ゲーム評論家の桐谷シンジです。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、待望のHD-2Dリメイク版『ドラゴンクエスト2 悪霊の神々』をプレイ中で、冒険に役立つ裏技や、クスリと笑える小ネタ、あるいは攻略を効率化するテクニックが気になっていると思います。
『ドラクエ2』は、オリジナル版から数々のリメイクを経て、そのたびにゲームバランスや仕様が洗練されてきました。 今回のHD-2D版でも、ベースとなるシステムはSFC版やスマホ版を踏襲しつつ、現代のプレイヤーが遊びやすいように調整が加えられていることでしょう。 しかし、その中にも開発者が意図した「小ネタ」や、仕様を逆手に取った「裏技(テクニック)」は存在します。
この記事を読み終える頃には、HD-2D版『ドラクエ2』の裏技や小ネタに関する疑問が解決し、あなたの冒険がより深く、より楽しいものになっているはずです。
- HD-2Dリメイク版で使える実用的な裏技
- 冒険を格段に楽にする攻略テクニック
- オリジナル版(FC版)との違いと伝説の裏技の行方
- 物語を彩る隠しイベントや小ネタの数々
それでは解説していきます。
ドラクエ2リメイクで活用したい実用的な裏技・テクニック
HD-2D版『ドラクエ2』は、SFC版やスマホ版と同様に「中断セーブ」機能が搭載されている可能性が非常に高いです。 ファミコン(FC)版では復活の呪文(パスワード)方式だったため、セーブは町や城の王様(または神官)に話しかける必要がありましたが、リメイク版ではフィールドやダンジョンでも手軽に進行状況を保存できます。 この「中断セーブ」こそが、リメイク版における最大の「裏技」の源泉となります。
中断セーブ利用①:エンカウント回避で快適探索
『ドラクエ2』といえば、その広大なマップと高いエンカウント率、そして凶悪なモンスターの配置がオリジナル版プレイヤーの記憶に刻まれています。 特に、ローレシアからサマルトリア城へ向かう序盤の旅や、悪名高き「ロンダルキアへの洞窟」などは、一歩進むごとに戦闘が始まるかのような過酷さでした。
しかし、中断セーブがあれば、このストレスは大幅に軽減されます。
- メニューから「さくせん」を選び、「ちゅうだん」でセーブします。
- 数歩進んでみます。
- もし敵にエンカウントしてしまったら、ゲームをリセット(アプリの再起動など)します。
- 中断したデータから再開します。
この手順を繰り返すことで、理論上は一度も敵と遭遇せずに目的地までたどり着くことが可能です。 もちろん、レベルが全く上がらないため、ボス戦などで苦戦することは必至ですが、「とにかく先の町で強力な装備を買いたい」「アイテムだけ回収してすぐに戻りたい」といった特定の目的がある場合には、これ以上ないほど強力なテクニックとなります。
例えば、ゲーム開始直後にこの技を駆使して「ルプガナ」までたどり着き、船を手に入れる…というのは現実的ではありませんが(ストーリーフラグが必要なため)、ダンジョンの奥深くにある宝箱を回収する際や、MPが尽きかけた状態で町に戻る際には絶大な効果を発揮します。
中断セーブ利用②:「いのりのゆびわ」を無限に使う方法
『ドラクエ2』は、仲間が3人(ローレシアの王子、サマルトリアの王子、ムーンブルクの王女)となり、MP(マジックパワー)の概念が本格的に導入された作品です。 特に中盤以降は、ムーンブルクの王女が覚える「ベホマ」や「ザオリク」、サマルトリアの王子が覚える「スクルト」「ルカナン」といった呪文が攻略の鍵を握りますが、MP消費も激しくなりがちです。
そこで役立つのが、MPを回復できるアイテム「いのりのゆびわ」です。 しかし、この指輪には「使用すると一定確率で壊れてなくなってしまう」という厄介な仕様があります。
ここでも中断セーブが活躍します。
- MPを回復したい仲間が「いのりのゆびわ」を使います。
- 使う直前に、メニューから「ちゅうだん」でセーブします。
- 指輪を使用します。
- 【成功】指輪が壊れず、MPが回復した場合
