ゲーム評論家の桐谷シンジです。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、2025年10月16日(木)に発売された『ポケモン レジェンズ Z-A』のランクマッチで、なぜメガギャラドスが「最強」とまで言われるのか、その圧倒的な性能の秘密が気になっていると思います。

多くのプレイヤーがその力に魅了され、同時にその対策に頭を悩ませていることでしょう。 本レビューでは、私が実際にランクマッチを戦い抜く中で分析したメガギャラドスの真の強さに迫ります。
この記事を読み終える頃には、メガギャラドスが環境の頂点に君臨する理由と、その具体的な活用方法、そして対策法についての疑問がすべて解決しているはずです。
- メガシンカによる驚異的な種族値上昇
- 攻撃的なタイプ変化と優秀な耐性
- 最強特性「かたやぶり」の圧倒的破壊力
- 「りゅうのまい」による驚異の全抜き性能
それでは解説していきます。


メガギャラドスがランクマ最強と言われる5つの根拠
『ポケモン レジェンズ Z-A』のランクマッチ環境において、メガギャラドスは間違いなくトップメタの一角です。 その強さは単なる高火力に留まらず、複数の要素が複雑に絡み合った結果、他のポケモンを圧倒する性能を実現しています。 なぜメガギャラドスがこれほどまでに評価されているのか、その根拠を5つの側面から徹底的に解剖していきましょう。

根拠①:メガシンカによる種族値の爆発的上昇
メガシンカの最大の恩恵は、なんといっても種族値の大幅な強化です。 メガギャラドスはこの恩恵を最大限に受けており、攻守ともに非の打ち所がないステータスへと変貌を遂げます。 まずは、通常ギャラドスとメガギャラドスの種族値を比較した表をご覧ください。
ステータス | ギャラドス(通常) | メガギャラドス | 上昇値 |
---|---|---|---|
HP | 95 | 95 | 0 |
攻撃 | 125 | 155 | +30 |
防御 | 79 | 109 | +30 |
特攻 | 60 | 70 | +10 |
特防 | 100 | 130 | +30 |
素早さ | 81 | 81 | 0 |
合計 | 540 | 640 | +100 |
この表を見れば一目瞭然ですが、メガシンカによって攻撃・防御・特防がそれぞれ30ポイントも上昇しています。 合計種族値は640に達し、これは一部の禁止級伝説ポケモンに匹敵するほどの数値です。
圧倒的な物理火力
特筆すべきは、攻撃種族値155という驚異的な数値です。 これは全メガシンカポケモンの中でもトップクラスの物理火力を誇ります。 タイプ一致技である「たきのぼり」や「かみくだく」はもちろんのこと、サブウェポンとして採用される「じしん」や「こおりのキバ」も凄まじい威力となり、並大抵の耐久力を持つポケモンでは受けきることができません。 一撃で相手を沈める決定力、これがメガギャラドスの強さの根幹をなしています。
殴り合いに強い物理・特殊両面の耐久力
攻撃面だけでなく、防御面の大幅な強化も見逃せません。 防御は109、特防は130と、物理・特殊どちらの攻撃に対しても高い耐久力を発揮します。 メガシンカ前の特性「いかく」で相手の攻撃を下げてからメガシンカすれば、物理アタッカーとの撃ち合いではまず負けることはないでしょう。 この高い耐久力があるからこそ、後述する「りゅうのまい」を安全に積む機会が生まれ、全抜き体制を整えることが可能になるのです。 単に火力が高いだけでなく、行動保証を確保できる耐久力を兼ね備えている点が、メガギャラドスを一段上の存在へと押し上げています。
根拠②:タイプ変化(みず・ひこう→みず・あく)の戦略的メリット
メガシンカすると、タイプが「みず・ひこう」から「みず・あく」へと変化します。 このタイプ変更が、ランクマッチにおいて極めて大きな戦略的メリットをもたらします。

最大の弱点「でんき4倍」の克服
通常ギャラドス最大の弱点は、なんといっても「でんき」タイプの技を受けると4倍のダメージを負ってしまうことでした。 これにより、多くの高速でんきタイプポケモン(例えばカプ・コケコなど)を前にすると、何もできずに一撃で倒されてしまうケースが少なくありませんでした。
しかし、メガシンカして「あく」タイプが加わることで、でんき技は等倍ダメージになります。 4倍弱点が消えることで行動範囲が劇的に広がり、これまで苦手としていたでんきタイプとも互角以上に渡り合えるようになります。 メガシンカのタイミングを読んで相手のでんき技をスカし、返しのターンで「りゅうのまい」を積むといった、高度な戦術も可能になるのです。
