ゲーム評論家の桐谷シンジです。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、2025年発売予定のHD-2D版『ドラゴンクエストI&II』、特に『ドラゴンクエスト2 悪霊の神々』をプレイするにあたり、「取り返しのつかない要素」がないか気になっていると思います。
オリジナル版や過去のリメイク版では、一度進めると二度と手に入らないアイテムや、見られないイベントが存在しました。 せっかく美しいHD-2Dで蘇る世界を冒険するなら、後悔なく隅々まで楽しみたいですよね。
この記事を読み終える頃には、HD-2D版『ドラクE2』で注意すべき「取り返しのつかない要素」や、逆に「取り返しがつく」安心要素、さらには過去作でトラウマ級だった要素がどう変更されそうか、その全貌が解決しているはずです。
- HD-2D版『ドラクエ2』確定の取り返しのつかない要素
- 『ドラクエ3』リメイクとのデータ連携の重要性
- 過去作の凶悪な「取り返しがつかない要素」の変更点予想
- 安心して遊べる「取り返しがつく要素」の一覧
それでは解説していきます。
HD-2D版『ドラゴンクエストI&II』とは? 発売日と基本情報
まずは、今回レビューする作品の基本情報をおさらいしておきましょう。 HD-2D版『ドラゴンクエストI&II』は、スクウェア・エニックスが誇る国民的RPG「ドラゴンクエスト」シリーズの原点である「ロト三部作」の始まりと続きを描く2作品を、現代の技術で美しく蘇らせたリメイク作品です。
HD-2Dで蘇るロト伝説
最大の特徴は、ドット絵の持つ味わいと3DCGの立体的な表現を融合させた「HD-2D」グラフィックです。 往年のファンには懐かしくも新しい、息をのむような美しい世界が広がっています。 先行して発表された『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』と同様のグラフィックエンジンで開発されており、アリアハンの勇者が旅立った後の世界を、同じ質感で体験できるというのは、ファンにとってこれ以上ない喜びでしょう。
『ドラゴンクエストI』では竜王に立ち向かう勇者の孤独な戦いが、そして『ドラゴンクエストII』では、その子孫たちが集い、邪教の神官ハーゴンに挑む壮大な冒険が描かれます。 私自身、ファミコン版の『ドラクエ2』でロンダルキアへの洞窟に絶望し、仲間と出会えた時の感動を鮮明に覚えていますが、あの体験がどのようにリファインされるのか、期待が高まります。
発売日と対応プラットフォーム
HD-2D版『ドラゴンクエストI&II』の発売日は2025年と発表されています。 具体的な発売日については続報が待たれる状況です(2025年11月1日現在)。
対応プラットフォームは非常に幅広く、以下の通りです。
- Nintendo Switch™
- PlayStation®5
- PlayStation®4
- Xbox Series X|S
- Windows
- Steam®
現行の主要なゲーム機とPCで遊べるため、ほとんどのゲーマーが手に取れる環境が整っています。 PS4版はPS5版への(追加費用なしでの)アップグレードにも対応しているため、将来的にPS5を購入予定の方も安心してPS4版を選べます。
『ドラクエ3』リメイクとの関係性
本作は、時系列で言うと『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』(2024年11月14日発売)の後の時代を描いています。 『ドラクエ3』のエンディングで「そして伝説へ…」と語られた「伝説」そのものが、『ドラクエ1』『ドラクエ2』の物語です。
HD-2D版『ドラクエ3』をプレイした方なら、あの感動的なエンディングの後、世界がどうなったのか、アリアハンの勇者の血筋がどう受け継がれていったのか、気になって仕方がないはずです。 本作『I&II』は、その答えを同じHD-2Dの美しい世界で体験できる、まさに「遊ぶべき続編」と言えるでしょう。
【最重要】『ドラクエ3』リメイクとのデータ連携は「取り返しがつかない」のか?