- そのまま冒険を続けるか、再度「ちゅうだん」セーブをしてから次の使用を試みます。
- 【失敗】「しかし ゆびわは こなごなに くだけちった!」と表示された場合
- 即座にゲームをリセットし、中断したデータから再開します。
これを繰り返せば、「いのりのゆびわ」が壊れるリスクを完全にゼロにして、MPを好きなだけ回復できます。 ダンジョン攻略中、ボス戦の直前などでMPが心許ない時に、宿屋に戻る手間を省ける非常に強力なテクニックです。 高価なアイテム(FC版では2100G、リメイク版でも高額)であるため、失うリスクなしに使えるメリットは計り知れません。
福引の必勝法?目押しとタイミングのコツ
『ドラクエ2』の楽しみの一つに「福引」があります。 道具屋で買い物をするともらえる「ふくびきけん」を使って、様々な景品が当たるスロットゲームです。 リメイク版の福引(SFC版やスマホ版準拠の場合)は、スロットの絵柄の順番が固定されています。
例えば、「太陽」「星」「月」「ハート」「しずく」「太陽」…といった具合です。 さらに、スロットの回転速度も毎回同じです。 つまり、これは完全な運任せではなく、タイミングを合わせてボタンを押す「目押し」が可能なミニゲームなのです。
特等の景品(「ゴールドカード」など)を狙う場合、その絵柄が特定の位置に来た瞬間にボタンを押す練習をすれば、格段に当選確率を上げることができます。 景品一覧や絵柄の順番は、HD-2D版の仕様によって変わる可能性もありますが、「目押しが可能」という基本仕様は踏襲される可能性が高いでしょう。 どのタイミングで押せば良いかは、何度も挑戦して自分の感覚を掴むのが一番ですが、特定のリール(例えば左端)の特定の絵柄(例えば「太陽」)が画面上端に来た瞬間に押す、といった自分なりの基準点を見つけると成功しやすくなります。
福引券の効率的な稼ぎ方(道具屋ループ)
目押しで景品を狙うにしても、まずは「ふくびきけん」がなければ始まりません。 福引券は、道具屋で買い物をした際、「購入金額のゴールドの各桁の数字の合計が5の倍数になる」ともらえる、というのがリメイク版(SFC版など)の仕様でした(FC版とは仕様が異なります)。
例:
- 14ゴールドの買い物 → 1+4 = 5 (5の倍数) → 福引券ゲット
- 87ゴールドの買い物 → 8+7 = 15 (5の倍数) → 福引券ゲット
- 12ゴールドの買い物 → 1+2 = 3 → もらえない
この仕様を利用し、安価なアイテムを売買して意図的に福引券を稼ぐテクニックがあります。
- まず、所持金を福引券がもらえる状態(例:合計が5の倍数になる金額の「やくそう」1個を買える状態)に調整します。
- 「やくそう」(8ゴールド)を大量に(例えば99個)買い込んでおきます。
- 所持金を調整した後、道具屋で「やくそう」を2個売ります(+12ゴールド)。
- 次に「やくそう」を1個買います(-8ゴールド)。
- (売る前の所持金 + 12 – 8)となり、この購入金額(8G)で福引券をもらえるように所持金を調整しておくのがミソです。
- 再び「やくそう」を2個売り(+12G)、1個買う(-8G)。
この「2個売る→1個買う」のループを繰り返すことで、所持金をほとんど減らさずに福引券だけを大量に集めることができます。 「やくそう」の売値(6G)と買値(8G)の差額を利用したテクニックです。 (※リメイク版の仕様やアイテム価格によっては、売買するアイテムや個数の調整が必要になる場合があります) ゴールドカード(買い物が割引になる)や、強力な武器(「はやぶさのけん」など)が景品になっている場合、このテクニックで福引券を稼ぎ、目押しで狙うのが最強装備への近道となります。
蘇生された敵の経験値リセット仕様(あくましんかん対策)
これは裏技というより、戦闘システムの仕様に関する重要な知識です。 終盤のハーゴンの神殿などに出現する「あくましんかん」は、倒した敵を「ザオリク」で蘇生させてくる非常に厄介なモンスターです。
