ゲーム評論家の桐谷シンジです。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、先日まで開催されていた「ドラゴンクエスト スマッシュグロウ(スマグロ)」のクローズドβテスト(CBT)をプレイして、その育成システムの奥深さに驚き、具体的にどのような「やり込み要素」があるのか気になっているのではないでしょうか。

正式リリースに向けて、今のうちから育成方針を固めておきたいと考えている方も多いでしょう。
この記事を読み終える頃には、スマグロの育成に関する疑問が解決し、正式リリースを万全の態勢で迎えられる知識が身についているはずです。
- CBTで判明した育成要素の全貌を網羅
- キャラクター育成の深掘り解説
- モンスター育成システムの徹底分析
- 正式リリースに向けた育成戦略の考察
それでは解説していきます。

スマグロ育成の全体像|CBTで判明した基本システム
まず、スマグロの育成システムがどのような構造になっているのか、全体像から解説していきましょう。 CBTをプレイして判明したのは、本作の育成が単なるレベル上げに留まらない、非常に多層的で戦略性の高いものだということです。

大きく分けると、育成の柱は以下の4つに分類できます。
- キャラクター育成: 主人公や仲間キャラクター自身の能力を直接強化する要素。
- モンスター育成: 仲間モンスターを育て、パーティの戦力として組み込む要素。
- 装備育成: 武器や防具を強化し、キャラクターの性能を底上げする要素。
- その他強化要素: パーティ全体や特定の能力を補助的に強化するシステム。
これらの要素が複雑に絡み合うことで、プレイヤーごとに特色のあるパーティを作り上げる楽しみが生まれます。 従来のドラゴンクエストシリーズが持つ育成の楽しさを、スマートフォン向けに最適化しつつ、さらに深いやり込み要素を加えたのがスマグロの育成システムだと言えるでしょう。
それでは、次章からそれぞれの育成要素を具体的に、そして深く掘り下げていきます。
キャラクター育成のやり込み要素|強さを追求する5つの道
スマグロにおける最も根幹となるのが、プレイヤーが操作するキャラクターたちの育成です。 CBTの段階でも、その奥深さの片鱗を十分に感じることができました。 キャラクター一人ひとりをどこまで育て上げられるか、そのやり込みの深さが、高難易度コンテンツの攻略鍵を握ることは間違いありません。
1. レベルアップ|全ての基本となるステータス向上
最も基本的な育成要素が、バトルで経験値を獲得することによるレベルアップです。 レベルが上がることで、HP、MP、ちから、みのまもり、すばやさといった基本的なステータスが上昇します。
CBTでのレベル上限は50でしたが、正式リリース後には上限解放が段階的に行われると予想されます。 レベル上げは地道な作業ですが、スマグロでは経験値を得やすい「メタルダンジョン」のような育成クエストが用意されており、比較的快適に進めることができました。
効率的なレベル上げの方法
CBTで有効だったのは、やはり経験値効率の良いクエストを周回することです。 特に、時間限定で開催される「メタルスライム」や「はぐれメタル」が出現するクエストは、絶対に逃せません。
また、本作にはスタミナの概念があるため、限られたスタミナをどのクエストに割り振るかが重要になります。 キャラクターのレベルが上がると、より難易度の高いクエストに挑戦できるようになり、得られる経験値やアイテムも豪華になります。 まずはメインストーリーを進めながら、詰まったら育成クエストでレベルを上げる、というサイクルが基本となるでしょう。
2. スキルパネル|個性と戦略を生み出す育成の核
レベルアップがキャラクターの「基礎体力」を上げるものだとすれば、この「スキルパネル」は「専門技術」を磨くためのシステムです。 スマグロの育成において、最も個性を発揮でき、やり込みの深さを象徴する要素と言えるでしょう。
各キャラクターは、すごろくのマスのような独自のスキルパネルを持っています。 このパネルを、専用の素材を使って解放していくことで、ステータスが上昇したり、新たな「とくぎ」や「じゅもん」、そして強力な「必殺技」を習得したりできます。
ビルドの多様性と戦略性
スキルパネルは一本道ではなく、複数のルートに分岐しています。 例えば、同じ戦士キャラクターでも、攻撃力に特化したルートを進めばアタッカーとして、防御力やHPを重視したルートを選べばタンク役として活躍させることが可能です。
どのルートを優先的に解放するか、どのスキルを習得させるかで、キャラクターの役割や性能が大きく変わってきます。 この「ビルド」を考えるのが、スマグロの育成における最大の醍醐味です。
CBTで確認できたパネルの種類は以下の通りです。
