ゲーム評論家の桐谷シンジです。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、2025年10月16日に発売された待望の新作『ポケモンレジェンズ Z-A』(以下、ポケモンZA)の、従来とはまったく異なるバトルシステム、特に「すばやさ」の仕様について詳しく知りたいと思っているはずです。 「すばやさって、結局1でも多く上げた方がいいの?」 「『こうそくいどう』って効果ある?」 「まひやねむけの影響は?」 といった疑問が尽きないことでしょう。
この記事を読み終える頃には、ポケモンZAにおける「すばやさ」の全ての疑問が解決しているはずです。
- ポケモンZAの「すばやさ」は行動回数を決める最重要ステータス
- すばやさ「1」刻みの調整は無駄にならず明確な効果アリ
- 「こうそくいどう」はクールダウンを縮めず移動速度のみアップ
- 「ねむけ」はクールダウン2倍、「まひ」は移動速度低下のみ
それでは解説していきます。
ポケモンZAの戦闘システムと「すばやさ」の基本
ポケモンZAの舞台、再開発が進む「ミアレシティ」。
この地で繰り広げられるバトルは、これまでのポケモンシリーズの常識を覆すものでした。 特に「すばやさ」の概念は、前作『Pokémon LEGENDS アルセウス』(以下、アルセウス)のシステムを色濃く受け継いでおり、根本から理解し直す必要があります。
前作『アルセウス』から継承? ZAの「CTB(コンディショナル・ターン・ベースド)」バトル
従来のポケモンバトルは、お互いがターンごとに行動を選択し、「すばやさ」が高い方から行動する、というターン制バトルでした。 しかし、ポケモンZAで採用されているのは、特定の条件下で行動順が変動する「CTB(コンディショナル・ターン・ベースド)」、あるいは「ATB(アクティブ・タイム・バトル)」に近いシステムです。
画面の右側には「アクションゲージ」が表示され、どのポケモンが次に、あるいはその次に動けるのかが可視化されています。 このシステムこそが、ポケモンZAのバトルを奥深くしている元凶であり、「すばやさ」の価値を決定づけているものです。
従来のターン制バトルと何が違うのか
従来のターン制バトルでは、「すばやさ」の価値は「相手より先に行動できるか否か」という1点にほぼ集約されていました。 例えば、すばやさ実数値が「100」のポケモンと「101」のポケモンがいた場合、「101」のポケモンが必ず先に行動できます。 しかし、「101」のポケモンと「150」のポケモンが戦った場合、どちらも「100」のポケモンより先に行動できるという点では同じ価値でした(※トリックルーム等を除く)。 極端な話、相手より「1」でも高ければよく、それ以上は無駄になるケースも多かったのです。
しかし、ポケモンZAでは違います。 「すばやさ」は、相手より先に動けるか否かだけでなく、「どれだけ早く次の行動に移れるか」という「行動回数」そのものに直結します。
ZAにおける「すばやさ」の最重要役割:クールダウン短縮
ポケモンZAのバトルでは、ポケモンが一度行動(技を使用)すると、「クールダウンタイム(CD)」が発生します。 このクールダウンが終了するまで、そのポケモンは次の行動に移れません。 そして、「すばやさ」のステータスが高ければ高いほど、このクールダウンタイムが短縮されます。
つまり、
- すばやさが低いポケモン:行動後の待ち時間が長い
- すばやさが高いポケモン:行動後の待ち時間が短い
これが何を意味するか。 すばやさが圧倒的に高ければ、相手が1回行動する間に、こちらが2回、あるいは3回と連続で行動できる可能性があるのです。 従来の「先手を取る」という価値から、「行動回数を増やす」という、より直接的かつ強力な価値へと変化した。 これがポケモンZAにおける「すばやさ」の最も重要な役割です。
【最重要】すばやさ「1」刻みは無駄になる? 検証結果
さて、読者の皆さんが最も知りたいであろう核心部分です。 従来のバトルでは、特定の相手(いわゆる調整ライン)を超えるための「1」以外は無駄になることもありました。 では、行動回数に影響するポケモンZAにおいて、この「1」刻みのすばやさ調整は意味を持つのでしょうか。
結論:すばやさ「1」は無駄にならない
結論から申し上げます。 ポケモンZAにおいて、すばやさ実数値の「1」は決して無駄になりません。
前作『アルセウス』での詳細な検証結果(そして、そのシステムを引き継ぐ本作でも同様の傾向が確認されています)によると、「すばやさ」の数値は、ほぼリニア(直線的)にクールダウンタイムの短縮に影響を与えます。
「すばやさ1につき、クールダウンが約0.03秒短縮される」 (※これはあくまで前作での検証に基づく目安であり、今作の内部計算式とは異なる可能性がありますが、傾向は同じです)
これは、すばやさが「90」のポケモンと「91」のポケモンでは、ごく僅かですが「91」のポケモンの方が行動物資後の待ち時間が短くなることを意味します。
従来の「すばやさ調整」との決定的な違い