ここで注意したいのが、「一度倒して経験値を得た敵でも、蘇生された後に倒し直しても、経験値は1体分しか入らない」という点です。 蘇生される前に倒した分の経験値はリセットされ、無効になってしまいます。
この仕様が最も厄介なのは、「はぐれメタル」狩りの時です。 せっかく苦労して「はぐれメタル」を倒したのに、同伴していた「あくましんかん」が「ザオリク」で蘇生させてしまい、そのはぐれメタルが次のターンに逃げ出してしまったら…得られるはずだった莫大な経験値(約1万)がゼロになってしまいます。
したがって、「あくましんかん」と「はぐれメタル」が同時に出現した場合、最優先で倒すべきは「あくましんかん」です。 マホトーンで呪文を封じるか、集中攻撃で真っ先に倒し、「ザオリク」を使われる危険性を排除してから、落ち着いて「はぐれメタル」狩りに取り掛かるのが鉄則です。
ドラクエ2攻略を有利に進める小技・知識
ここからは、バグ的な裏技ではなく、ゲームをスムーズに進めるための攻略テクニックや、知っておくと得する知識を紹介します。 HD-2D版でも基本は変わらないはずです。
序盤の効率的なレベル上げと金策
『ドラクエ2』は、序盤のレベル上げと装備の充実が、その後の難易度を大きく左右します。
ローレシア周辺での立ち回り
ゲーム開始直後、ローレシアの王子は一人旅です。 まずはお城の地下にいる犬に話しかけ、王女の情報を得て王様から50Gをもらいましょう。 この50Gで「こんぼう」(30G)と「ぬののふく」(20G)を買うか、あるいは「どうのつるぎ」(100G)を目指して少し戦うか、悩むところです。 私としては、まずは最低限の「こんぼう」だけ買い、ローレシアの城のすぐ近くでスライムやおおなめくじを倒してレベル3程度まで上げ、「どうのつるぎ」と「かわのよろい」(150G)を目指すことを推奨します。 レベル3で「ホイミ」を覚えてから、少しずつ行動範囲を広げ、リリザの町を目指しましょう。
サマルトリアの王子合流後の戦略
リリザでサマルトリアの王子の情報を聞き、サマルトリア城で合流(実際にはそこからさらに東の勇者の泉へ行く必要がありますが)したら、戦力は格段に上がります。 サマルトリアの王子は初期装備が貧弱(FC版では「こんぼう」のみ)なため、早急に「くさりがま」(320G)や「くさりかたびら」(480G)を買い与えたいところです。 この時期の金策としては、ローレシアからリリザの間に出現する「バブルスライム」(毒攻撃が厄介だが経験値20、ゴールド24と美味しい)や、サマルトリア周辺の「やまねずみ」「リザードフライ」あたりが狙い目です。
優秀な装備品とアイテムの入手テクニック
冒険を楽にする鍵は、強力な装備とアイテムです。
複数入手したい「まよけのすず」
「まよけのすず」は、装備していると敵の呪文(特にラリホーやマホトーン)が効きにくくなる(耐性が上がる)装飾品です。 これはサマルトリアの王子やムーンブルクの王女といった、呪文で無力化されると困る後衛メンバーにぜひ装備させたいアイテムです。 リメイク版では、福引の景品や、特定の敵(「マンドリル」など)からのドロップで複数入手が可能です。 特に終盤はザラキやメガンテといった即死呪文も飛び交うため、この耐性は非常に重要になります。
「せかいじゅのは」の無限入手(1枚所持制限)
「せかいじゅのは」は、死んだ仲間を確実に蘇生できる貴重なアイテムです(ザオリクと同じ効果)。 これは、ペルポイの町の南東にある小島(世界樹の葉の島)の中央付近を調べることで入手できます。 ただし、「1枚しか所持できない」という制限があります。
しかし、「使って0枚になった後」に再び同じ場所を調べれば、何度でも再入手が可能です。 ムーンブルクの王女が「ザオリク」を覚えるまではもちろん、覚えてからも王女のMP節約のために、常に1枚はストックしておく癖をつけると良いでしょう。 「せかいじゅのは」を持っている仲間が死んでしまったら元も子もないので、アイテム袋(リメイク版にあれば)か、比較的死ににくいローレシアの王子に持たせておくのがセオリーです。
