編集デスク ゲーム攻略ライターの桐谷シンジです。今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、ZAバトルクラブでのランクマッチにおいて、相手のカイリューにパーティを半壊させられ、レートが伸び悩んでいることが気になっていると思います。特に今作『レジェンズ Z-A』ではメガシンカが復活したことにより、環境が激変しましたが、それでもなおトップメタに君臨するカイリューの「マルスケ」と「高火力」の理不尽さに頭を抱えていることでしょう。
この記事を読み終える頃には、カロス図鑑に登場するポケモンだけで構築できる「対カイリュー必勝パターン」が確立され、選出画面でカイリューを見ても自信を持って立ち回れるようになり、連勝街道への疑問が解決しているはずです。
- 特性マルチスケイルを無効化または貫通するカロス地方の具体的ポケモンの選出
- メガシンカを活用したタイプ受けと火力による制圧ルートの確立
- ステルスロックや状態異常技を駆使した機能停止テクニックの習得
- カイリュー入り構築に対する選出誘導と立ち回りの完全理解
それでは解説していきます。
ZAバトルクラブでカイリューが止まらない理由と脅威の分析
カロス地方を舞台にした新たな冒険『ポケモンレジェンズ Z-A』。都市開発が進むミアレシティでの熱いバトルの中心地「ZAバトルクラブ」において、使用率ランキングのトップを走り続けているのがカイリューです。
なぜ、カロス地方のポケモンたちがひしめく中で、初代600族であるカイリューがこれほどまでに暴れているのでしょうか。対策を立てる前に、まずは敵を知ることが勝利への第一歩です。
特性「マルチスケイル」による行動保証の強さ
カイリューの代名詞とも言える特性「マルチスケイル(マルスケ)」は、HPが満タンの時に受けるダメージを半減させるという、シンプルながら最強クラスの能力です。
これにより、本来なら4倍弱点である「こおりタイプ」の技を受けても一発耐えてしまうことが多く、その隙に「りゅうのまい」を積まれたり、高火力の反撃を受けたりしてしまいます。レジェンズZAの環境においても、この行動保証の強さは健在であり、多くのプレイヤーが「一撃で倒せない」というジレンマに苦しめられています。
豊富な技範囲と先制技「しんそく」の制圧力
カイリューの恐ろしさは耐久力だけではありません。メインウェポンとなるドラゴン技やひこう技に加え、サブウェポンとして「じしん」「ほのおのパンチ」「アイアンヘッド」など、多彩な技を覚えます。これにより、受け出しを許さない攻撃範囲を持っています。
さらに厄介なのが、優先度+2の先制技「しんそく」です。HPがわずかに残ったこちらのポケモンを上から縛り、確実に処理してくる動きは、素早さで勝っていても逆転を許してしまう要因となります。特に今作ではメガシンカポケモンが多く採用されていますが、メガシンカ後の素早さ上昇判定やターン順の仕様を突いて、しんそくでフィニッシュを狙う動きが横行しています。
メガシンカ環境における「持ち物」の自由度
レジェンズZAでは多くのポケモンがメガストーンを持たされる中、カイリューはメガシンカに頼らずとも強いため、持ち物の自由度が極めて高い点が厄介です。
- こだわりハチマキ: 初手からの超火力でサイクル崩壊を狙う
- ラムのみ: 「おにび」や「でんじは」などの状態異常対策
- ゴツゴツメット: 物理受けとして運用しつつ、定数ダメージを稼ぐ
- イカサマダイス: 「スケイルショット」のヒット数を安定させ、素早さを上げつつ攻撃
このように、型が読みにくいことも対策を困難にしている大きな要因です。相手のカイリューがどの型なのかを判別する前にパーティが崩壊してしまっては元も子もありません。
カロス図鑑限定:カイリューを完封する「Sランク」対策ポケモン
ここからは、実際に私がランクマッチで使用し、勝率を劇的に向上させた「カロス図鑑(レジェンズZA登場ポケモン)」の中から、特におすすめのカイリュー対策ポケモンを紹介します。
まずは、選出すればほぼ間違いなく仕事をこなしてくれる「Sランク」の対策ポケモンたちです。
メガクチート:タイプ相性と特性で完全シャットアウト
レジェンズZAで復活を果たした「メガクチート」は、対カイリューにおける最終兵器と言っても過言ではありません。
- タイプ: はがね / フェアリー
- 特性(メガ前): いかく
