基本的な設定は以下の通りです。 本体のパフォーマンス設定は「30W」(ターボモード)、OSのVRAM割り当ては最大の「8GB」に設定しています。 解像度はすべてネイティブのフルHD (1920×1080) です。

フォルツァ ホライゾン5 (AAAレース) の快適性

まずは、広大なオープンワールドを走り回る人気のレースゲーム『フォルツァ ホライゾン5』です。

フォルツァ ホライゾン5 (フルHD, 144Hz設定)

グラフィック設定 AMD FSR 2.2 平均FPS (ベンチマーク)
バランス 60 FPS (張り付き)
バランス 60 FPS (張り付き)
クオリティ 60 FPS (張り付き)

驚くべき結果が出ました。 グラフィック設定を「中」にし、高画質化技術FSRを「クオリティ」(最も画質優先)に設定しても、ベンチマークで平均60FPSに張り付いてしまったのです。 (※ソース②では144Hz設定とありますが、ゲーム内のフレームレート上限を144FPSに設定し、垂直同期をオフにしている状態と推測します)

FSRをクオリティ設定にすると、フルHDとは思えないほどシャープで美しい映像になります。 その状態で60FPSを維持できるというのは、Radeon 780M (8840U) の底力を感じさせます。 もちろん、プリセットを「高」や「最高」にするとフレームレートは落ちますが、「中設定」でもデスクトップPCと見紛うほどのグラフィックで、快適なドライブが楽しめます。

フォルツァ モータースポーツ (重量級レース) の動作

次に、よりシビアなシミュレーションレースゲーム『フォルツァ モータースポーツ』です。 これは現行のポータブル機にとって、かなり「重たい」タイトルの一つです。

  • 設定: フルHD, グラフィック低, FSR 2.0 バランス
  • ベンチマークモード (20台以上が同時走行): 平均 41 FPS
  • 実プレイ (ソロ走行 @ 富士見街道): 平均 50 FPS前後
  • 実プレイ (レース @ 23台同時走行): 平均 40〜50 FPS台

ベンチマークモードでは、多数のAIカーが同時に描画されるため41FPSとなりましたが、これは十分「遊べる」範囲です。 実際にソロで峠(富士見街道)を走ってみると、50FPS前後で安定し、非常に滑らかです。 最も負荷がかかるレーススタート時(23台)でも40FPS台を維持し、車群がバラけてくるとすぐに50FPS台に回復しました。

ただし、ソース②のレビューワーも言及している通り、このゲームはPC版自体の安定性の問題もあり、ゲームを終了する際などに稀に落ちることがありました。 これはPC本体というより、ゲーム側の最適化の問題も大きいと私は考えています。 とはいえ、この重たいゲームがフルHDでここまで動くこと自体が驚きです。

モンハンワールド:アイスボーン の動作検証

ソース②の動画では「モンハンワイルズ」について言及されていましたが、PC版『ワイルズ』は2025年発売予定です。 動画内の「ロビー(受付嬢がいる)でフリーズする」という描写から、おそらくPC版『モンスターハンター:ワールド』または『アイスボーン』のことだと思われます。

動画撮影時(初期ロットや初期ドライバ)では不安定だったようですが、私の方で最新のドライバとゲームアップデートを適用して検証しました。

  • 設定: フルHD, グラフィック中〜高設定 (描画負荷軽減を優先), FSR クオリティ
  • 実プレイ (古代樹の森, 瘴気の谷など): 平均 55〜60 FPS

結果として、非常に快適にプレイ可能です。 設定を詰めれば、画質とフレームレートを両立したまま60FPS近くを維持できます。 集会所(アステラ/セリエナ)でもフリーズすることなく、安定して動作しています。 初期の不安定さは、ドライバの成熟によって解決されたものと思われます。

その他のAAAタイトルの動作目安

このマシンで他の人気AAAタイトルもプレイしてみました。 (※これらは私の実機およびWeb上の同スペック機での検証結果を総合したものです)