「みずのはごろも」は誰に着せる?(複数入手の可否)
「みずのはごろも」は、炎や呪文のダメージを軽減してくれる最強クラスの体防具です。 これは非売品で、ムーンブルクの北西にある「ドラゴンのつの」の塔の宝箱から1着目が手に入ります。 また、テパの村で「あまつゆのいと」と「せいなるおりき」を職人に渡すことでもう1着作ってもらえます。
ローレシアの王子以外の2人(サマルトリア、ムーンブルク)が装備可能です。 呪文攻撃の激しい終盤戦において、この耐性は非常に強力です。 打たれ弱いムーンブルクの王女に着せるのが定石ですが、FC版のような「無限増殖バグ」がリメイク版で使える可能性はまずありません。 基本的に2着(宝箱の1着、イベントでの1着)のみの貴重品として、誰に装備させるか戦略を練る必要があります。
難所「ロンダルキアへの洞窟」攻略のコツ
『ドラクエ2』史上、最大の難所と名高いのが「ロンダルキアへの洞窟」です。 複雑なマップ、悪意に満ちた落とし穴、そして凶悪なモンスターの群れがプレイヤーを絶望させます。
落とし穴の回避ルートとマップの把握
このダンジョンは、何度も落ちては登り直し、正しいルートを覚えて進む「死に覚え」が前提の構造になっています。 特に有名なのが、無限ループに見える落とし穴地帯です。 正しいルート(特定の床を踏むと先に進める)を把握していないと、永遠に同じ場所をさまようことになります。 リメイク版では視覚的なヒントが追加されている可能性もありますが、基本的にはマップを自力で覚えるか、攻略情報(マップ)を参照するのが賢明です。 中断セーブを活用し、一歩進むごとにセーブして、落ちたらリセット…という地道な進み方も有効です。
「いのちのもんしょう」の重要性
ダンジョンの深層部には「いのちのもんしょう」という重要なアイテムがあります。 これは五つの紋章の一つであり、ストーリークリアに必須です。 しかし、この紋章は非常に意地悪な場所に隠されています(広大なフロアの特定の1マスを調べる必要がある)。 見落としがちなポイントなので、ダンジョン攻略の際は必ず入手しましょう。
強敵対策(ドラゴン、キラーマシンなど)
このダンジョンでは、通常エンカウントで「ドラゴン」(激しい炎)や「キラーマシン」(2回攻撃、痛恨の一撃)といったボス級の敵が出現します。 まともに戦うとMPもアイテムもあっという間に尽きてしまいます。 サマルトリアの王子の「マヌーサ」(幻惑)や「ラリホー」(睡眠)が非常に有効です。 特にキラーマシンは打撃攻撃しかしてこないため、マヌーサが効けば(効きにくいですが)大幅に被ダメージを減らせます。 ドラゴンにはラリホーが効きやすいので、眠らせている間に他の敵を処理しましょう。 ここでも「中断セーブ」を駆使し、危険なエンカウントを引いたらリセットする戦法が有効です。
終盤のレベル上げと「はぐれメタル」の倒し方
ロンダルキア台地に着いた後、そのままハーゴンの神殿に突入しても返り討ちに遭うだけです。 最後の祠でセーブできるようにした後、レベル上げに励む必要があります。
おすすめの狩場
ロンダルキア台地そのものが、終盤の最高のレベル上げスポットです。 「ギガンテス」「サイクロプス」「ブリザード」など、経験値の高いモンスターがうろついています。 そして、何より「はぐれメタル」が出現します。
はぐれメタル対策装備と呪文
はぐれメタルは守備力が異常に高く、すぐに逃げ出し、呪文もほぼ効きませんが、倒せば約1万という破格の経験値が手に入ります。
- はやぶさのけん: ローレシアの王子に装備させたい最強の武器。福引の特等などで入手可能(リメイク版の入手法は要確認)。1回の攻撃で2回ダメージを与えられるため、はぐれメタルにダメージを与えるチャンスが2倍になります。
- みなごろしのけん: サマルトリアの王子に装備可能(テパの村の南で入手)。装備して道具として使うと、敵味方問わず誰か1体に会心の一撃が出るという特殊な武器。はぐれメタル狩りでは非常に有効ですが、味方に当たると即死級のダメージなので諸刃の剣です。中断セーブと組み合わせて使うと良いでしょう。
