ゲーム評論家の桐谷シンジです。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、2025年10月10日に発売された待望の新作「リトルナイトメア3」、特にNintendo Switch版での協力プレイについて気になっているのではないでしょうか。 「オンライン加入は必須なの?」「友達と隣同士でローカル通信はできないの?」といった疑問は、購入を検討する上で非常に重要なポイントですよね。

この記事では、リトルナイトメアシリーズの協力プレイの変遷を振り返りつつ、最新作「3」におけるスイッチ版の協力プレイの仕様を徹底的に解説します。 さらに、なぜローカル通信が実装されなかったのかという開発の裏側まで、私なりの視点で深く考察していきます。
この記事を読み終える頃には、リトルナイトメアシリーズにおける協力プレイ、特にスイッチでの通信方法に関するあなたの疑問がすべて解決しているはずです。
- リトルナイトメア3の協力プレイはオンライン専用
- スイッチ版もローカル通信やおすそわけプレイは非対応
- フレンドパスを使えばソフト1本でオンライン協力が可能
- 過去作リトルナイトメア2もオフラインでの協力プレイは非対応
それでは解説していきます。

リトルナイトメアシリーズにおける協力プレイの歴史と進化
待望のシリーズ最新作「リトルナイトメア3」の協力プレイについて解説する前に、まずは過去作を振り返り、シリーズがどのように「協力」という要素を取り入れてきたかを見ていきましょう。 この変遷を理解することで、なぜ「3」がオンライン専用という選択をしたのか、その理由がより深く見えてきます。

始まりは孤独な脱出劇:「リトルナイトメア」のゲーム性
2017年に発売されたシリーズ1作目「リトルナイトメア」は、黄色いレインコートが印象的な少女「シックス」を操作し、巨大な胃袋「モウ」からの脱出を目指すシングルプレイ専用のサスペンスアドベンチャーでした。
そこには、他の誰かと協力するという概念は存在しません。 あるのは、圧倒的な孤独感と、自分より遥かに巨大で不気味な住人たちから逃げ惑う絶望的な状況だけです。 この徹底した孤独こそが、プレイヤーに強烈な没入感と恐怖を与え、世界中のゲーマーから高い評価を受けました。 頼れるものは自分の知恵と勇気のみ。 この原体験が、リトルナイトメアという作品の根幹をなしていると言えるでしょう。
協力の概念が登場:「リトルナイトメア2」での変化
2021年発売の「リトルナイトメア2」では、紙袋をかぶった少年「モノ」が新たな主人公として登場しました。 そして、前作の主人公であるシックスが、今度はAIパートナーとしてモノと行動を共にします。 ここに初めて、「協力」という要素が明確に導入されたのです。
ただし、これはあくまでプレイヤーとAIキャラクターの協力であり、プレイヤー同士が操作する協力プレイではありませんでした。 高い壁をシックスに押し上げてもらって登ったり、二人で力を合わせないと動かせない仕掛けを解いたりと、ゲームプレイの幅は大きく広がりました。 しかし、友達とコントローラーを持ち寄って一緒に遊ぶことはできなかったのです。 この点は多くのプレイヤーが誤解しがちな部分ですが、「リトルナイトメア2」は徹頭徹尾、シングルプレイ専用のゲームでした。
なぜリトルナイトメア2はオフライン協力プレイ非対応だったのか?