さて、ここからが本題です。 『ドラクエ2』の取り返しのつかない要素を語る上で、絶対に外せないのが『ドラクエ3』リメイクとのデータ連携です。 これはゲーム内の要素というより、ゲーム開始前の準備段階における「取り返しのつかない要素」と言えます。
連携の仕組みと予想される内容
HD-2D版『ドラゴンクエストI&II』は、『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』のセーブデータ(クリアデータ)があると、データ連携が可能であると公式に発表されています。
この連携を行うことで、『ドラクエ1』のスタート時に、『ドラクエ3』で設定した主人公(勇者)の名前を引き継ぐことができます。 つまり、『ドラクエ3』で自分が名付けた勇者が、そのまま『ドラクエ1』の主人公の「祖先」となり、その名前が伝説の勇者「ロト」の名前として語り継がれることになるのです。
これは、ロト三部作を時系列順に(『3』→『1』→『2』)プレイするファンにとって、この上ない没入感を生むシステムです。 自分が『3』で育て上げた勇者の名前が、『1』の世界で伝説になっている。 この体験は、データ連携なしでは味わえません。
連携しない場合のデメリット
もし『ドラクエ3』のクリアデータがない場合、または連携を選ばなかった場合、『ドラクエ1』の主人公の名前は、おそらくデフォルト名(「アレフ」など)になるか、プレイヤーが新しく入力する形になるでしょう。
しかし、『ドラクエ1』の主人公は「ロトの血を引く者」であり、『ドラクエ2』の主人公たちも同様です。 『3』の主人公=ロト、という設定を最大限に楽しむためには、この連携は必須です。 一度『ドラクエ1』を始めてしまうと、後から『3』のデータを連携させて名前を変えることは、おそらく不可能です。 まさに**「ゲーム開始時にしか選べない、取り返しのつかない要素」**と言えます。
連携はいつ行うべきか?
『ドラクエ1』の「ぼうけんのしょ」を新しく作成するタイミングで、連携の有無を問われる可能性が最も高いです。 2025年に『I&II』が発売されるまでに、『III』をクリアしておくことが推奨されます。
『I&II』から先にプレイしたいという方もいるかもしれませんが、この連携要素の存在を考えると、物語の時系列通り『III』からプレイし、そのセーブデータを持って『I&II』に臨むのが、HD-2D版ロト三部作を100%楽しむための王道ルートだと、私は強く進言します。
予約特典・エディション特典の受け取り忘れ(取り返しのつかない要素)
次に見逃しがちなのが、各種「特典」です。 これらも、入手期間や入力期限を逃すと二度と手に入らない、広義の「取り返しのつかない要素」です。
各エディションの特典内容まとめ
HD-2D版『ドラゴンクエストI&II』には、いくつかのエディションが用意されています。
| エディション | 特典内容 | 備考 |
|---|---|---|
| パッケージ早期購入特典 | ・しあわせのくつ(ドラクエI)
・しあわせのくつ(ドラクエII) |
歩くと経験値が得られる靴 |
| ダウンロード版予約特典 | ・しあわせのくつ(ドラクエI)
・しあわせのくつ(ドラクエII) |
同上 |
| ロトの伝説エディション | ・ゲーム本編
・ロトの伝説コンプリートセット(グッズ)
・ゲーム内アイテム(詳細は後述) |
スクウェア・エニックス e-STORE専売 |
予約特典「しあわせのくつ」の効果
早期購入・予約特典で手に入る「しあわせのくつ」は、『I』用と『II』用のそれぞれが用意されています。 これは装備してフィールドやダンジョンを歩くだけで、経験値が自動的に加算されていくという、シリーズおなじみの便利アイテムです。