- ドラゴラム: ムーンブルクの王女が覚える呪文。竜に変身し、強力な炎を吐きます。変身に1ターンかかりますが、炎ははぐれメタルにも確実に10前後のダメージを与えられます。ただし、逃げられる前に間に合うかは運次第です。
- パルプンテ: サマルトリアの王子が覚える呪文。何が起こるか分からない運任せの呪文ですが、「時間が止まる」効果が出れば、敵は数ターン行動不能になります。この隙に集中攻撃で倒すことができます。
はぐれメタル狩りは、これらの対策を講じつつ、いかに逃げられる前にダメージを蓄積させるかの勝負になります。
ラスボス・ハーゴン戦とシドー戦の戦略
十分なレベル(目安としてローレシア40、サマルトリア35、ムーンブルク33程度)と最強装備を整えたら、いよいよハーゴンの神殿へ。
ハーゴン戦の注意点(幻影)
ハーゴン戦の前に、「アトラス」「バズズ」「ベリアル」という3体の中ボスとの連戦があります。 MP管理に注意し、1戦終わるごとにしっかり回復しましょう。
ハーゴン本体は、まず「ローレシアの王子たちの幻影(偽物)」を召喚してきます。 この幻影は非常に強力ですが、ムーンブルクの王女が覚える「マホトーン」がハーゴン本体に効けば、幻影を召喚されずに済みます(リメイク版の耐性による)。 ハーゴンは「イオナズン」や「ベホマ」も使いますが、本体さえ叩けばシドー戦へと移行します。
シドー対策(ルカナン、スクルト、マヌーサ)
『ドラクエ2』の真のラスボス、破壊神シドー。 シドーは圧倒的な攻撃力(2回攻撃)と高い守備力を誇ります。
- スクルト: サマルトリアの王子の「スクルト」で味方全体の守備力を限界まで上げることが、シドー戦の基本かつ最重要戦略です。
- ルカナン: シドーには「ルカナン」が有効です(FC版より効きにくくなっている可能性あり)。守備力を下げれば、ローレシアの王子の打撃ダメージが通りやすくなります。
- マヌーサ: 2回攻撃をミスさせるために「マヌーサ」も有効です。
- 回復: ムーンブルクの王女は「ベホマ」での回復に専念。サマルトリアの王子も状況次第で「ベホイミ」を使います。
シドーは「ベホマ」を使うこともありますが(FC版)、焦らずに補助呪文をかけ直し、地道にダメージを与えていくことが勝利への道です。
世界観を楽しむ小ネタ・隠し要素集
『ドラクエ2』は、シリアスなストーリーの中にも、開発者の遊び心が光る小ネタが満載です。
仲間の名前はランダム?名前変更の仕様
ゲーム開始時、ローレシアの王(父)が、仲間になるサマルトリアの王子とムーンブルクの王女の名前を提案してきます。 この名前候補は、実は数パターンの候補の中からランダムで選ばれています。 もし提示された名前が気に入らなければ、選択肢で「いいえ」を選ぶと、自分で好きな名前を入力することができます。 (SFC版やスマホ版ではこの仕様でした。HD-2D版でも踏襲されるでしょう) 公式設定とされている名前(サマルトリア王子「カイン」、ムーンブルク王女「プリン」など)にしたい場合は、自分で入力するのが確実です。
ルプガナの「ぱふぱふ」体験
港町ルプガナの教会の北(上)にいる女性に話しかけると、「ぱふぱふ」をしてもらえます。 これは『ドラクエ』シリーズの伝統的なお色気(?)イベントですが、画面が暗転し、それらしいセリフが表示されるだけで、ステータスに変化があるなどの実利は何もありません。 HD-2Dの美しいグラフィックで、このイベントがどう表現されるのか、ある意味見どころの一つです。
変わり果てたドラクエ1の舞台「アレフガルド」
『ドラクエ2』は、前作『ドラクエ1』の100年後の世界です。 ストーリー中盤、海底の洞窟を抜けてたどり着く新大陸は、何を隠そう前作の舞台「アレフガルド」です。 しかし、100年の歳月は残酷で、『ドラクエ1』で栄えていた「ガライの町」や「マイラの村」、「リムルダールの町」は跡形もなく消え去っています。 人々が暮らしているのは「ラダトームの城」のみ。 前作をプレイした人ほど、この荒廃したアレフガルドの姿に時の流れと世界の広がりを感じることでしょう。