では、なぜ「2」はシックスという絶好のパートナーがいながら、オフラインの協力プレイを実装しなかったのでしょうか。 これには、開発者の明確な意図があったと私は考えています。
最大の理由は、ストーリーテリングと演出の都合です。 「2」におけるシックスの行動は、時に不可解で、プレイヤーを誘導するだけでなく、物語の重要な伏線として機能していました。 もしシックスを別のプレイヤーが操作してしまったら、開発者が意図した通りの緻密な演出やストーリー展開が困難になる可能性があったのです。 AIだからこそ、完璧にコントロールされたパートナーとして物語に奉仕できたと言えます。 一人でプレイするからこそ感じられる、パートナー(シックス)への信頼と、時折見せる不可解な行動への疑念。 この絶妙なバランスが、「2」の物語をより深く、考察のしがいがあるものにしていました。
【結論】リトルナイトメア3 スイッチ版の協力プレイとローカル通信の仕様
さて、いよいよ本題である最新作「リトルナイトメア3」の話に移りましょう。 過去作の流れを踏まえた上で、スイッチ版の協力プレイがどうなっているのか、結論からお伝えします。
リトルナイトメア3の協力プレイはオンライン専用
「リトルナイトメア3」は、シリーズで初めて本格的な二人協力プレイに対応しました。 プレイヤーは新キャラクターの「ロウ」と「アローン」をそれぞれ操作し、互いの能力を活かしながら悪夢のような世界「ノーウェア」からの脱出を目指します。
しかし、最も重要な点として、この協力プレイはオンライン通信専用となっています。 つまり、インターネットを介して、離れた場所にいるプレイヤーと一緒に遊ぶことしかできません。
残念ながらスイッチ版もローカル通信・おすそわけプレイには非対応
多くのスイッチユーザーが期待していたであろう、ローカル通信やおすそわけプレイには対応していません。 一つの本体で画面を分割して遊んだり、複数のスイッチ本体を持ち寄ってオフラインで一緒にプレイしたりすることは不可能です。
これは、開発スタジオであるSupermassive Gamesが公式に言及しており、「リトルナイトメアの独特の雰囲気と没入感を損なわないため」の決断であると説明されています。 隣に友人がいる安心感ではなく、オンライン越しの声だけを頼りにする心細さが、本作の恐怖体験を最大限に引き出すという設計思想なのです。
協力プレイにNintendo Switch Onlineは必要?料金プランも解説
オンライン専用ということは、Nintendo Switchで協力プレイを楽しむためには、原則として**「Nintendo Switch Online」への加入が必須**となります。 これは、ほとんどの有料ソフトでオンラインプレイをする際に必要な任天堂の公式サービスです。

まだ加入していない方のために、料金プランをまとめておきましょう。
プランの種類 | 料金(税込) | 特徴 |
---|---|---|
個人プラン | 1か月:306円 3か月:815円 12か月:2,400円 | 一つのニンテンドーアカウントで利用する最も標準的なプラン。 |
ファミリープラン | 12か月:4,500円 | 最大8アカウントまで利用可能。家族や友人とシェアするとお得。 |
追加パック | 12か月:4,900円(個人) 12か月:8,900円(ファミリー) | 通常プランに加え、NINTENDO 64などの追加コンテンツが遊べる。 |
リトルナイトメア3をプレイするだけなら、最も安価な個人プラン(1か月306円)から始められます。 また、7日間の無料体験も用意されているので、まずはそちらを利用してオンライン環境を試してみるのも良いでしょう。
必見!フレンドパスでソフト1本でもオンライン協力が可能
「オンライン加入はわかったけど、友達にもソフトを買ってもらわないといけないのはハードルが高い…」 そう思ったあなたに朗報です。 「リトルナイトメア3」には、**「フレンドパス」**という画期的なシステムが導入されています。
フレンドパスの仕組み
フレンドパスとは、ソフトの製品版を1人が持っていれば、もう1人はソフトを持っていなくても無料でオンライン協力プレイに招待できるという素晴らしい機能です。
手順は以下の通りです。
- ホスト(招待する側): 「リトルナイトメア3」の製品版を購入・所有している。
- ゲスト(招待される側): 各プラットフォームのストアから「リトルナイトメア3」の**無料体験版(フレンドパス版)**をダウンロードする。
- ホストがゲーム内からゲストを招待する。
- 招待が承認されると、二人でゲーム本編を最初から最後まで一緒にプレイできる。
これにより、購入を迷っている友人を気軽に誘い、「面白かったら製品版を買ってね」と布教することも可能です。 まさに、協力プレイを前提とした本作ならではの、プレイヤーに優しいシステムと言えるでしょう。
フレンドパスの注意点
便利なフレンドパスですが、いくつか注意点があります。
- 同一プラットフォームのみ: ホストとゲストは同じ機種である必要があります(例:SwitchとSwitch、PS5とPS5)。異なる機種間でのクロスプレイはできません。
- オンライン環境は必須: ゲスト側も、Nintendo Switch Online(または各プラットフォームの有料オンラインサービス)への加入が必要です。
- 実績・トロフィー: 招待されたゲスト側は、実績やトロフィーを解除することはできません。
クロスプレイには対応している?
