編集デスク ゲーム攻略ライターの桐谷シンジです。今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、ポケモンレジェンズZ-A(ZA)のバトルクラブにて、相手が繰り出してくる「イベルタル」の圧倒的な制圧力と回復性能に頭を抱えていることと思います。特に今作のランクマッチ環境では、メガシンカの復活と共に伝説ポケモンのパワーバランスが大きく動いており、その中でもイベルタルはトップメタの一角として君臨しています。
この記事を読み終える頃には、イベルタルの行動パターンを完全に予測し、有利な盤面を作り出すための具体的な対策と、自信を持って選出できるポケモン構築の疑問が解決しているはずです。
- イベルタルの強みであるダークオーラとデスウイングの仕様を理解し弱点を突く
- フェアリーと鋼の複合タイプを活用して被ダメージを最小限に抑える
- ステルスロックや状態異常技を駆使してサイクル戦で優位に立つ
- イベルタル対策に特化したおすすめポケモンと具体的な育成論を知る
それでは解説していきます。
イベルタルがZAバトルクラブで猛威を振るう理由
なぜこれほどまでに、今作の環境でイベルタルが「対策必須」と言われているのか。まずは敵を知ることから始めましょう。単なるステータスの高さだけでなく、ZA独自の環境要因が彼を最強格へと押し上げています。
特性「ダークオーラ」による火力の底上げ
イベルタルの最大の脅威は、場に出ている全てのポケモンの悪技の威力を1.33倍にする特性「ダークオーラ」にあります。これは自身の火力強化はもちろんですが、ダブルバトルにおいては味方の悪タイプポケモンの火力も底上げするため、並びによっては手がつけられない破壊力を生み出します。 特に今作ではメガシンカポケモンとの組み合わせにより、超高火力の押し付けが可能となっており、半減程度では受けきれないケースが多発しています。
専用技「デスウイング」の驚異的な継戦能力
飛行タイプの特殊技「デスウイング」は、与えたダメージの75%を回復するという破格の性能を持っています。これにより、中途半端な攻撃ではイベルタルを倒しきれず、逆に回復の起点にされてしまうという事態が頻発します。 「命の珠」を持たせても反動ダメージを帳消しにできるため、火力と耐久を両立したアタッカーとして運用されることが多く、サイクル戦になればなるほど有利になるのがイベルタルの強みです。
「ふいうち」による先制攻撃の圧力
高い攻撃性能を持ちながら、優先度+1の先制技「ふいうち」をタイプ一致かつダークオーラ補正で撃てる点も非常に厄介です。 素早さで勝っているポケモンであっても、HPが削れた状態ではこの技に縛られてしまい、行動できずに倒されるケースが後を絶ちません。相手に「攻撃するか、補助技を使うか」という択を常に迫ることができるため、心理戦においても優位に立てるのです。
補完に優れたサブウェポンの存在
悪・飛行という一貫性の高い技範囲に加え、鋼タイプへの打点となる「ねっぷう」や「きあいだま」を習得します。これにより、本来有利であるはずの鋼タイプのポケモンであっても、安易な後出しが許されません。 特にメガクチートやナットレイといったメジャーな物理受けに対して、特殊技で役割破壊を狙ってくる型も存在するため、型を読み違えるとパーティが半壊する危険性があります。
イベルタル対策の基本原則と立ち回り
強力無比なイベルタルですが、決して無敵ではありません。攻略ライターとして数々の対戦を分析してきた経験から、効果的な対策の基本原則を解説します。
タイプ相性での完全有利を目指す
基本中の基本ですが、悪・飛行の両方を半減以下に抑えられるタイプでの受け出しが最も安定します。具体的には「フェアリー」タイプが最重要です。 フェアリー単体でも悪技を半減できますが、飛行技が等倍で通ってしまうため、理想は「電気・フェアリー」や「岩・フェアリー」、あるいは「鋼・フェアリー」の複合タイプです。これらのタイプを持つポケモンを選出画面で見せるだけでも、相手のイベルタル選出を牽制する効果があります。
素早さ操作で上から叩く
イベルタルの素早さ種族値は99と、伝説ポケモンの中では激戦区よりやや下に位置しています。そのため、最速100族以上のポケモンで上から攻撃し、行動回数を稼ぐことが重要です。 「こだわりスカーフ」を持たせたガブリアスや、高速電気タイプなどで先手を取り、デスウイングを撃たれる前に大ダメージを与える、あるいは倒し切るのが理想的な処理ルートとなります。
ステルスロックによる定数ダメージ
飛行タイプを持つイベルタルにとって、岩タイプの技は弱点であり、フィールド技「ステルスロック」が刺さります。場に出るたびに最大HPの1/4のダメージが入るため、サイクル戦での負担を大幅に増やすことができます。 HPが削れればデスウイングでの回復が追いつかなくなり、また「ふいうち」圏内に入れさせないためのHP管理も難しくなります。初手でステロを撒けるポケモンを採用するのは非常に有効な対策の一つです。
状態異常で機能を停止させる