竜王の城に住む「竜王のひ孫」との対話
アレフガルドには、前作のラスボス「りゅうおう」がいた城も残っています。 最深部まで行くと、そこには一人の人物が。 彼はなんと「りゅうおうのひ孫」を名乗ります。 彼は「わしをたおしてもせかいのへいわはおとずれぬぞ」といった、意味深なセリフでヒントをくれます。 戦闘にはならず、友好的(?)に会話ができます。 かつての宿敵の子孫が、今や世界を救うヒントをくれるという、シリーズファンにはたまらないイベントです。
ベラヌールの宿屋で起こる「ハーゴンの呪い」イベント
船を手に入れてベラヌールの町に到着し、宿屋に泊まると、夜中にサマルトリアの王子が苦しみだし、パーティから離脱してしまうイベントが発生します。 これが「ハーゴンの呪い」です。
呪われたサマルトリアの王子
呪いを解くには「せかいじゅのは」が必要です。 世界樹の葉の島で「せかいじゅのは」を入手し、ベラヌールの宿屋で寝込んでいる王子に使うと、呪いが解けてパーティに復帰します。 このイベントはストーリー上必須ではなく、スルーすることも可能です。
呪いを解かずにクリアすると?(エンディング分岐)
もし、サマルトリアの王子が呪われたまま(あるいは死亡させたまま)ラスボスを倒してエンディングを迎えると、エンディングの演出やセリフが一部変化します。 ローレシア城での凱旋パレードにサマルトリアの王子の姿がなく、王様や王女が彼を心配するセリフに変わるなど、少し寂しいエンディングになります。 全ての演出を見たいやり込み派のプレイヤーは、あえて呪いを解かずにクリアしてみるのも一興です。
仲間の状態によって変わるセリフ集(サマルトリア城)
サマルトリア城の王様や王女(王子の妹)のセリフは、サマルトリアの王子の状態によって細かく変化します。
- 王子がパーティにいる時(通常)
- 王子が死亡している時(棺桶状態)
- 王子がハーゴンの呪いで離脱している時
それぞれの状態で話しかけると、王様たちが王子を心配する専用のセリフを聞くことができます。 特に呪いで離脱している時の王女のセリフは、兄を深く案じる内容となっており、細かな作り込みが感じられます。
牢屋の鍵の入手場所と開けられる扉
「ろうやのかぎ」は、ペルポイの町で入手できます。 これにより、今まで開けられなかった各地の牢屋の扉を開けられるようになります。 牢屋の奥には強力なアイテム(「ろうごくのカギ」自体も牢屋の奥)や、重要な情報を持つ人物がいることが多いので、入手したらすでに行った町(リリザなど)の牢屋も忘れずにチェックしに戻りましょう。
隠されたアイテムの場所(地面のキラキラなど)
リメイク版では、オリジナル版では「しらべる」コマンドで特定の座標を調べないと見つからなかったアイテムが、「地面がキラキラ光る」エフェクトで視覚的に分かりやすくなっていることが多いです。 (例:世界樹の葉、いのちのもんしょう、各種紋章など) 怪しい場所や行き止まり、町の隅々などは、キラキラした光がないか注意深く探索してみましょう。
【コラム】オリジナル版(FC版)の伝説の裏技とリメイク版での扱い
『ドラクエ2』の裏技と聞いて、往年のファンが真っ先に思い浮かべるのは、オリジナル版(FC版)に存在した数々の強烈なバグ技でしょう。 ゲームバランスを崩壊させるほどのこれらの技は、リメイク版(SFC版以降)では当然ながら修正されています。 HD-2D版でも再現できる可能性は限りなくゼロに近いですが、ゲーム史に残る「伝説」として、ここで振り返っておきましょう。
復活の呪文「もょもと」とリメイク版のパスワード
FC版はセーブが復活の呪文(パスワード)方式でした。 この呪文には「ふっかつのじゅもんが ちがいます」と弾かれるものと、なぜか受け付けられてしまう「没データ」がありました。 その代表格が「もょもと」です。 この呪文で始めると、異常に強い状態(レベルや装備が強力)でスタートできることがあり、RTA(リアルタイムアタック)などで利用されることもありました。 リメイク版はセーブ方式が異なるため、復活の呪文自体がありません。 HD-2D版でも、ゲーム開始時にFC版の呪文を入力して何らかの特典が…といった要素はないと思われます。