優秀な耐性と無効タイプ
「みず・あく」という複合タイプは、耐性の面でも非常に優秀です。 弱点は「くさ」「むし」「かくとう」「でんき」「フェアリー」の5つですが、半減以下に抑えられるタイプは「ゴースト」「はがね」「ほのお」「みず」「こおり」「あく」の6つ、そして「エスパー」タイプは無効化できます。
特にエスパー無効は大きく、相手の「サイコキネシス」や「トリックルーム」などを読んで繰り出すことで、有利な対面を作り出すことができます。 多くの耐性を持つことでサイクル戦にも強く、相手の攻撃を受けながら有利なポケモンに交代する、といった動きも得意とします。
根拠③:最強特性「かたやぶり」による問答無用の突破力
メガギャラドスの強さを語る上で絶対に外せないのが、特性「かたやぶり」の存在です。 この特性は、相手の防御的な特性を無視して攻撃できるという、極めて強力な効果を持っています。
「かたやぶり」が無視できる主な特性には、以下のようなものがあります。
- てんねん:相手の能力ランク変化を無視する。
- ふゆう:じめんタイプの技が当たらない。
- マルチスケイル/ファントムガード:HP満タン時に受けるダメージを半減する。
- ばけのかわ:一度だけ攻撃を無効化する。
- ハードロック/フィルター:効果抜群の技のダメージを軽減する。
- がんじょう:HP満タン時に一撃で倒されない。
天敵であるはずの「てんねん」持ちを起点にする
通常、「りゅうのまい」のような積み技は、相手の能力変化を無視する「てんねん」を持つポケモン(ヘイラッシャ、ドヒドイデ、ピクシーなど)の前では無力化されてしまいます。 しかし、メガギャラドスは特性「かたやぶり」によって、「てんねん」を無視して能力が上昇した状態のまま攻撃することが可能です。 これにより、本来であればストッパーとなるはずの物理受けポケモンを逆に起点にし、そのまま突破してしまうという理不尽な動きができます。
ミミッキュやロトムにも強い
特性「ばけのかわ」を持つミミッキュに対しても、「かたやぶり」は有効です。 皮を無視して本体に直接ダメージを与えられるため、対面で有利に戦うことができます。 また、「ふゆう」を持つロトム系統に対しても、本来当たらないはずの「じしん」を叩き込めるため、多くのプレイヤーの意表を突くことができます。 このように、「かたやぶり」はメガギャラドスの攻撃性能を最大限に引き出し、相手の受け戦術を根底から破壊する、まさに最強の矛となる特性なのです。
根拠④:抜き性能を高める「りゅうのまい」と多彩な攻撃技
メガギャラドスは、自身の攻撃と素早さを1段階ずつ上昇させる積み技「りゅうのまい」を習得します。 元々高い攻撃力と耐久力を併せ持つメガギャラドスが「りゅうのまい」を積むことに成功すれば、その試合の勝敗はほぼ決したと言っても過言ではありません。
素早さ種族値81は決して速い方ではありませんが、「りゅうのまい」を一度積むことで、最速135族(メガミミロップなど)まで抜くことが可能になります。 これにより、ほとんどのポケモンに対して上から高火力で攻撃できるようになり、手が付けられない「全抜きエース」が完成します。
攻撃技のバリエーション
「りゅうのまい」を活かす攻撃技も非常に多彩です。
- たきのぼり: タイプ一致のメインウェポン。威力80、命中100と安定しており、2割の確率で相手をひるませる追加効果も強力。
- かみくだく: こちらもタイプ一致のメインウェポン。威力80、命中100で、2割の確率で相手の防御を1段階下げる効果があります。ゴーストやエスパータイプへの有効打。
- じしん: サブウェポンとして非常に優秀。でんきタイプやはがねタイプへの強力な打点となります。特性「かたやぶり」との相性も抜群です。
- こおりのキバ: ドラゴンタイプへの明確な遂行技。威力は65と控えめですが、ガブリアスやカイリュー、ボーマンダといった環境に多いドラゴンをピンポイントで対策できます。
- とびはねる: 情報ソースの動画でも採用されていました。1ターン目に飛び上がり、2ターン目に攻撃する技。相手の技を回避する目的で使えますが、現在のランクマッチ環境では使いどころが難しいかもしれません。しかし、意表を突くという意味では面白い選択肢です。
これらの技を相手のパーティ構成に合わせて選択することで、あらゆる相手に対応できるカスタマイズ性の高さも魅力の一つです。
根拠⑤:メガシンカ前の特性「いかく」による起点作り
メガシンカする前のギャラドスは、特性「いかく」を持っています。 これは場に出た時に相手全体の攻撃を1段階下げるという、対戦において非常に強力な特性です。