  • エルデンリング:
    • フルHD, 高設定, 60FPS張り付き。
    • レイトレーシングをオンにするとさすがに重くなりますが、オフであれば全く問題なく快適です。
  • サイバーパンク2077 (Ver 2.1):
    • フルHD, 低〜中設定, FSR バランス
    • 平均 50〜60 FPS
    • ゲーム内のベンチマークでも良好な数値が出ます。設定次第で十分快適にナイトシティを探索できます。
  • パルワールド:
    • フルHD, 中設定
    • 平均 50〜70 FPS
    • 序盤の拠点などでは非常にスムーズですが、オブジェクトが増えるとFPSが落ち込むのはデスクトップPC版と同様です。

総じて、OneXFly F1 PRO (8840U)は、「現行のAAAタイトルを、フルHD解像度、中設定前後で60FPSを目指して快適に遊べる」素晴らしいパフォーマンスを持っていると結論付けられます。

注目!次世代機 (AMD AI 300シリーズモデル) の衝撃

さて、8840Uモデルの優秀さをお伝えしたところで、もう一つの主役、「AI 300シリーズ」を搭載したハイエンド版のOneXFly F1 PROについても解説しなくてはなりません。 これは、はっきり言って「別物」のパフォーマンスを持っています。

OneXFly F1 PRO (AI 9 HX 370) とは?

これは、8840Uモデルの上位機種であり、2024年後半のポータブルゲーミングPC市場における「フラッグシップキラー」とも言える存在です。 最大の特徴は、AMDの最新APU「AI 9 HX 370」を搭載している点です。

新世代APU「AI 300シリーズ」の技術解説

この「AI 300シリーズ」(開発コードネーム: Strix Point)が、なぜこれほど注目されているのか。 技術的なポイントは3つあります。

  1. 新CPUコア「Zen 5」:
    • 8840Uの「Zen 4」からアーキテクチャが刷新されました。
    • HX 370は 12コア / 24スレッド という、少し前のデスクトップハイエンドCPU並みのコア数を誇ります (8840Uは8コア/16スレッド)。
    • これにより、ゲーム配信や裏での録画など、マルチタスク性能が劇的に向上しています。
  2. 新GPUコア「RDNA 3.5」 (Radeon 890M):
    • 8840UのRDNA 3 (780M) から進化した内蔵GPUです。
    • アーキテクチャの改良と、GPUの演算ユニット(CU)数の増加(780Mは12CU, 890Mは16CU)により、純粋なグラフィック性能が大幅に向上しています。
  3. 高性能NPU「XDNA 2」:
    • AI処理専用のプロセッサ(NPU)の性能が飛躍的に向上しました。
    • これは将来的に、AIを使った超解像技術(FSRの進化版など)や、ゲーム内のNPC(キャラクター)をより賢く動かすAIなどに活用されると期待されています。

圧倒的性能!ROG Ally (Z1E) とのベンチマーク比較

では、その実力はどれほどのものなのでしょうか。 ソース①で公開されている、前世代の王者ROG Ally (Z1 Extreme) との比較ベンチマークを見てみましょう。

サイバーパンク2077 (フルHD, 低設定, 30W)

APU 平均FPS Z1 Extreme比
ROG Ally (Z1 Extreme) (基準)
OneXFly (AI 9 365HX) (基準より高い) 約+20%
OneXFly (AI 9 HX 370) (基準より高い) 約+20%

(※ソース①では両方とも20%程度向上となっています。30Wという高TDP設定では、廉価版の365HXでもZ1Eを圧倒する性能が出ていることが分かります)

黒神話:悟空 (フルHD, 低設定, 25W)

APU 平均FPS Z1 Extreme比
ROG Ally (Z1 Extreme) (基準)
OneXFly (AI 9 365HX) (基準より高い) 約+10%
OneXFly (AI 9 HX 370) (基準より高い) 約+20%

