ゲーム評論家の桐谷シンジです。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、FGOのガチャについて「本当に確率は均等なのか?」「これだけ課金しても目当てのサーヴァントが出ないのはなぜ?」といったシステム的な疑問や、その裏側にある”闇”について気になっていることでしょう。

この記事を読み終える頃には、FGOのガチャの仕様や確率の偏り、そして課金の深淵にある真実についての疑問が解決しているはずです。
- 1700万円課金して見えたFGOガチャの現実
- 衝撃のガチャ歴代爆死ランキングの実態
- 統計データが示すサーヴァント排出の偏り
- ガチャの確率と仕様の裏側に潜む深層
この記事を読めば、きっと問題が解決できるはず。

1700万円課金して見えたFGOガチャの深淵
FGOの魅力の一つであり、多くのマスターを悩ませる根源でもある「聖晶石召喚」、すなわちガチャ。 今回は、総額1,700万円近くを投じて見えてきた、その深淵を覗いていきたいと思います。 まずは、多くの人が気になるであろう「そもそもFGOに課金は必要なのか?」という問いから、廃課金者だけが知る領域までを解説します。

まずは結論:FGOに課金は必要か?
結論から申し上げると、ストーリーをクリアする目的だけであれば、FGOへの課金は全く必要ありません。
現在のFGOは、フレンドやフォロー機能が非常に充実しており、強力なサーヴァントを借りることで高難易度クエストも十分に攻略可能です。 また、年間を通して配布される聖晶石や呼符を合計すると、およそ900連分以上にもなります。 これだけの配布量があれば、時間をかけて計画的にガチャを引くことで、無課金でも目当てのサーヴァントを入手できる可能性は十分にあります。
加えて、FGOには対人戦(PvP)の要素がないため、他プレイヤーとの競争を煽られることが少ないのも、課金の必要性が低い理由の一つです。 あくまで自分のペースで、自分の好きなサーヴァントと共に物語を楽しむことができるのが、FGOの大きな魅力と言えるでしょう。
廃課金者だけが知る5つの小ネタ
長年、そして多額の課金を続けていると、通常のプレイではなかなか気づかない、あるいは気にも留めないような細かい仕様に遭遇します。 ここでは、そんな廃課金者だからこそ分かる、少しマニアックな5つの小ネタをご紹介します。
無記名霊基の限定サーヴァント交換は一度きり
宝具レベルが6以上になった星5サーヴァントを入手した際に得られる「無記名霊基」。 これを10個集めることで、ピックアップ中の好きな星5サーヴァントと交換できる、まさに廃課金者のための救済措置です。
しかし、このシステムには注意点があります。 恒常排出やストーリー召喚で入手可能なサーヴァントは何度でも交換できますが、期間限定サーヴァントの交換は、そのサーヴァント1騎につき1度しか行えません。
一度交換してしまうと、次に同じサーヴァントがピックアップされたとしても、無記名霊基で再度交換することは不可能なのです。 これは、無記名霊基をどの限定サーヴァントに使うか、非常に慎重な判断が求められることを意味します。
無記名霊基の使用履歴は確認できる
「過去にどのサーヴァントを無記名霊基で交換したか忘れてしまった」という経験はありませんか。 実は、誰に無記名霊基を使ったかを確認する方法が存在します。
やり方は簡単で、ダ・ヴィンチ工房の「無記名霊基の交換」画面を最下部までスクロールするだけです。 すると、現在ピックアップ中のサーヴァントの中で、過去に交換履歴がある場合にその旨が表示されます。
ただし、この確認方法は現在ピックアップされているサーヴァントに限られるため、過去のすべての履歴を一覧で見ることはできません。 ピックアップが変わるたびにチェックし、自身で記録をつけておくのが確実でしょう。
無記名霊基の使用は「召喚」扱いになる
無記名霊基による交換は、アイテム交換というよりは「召喚」に近い扱いになっています。 これはどういうことかと言うと、無記名霊基を使ってサーヴァントを入手し、そのサーヴァントの宝具レベルが6以上になった場合、再び無記名霊基が1つ還元されるのです。
つまり、「無記名霊基10個」と「無記名霊基1個」を交換する形になります。 よほどの理由がない限り、宝具レベル5のサーヴァントをさらに重ねるためにこの交換を行うメリットは薄いですが、仕様として覚えておくと良いでしょう。
聖杯鋳造に困らなくなる
課金を重ね、多くのサーヴァントの宝具レベルが上限に達してくると、サーヴァントコインが大量に余るようになります。 特に星3サーヴァントはフレンドポイントガチャからも排出されるため、コインは増える一方です。
その結果、毎月「聖杯鋳造」で聖杯を生成する際に、貴重な星4や星5サーヴァントのコイン(金のコイン)を使わずとも、星1~3サーヴァントのコイン(銀のコイン)だけで十分賄えるようになります。 これにより、金のコインはアペンドスキルの解放など、より重要な用途に温存することが可能になります。