特に『ドラクエ2』は、3人パーティのレベル上げがオリジナル版では非常に大変でした。 サマルトリアの王子がなかなかレベルアップしなかったり、ムーンブルクの王女が打たれ弱かったりした記憶がある方も多いでしょう。 この「しあわせのくつ」があれば、特に序盤のレベル上げの負担が大幅に軽減されることが予想されます。
ゲームバランスを変化させるアイテムではありますが、これを取り逃すと、他のプレイヤーより育成に時間がかかる可能性があります。 後から入手する手段が提供されない場合、これも立派な「取り返しのつかない要素」です。
特典の受け取り方と注意点(期限など)
特典の受け取り方は、プラットフォームによって異なります。
- パッケージ版: 早期購入特典は、パッケージ内にダウンロードコードが封入されている形式が一般的です。このコードを各プラットフォーム(ニンテンドーeショップ、PlayStation Storeなど)で入力する必要があります。
- ダウンロード版: 予約購入していれば、ゲーム開始時または特定のタイミング(「ふくびきけん」のように特定の場所)で自動的に入手できる可能性が高いです。
注意すべきは**「コードの入力期限」**です。 パッケージ版の特典コードには、通常「2026年XX月XX日まで」といった有効期限が設定されています。 購入して満足し、プレイするのが1年後、2年後になった場合、コードが失効しているリスクがあります。 ゲームを購入したら、できるだけ早くコード入力だけは済ませておくことをお勧めします。
HD-2D版『ドラクエ2』確定の取り返しのつかない要素
ここからは、ゲーム本編(ドラクエ2)の中身について、情報ソースや過去作の傾向から判明している「取り返しのつかない要素」をレビューしていきます。
① 巻物による特技・呪文の習得(最重要)
HD-2D版『ドラクエ2』における最大の変更点であり、最も慎重な判断を迫られる「取り返しのつかない要素」が、新アイテム**「巻物」**の存在です。
巻物システムとは? HD-2D版の新要素
「巻物」は、使用することで特定のキャラクターに新しい「特技」や「呪文」を習得させることができる消費アイテムです。 オリジナル版の『ドラクエ2』では、各キャラクターが覚える呪文はレベルアップによって固定されていました。 ローレシアの王子は呪文を一切覚えず、サマルトリアの王子は回復・補助系、ムーンブルクの王女は攻撃・補助系、といった具合です。
しかし、この「巻物」システムの導入により、ある程度のカスタマイズが可能になります。 例えば、ローレシアの王子に回復呪文を覚えさせたり、サマルトリアの王子に攻撃呪文を覚えさせたりできるかもしれません。
問題は、これらの「巻物」は使用するとなくなってしまう消費アイテムであるという点です。 さらに、入手個数が限られている(おそらく宝箱やイベントで1個しか手に入らない)巻物も多数存在すると予想されます。
一度使ってしまうと、他のキャラクターに習得させたくても、もう手遅れです。 周回プレイ(強くてニューゲーム)のような要素がない限り、そのセーブデータでは決定が覆せません。
キャラ別(ローレシア・サマルトリア・ムーンブルク)の特性と巻物使用の考察
巻物を誰に使うべきか、これはプレイヤーの戦略によって大きく変わってきます。 HD-2D版でも、3人の基本的な性能はオリジナル版を踏襲するでしょう。
- ローレシアの王子:
- 全キャラ中、最高の「ちから」と「HP」を持つ前衛アタッカー。
- 呪文は一切使えない(オリジナル版)。
- 考察: おそらく「とくぎ」(剣技など)の巻物が中心になるでしょう。もし「ホイミ」などの初歩的な回復呪文の巻物が彼に使えるなら、戦略的価値は非常に高いです。攻撃一辺倒だった彼が、最低限の自己回復や蘇生(ザオラルの巻物など?)ができれば、パーティの安定性が激変します。