前述の通り、「リトルナイトメア3」はクロスプレイに非対応です。 例えば、自分がSwitch版、友人がPlayStation版やPC版で一緒に遊ぶことはできません。 協力プレイをしたい相手とは、必ず同じプラットフォームのソフトを用意する必要があるため、購入前にどの機種で遊ぶか相談しておくことを強く推奨します。
なぜリトルナイトメア3はローカル通信を実装しなかったのか?ゲーム評論家が徹底考察
オンライン専用であり、ローカル通信は非対応。 この仕様について、開発者は「没入感を損なわないため」と説明していますが、それだけが理由でしょうか。 ここではゲーム評論家として、もう少し踏み込んだ考察をしてみたいと思います。
考察①:画面分割による雰囲気の破壊を避けるため
リトルナイトメアシリーズの命は、緻密に作り込まれたグラフィックと、光と影が織りなす独特の不気味な雰囲気です。 もしローカル協力プレイのために画面を上下または左右に分割した場合、一人当たりの視覚情報が単純に半分になってしまいます。 これにより、製作者が意図した構図やライティングの効果が薄れ、恐怖感が大きく削がれてしまう危険性があります。 全画面で世界に浸る体験を最優先した結果、画面分割という選択肢は最初から除外されていたのかもしれません。
考察②:オンラインならではの「物理的な距離感」を演出するため
隣にいる友人とワイワイ騒ぎながらプレイするホラーゲームも楽しいものですが、リトルナイトメアが目指したのはそこではないのでしょう。 本作では、ボイスチャットなどを通じてコミュニケーションは取れるものの、プレイヤー同士の物理的な距離は離れています。 この「すぐ隣にはいない」という状況が、独特の緊張感と孤独感を生み出します。 暗闇の向こうから聞こえる相棒の息遣いや、助けを求める声だけが頼りというシチュエーションは、ローカルプレイでは決して味わえない、オンラインならではの恐怖体験と言えるでしょう。
考察③:技術的な制約と開発リソースの最適化
Switchというハードの性能を考慮すると、技術的な問題も無視できません。 一つの本体で二人のプレイヤーの視点を同時に描画し、複雑な物理演算や敵のAIを処理するのは、非常に高い負荷がかかります。 オンラインプレイであれば、各プレイヤーの処理はそれぞれの本体が担当するため、負荷を分散できます。 ローカル通信を実装しなかったのは、パフォーマンスを安定させ、最高のゲーム体験を提供するための、開発リソースの選択と集中だったという見方もできます。
考察④:フレンドパス戦略との強力なシナジー
先ほど紹介した「フレンドパス」は、オンライン協力プレイを前提としたシステムです。 もしローカル通信が可能であれば、フレンドパスの価値は相対的に下がってしまいます。 開発・販売側としては、ローカル通信という選択肢をなくす代わりに、「ソフト1本で友達を誘える」という強力なオンラインへのインセンティブを用意したのです。 これにより、オンラインコミュニティの活性化と、新規プレイヤーの獲得を狙うという、非常にクレバーなマーケティング戦略が隠されていると分析できます。
リトルナイトメア3を協力プレイで120%楽しむための準備
オンライン専用と聞いて少しがっかりした方もいるかもしれませんが、オンラインにはオンラインの魅力があります。 ここでは、友人と最高の悪夢を体験するために、事前に準備しておくべきことをまとめました。
必要なものチェックリスト
- ゲーム機本体: Nintendo Switch / Switch Lite / Switch(有機ELモデル)