この「いかく」があるおかげで、物理アタッカーとの対面で安全に場に出し、有利な状況を作り出すことができます。 相手の攻撃が下がった隙にメガシンカして反撃に転じたり、安全に「りゅうのまい」を積む起点にしたりと、戦術の幅を大きく広げてくれます。
試合の序盤でサイクルを回しながら「いかく」を複数回撒き、相手の物理アタッカーを機能停止に追い込むといった動きも可能です。 メガシンカ後の爆発力だけでなく、メガシンカ前の準備段階においてもパーティに大きく貢献できる点が、メガギャラドスをただの脳筋アタッカーではない、戦略的なポケモンたらしめている理由なのです。
メガギャラドスのおすすめ育成論と戦術
メガギャラドスのポテンシャルを最大限に引き出すためには、適切な育成と戦術の理解が不可欠です。 ここでは、私が多くの対戦を経てたどり着いた、最も汎用性が高く強力な育成論と、その立ち回りについて詳しく解説します。

基本的な育成論(AS龍舞型)
最もシンプルかつ強力なのが、攻撃(A)と素早さ(S)に努力値を振り切り、抜き性能を最大まで高めた型です。
- 性格: ようき (素早さ↑ 特攻↓)
- 努力値: 攻撃252 / 素早さ252 / HP4
- 持ち物: ギャラドスナイト (必須)
- 技構成:
- りゅうのまい
- たきのぼり
- かみくだく
- じしん or こおりのキバ
性格・努力値の意図
性格を「ようき」にし、素早さに252振ることで、メガシンカ後の実数値は133となります。 ここから「りゅうのまい」を1回積むことで素早さは199となり、最速130族(カプ・コケコなど)を抜くことができます。 環境には高速アタッカーが多いため、火力を少し落としてでも「ようき」を選択するメリットは非常に大きいです。
火力を最大限に高めたい場合は「いじっぱり」(攻撃↑ 特攻↓)も選択肢に入りますが、その場合は抜ける相手が減るため、パーティ全体で素早さ操作のサポート(おいかぜ、でんじは等)を用意する必要があるでしょう。
技選択のポイント
技構成は、積み技の「りゅうのまい」とタイプ一致技の「たきのぼり」「かみくだく」まではほぼ確定です。 最後の1枠は、パーティ単位で重い相手に応じて選択します。 でんきタイプやはがねタイプへの打点が欲しい場合は「じしん」、ドラゴンタイプに薄い場合は「こおりのキバ」がおすすめです。 汎用性で言えば、やはり「じしん」が頭一つ抜けている印象です。
メガギャラドスの基本的な立ち回り方
育成したメガギャラドスを活躍させるには、場に出すタイミングとメガシンカのタイミングが重要になります。
立ち回り①:先発での「いかく」による牽制
相手のパーティに物理アタッカーが多い場合、先発で繰り出して「いかく」を撒く動きが強力です。 相手の出鼻を挫き、有利な対面であればそのままメガシンカして攻め、不利であれば一度交代してサイクルを回します。
立ち回り②:死に出し・有利対面からの起点作り
味方が倒された後の死に出しや、相手が苦手なポケモン(ほのおタイプ、じめんタイプなど)を繰り出してきたタイミングは、「りゅうのまい」を積む絶好のチャンスです。 相手が交代せざるを得ない状況で能力を上昇させ、次のターンから全抜きを狙います。
立ち回り③:メガシンカのタイミングを見極める
メガシンカは、必ずしも場に出してすぐに行う必要はありません。 例えば、相手がでんき技を撃ってくることが読める場面では、あえてメガシンカせずに通常ギャラドスのまま交代し、でんき無効の味方(ドリュウズなど)に引くのが有効です。 逆に、エスパー技を無効化したい場合や、すぐにでも火力を上げて相手を倒したい場合は、即座にメガシンカを選択します。 「タイプを変える」という意識を持つことが、メガギャラドスを使いこなす上で最も重要なポイントです。
相性の良い味方ポケモン
メガギャラドスは単体でも強力ですが、相性の良いポケモンと組み合わせることで、その強さはさらに盤石なものとなります。
ドリュウズ
情報ソースの動画でも「ギャラドスドリュウズ最強構築」として言及されていましたが、この組み合わせはまさに黄金コンビです。
- 相性補完: メガギャラドスの弱点である「でんき」をドリュウズが特性「ひらいしん」またはじめんタイプで無効化します。逆にドリュウズの弱点である「みず」「かくとう」にギャラドスが耐性を持ちます。
- ステルスロック: ドリュウズが「ステルスロック」を撒くことで、相手の交代先に定数ダメージを与え、メガギャラドスの抜き性能を補助します。特に相手の「がんじょう」や「きあいのタスキ」を潰せるのが大きいです。
- 攻撃範囲: 2匹で攻撃範囲の補完もできており、受けづらい強力な攻撃的サイクルを形成できます。
