ゲーム評論家の桐谷シンジです。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、2025年に発売が予定されている期待の新作「Pokémon LEGENDS Z-A(ポケモン レジェンズ ゼットエー)」について、「海外メディアから酷評されている」という噂を耳にして、その理由が気になっているのではないでしょうか。

期待と不安が入り混じる中、なぜそのような厳しい意見が出てしまうのか、その真相に迫りたいと思っているはずです。
この記事を読み終える頃には、海外で「レジェンズZ-A」がなぜ批判的な評価を受けているのか、その具体的な理由と多角的な視点からの分析、そしてこのゲームが本当に「クソゲー」なのかという疑問が解決しているはずです。
- 海外メディアから噴出する批判の具体的な内容
- グラフィックやゲームシステムが指摘される根本的な理由
- 前作アルセウスやSVとの比較から見える課題と進化
- 批判を踏まえた上で本作に期待できる魅力的な要素
それでは解説していきます。

レジェンズZAが海外で酷評される理由とは?
全世界のポケモンファンが待ち望む「Pokémon LEGENDS Z-A」。 しかし、その期待とは裏腹に、一部の海外メディアやファンからは先行情報に対して厳しい声が上がっています。 「クソゲー」とまで言われるその背景には、いくつかの明確な理由が存在します。 ここでは、なぜ本作がそのような評価を受けてしまっているのか、その核心に迫る5つの理由を徹底的に解説していきます。
グラフィックのクオリティに対する厳しい指摘
まず最も多く指摘されているのが、グラフィックのクオリティに関する問題です。 特に、PlayStation 5やXbox Series X|Sといった新世代のゲーム機が市場のスタンダードとなりつつある海外市場において、Nintendo Switchで展開される本作のビジュアルは「時代遅れ」と見なされています。

「平坦な壁」と表現される建物の単調さ
先行プレイレビューでは、「建物は平坦な壁で構成されている」といった辛辣なコメントが見られました。 これは、ゲームのパフォーマンスを安定させるためのトレードオフである可能性が高いです。
例えば、60FPS(1秒間に60回画面を更新する滑らかさの指標)を維持するためには、グラフィックの負荷を軽減する必要があります。 そのため、建物のディテールを細かく作り込むことを避け、のっぺりとした、いわば「ハリボテ」のようなデザインにならざるを得なかったのではないかと推測されます。 細部にこだわった建築物やリアルな質感を求めるプレイヤーにとって、この点は大きなマイナスポイントとして映ってしまうのです。 PVや公開されたスクリーンショットを見ても、確かに過去作、特に「ポケットモンスター スカーレット・バイオレット(以下、SV)」から劇的な進化を遂げているとは言い難い部分があり、この点が批判の的となっています。
他のオープンワールドゲームとの比較
近年、「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」や「ELDEN RING」など、美麗なグラフィックと広大な世界を両立させた傑作が数多く登場しています。 こうしたゲームに慣れ親しんだ海外のゲーマーからすれば、「レジェンズZ-A」のビジュアルは物足りなく感じられても仕方ありません。 「ポケモン」という巨大なIP(知的財産)だからこそ、グラフィック面でも最高水準を期待する声が大きく、その期待に応えられていない現状が、厳しい評価に繋がっているのです。
広大だが単調な「ミアレシティ」の探索への懸念
本作の舞台は、「ポケットモンスター X・Y」にも登場した「ミアレシティ」の都市再開発プロジェクトです。 PVでは広大な都市の姿が描かれており、そのスケール感に期待が寄せられています。 しかし、その一方で「広いだけで退屈なのではないか」という懸念も広がっています。

「広い廊下が連続しているだけ」という評価
先行レビューでは、「そびえ立つ建物が、やや広めの廊下が連続したもの」「全体に単調」といった意見が出ています。 これは、前作「Pokémon LEGENDS アルセウス」の体験と比較されている点が大きいです。
アルセウスでは、ヒスイ地方という大自然を駆け巡り、高低差のある地形や多様な環境を探索する楽しさがありました。 崖を登り、空を飛び、未知のポケモンと出会うワクワク感は、多くのプレイヤーを魅了しました。 対して「レジェンズZ-A」の舞台は都市です。 どこまで行っても人工的な建物が立ち並ぶ風景に、プレイヤーがすぐに飽きてしまうのではないか、という指摘です。 もちろん、都市には都市の魅力がありますが、現時点の情報だけでは、その広大な空間をプレイヤーに楽しませるための具体的な「遊び」が見えてきません。 ただ広いだけのマップは、移動が面倒なだけの苦痛な要素になりかねず、この点が不安視されています。