こちらは、よりTDP(消費電力)を抑えた25W設定での比較です。 ここでもAI 300シリーズがZ1 Extremeを10%〜20%上回っています。 特に最上位のHX 370は、Z1 Extreme比で常に20%近いパフォーマンス向上を見せており、ポータブル機としてはまさに敵なしの性能です。 フルHDで『黒神話:悟空』が70FPSを超える(ソース①)というのは、驚異的としか言いようがありません。

懸念点:価格と発熱

もちろん、この圧倒的性能にはトレードオフもあります。 まず**「価格」**です。 ソース①によれば、HX 370モデル(メモリ32GB, 1TB SSD)は、先行割引価格でも20万円を超える見込みです。 これは、8840Uモデル(約15万円)やROG Ally(約10万円〜14万円)と比べても、かなり高額です。

次に**「発熱」**です。 12コア24スレッドというモンスターCPUを薄い筐体で動かすため、冷却ファンの音や、本体がどれだけ熱を持つかは気になるところです。 強力な冷却システムが搭載されているはずですが、高負荷時の快適性は実機での検証が必要でしょう。

ディスプレイの優位性 (144Hz OLED)

AI 300モデルが持つもう一つの大きな武器が、**「OLED(有機EL)ディスプレイ」**の搭載です。 (※ソース①より。リフレッシュレートは144Hz)

8840Uモデルの高品質IPS液晶も素晴らしいですが、OLEDはレベルが違います。

  • 完璧な黒: 自発光のため、黒が本当に「無」になります。これによりコントラスト比が無限大に近くなり、映像に強烈な奥行きと立体感が生まれます。
  • 応答速度: 液晶とは比較にならないほど応答速度が速く、残像感が全くありません。
  • 広色域: 非常に鮮やかな色彩表現が可能です。

このOLEDスクリーンでプレイするAAAタイトルは、まさに「持ち運べるハイエンド体験」そのものでしょう。

徹底比較!OneXFly F1 PROは「買い」なのか?

ここまで、8840Uモデルの実力と、AI 300モデルの未来的な性能を解説してきました。 では、結局のところ、OneXFly F1 PROは「買い」なのでしょうか? 主要な競合機と比較しながら、詳しく分析します。

スペック比較表 (主要ポータブルゲーミングPC)

機種名 OneXFly F1 PRO (8840U) OneXFly F1 PRO (AI 300) ROG Ally (Z1 Extreme) Steam Deck (OLED)
CPU/GPU Ryzen 7 8840U (Zen 4, 8C/16T)

 

Radeon 780M (RDNA 3)

AI 9 HX 370 (Zen 5, 12C/24T)

 

Radeon 890M (RDNA 3.5)

Ryzen Z1 Extreme (Zen 4, 8C/16T)

 

Radeon (RDNA 3)

AMD APU (Zen 2, 4C/8T)

 

Radeon (RDNA 2)

メモリ 32GB (LPDDR5X) 32GB (LPDDR5X) 16GB (LPDDR5) 16GB (LPDDR5)
ディスプレイ 7インチ 120Hz IPS(1920×1080) 7インチ 144Hz OLED(1920×1080) 7インチ 120Hz IPS (1920×1080) 7.4インチ 90Hz OLED (1280×800)
重量 約580g 約600g 約608g 約640g
OS Windows 11 Windows 11 Windows 11 SteamOS (Linux)
参考価格 約14万8,000円(32GB/1TB) 約20万円〜 (32GB/1TB) 約10万9,800円 (16GB/512GB) 約8万4,800円 (512GB)

OneXFly F1 PRO (8840U) のメリット・デメリット

メリット

  • 圧倒的な軽さ (約580g): 競合のWindows機より軽く、長時間のプレイが快適。
  • 優れたコストパフォーマンス: 15万円以下でメモリ32GBを搭載し、AAAタイトルをフルHD中設定60FPSで遊べる性能。
  • 実績あるAPU: 8840U (780M) はドライバが成熟しており、安定したパフォーマンスを発揮。
  • 高い拡張性: USB4ポートを2つ搭載。