- サマルトリアの王子:
- 攻撃・回復・補助と、バランス良く呪文を覚える万能型(器用貧乏とも)。
- 「ベホイミ」「ザオラル」「スクルト」など重要な呪文を覚えますが、「ちから」も「かしこさ」も中途半端になりがちでした。
- 考察: 彼の弱点を補う巻物が鍵となります。例えば、強力な攻撃呪文(「イオナズンの巻物」など)を覚えさせて攻撃役を強化するか、逆に「ベホマラー」などの上位回復呪文を覚えさせて回復専門にするか。ローレシアの王子と装備がかぶることも多いため、彼専用の強力な「とくぎ」の巻物にも期待したいところです。
- ムーンブルクの王女:
- 「ベギラマ」「イオナズン」「ベホマ」など、強力な呪文のエキスパート。
- HPと守備力が極端に低く、打たれ弱いのが最大の弱点。
- 考察: 彼女の生存性を高める巻物(「スカラ」や「フバーハ」などを早期に覚えられる巻物)があれば最優先で使いたいところです。また、オリジナル版では覚えなかった「ザオリク」や「メラゾーマ」といった最上位呪文の巻物があれば、彼女の価値はさらに高まります。
おすすめの習得優先度(評論家としての見解)
現時点での私の見解としては、「パーティの弱点を補強する」使い方が最も堅実です。
- 回復・蘇生系の巻物: もし「ザオリクの巻物」のような貴重品が手に入り、サマルトリアの王子以外(例えばムーンブルクの王女)が覚えられるなら、蘇生役を2人に増やす価値は計り知れません。ロンダルキアの激戦では、蘇生役が倒れると一気に全滅します。
- 補助系の巻物: 「スクルト」「フバーハ」など、パーティ全体の防御を固める呪文は重要です。これらをサマルトリアの王子以外も使えるようになれば、戦闘の安定感が格段に増します。
- 攻撃系の巻物: ローレシアの王子に強力な単体攻撃「とくぎ」を覚えさせ、彼の長所をさらに伸ばすのは有効でしょう。
いずれにせよ、貴重な巻物を使う際は、そのキャラクターの最終的な能力値や習得呪文を見越して判断する必要があります。 情報が出揃うまでは温存するか、あるいは「このキャラを最強にする!」と決めて集中投下するのが良いでしょう。
② 入手数が限られているアイテムの売却
RPGの基本ですが、これもまた「取り返しのつかない要素」です。 『ドラクエ2』には、「1個しか手に入らない」ユニークな装備品やアイテムが多数存在します。
要注意アイテムリスト(過去作ベース)
オリジナル版や過去のリメイク版をベースに、HD-2D版でも入手数が限られる可能性が極めて高いアイテムをリストアップします。
- はやぶさのけん: 2回攻撃が可能になる最強武器候補の一つ。サマルトリアの王子が装備できるかどうかも注目点です。
- ひかりのつるぎ: ハーゴンの神殿で必須となる武器。これを売ってしまうと進行不能になる可能性(通常は売れない設定のはずですが)。
- みずのはごろも: 炎のダメージを軽減する特殊な鎧。ロンダルキアへの洞窟のトラウマ「ほのお」を吐く敵対策に必須でした。ムーンブルクの王女が装備できる貴重な体防具です。
- ふしぎなぼうし: 呪文の消費MPを軽減する最強頭防具。サマルトリア、ムーンブルクのどちらに装備させるか悩ましい逸品です。
- 各種「紋章」: (たいよう、ほし、つき、みず、いのち)これらはイベントアイテムなので売れないとは思いますが、万が一売却可能なら絶対にしてはいけません。
- いかづちのつえ、ガイアのよろい、あくまのしっぽ等: これらは後述する「呪いの装備」やイベントに関連するアイテムですが、入手機会が限られる可能性があります。
売却のリスクとHD-2D版での救済措置の可能性