- 特性(メガ後): ちからもち
まず、タイプ相性が完璧です。カイリューの主力技であるドラゴン技(げきりん、ドラゴンクローなど)を無効化し、ひこう技(テラバーストやダブルウイング等)も半減、「しんそく(ノーマル)」も半減します。カイリュー側からの有効打は「じしん」か「ほのおのパンチ」に限られます。
【立ち回りの極意】 メガシンカ前の特性「いかく」が非常に重要です。カイリューに対して後投げする際、相手の攻撃ランクを1段階下げることで、サブウェポンの「じしん」ですら余裕を持って耐える耐久力を確保できます。
そして返しのターン、特性「ちからもち」による圧倒的攻撃力から放たれる「じゃれつく」で、マルチスケイルの上からでも致命傷、あるいは一撃で葬ることが可能です。不意打ちも搭載しておけば、削り残しも逃しません。
マンムー:「こおりのつぶて」と連続技でマルスケを貫通
カロス地方の山岳地帯に生息するマンムーは、古来より「ドラゴンキラー」として名を馳せてきました。レジェンズZA環境でもその地位は揺るぎません。
- タイプ: こおり / じめん
- 特性: あついしぼう
マンムーの強みは、何と言ってもタイプ一致の先制技「こおりのつぶて」です。カイリューが「りゅうのまい」で素早さを上げていても、優先度で上を取り、4倍弱点を突くことができます。
また、タマゴ技や技レコード等で習得可能な連続技「つららばり」を採用することで、1発目でマルチスケイルを剥がし、2発目以降で4倍ダメージを叩き込むという、カイリューにとって悪夢のような処理ルートを持っています。
特性を「あついしぼう」にすることで、カイリューが対策として持っていることの多い「ほのおのパンチ」を等倍に抑え込むことができるのも評価点です。きあいのタスキを持たせれば、対面性能は最強クラスと言えるでしょう。
ニンフィア:スキン特性による高火力「ハイパーボイス」
イーブイの進化形であるニンフィアも、カイリュー対策として非常に優秀です。
- タイプ: フェアリー
- 特性: フェアリースキン
特性「フェアリースキン」により、ノーマル技の「ハイパーボイス」がフェアリータイプになり、さらに威力が1.2倍になります。この技は「みがわり」を貫通するため、カイリューが様子見や起点作成のために身代わりを張ってきても、それを無視して本体に大ダメージを与えることができます。
カイリューのドラゴン技を無効化できるため、相手が「げきりん」で拘っているタイミングなどで無償降臨し、そこから全抜きを狙う動きが強力です。物理耐久には不安があるため、努力値は防御(HB)に厚く振ることを推奨します。
技構成と持ち物で差をつける:Aランク対策ポケモン
Sランクのポケモンをパーティに入れにくい場合や、よりテクニカルな対策を好むプレイヤーに向けて、Aランクの対策ポケモンを紹介します。これらは状況次第でカイリューを完封できるポテンシャルを秘めています。
ゲッコウガ:変幻自在のタイプ変化と素早さ
カロス御三家であるゲッコウガは、高い素早さと特性「へんげんじざい」を活かしてカイリューを翻弄します。
- 戦術: れいとうビーム / けたぐり / ダストシュート / みずしゅりけん
カイリューよりも素早さ種族値が高いため、上から「れいとうビーム」を撃つことができます。この際、自身のタイプが「こおり」に変化するため、仮にカイリューが「しんそく」などで反撃してきても、タイプ一致補正の乗った高火力で押し切れる可能性が高いです。
ただし、耐久は紙のように薄いため、「こだわりスカーフ」を持ったカイリューや、すでに「りゅうのまい」を積まれた状態では後出しができません。あくまで死に出しや先発での対面処理が基本となります。
クレベース:物理耐久の要塞で受け止める
物理特化の受けポケモンとして、クレベースの右に出るものはいません。
- 防御種族値: 184
- 技: てっぺき / ボディプレス / じこさいせい / ゆきなだれ
カイリューの攻撃を余裕を持って受け止め、「てっぺき」を積むことで要塞化します。そこからの「ボディプレス」や、後攻になることで威力が倍増する「ゆきなだれ」で返り討ちにします。
特性「がんじょう」であれば一撃必殺技や急所による事故も防げますが、物理受けとしての性能を底上げする「アイスボディ」(天候が雪の場合)も強力です。レジェンズZAでは天候ギミックも使いやすくなっているため、雪パの物理受けとして採用すれば、カイリュー相手に負けることはほぼありません。