従来のポケモンバトルでは、「すばやさ100族」や「激戦区」と呼ばれる特定の数値を意識し、そこを「1」超えるか否か、という調整が主流でした。
しかしポケモンZAでは、クールダウンが1フレーム(1/60秒や1/30秒)でも短縮されれば、それが積み重なって行動順が入れ替わる可能性があります。 1回の行動では誤差のように見えても、バトルが長引けば長引くほど、その僅かな差が「相手より1回多く行動できる」という決定的な差を生み出すのです。
したがって、「ここまで上げればOK」という明確なラインは存在せず、「上げれば上げるだけ(1でも多く)恩恵がある」というのが、ポケモンZAの「すばやさ」調整の基本的な考え方となります。
検証:僅かな「すばやさ」の差がクールダウンに与える影響
ここで、前作『アルセウス』で行われた、非常に興味深い検証結果を見てみましょう。 (ポケモンZAでも同様の結果が確認されています)
使用する技は、発動時間が固定されている「みがわり」(クールダウンの基礎値が10秒)と仮定します。 この技を、すばやさ実数値が僅かに異なるポケモンたちに使用させ、クールダウン(技が再度使用可能になるまでの時間)を比較しました。
| ポケモン | すばやさ実数値 | クールダウン(推定) | 基礎値からの短縮量 |
|---|---|---|---|
| ギャラドス | 90 | 約8.08秒 | 約1.92秒 |
| チルタリス | 92 | 約8.03秒 | 約1.97秒 |
| ミルホッグ | 95 | 約7.93秒 | 約2.07秒 |
(※上記はあくまで検証データの一例です)
この表が示すのは、すばやさが「90」と「92」という、たった「2」の違いでも、クールダウンに約0.05秒の差が生まれているという事実です。 さらに「92」と「95」の「3」の違いでも、約0.1秒の差が確認できます。
この結果は、「すばやさが1刻みでクールダウン短縮に影響している」ことを強く裏付けています。 ポケモンZAのバトルは、この0.1秒、0.05秒を削り合う、シビアな世界なのです。
ZAにおける「すばやさ」調整の考え方
では、我々プレイヤーは「すばやさ」とどう向き合うべきでしょうか。 「1」でも多く上げることに意味があるのは分かりました。 しかし、ステータスには限りがあります。 「こうげき」や「ぼうぎょ」を捨てて、すべて「すばやさ」に振るべきなのでしょうか。
これはポケモンの役割によって異なります。
- アタッカー(特に高速アタッカー) 「すばやさ」は最優先で最大まで上げるべきです。 行動回数の増加は、そのまま火力(総ダメージ量)の増加に直結します。 相手を倒すために2発必要だとしても、相手が行動する前に2回行動できれば、実質的に「一撃で倒した」のと同じ状況を作り出せます。
- 耐久型・サポート型 「すばやさ」を全く振らない、という選択肢も出てきます。 行動回数を犠牲にする代わりに、「ぼうぎょ」や「とくぼう」、「HP」に厚く振り分けることで、相手の猛攻(連続攻撃)を耐え抜く役割です。 ただし、あまりに遅すぎると、相手に一方的に行動され続けるため、最低限のライン(例えば、特定の相手の連続行動を防ぐライン)まで振る、といった調整も有効です。
重要なのは、「すばやさ」が「行動回数」というリソースを奪い合うステータスに変わったと認識することです。
「すばやさ」が影響する範囲・しない範囲
「すばやさ」がクールダウン短縮、すなわち行動回数に直結することは理解いただけたかと思います。 では、それ以外の要素、例えばフィールドを駆け回る「移動速度」や、技を繰り出す「モーションの速さ」には影響するのでしょうか。 これもまた、多くのプレイヤーが抱く疑問です。
影響「する」もの:技のクールダウン(行動回数)
これは前述の通りです。 ポケモンZAにおいて「すばやさ」が影響を及ぼす、最も重要な要素です。
アクションゲージの進む速度と言い換えても良いでしょう。
影響「しない」もの①:移動速度
結論から言うと、「すばやさ」のステータスは、戦闘中およびフィールドでの「移動速度」には一切関係ありません。
例えば、すばやさ実数値が「200」のプテラと、実数値が「50」のニューラ(どちらもレベルは異なるが)を用意し、同じ距離を技(例:「つばさでうつ」)で移動させたとします。 この移動にかかる時間は、ステータスの「すばやさ」に関わらず、まったく同じです。
これは非常に大きなポイントです。 「すばやさ」が高いポケモンだからといって、フィールドを素早く移動できるわけではないのです。
影響「しない」もの②:技の予備動作(モーション速度)
では、技を繰り出す際の「予備動作」(技名が表示されてから実際に効果が発動するまでの時間、いわゆるモーション速度)はどうでしょうか。 これも結論から言うと、「すばやさ」は技の予備動作速度にも一切関係ありません。
すばやさ「200」のプテラが「こうそくいどう」を使う際のモーション速度と、すばやさ「50」のオンバーンが「こうそくいどう」を使う際のモーション速度は、まったく同じです。
つまり、「すばやさ」が高いからといって、技の出が早くなるわけではないのです。
補足:移動速度・モーション速度は何で決まる?