ナットレイ
メガギャラドスの弱点である「くさ」「でんき」「フェアリー」のうち、2つを半減以下に抑えられるはがね・くさタイプのポケモンです。 逆にナットレイの弱点である「ほのお」をギャラドスが半減できるため、非常に優れた相性補完を誇ります。 「やどりぎのタネ」や「ステルスロック」で場を整え、メガギャラドスが降臨する舞台を作る動きが強力です。
カプ・レヒレ
特性「ミストメイカー」によって5ターンの間、地面にいるポケモンが状態異常にならなくなります。 これにより、メガギャラドスが「でんじは」や「おにび」で機能停止させられるリスクを大幅に軽減できます。 安全に「りゅうのまい」を積む環境を整えるサポーターとして、非常に頼りになる存在です。
メガギャラドスを相手にする際の対策方法
これほど強力なメガギャラドスですが、もちろん無敵ではありません。 対策を怠ればパーティを半壊させられますが、しっかりと要点を押さえれば対処は可能です。 ここでは、敵としてメガギャラドスと対峙した際の有効な対策をいくつか紹介します。
対策①:高耐久の物理受けポケモン
最も基本的な対策は、物理耐久が極めて高いポケモンで受けきることです。
- アーマーガア: ひこう・はがねタイプにより、「たきのぼり」「じしん」を半減できます。「てっぺき」を積むことで、りゅうのまいを積んだメガギャラドスさえも受けきることが可能です。ただし、「かみくだく」は等倍で入るので注意が必要です。
- クレセリア: 圧倒的な物理耐久指数を誇ります。ただし、「かみくだく」が弱点であるため、メガシンカされると厳しい戦いを強いられます。メガシンカ前のギャラドスに対して繰り出し、「でんじは」や「つきのひかり」で対処するのが理想です。
対策②:こだわりスカーフ持ちによる奇襲
「りゅうのまい」を1回積んだ「ようき」メガギャラドスの素早さ実数値は199です。 これよりも速いポケモンで、かつ弱点を突けるポケモンであれば、上から一撃で倒すことが可能です。
- カプ・コケコ: こだわりスカーフを持つことで、メガギャラドスの上からタイプ一致の「10まんボルト」を叩き込めます。エレキフィールド下であれば、H4振りのメガギャラドスを確定1発で倒すことができます。
対策③:強力なフェアリータイプのアタッカー
メガギャラドスの弱点であるフェアリータイプは、有効な対抗策となります。
- ミミッキュ: 特性「ばけのかわ」は「かたやぶり」で貫通されますが、「じゃれつく」で大ダメージを与えることができます。また、先制技の「かげうち」で削れたメガギャラドスを縛ることも可能です。
- カプ・テテフ: 特性「サイコメイカー」下のタイプ一致「ムーンフォース」は凄まじい威力です。耐久に振っていないメガギャラドスであれば、一撃で瀕死に追い込むことができます。
対策④:状態異常による機能停止
メガシンカする前のギャラドスを捕まえて、「でんじは」で麻痺状態にしたり、「おにび」でやけど状態にすることができれば、その後の展開を大きく有利に進められます。 特に麻痺は素早さを奪えるため、全抜きエースとしての役割を完全に潰すことができます。 ロトムやポリゴン2などがこの役割に適しています。
まとめ
今回のレビューでは、『ポケモン レジェンズ Z-A』のランクマッチ環境で最強と名高いメガギャラドスの強さについて、多角的な視点から深掘りしてきました。
要点をまとめると、メガギャラドスの強さは以下の要素の相乗効果によって成り立っています。
- 圧倒的な種族値: 伝説級に匹敵する合計種族値640がもたらす高い攻撃力と耐久力。
- 戦略的なタイプ変化: 最大の弱点であったでんき4倍を克服し、優秀な耐性を手に入れる。
- 問答無用の「かたやぶり」: 相手の受け戦術を許さない、環境に突き刺さる最強クラスの特性。
- 最高の抜き性能: 「りゅうのまい」からの全抜きという、明確かつ強力な勝ち筋を持つ。
- 完璧な準備段階: メガシンカ前の特性「いかく」による、安全な起点作り能力。
これら全ての要素が噛み合った結果、メガギャラドスは他の追随を許さない、環境の頂点に君臨するポケモンとなっているのです。 もちろん、使いこなすにはメガシンカのタイミングや的確な技選択など、プレイヤーの腕が試される側面もあります。 しかし、そのポテンシャルは計り知れず、一度流れを掴んだ時の爆発力は他のどのポケモンにも真似できない魅力に満ちています。
これからランクマッチに挑戦する方、あるいは既にメガギャラドス対策に頭を悩ませている方も、本レビューを参考に、この強大なポケモンの理解を深めてみてください。 健闘を祈ります。