メガチルタリス:ドラゴン無効のドラゴン使い
メガシンカ枠としてもう1体おすすめしたいのがメガチルタリスです。
- タイプ: ドラゴン / フェアリー
- 特性: フェアリースキン
メガシンカすることで「ドラゴン/フェアリー」という固有の複合タイプになり、ドラゴン技を無効化します。カイリューとの対面では、相手のメインウェポンを封じつつ、こちらは特性「フェアリースキン」によって強化された「おんがえし」や「ハイパーボイス」で弱点を突くことができます。
物理耐久・特殊耐久ともに高水準であり、「はねやすめ」による回復も可能なため、長期戦にも強いのが特徴です。カイリューが「アイアンヘッド」を持っていない限り、圧倒的有利に立ち回れます。
カイリューを機能停止させるための戦術とギミック
特定のポケモンで対策するだけでなく、パーティ全体のギミックや技構成でカイリューを腐らせる方法もあります。これらを組み合わせることで、対策の厚みが増し、勝率が安定します。
ステルスロックでマルチスケイルを破壊する
カイリュー対策の基本にして奥義、それが「ステルスロック」です。
カイリューが場に出た瞬間、最大HPの4分の1のダメージが入ります。これにより、最強の盾である「マルチスケイル」が即座に無効化されます。マルスケさえ潰してしまえば、上から氷技を当てるだけで簡単に処理できるようになります。
【ZA環境でおすすめのステロ撒き要員】
- カバルドン: 特性「すなおこし」での定数ダメージも優秀。あくびで流しも可能。
- バンギラス: メガシンカも可能。圧倒的特殊耐久で特殊型カイリューにも強い。
- メレシー: 頑丈で確実に行動可能。トリックルームの始動役としても。
初手でこれらのポケモンを展開し、ステルスロックを撒いておくことで、相手はカイリューを安易に交代出しできなくなります。これはカイリュー側にとって強烈なプレッシャーとなります。
「おにび」や「でんじは」での機能停止
物理アタッカーであるカイリューにとって、「やけど」状態は致命的です。攻撃力が半減するため、脅威度が大幅に下がります。また、「まひ」状態にして素早さを奪えば、上からの制圧を許しません。
- ロトム(ウォッシュ/ヒート): カイリューの技を半減で受けつつ、鬼火を撒ける。
- ヤミラミ: 特性「いたずらごころ」により、先制で鬼火を撃てる。メガシンカすれば物理耐久も跳ね上がる。
ただし、カイリュー側もそれを警戒して「ラムのみ」を持っている場合や、炎テラス(※今作の仕様に依存しますが、タイプ変化要素への警戒)等で対策してくる場合があるため、過信は禁物です。状態異常技を撃つタイミングは慎重に見極める必要があります。
天然(てんねん)特性で積み技を無効化
相手の能力ランク変化を無視して攻撃・防御ができる特性「てんねん」も有効です。カイリューがどれだけ「りゅうのまい」を積もうとも、天然持ちの前では無意味となります。
カロス図鑑において、この役割を担える代表格はヌオーです。
- タイプ: みず / じめん
- 役割: 物理受け
ヌオーはタイプ優秀で弱点が草のみ。カイリューの技構成に草技が入ることは極めて稀です。相手が積んできたところに後投げし、「あくび」で流したり、「まとわりつく」で拘束したりと、いやらしい立ち回りで完封できます。
実践!カイリュー入り構築に対する選出パターン例
ここでは、実際のランクマッチを想定した、具体的な選出パターンと立ち回りのシミュレーションを紹介します。自分のパーティ構築の参考にしてください。
パターンA:対面構築(アグロ)での処理ルート
こちらのパーティが攻撃的な構成の場合、カイリューに先に展開されると負けに直結します。そのため、「やられる前にやる」精神が必要です。
- 先発: マンムー(きあいのタスキ)
- 裏: メガクチート、ゲッコウガ
【立ち回り】 初手にマンムーを置き、カイリューが来たら「つららばり」か「こおりのつぶて」で即処理を狙います。相手が交代してきた場合は、こちらも裏のポケモンで対応。 もし相手のカイリューが死に出しで出てきた場合、マンムーが消耗していても「こおりのつぶて」でマルスケだけは剥がしておきます。その後、ゲッコウガの「れいとうビーム」やメガクチートの「ふいうち」圏内に入れる処理ルートを徹底します。
パターンB:サイクル構築(受けループ気味)での処理ルート