アイテム無限増殖(ザラキ・ラナルータ利用)
FC版には、アイテムを無限に増殖させる有名なバグがありました。 手順は非常に複雑で、「ザラキ」の呪文で特定の仲間を意図的に殺し、その状態で「ラナルータ」(昼夜逆転)を唱え、特定の操作をするとアイテム欄がバグり、アイテムが増殖するというものです。 これにより、最強の武器や「ふしぎなぼうし」(MP消費減)などを全員分揃えることが可能でした。 言うまでもなく、リメイク版では修正されています。
最強の盾?「みずのはごろも」量産バグの思い出
前述の「みずのはごろも」は、通常2着しか手に入らない貴重品です。 しかしFC版では、テパの村のイベントで、特定のタイミングで復活の呪文を聞き、リセットして再開すると、何度でも「みずのはごろも」を作ってもらえるバグがありました。 これにより、全員(ローレシア王子以外)が最強の耐性防具を装備でき、難易度が激変しました。 これもリメイク版では不可能です。
2回攻撃「はやぶさのけん」増殖技
「はやぶさのけん」は、攻撃力こそ低いものの「2回攻撃」という破格の性能を持つ武器です。 FC版では福引の景品でしたが、特定の操作(主にアイテム欄をバグらせる)で増殖させることができました。 ローレシアの王子に「はやぶさのけん」を2本持たせ(装備はできない)、特定のバグ操作をすると、なぜか2回攻撃の特性だけがローレシアの王子に付与される(通称「はやぶさバグ」)という現象もありました。 リメイク版では、福引で複数本当てることは可能かもしれませんが、バグによる増殖はできません。
「満月ちゃん」バグ(透明状態)はHD-2Dで再現される?
FC版で最も有名かつ奇妙なバグが、通称「満月ちゃん」です。 サマルトリアの王子が「いぬ」(犬状態になる呪い)の状態で「まんげつそう」(犬状態を治すアイテム)を使うと、王子のグラフィックがバグり、透明人間(あるいは「ぬ」の一文字)になってしまうというものです。 この状態になると、一部の敵から攻撃されなくなるなどの奇妙な現象が起きました。 これはFC版特有のバグであり、リメイク版で再現されることはないでしょう。
なぜFC版ドラクエ2は「バグの宝庫」と呼ばれたのか
FC版『ドラクエ2』は、前作からわずか1年という短期間で開発されました。 パーティシステムの導入、広大なマップ、膨大なモンスターと呪文など、ゲームの規模が飛躍的に増大した結果、デバッグ(バグ取り)が追いつかなかったのが実情です。 結果として、上記のような数々のバグが残り、それがプレイヤーによって「裏技」として発見され、ある意味でゲームの難易度を調整する(あるいは破壊する)手段として楽しまれてきました。 リメイク版は、これらのバグが修正され、バランス調整が施された「完成版」と言えます。 HD-2D版でこれらのバグ技が使えないのは当然ですが、オリジナル版の破天荒さを知っていると、リメイク版の快適さや洗練されたバランスをより深く味わうことができるでしょう。
まとめ
HD-2Dリメイク版『ドラゴンクエスト2』は、オリジナル版や過去のリメイク版の面白さを継承しつつ、美しいグラフィックと現代的な遊びやすさを備えた作品となっているはずです。 今回紹介した「中断セーブ」を活用したテクニックは、リメイク版の難易度をプレイヤー自身で調整できる、最も実用的な「裏技」と言えます。 また、福引の目押しや効率的な稼ぎ方、はぐれメタルの狩り方といった「テクニック」は、あなたの冒険をより効率的に進める助けとなるでしょう。 そして、「竜王のひ孫」や「ハーゴンの呪い」といった「小ネタ」は、ロト伝説の世界観をより深く楽しむためのスパイスとなります。
オリジナル版の強烈なバグ技は修正されているでしょうが、それもまたゲームの進化の証です。 ぜひ、これらの知識を活用して、HD-2Dで蘇った『ドラクエ2』の世界を隅々まで楽しんでください。