ガチャ前のロード演出の意味
ガチャを引く直前に、一瞬データロードが入ることがあります。 このロード演出は、多くのマスターが期待を寄せる瞬間ですが、その意味を正確に理解しているでしょうか。
一般的に、このロードは未入手のサーヴァントや概念礼装が排出される際に発生しやすいです。 しかし、すでに手持ちのサーヴァントや概念礼装が揃っている状態でロードが入り、金色や虹色の回転演出が発生した場合、それはピックアップ対象をすり抜けて、別の恒常サーヴァントが排出される危険信号であることが多いのです。
もちろん、これは端末のスペックや通信環境にも左右されるため一概には言えませんが、一つの傾向として覚えておくと、心の準備ができるかもしれません。
廃課金しても星5サーヴァントの複数枚抜きは都市伝説レベル
SNSなどで時折、「11連で星5サーヴァントが3枚、4枚出た」といった神がかり的な報告を見かけることがあります。 しかし、1,700万円近く課金してきた経験から断言しますが、これは都市伝説と言って差し支えないレベルの極めて稀な現象です。
これまで一度も、星5サーヴァントの4枚抜きを経験したことはありません。 3枚抜きですら、そのうちの2枚がすり抜けだった、という結果が関の山です。 星5サーヴァントが11連で排出される確率は決して高くなく、その上で複数枚となると、そのハードルは天文学的な高さになります。 過度な期待はせず、1枚でも引ければ幸運と考えるのが、精神衛生上も健全でしょう。
FGOガチャの闇?確率の偏りを徹底分析
「FGOのガチャには、表示されている確率以上の何かがあるのではないか」。 多くのマスターが一度は抱くこの疑問。 ここからは、膨大な試行回数の末に見えてきた、ガチャの確率の偏り、すなわち”闇”の部分にデータを交えて切り込んでいきます。

歴代ガチャ爆死ランキングTOP3
サーヴァントによって「出やすい」「出にくい」という体感は、多くのプレイヤーが持っているでしょう。 これは単なる気のせいなのでしょうか。 ここでは、宝具レベル5を達成するまでに、特に甚大な被害をもたらしたサーヴァントのワースト3をランキング形式でご紹介します。
順位 | サーヴァント | 宝具5までの連数 |
---|---|---|
第3位 | 千子村正 | 約1,000連 |
第2位 | マーリン | 約1,200連 |
第1位 | トネリコ | 1,320連 |
第3位:千子村正(約1,000連)
第3位は、強力なアーツ全体宝具セイバーとして人気の千子村正。 宝具レベル4までは900連で到達したものの、最後の1枚が遠く、最終的に約1,000連を要しました。 1,000連といえば、聖晶石にして3,000個。 金額にして約16~17万円に相当します。 これがまだ序の口というのですから、ガチャの恐ろしさが垣間見えます。
第2位:マーリン(約1,200連)
第2位は、FGOのゲーム環境を激変させた花の魔術師、マーリン。 特筆すべきは、彼に挑戦した当時はまだ「天井」(330連でピックアップ対象1騎確定)が実装されていなかったことです。 そのため、500連で星5サーヴァントが1枚も出ないという、前代未聞の大爆死を記録しました。 この記録は、今なお語り継がれる伝説となっています。
第1位:トネリコ(1,320連)
そして、不名誉な第1位に輝いたのは、記憶に新しい雨の魔女トネリコ。 その記録は、過去最高の1,320連。 1,000連を回した時点で、すり抜けを含めても宝具レベル3にしかならなかったという絶望的な状況でした。 30分足らずで20万円が消えていく様は、まさに悪夢そのものです。
このランキングは、たとえ大金を投じても、目当てのサーヴァントが簡単には手に入らないという、ガチャの本質的な厳しさを示しています。
恐怖!すり抜けサーヴァントランキングTOP5
ピックアップを狙っているのに、なぜかやってくる恒常サーヴァントたち。 通称「すり抜け」は、時に喜びをもたらし、時に絶望を運びます。 ここでは、1,700万円の課金の中で、最も多くすり抜けてきたサーヴァントのランキングを見ていきましょう。
順位 | サーヴァント | 宝具レベル |
---|---|---|
第1位 | 刑部姫 | 18 |
第2位 | 三蔵法師 | 17 |
第3位 | アルジュナ、カルナ、玉藻の前 | 15 |
第4位 | アルテラ、玄奘三蔵 | 14 |
第5位 | オジマンディアス、ヴラド三世、ジャンヌ・ダルク | 13 |
すり抜けランキングの発表
栄光(?)の第1位は、アサシンクラスの刑部姫で、宝具レベルは驚異の18。 これは、無記名霊基を8個も生み出している計算になります。 一方で、同じアサシンクラスでもジャック・ザ・リッパーや”山の翁”など、あまりすり抜けてこないサーヴァントもおり、クラス内でさえ偏りが見られます。
なぜ特定のサーヴァントに偏るのか?