受けを中心としたパーティの場合、カイリューの型を見誤ると崩壊します。安定行動を徹底しましょう。
- 先発: バンギラス(さらさら)
- 物理受け: エアームド(ゴツゴツメット)
- 特殊受け: ヌメルゴン(とつげきチョッキ)
【立ち回り】 バンギラスでステロを撒き、マルスケをケアします。カイリューが出てきたら、即座にエアームドにバックします。物理型であれば、エアームドの「てっぺき」→「はねやすめ」で完全に受け切れます。 特殊型(りゅうせいぐん/ぼうふう等)だった場合は、ヌメルゴンで受け止めます。カロス地方の強力なドラゴンであるヌメルゴンは特防が非常に高く、特殊カイリューには滅法強いです。
パターンC:ギミック(トリックルーム)展開
素早さ勝負を捨て、トリックルーム下でカイリューを制圧する戦術です。
- 始動: メレシー
- エース: メガクチート、ガラガラ(ふといホネ・アローラではない通常種でも可だが、カロス図鑑の範囲で火力を出せる遅いポケモン)
【立ち回り】 メレシーの「がんじょう」を盾にトリックルームとステルスロックを展開。その後退場し、メガクチートに繋ぎます。トリル下のメガクチートは無敵に近く、カイリューが何回舞っていようが関係なく、上から(行動順として先に)「じゃれつく」を叩き込めます。カイリュー自慢の「しんそく」も半減で受けられるため、最も安全な処理ルートの一つと言えます。
カイリュー対策における注意点とNG行動
対策ポケモンを入れていても、プレイングミスで負けてしまっては意味がありません。よくある負け筋を把握し、回避しましょう。
中途半端な削りは逆効果
カイリュー相手に一番やってはいけないのが、「中途半端に弱点を突いて、弱点保険(じゃくてんほけん)を発動させる」ことです。
マルチスケイルがある状態で、倒しきれない威力の「れいとうビーム」や「マジカルシャイン」を撃ってしまうと、耐えられた上で持ち物「じゃくてんほけん」が発動し、攻撃と特攻が2段階上昇。そのまま全抜きされるケースが後を絶ちません。
一撃で倒せる確信がない場合は、まずはステロでマルスケを削るか、状態異常を入れる、あるいは交代読み行動をするなど、慎重な立ち回りが求められます。
アンコール持ちに注意
最近のZAバトルクラブで流行しているのが「アンコール」持ちのカイリューです。 こちらが「ステルスロック」や「つるぎのまい」、「てっぺき」などの補助技を使ったタイミングでカイリューが出てきて、アンコールでその技を固定してくる戦術です。
これをされると、交代を余儀なくされ、その隙に「りゅうのまい」を積まれてしまいます。カイリュー対面では、補助技の使用はリスクが伴うことを常に意識してください。特に素早さで負けている場合の補助技は厳禁です。
テラスタル(もし実装されている場合)の考慮
※レジェンズZAのバトルシステムにおいて、もしSVのような「テラスタル」システムが一部採用されている、あるいは類似のタイプ変化システムがある場合、カイリューの「ノーマルテラスしんそく」は最大の脅威となります。
メガクチートやギルガルドのような、ノーマル技を半減・無効化できるゴーストや鋼タイプを必ず選出画面で意識し、「いつしんそくが飛んできても受けられる」盤面作りを心がけてください。
まとめ:カロス図鑑のポケモンでカイリューは怖くない
ここまで、レジェンズZAのランクマッチにおけるカイリュー対策を徹底解説してきました。
カイリューは確かに強力なポケモンですが、カロス地方にはそれを上回る強力な「メガシンカポケモン」や、相性補完に優れたポケモンたちが多数生息しています。
- メガクチート:攻守ともに最強のアンチ・カイリュー
- マンムー:伝統と信頼のドラゴンキラー
- ステルスロック:マルチスケイルを無効化する必須ギミック
- 立ち回り:弱点保険やアンコールを警戒した丁寧なプレイ
これらを意識してパーティを組み直せば、選出画面でカイリューを見ても「カモが来た」と思えるようになるはずです。
特にメガクチートの「いかく」からの展開や、マンムーの「つららばり」による貫通処理は、決まれば非常に爽快です。ぜひ今回の記事を参考に、自分だけのカイリュー対策構築を完成させ、ZAバトルクラブの頂点を目指してください。
攻略のヒントは見つかりましたか? 今後も、ミアレシティの再開発と共に進化していく対戦環境を最前線で研究し、役立つ情報を発信していきます。
あなたのランクマッチライフが、勝利の輝きで満たされますように!