では、これらの速度は何によって決まっているのでしょうか。 検証の結果、以下の仕様になっていることが判明しています。
- 移動速度(技による移動) これは「ポケモンの種類ごと」に固有の値が設定されています。 例えば、プテラとオンバーンが同じ「つばさでうつ」を使っても、移動にかかる時間は異なります(検証ではオンバーンの方が速い結果)。 「すばやさ」のステータスではなく、「そのポケモンが、どのくらい速く移動できる種族なのか」という内部的なパラメータで決まっているようです。
- 予備動作(モーション速度) これは「技ごと」に固有の値が設定されています。 Aというポケモンが「みがわり」を使う速度と、Bというポケモンが「みがわり」を使う速度は、まったく同じです。 しかし、「みがわり」のモーション速度と、「こうそくいどう」のモーション速度は異なります。
まとめると、こうなります。
- すばやさ → 行動後の待ち時間(クールダウン)
- ポケモンの種類 → 移動速度
- 技の種類 → モーション速度
「すばやさ」の役割は、あくまで「クールダウン短縮」の一点に絞られている、と理解するのが正解です。
技や状態異常と「すばやさ」・行動順の関係
ポケモンZAのバトルにおいて、「すばやさ」そのもの(ステータス)の役割はハッキリしました。 しかし、バトルには様々な変化要素が伴います。 「すばやさ」を上下させる技や、行動を阻害する状態異常は、この新しいバトルシステムにおいてどのような影響を及ぼすのでしょうか。
技「こうそくいどう」の効果を徹底解剖
従来のバトルで「すばやさ」を2段階(実質2倍)上昇させる強力な積み技だった「こうそくいどう」。 この技は、ポケモンZAにおいてどのような効果を持つのでしょうか。
「すばやさを上げるのだから、クールダウンが短くなるはずだ」 そう考えるのが自然でしょう。 しかし、驚くべきことに、ポケモンZA(および前作アルセウス)の「こうそくいどう」は、技のクールダウンタイムを一切短縮しません。
「こうそくいどう」を使用して「すばやさアップ」のバフアイコンが付いた状態で、同じ技(例:「みがわり」)を使用しても、バフが無い状態とクールダウンタイムはまったく同じだったのです。
では、何が変わるのか。 答えは、その技名の通り、「移動速度」です。 前項で、「移動速度はポケモンの種類ごとで固定」と説明しましたが、「こうそくいどう」などの「すばやさアップ」効果は、唯一その固定値を変動させる効果を持ちます。 (※ステータスとしての「すばやさ」ではなく、「すばやさアップのバフ状態」が移動速度に影響します)
検証では、「こうそくいどう」使用後は、技による移動時間が明確に短縮されました(約3.7秒→約3.4秒など)。 文字通り、「高速移動」ができるようになるわけです。
これは戦闘において、相手の攻撃範囲から素早く離脱したり、逆に一気に距離を詰めたりする際に役立つ効果と言えます。 しかし、従来の「行動順を逆転させる」や「行動回数を増やす」といった強力な効果は失われているため、「こうそくいどう」の採用価値は、従来のシリーズとは大きく異なると言えるでしょう。
状態異常「まひ」の効果:クールダウンは遅くなる?