これだけ課金をしても、排出されるサーヴァントには明確な偏りが生じます。 「たくさん出るサーヴァント」と「全く出ないサーヴァント」に極端に分かれるのです。 これは、乱数生成のアルゴリズムや、アカウントごとに何らかの「テーブル」が存在するのではないか、といった憶測を呼びますが、公式な見解はなく、真相は闇の中です。 しかし、統計的に偏りが存在することは、疑いようのない事実と言えるでしょう。
クラス別に見る恒常星5サーヴァントの偏り
すり抜けの偏りは、特定のサーヴァントだけでなく、クラス単位でも見られます。 ここでは、各クラスの恒常星5サーヴァントの宝具レベルを比較し、その偏りの実態をさらに詳しく分析します。
セイバークラスの奇跡的な収束
サーヴァント | 宝具レベル |
---|---|
アルトリア | 10 |
モードレッド | 10 |
アルテラ | 14 |
両儀式 | 10 |
セイバークラスでは、アルテラを除き、他のサーヴァントが奇跡的にも同じ宝具レベル10で並ぶという結果に。 これは、確率が見事に収束した稀な例と言えるかもしれません。
アーチャークラスの顕著な差
サーヴァント | 宝具レベル |
---|---|
オリオン | 12 |
アルジュナ | 15 |
ナポレオン | 8 |
源為朝 | 2 |
アーチャークラスでは、アルジュナの宝具レベル15に対し、実装時期が比較的最近とはいえ、源為朝は2と、はっきりとした差が見られます。
ランサークラスの全体的な高さ
サーヴァント | 宝具レベル |
---|---|
エルキドゥ | 12 |
カルナ | 15 |
ブラダマンテ | 11 |
ランサークラスは、全体的に宝具レベルが高く、すり抜けで排出されやすい傾向にあることが伺えます。
ライダークラスの闇(1500万課金で初すり抜け)
ライダークラスは恒常サーヴァントの数が多く、偏りが顕著です。 特に衝撃的なのは、1,500万円以上課金した時点で、初めて欧州がすり抜けてきたという事実です。 これは、特定の恒常サーヴァントをすり抜けで狙うことが、いかに無謀であるかを物語っています。
キャスタークラスの意外な偏り
キャスタークラスもサーヴァント数が多いですが、諸葛孔明〔エルメロイⅡ世〕やスカサハ=スカディといった強力なサポーターがあまりすり抜けてこない一方で、三蔵法師や玉藻の前に排出が偏っているという興味深い結果が出ています。
アサシンクラスとの異常な縁
アサシンクラスは恒常サーヴァントの数が少ないですが、刑部姫を筆頭に、なぜか今年に入ってからだけで恒常アサシンをコンプリートするなど、非常に縁の深いクラスとなっています。
バーサーカークラスのすり抜けやすさ
バーサーカークラスも、ヴラド三世を筆頭に、全体的にすり抜けで来やすい傾向が見られます。
エクストラクラスの渋さ
サーヴァント | 宝具レベル |
---|---|
ジャンヌ・ダルク | 13 |
ジャンヌ・ダルク〔オルタ〕 | – |
シトナイ | 4 |
ニトクリス〔オルタ〕 | 1 |
エクストラクラスは、ジャンヌ・ダルクを除き、すり抜けでの排出が非常に少ないことが分かります。 特にニトクリス〔オルタ〕は、多くのガチャを回したにもかかわらず、すり抜けは一度もありませんでした。
恒常星5一点狙いの確率(0.005%)という現実
ここまでのデータが示すように、特定の恒常星5サーヴァントをすり抜けで狙うのは、現実的ではありません。 それもそのはずで、ピックアップされていない恒常星5サーヴァント1騎を狙う確率は、わずか**0.005%**程度しかないのです。 これは、宝くじを当てるのに近い確率です。
だからこそ、年に一度の「星5サーヴァント交換チケット」などの機会は非常に貴重です。 すり抜けを当てにせず、欲しい恒常サーヴァントがいる場合は、こうした機会を確実に利用することをお勧めします。
FGOガチャと賢く付き合うための考察
これまでのデータは、FGOのガチャがいかに厳しく、そして確率の偏りという”闇”を抱えているかを示しています。 しかし、それでも私たちはFGOを楽しみ、ガチャを引きたくなるものです。 最後に、この理不尽とも思えるガチャシステムと、今後どう賢く付き合っていくべきかについて考察します。

天井システムは本当に救済か?