パネルの種類 | 効果 |
---|---|
ステータスUP | HP、MP、ちから、みのまもり等の基礎ステータスが上昇 |
とくぎ習得 | キャラクター固有のアクティブスキルを習得・強化 |
じゅもん習得 | 攻撃呪文や回復呪文などを習得・強化 |
必殺技強化 | キャラクターの切り札となる必殺技の威力や効果を強化 |
特性習得 | 特定の条件下で自動的に発動するパッシブスキルを習得 |
パネルを解放するためには、「スキルのたね」や「各属性のオーブ」といった専用素材が必要です。 これらの素材は、クエストのドロップやイベント報酬で入手できます。 希少な素材をどこに使うか、じっくり考える時間もまた、このゲームの楽しさの一つでしょう。
3. 限界突破(覚醒)|キャラクターの潜在能力を引き出す
スマートフォンゲームではおなじみの、いわゆる「凸」システムもスマグロには搭載されています。 ガチャなどで同じキャラクターを入手した際に得られる「キャラクターの魂」といった専用アイテムを使用することで、「限界突破」が可能です。
限界突破を行うと、キャラクターのレアリティを示す星の数が増え、レベル上限が解放されたり、ステータスが大幅に上昇したりします。 CBTでは最大5段階まで限界突破できることが確認できました。
限界突破の恩恵
限界突破による最大のメリットは、基礎ステータスの飛躍的な向上です。 特に高難易度コンテンツでは、限界突破しているかどうかが勝敗を分ける場面も少なくないでしょう。
さらに、特定の段階まで限界突破を進めると、新たな「特性(パッシブスキル)」を習得することがあります。 例えば、「戦闘開始時に攻撃力アップ」や「特定の種族へのダメージ増加」など、戦況を有利にする強力な効果が多く、キャラクターの性能を劇的に変化させます。
最高レアリティのキャラクターを最大まで限界突破させるのは、非常に長い道のりになるでしょう。 しかし、それに見合うだけの強力な性能を手に入れられるため、まさにエンドコンテンツの一つとして、長く楽しめるやり込み要素となっています。
4. 装備品の強化・錬金|無限の可能性を秘めたカスタマイズ
キャラクターの強さは、本人の能力だけでなく、身につける「装備品」によっても大きく左右されます。 スマグロの装備システムもまた、非常に奥深いやり込みが用意されていました。
装備品の強化と進化
装備品にはキャラクター同様にレベルが存在し、「強化石」などの素材を使って強化できます。 レベルが最大になると、さらに上位のレアリティへと「進化」させることができ、基本性能が大幅にアップします。
CBTで確認できた装備品の種類は以下の通りです。
- 武器: キャラクターの攻撃力や攻撃タイプに影響(剣、ヤリ、杖など)
- 盾: 防御力や属性耐性を高める
- 頭防具: 防御力や特定の状態異常耐性を高める
- 体上防具: 防御力やHPを大きく高める
- 体下防具: 防御力やすばやさなどを高める
- アクセサリー: 特殊な効果を持つものが多い
これらの装備品を強化・進化させていくだけでも大変ですが、スマグロの装備育成はそれだけでは終わりません。
装備錬金によるランダム効果付与
CBTで多くのプレイヤーを夢中にさせたのが、「装備錬金」システムです。 特定の装備品は、「錬金石」というアイテムを使うことで、ランダムな特殊効果を付与することができます。
例えば、同じ「はがねのつるぎ」でも、
- 「こうげき力+10」が付いたもの
- 「かいしん率+2%」が付いたもの
- 「スライム系へのダメージ+5%」が付いたもの
など、全く異なる性能の武器が生まれるのです。 このランダム性が非常に高く、自分の理想とする効果が付くまで何度も錬金に挑戦するという、まさに”沼”のようなやり込みが待っています。
理想のスキル構成を持つキャラクターに、その能力を最大限に引き出す錬金効果が付いた装備品を身につけさせる。 これが、スマグロにおけるキャラクター育成の一つの到達点と言えるでしょう。
5. きずなレベル|キャラクターとの交流で得られる強化
本作には、各キャラクターとの「きずなレベル」という要素も存在します。 パーティに編成してバトルに連れて行ったり、専用のアイテムをプレゼントしたりすることで、きずなレベルが上昇します。
きずなレベルが上がると、特別なキャラクターストーリーが解放されるだけでなく、パーティ全体に効果のあるパッシブスキルを習得することがあります。 例えば、「主人公のきずなレベルが10に達すると、パーティ全員のHPが+2%される」といった具合です。
この恩恵は、控えのメンバーも含めて全てのキャラクターに適用されるため、多くのキャラクターのきずなレベルを上げておくことが、パーティ全体の底上げに繋がります。 お気に入りのキャラクターだけでなく、様々なキャラクターを育成するモチベーションになる、うまく設計されたシステムだと感じました。