次に、状態異常「まひ」です。
従来のバトルでは、「すばやさ」が1/2(作品によっては1/4)になるという、非常に強力な効果を持っていました。 では、ポケモンZAではどうでしょうか。
これも驚きの結果ですが、「まひ」状態になっても、技のクールダウンタイムは一切変化しません。(遅くなりません)
「まひ」状態のポケモンが「みがわり」を使用しても、正常な状態のポケモンが使用するのと、クールダウンタイムはまったく同じでした。 (※従来の「1/4の確率で行動不能」という効果は、本作の「まひ」にも存在する可能性がありますが、クールダウンへの直接影響はありません)
では、何が変わるのか。 ポケモンZAのゲーム内ティップスにもある通り、**「まひ」は「移動速度が遅くなる」**効果を持ちます。 「こうそくいどう」とは真逆の効果です。 技による移動速度が明確に遅くなることが確認されています(約3.5秒→約4.0秒など)。
さらに、「まひ」は技の予備動作(モーション速度)にも影響を与えません。 まとめると、ポケモンZAにおける「まひ」は、相手の「行動回数」を奪うのではなく、「移動」を阻害する状態異常へと変化したのです。
状態異常「ねむけ」の効果:クールダウンへの甚大な影響
では、クールダウンに影響を与える状態異常は存在しないのでしょうか。 存在します。 それが、従来の「ねむり」から仕様変更された「ねむけ」です。
ティップスにも「クールダウンが遅くなる」と明記されていますが、その影響は絶大です。 「ねむけ」状態になったポケモンは、技のクールダウンタイムが「ちょうど2倍」になります。
すばやさが高いプテラ(基礎CD約4.7秒)が「ねむけ」になると、クールダウンは約9.5秒に。 すばやさが中程度のオンバーン(基礎CD約6.5秒)が「ねむけ」になると、クールダウンは約13.1秒に。 ほぼ誤差なく「2倍」の時間がかかるようになります。
これは、行動回数が勝敗に直結するポケモンZAにおいて、致命的な状態異常と言えます。 相手が1回行動する間に2回行動できたポケモンが、逆に相手が2回行動する間に1回しか行動できなくなる、という大逆転を引き起こします。
ちなみに、「ねむけ」は「移動速度」や「技のモーション速度」には一切影響を与えません。 純粋に「クールダウンだけを2倍にする」という、極めて強力なデバフです。
ポケモンZAの「すばやさ」を語る上で、「ねむけ」の対策は必須と言えるでしょう。
「早業」「力業」と行動順の関係性
ポケモンZA(およびアルセウス)のシステムを象徴するのが、技の「早業(はやわざ)」と「力業(ちからわざ)」です。
これは「すばやさ」ステータスとは直接関係ありませんが、行動順に多大な影響を与えるため、併せて解説します。
- 早業
- 効果:技の威力が下がる
- メリット:次に行動できる順番が早くなる(クールダウンが短くなる)
- 使い方:あと一撃で倒せそうな時、連続で行動したい時、状態異常を先に撒きたい時など。
- 力業
- 効果:技の威力が上がる
- デメリット:次に行動できる順番が遅くなる(クールダウンが長くなる)
- 使い方:一撃で確実に相手を仕留めたい時、行動回数を犠牲にしても大ダメージを与えたい時など。
「すばやさ」が高いポケモンが、さらに「早業」を使うことで、相手の行動を許さず3回、4回と連続で行動することも可能になります。 逆に、「すばやさ」が低いポケモンでも、「早業」を選択することで、本来なら追いつけない相手の行動順に割り込む、といった戦術が取れます。
「すばやさ」という基礎ステータスによるクールダウン短縮と、戦術的な選択である「早業」「力業」による行動順操作。 この2つを組み合わせてアクションゲージを支配することが、ポケモンZAのバトルの鍵となります。
ポケモンZA「すばやさ」に関するその他の疑問
最後に、ここまでの解説で触れられなかった、細かな疑問点について回答していきます。 これらもプレイヤーからよく寄せられる質問です。
メガシンカで「すばやさ」が上がるとクールダウンは早くなる?