都市開発というテーマの難しさ
「都市開発」というテーマ自体が、探索の自由度を狭める可能性も指摘されています。 自然の中であれば、どこへでも自由に行ける感覚がありますが、都市では道や建物によって行動が制限されがちです。 このテーマをいかにして「ポケモンらしい冒険」に昇華させるかが、本作の評価を左右する重要な鍵となるでしょう。 単なるお使いクエストの連続にならないか、都市ならではの発見や驚きが用意されているのか、今後の情報公開が待たれます。
リアルタイムバトルシステムへの賛否両論
「レジェンズ」シリーズの特徴の一つが、アクション要素を取り入れたバトルシステムです。 アルセウスでは、野生のポケモンとの緊張感あふれる駆け引きが評価されました。 「レジェンズZ-A」でもこの路線は継承されると見られていますが、このシステム自体がポケモンに合わないと感じる層も少なくありません。
伝統的なターン制バトルからの脱却
ポケモン本編は、長年にわたりターン制のコマンドバトルを採用してきました。 このシステムは、プレイヤーの戦略やポケモンの育成が勝敗を大きく左右するため、アクションが苦手な人でも楽しめるという大きな利点がありました。
しかし、リアルタイムバトルはプレイヤー自身の操作スキルが求められます。 これにより、「じっくり考えて戦略を練りたい」「自分のペースで遊びたい」という従来のファンからは、「ポケモンに求めているものと違う」という否定的な意見が出ています。 特に海外では、この新しい戦闘システムを「根本的にクソすぎる」「絶対に流行らない」と断じるメディアもあり、賛否が大きく分かれているのが現状です。
アクションゲームとしての完成度への不安
リアルタイムバトルを採用するということは、アクションゲームとしての完成度も問われるということです。 キャラクターの操作性、敵の攻撃モーションの分かりやすさ、レスポンスの良さなど、多くの要素が快適なプレイ体験に影響します。 もしこれらの調整が不十分であれば、ただストレスが溜まるだけのゲームになりかねません。 ゲームフリークはRPG開発の経験は豊富ですが、本格的なアクションゲーム開発のノウハウが十分にあるとは言えません。 その点も、海外のレビュアーから不安視されている一因と考えられます。
前作SVから進化が見られないという失望感
2022年に発売された「ポケットモンスター スカーレット・バイオレット」は、シリーズ初の本格的なオープンワールド作品として大きな期待を集めましたが、一方で数多くのバグやパフォーマンスの低さが深刻な問題となりました。 このSVでの経験が、「レジェンズZ-A」への評価に影を落としています。

技術的な問題点の改善はされているのか
多くのプレイヤーが懸念しているのは、「SVで指摘された問題点が、レジェンズZ-Aで本当に改善されているのか?」という点です。 頻発する処理落ち、予期せぬバグ、オンライン機能の不安定さなど、SVは快適なプレイ環境とは言えませんでした。 「レジェンズZ-A」のグラフィックがSVから大きく進化していないように見えることから、「また同じような技術的な問題を抱えたまま発売されるのではないか」という不信感が生まれています。 この不信感が、先行情報に対する厳しい評価の根底にあることは間違いないでしょう。
高すぎた期待値とその反動
最後の理由として、前作「Pokémon LEGENDS アルセウス」が非常に高い評価を受けたことによる、期待値のハードルの高さが挙げられます。
革新的だった「アルセウス」という大きな壁
「レジェンズ アルセウス」は、従来のポケモンシリーズの常識を打ち破る多くの革新的な要素(シームレスな捕獲、アクション性の高いバトル、広大なフィールド探索など)を取り入れ、世界中のファンから絶賛されました。 この大成功により、「レジェンズ」シリーズの次回作である「Z-A」には、「アルセウスを超える革新的な体験」が無意識のうちに期待されています。
しかし、現時点で公開されている情報は、その高いハードルを越えられているとは言い難いものです。 舞台が都市であることや、グラフィックの進化が見られない点から、「アルセウスの焼き直しではないか」「期待していたほどの新鮮さがない」と感じるファンが多く、その失望感が批判的な声となって表出しているのです。 いわば、偉大すぎる前作の存在が、新作への評価を不当に厳しくしてしまっている側面があると言えるでしょう。
レジェンズZAは本当に「クソゲー」なのか?多角的な徹底分析