物理・特殊の両刀型が多いイベルタルですが、どちらにせよ「やけど」や「まひ」には弱いです。 物理型であれば火傷で火力が半減しますし、麻痺を入れれば素早さ関係が逆転し、多くのポケモンで上から処理できるようになります。また、「どくどく」による猛毒状態も、回復技を持つイベルタルに対しては、ターン経過とともに回復量を上回るダメージを与えられるため有効です。
対策おすすめポケモン①:メガクチート
ここからは、具体的な対策ポケモンの紹介に移ります。まず筆頭に挙げられるのが、優秀な耐性と火力を併せ持つメガクチートです。
鋼・フェアリーの完璧な耐性
メガクチートは鋼・フェアリータイプであり、イベルタルのメインウェポンである悪技と飛行技の両方を半減で受けることができます。 これにより、後出しからの展開が非常に安定します。サブウェポンの「ねっぷう」等には注意が必要ですが、耐久に努力値を振っていれば一発は耐えることが多く、返しの攻撃で致命傷を与えることが可能です。
特性「ちからもち」による破壊力
メガシンカ後の特性「ちからもち」により、攻撃実数値は全ポケモン中でもトップクラスに跳ね上がります。タイプ一致の「じゃれつく」が当たれば、HP振りのイベルタルであっても一撃で葬り去るか、瀕死寸前まで追い込むことができます。 回復される前に火力で押し切るという、対イベルタルにおいて最もシンプルな解答を持っています。
「ふいうち」合戦での優位性
メガクチート自身も「ふいうち」を習得します。イベルタルよりも素早さは遅いですが、相手のふいうちを半減で受けつつ、こちらの高火力ふいうちを通すという動きも可能です。 また、「つるぎのまい」を積む隙さえあれば、イベルタルごと後続のポケモンまで全抜きするポテンシャルを秘めています。
推奨育成論(いじっぱりHAベース)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 性格 | いじっぱり(攻撃↑ 特攻↓) |
| 特性 | いかく → ちからもち |
| 持ち物 | クチートナイト |
| 努力値 | H252 A252 S4 |
| 技構成 | じゃれつく / ふいうち / はたきおとす / つるぎのまい |
この構成であれば、イベルタル対面で強気に動くことができます。メガシンカ前の「いかく」を入れてからメガシンカすることで、物理型イベルタルの火力を削ぐテクニックも覚えておきましょう。
対策おすすめポケモン②:ニンフィア
続いて紹介するのは、カロス地方を代表するフェアリーポケモン、ニンフィアです。高い特殊耐久と火力を兼ね備え、イベルタルに対して非常に強く出ることができます。
特殊耐久お化けとしての安定感
ニンフィアは非常に高い特防種族値を持っており、特殊アタッカー型のイベルタルの攻撃(あくのはどう、デスウイング)を余裕を持って耐えることができます。 特に悪技を半減で受けられる点は大きく、イベルタルの「ダークオーラ」による補正がかかった攻撃であっても、ニンフィアにとっては致命傷になりません。後出しからの受け性能が極めて高く、サイクル戦において安全な避難場所となります。
特性「フェアリースキン」による高火力
隠れ特性「フェアリースキン」を採用することで、ノーマル技がフェアリータイプになり、さらに威力が1.2倍になります。 これにより、メインウェポンとなる「ハイパーボイス」が、タイプ一致補正を含めると凄まじい火力となります。さらにハイパーボイスは「身代わり」を貫通してダメージを与えられるため、様子見で身代わりを置いてくるイベルタルに対しても、問答無用で大ダメージを与えることが可能です。
「あくび」や「ねがいごと」による盤面操作
攻撃技だけでなく、優秀な補助技を多数習得するのもニンフィアの強みです。「ねがいごと」によるHP管理は、自身の生存率を高めるだけでなく、後続の物理受けポケモンを回復させる手段としても有効です。 また、イベルタルが不利を悟って交代しようとする際に「あくび」を入れることで、出てきた後続ポケモンを眠らせたり、さらなる交代を強要させたりと、相手のサイクルを崩壊させる起点を作れます。
推奨育成論(ひかえめHCベース)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 性格 | ひかえめ(特攻↑ 攻撃↓) |
| 特性 | フェアリースキン |
| 持ち物 | こだわりメガネ or たべのこし |
| 努力値 | H244 C252 B12 |
| 技構成 | ハイパーボイス / マジカルフレイム / サイコショック / あくび(メガネならシャドーボール) |
こだわりメガネを持たせて火力を押し付ける型か、たべのこしを持たせてあくび等で場を荒らす型か、パーティの役割に応じて柔軟にカスタマイズできます。
対策おすすめポケモン③:バンギラス
特殊耐久のお化け、バンギラスもイベルタル対策として非常に有効です。天候操作も兼ねて選出することが多いです。
砂嵐による特防1.5倍の恩恵
岩タイプであるバンギラスは、特性「すなおこし」によって砂嵐状態にすることで、特防が1.5倍になります。 この状態のバンギラスは、特殊特化イベルタルの攻撃であっても余裕を持って耐えることができます。きあいだまさえ警戒すれば、数値受けとして最も信頼できるポケモンの一匹です。
タイプ一致「ストーンエッジ」の圧力