これらの貴重品をうっかり「そうび」コマンドではなく「どうぐ」コマンドから選択し、お店で「うる」を選んでしまうと、二度と手に入りません。 近年のRPGでは、貴重品は売却不可(「売値 0 G」)になっているか、あるいは「買い戻し」システムが導入されていることが多いです。
HD-2D版『ドラクエ3』では、一度売ったアイテムは(高額ですが)買い戻せるシステムがあったため、『I&II』でも同様の救済措置が導入される可能性は高いと見ています。 しかし、公式のアナウンスがあるまでは、ユニークな名前の装備品やアイテムは、絶対に売却しないよう鍵をかけておく(お気に入り登録など)のが賢明です。
HD-2D版『ドラクエ2』で「取り返しがつく」安心要素
さて、ここまで不安になるような要素ばかり挙げてきましたが、ご安心ください。 HD-2D版では、オリジナル版では取り返しがつかなかった、あるいは不便だった要素の多くが改善され、「取り返しがつく」ようになっています。
① 主人公と仲間の名前(命名神官の場所)
『ドラクエ2』は3人パーティの物語です。 ローレシアの王子、サマルトリアの王子、ムーンブルクの王女、それぞれの名前は冒険の開始時に決める(あるいはデフォルト名がつく)ことになります。
オリジナル版(ファミコン版)では、一度決めた名前は変更不可能でした。 しかし、HD-2D版では、冒険の途中で**「メダル王の島」に行き、城の外の左側にいる「命名神官」**に話しかけることで、主人公を含め全員の名前を自由に変更できます。
これはSFC版などのリメイクで導入された要素ですが、HD-2D版でも踏襲されることが確認されています。 お金やアイテムは不要で、何度でも変更可能です。 「最初に適当な名前をつけたけど、愛着が湧いてきたから変えたい」 「配信で本名がバレないように一時的に変えたい」 といったニーズにも応えられます。 名前で悩む必要は一切ありません。
② たね・きのみの収集(ドロップモンスター一覧)
キャラクターのステータスを永続的にアップさせる「ちからのたね」「いのちのきのみ」といったアイテム。 これらは宝箱などから少数手に入りますが、「貴重品だから、使うタイミングが分からない…」と、最後まで袋の肥やしにしてしまうプレイヤーも少なくありません。
ご安心ください。 HD-2D版でも、これらの「たね・きのみ」は特定のモンスターがドロップします。 つまり、時間をかければ無限に収集可能です。 序盤で手に入れた「ちからのたね」も、迷わずローレシアの王子に使ってしまって問題ありません。
情報ソース①にあったドロップモンスターの例を、見やすく表にまとめます。
たね・きのみ ドロップモンスター一覧表
| アイテム | 効果 | ドロップモンスター(例) |
|---|---|---|
| ちからのたね | ちから が上昇 | ・あばれザル
・ドラゴンゾンビ |
| まもりのたね | みのまもり が上昇 | ・あんこくまじん
・ゴートドン |
| すばやさのたね | すばやさ が上昇 | ・メタルスライム
・じごくのきし |
| スタミナのたね | たいりょく が上昇 | ・デーモンソード
・ウバナマコ |
| かしこさのたね | かしこさ が上昇 | ・ごくらくちょう
・デーモンアミゴ |
| ラックのたね | うんのよさ が上昇 | ・シャーマン
・ディープドロル |
| いのちのきのみ | さいだいHP が上昇 | ・コング
・だいおうイカ |
| ふしぎなきのみ | さいだいMP が上昇 | ・ガメゴンロード
・だいまどう |
誰に使うべきか? おすすめの強化方針
たね・きのみが無限に入手可能とはいえ、効率よく使うに越したことはありません。
- ちからのたね: ローレシアの王子一択。彼の攻撃力こそがパーティの生命線です。
- いのちのきのみ / まもりのたね / スタミナのたね: ムーンブルクの王女に最優先で。彼女の生存率が上がれば、パーティの全滅率が劇的に下がります。