ポケモンZAでは、カロス地方が舞台ということで「メガシンカ」が復活しました。 メガシンカによってステータスが変動するポケモンは多く、特に「すばやさ」が劇的に上昇するポケモン(メガスピアーやメガライボルトなど)もいます。
では、メガシンカして「すばやさ」が上昇した場合、そのバトル中のクールダウンは短縮されるのでしょうか。
これは、メガシンカ前後で「すばやさ」が変わらないポケモン(例:メガチルタリス)を使って検証する必要があります。 (もしすばやさが変わるポケモンで検証すると、メガシンカによるクールダウン短縮なのか、元々のすばやさによる短縮なのか区別がつかないため)
検証の結果、メガシンカの「前後」で、クールダウンタイムに変化はありませんでした。 メガチルタリス(すばやさ80)がメガシンカしても、すばやさは80のままですが、クールダウンも変化しませんでした。
このことから推測されるのは、 「メガシンカでクールダウンが早くなる」という噂は、おそらくメガスピアーなど、メガシンカで「すばやさ」の基礎値が爆発的に上がるポケモンが、その高いすばやさ(メガシンカ後のステータス)に基づいてクールダウンが短縮されているのを見て、「メガシンカ自体にCD短縮効果がある」と誤認された可能性が高い、ということです。
結論として、クールダウンは、あくまでその時点での「すばやさ」実数値(メガシンカ後ならメガシンカ後の数値)によって決定され、メガシンカという「行為」自体にボーナスはない、と考えられます。
「すばやさ」のクールダウン短縮効果に上限はある?
すばやさを上げれば上げるだけクールダウンが短くなると解説しましたが、これに上限(下限)はあるのでしょうか。 際限なく短くなり、無限に行動できるようになったりはしないのでしょうか。
これについても検証が行われています。 結論として、クールダウンタイムには「下限(最短時間)」が存在するようです。 前作『アルセウス』の検証では、どんなにすばやさを上げても(例えばデオキシス・スピードフォルムなど)、一定の技のクールダウンが「約3秒」より短くなることはありませんでした。
ポケモンZAにおいても、この「最短クールダウン(仮に3秒とする)」の仕様は引き継がれている可能性が濃厚です。 つまり、「すばやさ」を上げる恩恵は非常に大きいですが、ある一定のラインを超えると、その恩恵(短縮効果)は頭打ちになる、ということです。
この「頭打ちライン」がどの程度のすばやさ実数値なのかは、今後の詳細な検証を待つ必要がありますが、育成論を考える上で非常に重要なポイントとなります。
育成論:「すばやさ」はどこまで上げるべきか
以上のすべてを踏まえて、ポケモンZAでの「すばやさ」育成論をまとめます。
- 「1」刻みで意味があるため、中途半端な調整は存在しない 「振る」か「振らない」か。 振る場合は、他のステータスをどれだけ犠牲にできるかを天秤にかけることになります。
- アタッカーは「最短クールダウン」のラインを目指すのが理想 もし「すばやさ実数値XXXで最短クールダウンに到達する」というラインが判明した場合、アタッカーはその数値を目標に育成するのが最も効率的です。 それ以上は「無駄」になるからです。 (ただし、そのラインが非常に高い場合は、他のステータスとの兼ね合いになります)
- 「こうそくいどう」は行動回数を増やさない 従来の感覚で「こうそくいどう」を採用しても、行動回数は増えません。 「移動速度」を重視する特別な戦術(ヒット&アウェイなど)以外での採用価値は低いと評価せざるを得ません。
- 「ねむけ」対策は必須 クールダウンが2倍になる「ねむけ」は、高速アタッカーにとって天敵です。 「ねむけ」を防ぐアイテムや、回復する手段をパーティに組み込んでおく必要性が高いです。
- 「まひ」は脅威度が低下 行動回数に影響しないため、従来の「まひ」ほどの脅威はありません。 移動速度低下が問題になるバトル(フィールドを広く使うボス戦など)以外では、優先して対策する必要は薄れたかもしれません。
まとめ
今回のレビューでは、『ポケモンレジェンズ Z-A』における「すばやさ」の複雑な仕様について、徹底的に解説しました。
最後に、重要なポイントをもう一度まとめておきます。
- すばやさの役割
- 技のクールダウン(行動後の待ち時間)を短縮するためだけにある。
- 高ければ高いほど「行動回数」が増える。
- 「移動速度」や「技のモーション速度」には一切影響しない。
- 調整について
- すばやさ「1」刻みでも明確にクールダウンに差が出るため、無駄にならない。
- ただし、短縮効果には下限(最短約3秒)があり、一定以上上げても無駄になるラインが存在する。
- 関連する効果
- こうそくいどう:クールダウンは短くならず、「移動速度」が上がるだけ。
- まひ:クールダウンは変わらず、「移動速度」が下がるだけ。
- ねむけ:クールダウンが「2倍」になる、極めて危険な状態異常。
- メガシンカ:メガシンカ後の高い「すばやさ」がクールダウンに影響するのであり、メガシンカ自体に短縮効果はない。
ポケモンZAのバトルは、「すばやさ」という名の「時間」を奪い合う、非常に戦略的なシステムです。 従来の常識を捨て、新しい仕様をマスターすることが、ミアレシティでの冒険を有利に進める鍵となるでしょう。