イベルタルの弱点である岩技をタイプ一致で撃てます。命中不安はありますが、当たれば致命傷です。 また、バンギラス自体が悪タイプを持つため、イベルタルの悪技を半減、飛行技も等倍で受けられるため、受け出し性能が高いです。「チョッキ」を持たせれば、まさに要塞となります。
サイクル戦での削り性能
砂ダメージによる定数ダメージも、回復持ちのイベルタルに対して地味ながら効いてきます。 また、バンギラスは技範囲が広く、「れいとうパンチ」や「ほのおのパンチ」などを採用することで、イベルタル以外の受けポケモンに対しても役割を持つことができます。
推奨育成論(しんちょうHDベース)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 性格 | しんちょう(特防↑ 特攻↓) |
| 特性 | すなおこし |
| 持ち物 | とつげきチョッキ |
| 努力値 | H252 A4 D252 |
| 技構成 | ストーンエッジ / かみくだく / おいうち / じしん |
特に「おいうち」は、不利対面を作って逃げようとするイベルタルに対して、交代際に倍の威力で攻撃できるため、逃さず狩る動きが可能です。
対策おすすめポケモン④:メガディアンシー
カロス地方の幻のポケモンであり、メガシンカすることで対イベルタル性能が飛躍的に向上するメガディアンシーもおすすめです。
「マジックミラー」で補助技を完封
メガシンカ特性「マジックミラー」により、ちょうはつやステルスロック、状態異常技を全て跳ね返します。 イベルタルが搦め手を使ってくるタイプだった場合、それを無効化しつつアドバンテージを取れます。特に耐久型のイベルタルに対して非常に強いです。
岩・フェアリーの攻撃範囲
攻撃種族値160、特攻種族値160から放たれる「ダイヤストーム」や「ムーンフォース」は強力です。 特に専用技「ダイヤストーム」は、攻撃しながら自身の防御を2段階上げる追加効果(確率50%)があり、物理耐久を上げながら戦うことができます。これにより、物理型イベルタルとの殴り合いでも有利に立てます。
素早さ110族の強み
メガシンカ後の素早さは110となり、イベルタル(99)を確実に抜いています。 耐久は低めですが、上からの攻撃で倒される前に倒す、あるいは大ダメージを与えることが可能です。
推奨育成論(むじゃきACS調整)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 性格 | むじゃき(素早さ↑ 特防↓) |
| 特性 | クリアボディ → マジックミラー |
| 持ち物 | ディアンシナイト |
| 努力値 | A4 C252 S252 |
| 技構成 | ダイヤストーム / ムーンフォース / 大地のアース / まもる |
「まもる」はメガシンカしたターンの素早さ適用を確実にするため(今作の仕様によりますが、様子見としても優秀)や、相手のふいうち透かしに使えます。
実戦での読み合いと注意すべきポイント
ポケモンは相性だけで勝負が決まるわけではありません。実際のランクマッチで発生する読み合いについて解説します。
「ふいうち」の透かし方
イベルタルを使うプレイヤーは、こちらのHPが削れると必ずと言っていいほど「ふいうち」を選択します。 ここで安易に攻撃せず、「みがわり」や「つるぎのまい」などの補助技を選択することで、相手のふいうちを失敗させることができます。ふいうちはPPが少ない技(最大8)なので、枯らしてしまうのも一つの手です。
「きあいだま」の外しを祈るか、ケアするか
バンギラスなどの岩・鋼タイプで受ける際、相手が「きあいだま」を持っているかが勝負の分かれ目になります。 命中率70%という不安定な技ですが、当たれば即死級です。安定行動を取るなら、一度ゴーストタイプ(悪技は抜群ですが格闘は無効)に引くような素振りを見せるか、守るで様子を見るなど、リスク管理が必要です。ただし、Z-A環境ではテラスタルのようなシステム変革がある可能性も考慮し、常に「裏の選択肢」を用意しておくことが重要です。
物理型か特殊型かの判別
初手のダメージ量や、発動した技のエフェクトから、相手が物理型(攻撃振り)なのか特殊型(特攻振り)なのかを早急に見極める必要があります。 特殊型であればチョッキ持ちで受けられますし、物理型であれば威嚇持ちや物理受けで止まります。ダメージ感覚を養うことが、勝率アップへの近道です。
まとめ
イベルタルはZAバトルクラブにおいて非常に強力なポケモンですが、明確な弱点と対策が存在します。
- タイプ相性では「フェアリー」「電気」「岩」を主軸にした構築を組む
- メガクチートやニンフィアなど、攻守において有利なポケモンを採用する
- ステルスロックや状態異常で、デスウイングによる回復を上回るダメージを蓄積させる
- 「ふいうち」の読み合いを制し、相手の行動を制限する
これらの対策をパーティに組み込むことで、今まで苦戦していたイベルタル戦が、むしろ「カモ」にできるボーナスゲームへと変わるはずです。 ぜひ、今回紹介したポケモンたちを育成し、ランクマッチでの勝利を掴み取ってください。あなたのポケモンライフがより充実することを応援しています。