- ふしぎなきのみ / かしこさのたね: サマルトリアの王子、ムーンブルクの王女、どちらも有効です。呪文の威力を上げたいならムーンブルク、回復・補助のMPを確保したいならサマルトリア、といった使い分けが良いでしょう。
- すばやさのたね: サマルトリアの王子に使い、敵より先に「ベホイミ」や「スクルト」を唱えられるようにすると安定します。
<h3> ③ 難易度の変更(オリジナル版の高難易度からの変化)</h3>
オリジナル版『ドラクエ2』は、その恐るべき高難易度で知られています。 特に「ロンダルキアへの洞窟」の無限ループと強力なモンスター、「ロンダルキアのほこら」に到達した時の安堵感、そしてその先の「ブリザード」のザラキ連発、「デビルロード」のイオナズン…数々のトラウマがゲーマーの心に刻まれています。
HD-2D版では、こうした理不尽さを緩和するため、ゲームの難易度をいつでも変更できる機能が搭載されています。 ゲーム開始時に選んだ難易度が合わなくても、システムメニューからすぐに変更可能です。
「オリジナル版に近い歯ごたえで遊びたい」というベテラン勇者から、「ストーリーをサクサク楽しみたい」という新規プレイヤーまで、幅広く対応できます。 難易度で詰まって先に進めなくなる、ということはありません。
ただし、一点注意すべきは、「高難易度でクリア」といったトロフィーや実績が設定されている可能性です。 コンプリートを目指す場合は、途中で難易度を下げると達成できなくなる(=ある意味、取り返しがつかない)場合があるので、トロフィーリストの確認は必要かもしれません。
④ 呪いの装備(解除方法と費用)
「はかいのつるぎ」や「あくまのよろい」など、高い攻撃力や守備力と引き換えに、行動不能になったり、ダメージを受けたりする「呪いの装備」。 オリジナル版では、一度装備すると外すことができず、捨てることもできませんでした。
HD-2D版では、この点も改善されています。 **教会に行き、ゴールドを支払うことで「のろいをとく」**ことが可能です。 うっかり装備してしまっても、お金さえ払えば問題なく外せます。
ただし、その費用は**「キャラクターのレベル × 30 ゴールド」**と、かなり高額です。 レベル50のキャラクターなら、1500Gもかかります。 無駄な出費を避けるためにも、赤字で表示される怪しい装備品には手を出さないのが一番です。
過去作の「取り返しのつかない要素」はHD-2D版でどうなる?
さて、ここからはゲーム評論家として、特に気になる「過去作で有名だった取り返しのつかない要素」が、HD-2D版でどのように扱われるかを考察します。 これらは情報ソース①でも「リメイク版で確認中」とされていた、ファンが最も注目している部分です。
① ローレシア城の「あくましんかん」イベント(いかづちのつえ)
オリジナル版では、ゲーム中盤、ローレシア城の牢屋にいる「あくましんかん」と戦うイベントがありました。
オリジナル版での仕様と重要性
このあくましんかんは、倒すと必ず「いかづちのつえ」をドロップしました。 「いかづちのつえ」は、道具として使うと「ベギラマ」の効果があり、MPを消費せずに全体攻撃ができる超強力なアイテムです。 これが中盤で手に入ることで、以降のザコ戦の難易度が激変しました。
しかし、このあくましんかんは一度しか戦えません。 もし戦闘から「にげる」を選んだり、全滅してしまったりすると、牢屋から消えてしまい、「いかづちのつえ」を確実に入手するチャンスを永遠に失うのです。 これが過去作の代表的な「取り返しのつかない要素」でした。 (終盤のハーゴンの神殿で、あくましんかんが低確率でドロップもしましたが、狙って取るのは至難の業でした)
HD-2D版での変更点予想(救済措置は?)