海外メディアからの厳しい評価が目立つ「レジェンズZ-A」ですが、果たして本当に「クソゲー」という烙印を押されるべき作品なのでしょうか。 ゲーム評論家としての視点から、批判されている点だけでなく、本作が秘めるポテンシャルや魅力について、多角的に分析していきたいと思います。 発売前の情報だけで全てを判断するのは、あまりにも早計です。

批判だけではない!レジェンズZAに期待できるポイント
ネガティブな意見に目が行きがちですが、本作にはそれを補って余りあるほどの魅力的な要素が数多く存在します。
待望の「メガシンカ」復活
最も大きな期待が寄せられているのが、「ポケットモンスター X・Y」で登場し、絶大な人気を誇った「メガシンカ」の復活です。 メガシンカは、バトルの切り札として絶大な効果を発揮するだけでなく、人気ポケモンの新たな魅力を引き出すデザイン性の高さも相まって、多くのファンに愛されてきました。 そのメガシンカが、カロス地方を舞台とする本作で再び登場することは、ファンにとって最大の朗報と言えるでしょう。 新たなメガシンカポケモンが登場するのか、メガシンカがストーリーにどう絡んでくるのか、期待は膨らむばかりです。
「都市開発」という斬新なテーマ性
「広いが退屈」と批判される一方で、「都市とポケモンが共存する世界をプレイヤー自身が作り上げていく」というテーマは、これまでのシリーズにはなかった非常に斬新な試みです。 ミアレシティの再開発を通じて、ポケモンたちが人間の生活にどのように溶け込んでいくのか、その過程を体験できるのは大きな魅力です。 単なる冒険だけでなく、街づくりシミュレーションのような要素が加わるのであれば、これまでにない新しい遊び方が生まれる可能性があります。 建物を建てたり、施設を充実させたりすることで、訪れるポケモンや人々が変化していくなど、プレイヤーの行動が世界にダイレクトに影響を与えるシステムであれば、批判されている「単調さ」を覆すことができるでしょう。
深掘りされるカロス地方の物語
「ポケットモンスター X・Y」では、最終兵器やAZ(アズ)の物語など、多くの謎が未解決のまま残されました。 「レジェンズZ-A」が過去の物語なのか、未来の物語なのかはまだ明言されていませんが、いずれにせよ、カロス地方の歴史や伝承が深く掘り下げられることは間違いありません。 特にタイトルにある「A」と「Z」が何を意味するのか、ファンの間では様々な考察が飛び交っています。 あの壮大な物語の続き、あるいは始まりを体験できるというだけでも、プレイする価値は十分にあると言えます。
前作「レジェンズ アルセウス」との比較から見る進化と課題
本作の評価を語る上で、前作「レジェンズ アルセウス」との比較は避けられません。 アルセウスの成功体験が、本作への期待と課題の両方を生み出しています。
項目 | Pokémon LEGENDS アルセウス | Pokémon LEGENDS Z-A(予測) |
---|---|---|
舞台 | 大自然(ヒスイ地方) | 大都市(ミアレシティ) |
テーマ | ポケモン図鑑の完成 | 都市とポケモンの共存・再開発 |
探索の魅力 | 未知の自然環境の冒険 | 都市構造の変化、人間との関わり |
バトル | アクション要素のあるコマンドバトル | リアルタイム性の高いアクションバトルか |
** ключевой элемент** | アクション、捕獲システム | メガシンカ、都市開発 |
アルセウスから受け継がれる「没入感」
アルセウスが最も評価された点の一つは、プレイヤー自身がヒスイ地方の調査隊員となり、世界に没入できる高いストーリー性でした。 ポケモンがまだ人間にとって未知で恐ろしい存在だった時代設定が、捕獲やバトルの緊張感を高めていました。 「レジェンズZ-A」でも、ミアレシティの再開発プロジェクトの一員として、この「没入感」はしっかりと受け継がれるはずです。 都市開発という目標に向かって、ポケモンと共に汗を流す体験は、アルセウスとはまた違った感動を与えてくれるでしょう。
課題は「探索の楽しさ」の再定義
前述の通り、アルセウスの魅力の根幹は「大自然の探索」にありました。 「レジェンズZ-A」では、その舞台を都市に移すことで、探索の楽しさを再定義する必要があります。 単にマップが広いだけでは、プレイヤーはすぐに飽きてしまいます。 例えば、建物の屋上をパルクールのように移動したり、地下に広がる未知の空間を発見したり、時間帯によって街の様子や出現するポケモンがガラリと変わったりと、都市ならではの立体的な探索要素が求められます。 この課題をクリアできるかどうかが、本作の評価を大きく左右するでしょう。
ゲームフリークが挑む新たなポケモンの形
近年のゲームフリークは、マンネリ化が指摘されがちなポケモン本編とは別に、「レジェンズ」シリーズで常に新しいポケモンの形を模索しています。 その挑戦的な姿勢は、もっと評価されるべきだと私は考えています。