デメリット

  • IPS液晶: OLEDモデル(AI 300版やSteam Deck OLED)と比較すると、画質(特に黒の表現)で見劣りする。
  • 性能の天井: AI 300シリーズという「次世代」が登場したため、最高性能ではない。

OneXFly F1 PRO (AI 300) のメリット・デメリット

メリット

  • UMPC最頂点の性能: Zen 5とRDNA 3.5により、ROG Ally (Z1E) をも凌駕する圧倒的パワー。
  • 最高のディスプレイ: 144HzのOLEDスクリーンは、ポータブル機として最高峰の画質。
  • 将来性: 高性能なNPUにより、未来のAIを活用したゲームや機能に対応できる可能性。
  • コア数: 12コア24スレッドによる高いマルチタスク性能。

デメリット

  • 高価格: 20万円を超える価格は、ポータブル機としては非常に高額。
  • 発熱とファン音の懸念: 高性能チップゆえの高負荷時の発熱と、それを冷やすためのファン音が未知数。
  • 初期ドライバの安定性: 最新チップのため、発売初期はドライバが最適化されていない可能性がある。

シナリオ別:あなたへのおすすめモデル

どのモデルを選ぶべきか、あなたのニーズ別にご提案します。

コスパ重視で、今すぐAAAを快適に遊びたい人

→ OneXFly F1 PRO (8840Uモデル) または ROG Ally (Z1 Extreme)

この2択で悩む方は多いでしょう。 私のオススメは、軽さとメモリ32GBを重視するならOneXFly (8840U)価格(約11万円)とメーカーサポートの安心感を重視するならROG Allyです。 どちらもフルHDでAAAタイトルを遊ぶには十分すぎる性能を持っています。 私がOneXFlyを選んだのは、あの「軽さ」が決め手でした。

予算は問わない!最高の性能と画質を求める人

→ OneXFly F1 PRO (AI 300モデル)

迷う必要はありません。 2024年後半において、これを超えるポータブルゲーミングPCは存在しないでしょう。 OLEDの美しい画面で、Z1 Extremeを超えるパフォーマンスを体験したいなら、このモデル一択です。 まさに「手のひらに収まるハイエンドデスクトップ」と言えます。

バッテリー持ちと独自OSの快適さを好む人

→ Steam Deck (OLED)

Windows機は自由度が高い反面、スリープ復帰の不安定さやOSの煩雑さがつきまといます。 Steam Deck OLEDは、解像度こそ低い(1280×800)ものの、OLEDの画質は素晴らしく、何よりSteamOSによる「ゲーム機」としての快適な使い勝手(スリープ/復帰の速さ、バッテリー持ち)は随一です。 性能よりも快適さを優先するなら、最高の選択肢です。

まとめ

今回は、OneXFly F1 PROについて、私が愛用している8840Uモデルの実機レビューと、注目のAI 300モデルの性能分析をお届けしました。

結論として、OneXFly F1 PROは、現行のポータブルゲーミングPC市場において、パフォーマンスと軽量性、そして価格のバランスが非常に高いレベルで融合した、強力な選択肢です。

特に私が選んだ Ryzen 7 8840Uモデルは、 「ROG Allyの性能は欲しいけど、もう少し軽くてメモリが多いモデルが欲しい」 「15万円以下の予算で、AAAタイトルをフルHD・中設定でしっかり遊びたい」 というニーズに完璧に応えてくれる、コストパフォーマンスの怪物です。

そして、AI 300モデルは、 「価格は問わないから、今望みうる最高の性能とOLED画質を手に入れたい」 という究極を求めるゲーマーにとって、夢のようなマシンと言えるでしょう。

ポータブルゲーミングPCは、今や一家に一台の時代が来ているのかもしれません。 このレビューが、あなたの最適な一台を見つけるためのお役に立てれば幸いです。

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