現在FGOには、330連(聖晶石900個)でピックアップ中の星5サーヴァントが1騎確定で手に入る、いわゆる「天井」システムが実装されています。 これは、かつてマーリンで500連爆死を経験した身からすれば、間違いなく救済措置です。
しかし、330連という回数は、金額にして約5万円強に相当します。 決して安い金額ではなく、天井があるからといって安易に手を出すのは危険です。 天井はあくまで「最悪の事態を避けるための保険」と捉え、基本的にはそれまでに引けることを目指すのが健全な考え方でしょう。
福袋は引くべきか?メリット・デメリット
年に数回開催される「福袋召喚」は、有償聖晶石15個で、対象の星5サーヴァントが1騎確定で排出される非常にお得なガチャです。 これは、FGOで唯一、課金する価値が明確にあるものと言っても過言ではありません。
メリット:
- 少ない投資で確実に星5サーヴァントが手に入る。
- 限定サーヴァントを入手する絶好の機会。
デメリット:
- 排出対象がクラス別や年代別などで区切られており、狙った1騎を引くのは難しい。
- 有償聖晶石が必要なため、最低限の課金が必須。
結論として、特定の1騎を狙うのでなければ、福袋は非常にコストパフォーマンスが高く、引くことを強く推奨します。
課金を後悔しないためのマインドセット
ガチャは時に、私たちを熱くさせ、冷静な判断力を失わせます。 課金した後に「なぜあんなにお金を使ってしまったんだ」と後悔しないために、以下のマインドセットを持つことが重要です。
- 予算を決める: 1ヶ月、あるいは1回のガチャで使える上限額をあらかじめ決めておきましょう。
- 撤退ラインを設ける: 「〇〇連して出なかったら諦める」という撤退ラインを明確にすることが、泥沼化を防ぎます。
- 他人と比較しない: SNSでの「神引き」報告に惑わされず、自分のペースを守りましょう。
- 目的を明確にする: 「なぜそのサーヴァントが欲しいのか」を自問自答し、性能だけでなく、キャラクターへの愛など、自分なりの目的をはっきりさせましょう。
FGOの今後のガチャはどうなる?未来予測
FGOもリリースから長期間が経過し、ゲーム業界のトレンドも変化しています。 今後、FGOのガチャシステムがどう変わっていく可能性があるか、少しだけ予測してみましょう。
- 天井の緩和: 現在330連の天井が、200連(一般的なソシャゲの天井)程度まで引き下げられる可能性。
- 排出率の変更: 星5サーヴァント全体の排出率が1%から引き上げられる可能性。
- 新たな確定システムの導入: 一定回数ごとに星4以上確定など、よりユーザーフレンドリーなシステムの追加。
もちろん、これらはあくまで希望的観測に過ぎません。 しかし、ユーザーがより快適にプレイできる環境へと改善されていくことを期待したいところです。
まとめ
今回は、1,700万円という膨大な課金額の末に見えてきた、FGOのガチャの裏側、そしてその”闇”について徹底的に解説しました。
- ストーリー攻略に課金は不要だが、ガチャには確率の偏りが存在する。
- 特定のサーヴァントは爆死しやすく、また特定のサーヴァントはすり抜けやすいという明確な傾向がある。
- 恒常星5サーヴァントのすり抜け一点狙いは、確率的にほぼ不可能。
- ガチャと賢く付き合うためには、明確な予算設定と撤退ラインが不可欠。
FGOのガチャは、時に残酷な結果をもたらします。 しかし、その仕様を正しく理解し、自分なりのルールを持って向き合うことで、過度な出費を抑え、ゲームを純粋に楽しむことができるはずです。 このレビューが、あなたのカルデアでの旅路の一助となれば幸いです。