批判を恐れない挑戦の歴史
そもそも、「レジェンズ アルセウス」も発売前は多くの不安の声がありました。 「アクション要素はポケモンに合うのか」「従来のファンが離れてしまうのではないか」など、その革新性ゆえに否定的な意見も少なくありませんでした。 しかし、結果としてその挑戦は多くのファンに受け入れられ、大成功を収めました。 「レジェンズZ-A」で指摘されているグラフィックやバトルシステムの問題も、この挑戦の過程で生じている課題と捉えることができます。 安定した成功よりも、新しい体験を生み出すことを優先する開発陣の姿勢は、シリーズの未来にとって非常に重要です。
発売前の先行レビューはあくまで一部分
現在出回っている批判的なレビューは、あくまで開発中のバージョンを限られた時間だけプレイした上での感想です。 製品版では、フィードバックを受けて多くの点が改善されている可能性は十分にあります。 また、メディアによって評価の観点は様々です。 グラフィックや技術面を重視するメディアがあれば、ストーリーや世界観を重視するメディアもあります。 一部の否定的な意見だけを鵜呑みにせず、様々な情報源から総合的に判断することが大切です。
ゲーム評論家としての最終的な見解とアドバイス
これまでの情報を総合的に判断し、ゲーム評論家としての私の見解を述べさせていただきます。 結論から言うと、「レジェンズZ-A」を現時点で「クソゲー」と断じるのは、あまりにも早計であり、大きな可能性を秘めた注目すべき作品だと考えています。
確かに、海外メディアが指摘するグラフィックの物足りなさや、ミアレシティの単調さへの懸念は、的を射ている部分もあるでしょう。 Nintendo Switchの性能限界という現実的な制約の中で、開発陣が苦心している様子が伺えます。
しかし、それを補って余りあるほどの魅力が本作にはあります。 「メガシンカの復活」というファン待望の要素、そして「都市開発」という斬新なテーマは、これまでのポケモンシリーズにはなかった全く新しい体験を提供してくれる可能性を秘めています。 前作アルセウスがそうであったように、「レジェンズ」シリーズは常に私たちの予想を良い意味で裏切ってくれる、そんな期待感を抱かせてくれます。
購入を迷っている方へのアドバイスとしては、以下のように考えます。
- グラフィック至上主義の方、アクションが極端に苦手な方 少し様子見をして、発売後のプレイヤーのレビューを参考にするのが賢明かもしれません。 期待と違う部分でストレスを感じてしまう可能性があります。
- メガシンカが好きな方、カロス地方の物語の続きが気になる方 間違いなく「買い」です。 本作でしか体験できない感動が待っているはずです。
- ポケモンで新しい体験をしたい方、アルセウスにハマった方 挑戦的な本作のコンセプトは、きっとあなたの冒険心をくすぐるでしょう。 批判点を理解した上で、その挑戦を応援する意味でも、ぜひ手に取ってみてほしいと思います。
最終的な評価は、我々プレイヤー一人ひとりが実際にプレイして下すべきです。 今はただ、2025年の発売を心待ちにしながら、ミアレシティで繰り広げられる新たな冒険に胸を膨らませるのが良いのではないでしょうか。
まとめ
今回は、2025年発売予定の「Pokémon LEGENDS Z-A」が海外で酷評されている理由と、それに対する多角的な分析をお届けしました。
- 海外での主な批判点
- グラフィック: 現行のハイエンドゲーム機と比較して見劣りし、単調さが指摘されている。
- マップ: 舞台となるミアレシティが「広いだけで退屈」との懸念。
- バトルシステム: リアルタイムバトルへの変更が従来のファンから受け入れられていない。
- 進化の欠如: 前作SVの技術的問題から改善が見られないことへの失望感。
- 高すぎる期待値: 革新的だった前作アルセウスとの比較によるハードルの高さ。
- ゲームのポテンシャルと魅力
- ファン待望の「メガシンカ」が復活。
- 「都市開発」という斬新なテーマによる新しい遊びの可能性。
- カロス地方の未解決の謎が明かされるストーリーへの期待。
海外からの厳しい意見は、主に技術的な側面や、過去作との比較からくる期待とのギャップに起因するものです。 しかし、それらの批判点を凌駕する可能性を秘めた「メガシンカの復活」や「都市開発」といった魅力的な新要素も確かに存在します。
発売前の限られた情報だけで全てを判断せず、開発陣の新たな挑戦に期待しつつ、続報を待つのが賢明と言えるでしょう。 最終的にこのゲームが歴史に残る一作となるか、それとも批判通りの結果に終わるのか。 その答えは、2025年に我々自身の目で確かめるしかありません。