モンスター育成のやり込み要素|頼れる相棒を最強に育て上げろ
ドラゴンクエストシリーズの魅力の一つといえば、やはり個性豊かなモンスターたちです。 スマグロでは、そんなモンスターたちを仲間にして、共に戦うことができます。 キャラクター育成とはまた違った楽しさを持つ、モンスター育成のやり込み要素について見ていきましょう。

モンスターの入手方法とスカウト
モンスターは、主にクエスト中に確率でドロップする「スカウトチャンス」を通じて仲間にします。 倒したモンスターが起き上がり、仲間になりたそうにこちらを見ている…という、シリーズおなじみの光景が繰り広げられます。
もちろん、強力なモンスターほど仲間になる確率は低く設定されています。 お目当てのモンスターを仲間にするために、何度も同じクエストを周回する必要があるでしょう。 このハックアンドスラッシュ的な要素も、やり込み好きにはたまらない部分です。
また、一部のモンスターはイベント報酬や専用のガチャから入手することも可能です。
モンスターのステータスと特技
仲間にしたモンスターも、キャラクターと同じようにレベルアップでステータスが成長します。 また、モンスターごとに固有の「とくぎ」や「特性」を持っており、パーティ編成の重要なアクセントとなります。
例えば、
- ホイミスライム: 回復呪文「ホイミ」でパーティを癒すヒーラー
- ゴーレム: 高いHPと防御力で仲間を守るタンク役
- キラーマシン: 2回行動の特性を持つ強力なアタッカー
など、その役割は多岐にわたります。 挑戦するクエストの敵構成に合わせて、最適なモンスターをパーティに組み込む戦略性が求められます。
モンスターの覚醒とランクアップ
モンスターにも限界突破に似た「覚醒」システムが存在します。 同じモンスターを複数体集めることで覚醒レベルが上がり、ステータスが上昇したり、特性が強化されたりします。
さらに、モンスターには「ランク」の概念があり、「ランクアップ」させることで、レベル上限の解放や大幅なステータスアップが可能です。 ランクアップには、曜日ごとに入手できる「宝玉」などの専用素材が必要となります。
低ランクのモンスターでも、覚醒とランクアップを重ねることで、高ランクのモンスターに匹敵するほどの強さを発揮することがあります。 見た目は弱そうなスライムを、愛情を込めて育て上げ、最強パーティの一員として活躍させる…そんなロマンあふれる育成が楽しめるのも、モンスター育成の魅力です。
「配合」システムへの期待と考察
CBTの段階では実装されていませんでしたが、ドラゴンクエストモンスターズシリーズでおなじみの「配合」システムが、将来的にスマグロに導入される可能性は十分に考えられます。
もし配合が実装されれば、モンスター育成のやり込みは飛躍的に深まるでしょう。 親のスキルや特性を引き継いだ、全く新しいモンスターを生み出すことができれば、育成の組み合わせは無限大に広がります。
例えば、「キラーマシンの2回行動」と「ゴーレムの高い防御力」を併せ持つ、夢のようなモンスターを作り出すことも可能になるかもしれません。 これはあくまで現時点での私の推測ですが、こうした将来への期待感を抱かせてくれる点も、スマグロのポテンシャルの高さを物語っています。
まとめ
今回は、クローズドβテストで判明した「ドラゴンクエスト スマッシュグロウ」の育成に関するやり込み要素を、徹底的に解説しました。
- キャラクター育成: レベルアップ、スキルパネル、限界突破、装備強化・錬金、きずなレベルと、多岐にわたる強化軸が存在し、プレイヤーの好みに合わせた自由なビルドが可能。
- モンスター育成: スカウトでの仲間集めから、覚醒、ランクアップといった育成まで、キャラクターとは異なる楽しさがあり、パーティ編成の戦略性を高めている。
- やり込みの深さ: 特に「スキルパネル」のビルド構築と、「装備錬金」による理想の特殊効果の追求は、プレイヤーを飽きさせない”沼”のようなエンドコンテンツとなる可能性を秘めている。
CBTをプレイした私の率直な感想として、スマグロは近年のスマートフォン向けRPGの中でも、トップクラスに育成のやり込み度が高い作品です。 一つ一つの要素が丁寧に作り込まれており、じっくりと時間をかけて自分のパーティを育て上げていく喜びを存分に味わうことができます。
今回紹介した内容は、あくまでCBTで判明した情報に過ぎません。 正式リリース版では、さらに新しい育成システムが追加されたり、既存のシステムがより洗練されたりしている可能性も大いにあります。
今からどのキャラクターを、どのモンスターを、どのように育てていくか。 そんな計画を練りながら、正式リリースを心待ちにするのも、また一興ではないでしょうか。 このレビューが、あなたのスマグロライフの一助となれば幸いです。