- ソフト: 「リトルナイトメア3」製品版(ホスト)、または無料体験版(ゲスト)
- インターネット環境: 安定したWi-Fi接続を推奨
- Nintendo Switch Onlineへの加入: ホスト・ゲスト共に必須
- (任意)ヘッドセット: ボイスチャットをする場合に必要
ボイスチャットは使うべき?メリットとデメリット
協力プレイにおいて、ボイスチャットを使うかどうかは大きな悩みどころです。 それぞれのプレイスタイルに良さがあります。
ボイスチャットを使うメリット
- スムーズな連携: 「そっちのレバーを引いて!」「敵が来た!」など、瞬時に情報共有ができ、複雑な謎解きもスムーズに進められます。
- 一体感と共感: 友人の驚く声や悲鳴を聞きながらプレイすることで、恐怖と楽しさを共有でき、盛り上がること間違いなしです。
ボイスチャットを使わないメリット
- ゲームへの没入感: 会話をしないことで、ゲーム内の環境音や不気味なBGMに集中でき、作品の世界観に深く浸ることができます。
- 非言語コミュニケーションの面白さ: キャラクターのジェスチャーや動きだけで意思疎通を図る、もどかしくも面白い体験ができます。
個人的には、一周目はボイスチャットなしで没入感を味わい、二周目はボイスチャットありで連携を楽しむという遊び方をおすすめします。
協力プレイで起こりがちなトラブルと対処法
楽しいはずの協力プレイも、些細なことで気まずくなることがあります。 そうならないために、心構えをしておきましょう。
- 謎解きでの意見の対立: 「こうじゃない?」「いや、こっちだ!」と意見が割れるのは当然です。お互いの意見を尊重し、まずは試してみる姿勢が大切です。
- プレイスキルの差: アクションが苦手な友人を急かしたり、ミスを責めたりするのは絶対にやめましょう。得意な方がサポートに回るなど、思いやりを持ってプレイすることが重要です。
- ホラー耐性の違い: 相手が本気で怖がっている時は、少し休憩を挟むなどの配慮も必要です。
一緒にプレイする友達の見つけ方
「周りにリトルナイトメアをやる友達がいない…」という方もいるでしょう。 そんな時は、SNSを活用するのがおすすめです。 X(旧Twitter)などで、「#リトルナイトメア3募集」といったハッシュタグを使って、同じプラットフォームで遊びたい仲間を探してみましょう。 フレンドパスを使えば相手は無料で始められるので、きっと見つかるはずです。
まとめ
今回は、「リトルナイトメア3」の協力プレイ、特にNintendo Switch版のローカル通信の可否について徹底的に解説・考察しました。
最後に、重要なポイントをもう一度おさらいしましょう。
- 「リトルナイトメア3」の協力プレイはオンライン専用です。
- Nintendo Switch版を含め、全てのプラットフォームでローカル通信(画面分割、おすそわけプレイ)には対応していません。
- Switchでオンライン協力をするには、プレイヤー双方がNintendo Switch Onlineに加入する必要があります。
- ソフトが1本あれば友達を無料で招待できる「フレンドパス」機能があります。
ローカル通信ができないことを残念に思う気持ちも理解できます。 しかし、開発者はそれ以上にオンラインならではの恐怖体験を私たちに届けたいと考えているのです。 物理的に離れているからこそ生まれる緊張感と、それを乗り越えた時の達成感は、きっと今までのシリーズ作品とは一線を画す、新しい形の「リトルナイトメア」体験となるでしょう。
さあ、信頼できる相棒を見つけて、共に悪夢の世界からの脱出に挑んでみてはいかがでしょうか。