この「一度きり」の緊張感をHD-2D版でどう扱うか。 私の予想では、**「イベントとしては一度きりだが、敗北・逃走しても再挑戦できる」**形に変更される可能性が高いと見ています。
近年のリメイク作品は、プレイヤーが理不尽な形で貴重品を取り逃すことを嫌う傾向にあります。 牢屋の前にセーブポイントが新設されるか、あるいは全滅しても「あくましんかんはまだ牢屋にいる…」といった形で再戦が促されるのではないでしょうか。
あるいは、SFC版リメイクのように、「いかづちのつえ」自体の性能が(売値が高いだけのアイテムに)変更され、イベントの重要性が下がる可能性もあります。 いずれにせよ、オリジナル版そのままの「逃げたら終わり」というシビアな仕様は、変更されると私は予想します。
② ベラヌールの宿屋「ハーゴンの呪い」イベント(特殊エンディング)
これも非常にマニアックですが、有名な「取り返しのつかない要素」です。 ベラヌールの町の宿屋に泊まると、サマルトリアの王子がハーゴンの呪いにかかり、パーティから離脱してしまうイベントが発生します。
オリジナル版の分岐条件
このイベントは、ゲーム中一度しか発生しません。 通常はすぐにサマルトリアの王子を助けに行き、パーティに復帰させて冒険を続けます。
しかし、一部のプレイヤーは、サマルトリアの王子が離脱した(呪われた)状態のままラスボスのハーゴンとシドーを倒すという縛りプレイを行いました。 すると、エンディングでサマルトリアの王子が登場せず、ローレシアの王子とムーンブルクの王女の2人だけが王様に謁見するという、特殊なエンディング(バッドエンドとも言える)が見られました。
この特殊エンディングを見るためには、「ラスボス直前までベラヌールの宿屋に泊まらない」という、非常に特殊な進め方が必要でした。
HD-2D版での再現と改変の可能性
この「ハーゴンの呪い」イベント自体は、ストーリーの根幹に関わるため、HD-2D版でも間違いなく再現されるでしょう。 問題は、この特殊エンディング分岐です。
HD-2D版『ドラクエ3』では、オリジナル版にはなかったクリア後のやりこみ要素や、ボスの追加などが確認されています。 この流れを汲むなら、『ドラクエ2』でも、単なるバッドエンドとしてではなく、例えば「真のエンディング」へのフラグの一つとして、このイベントが組み込まれる可能性もゼロではありません。
しかし、最も可能性が高いのは、**「イベントの発生タイミングが任意になる」**という変更です。 例えば、宿屋に泊まっても強制的にイベントが発生するのではなく、「休んでいきますか?」→「はい」の後、「何やら不吉な予感がするが、本当に休みますか?」のような選択肢が追加され、プレイヤーが意図的にイベントの発生を遅らせることができるようになる、という形です。
これにより、特殊エンディングを見たいプレイヤーへの配慮と、知らずにイベントを発生させてしまう事故を防ぐ、両方のメリットが生まれます。 いずれにせよ、ベラヌールの宿屋は、セーブデータ管理の面からも注意すべきポイントであり続けるでしょう。
(参考)HD-2D版『ドラクエ1』で注意すべき要素
本作は『I&II』のセットです。 『ドラクエ2』に比べると、『ドラクエ1』の「取り返しのつかない要素」は少ないですが、参考までに触れておきます。
『ドラクエ1』の取り返しのつかない要素(過去作ベース)
オリジナル版『ドラクエ1』で最も有名だったのは、ラダトーム城で「ローラ姫」を救出した後の選択肢です。 王様の前で姫を抱きかかえたまま「はい」と答えると、「そなたが ゆうしゃロトの ちすじとは…」と呆れられ、城の外にワープさせられるというものでした。 これは単なるお遊びで、ストーリー進行に影響はありません。
深刻なのは、やはり「アイテム売却」です。 「ロトのつるぎ」「ロトのよろい」といったユニークアイテムを売却してしまうと、二度と手に入りませんでした。
HD-2D版『1』の変更点予想
『ドラクエ1』は『2』以上にシンプルなゲームであり、HD-2D版での大きなシステム変更(巻物のような)は考えにくいです。 おそらく、グラフィックとUI(ユーザーインターフェース)の刷新、移動速度の向上、『3』と同様の快適なバトルスピード調整などがメインになるでしょう。
「取り返しのつかない要素」としては、やはり『3』とのデータ連携(主人公の名前)が唯一にして最大のものとなります。 『2』と同様、貴重品の売却には買い戻しシステムが対応している可能性が高く、安心してプレイできると予想します。
まとめ
HD-2D版『ドラゴンクエストI&II』、特に『ドラクエ2』の「取り返しのつかない要素」について、徹底的にレビューと考察を行いました。
最後に、重要なポイントをもう一度整理します。
- ゲーム開始前の準備が最重要: 『ドラクエ3』リメイクのクリアデータを準備し、データ連携(名前の引き継ぎ)を行うこと。 これが最大の「取り返しのつかない要素」です。
- 特典の受け取り忘れに注意: パッケージ版のコード入力期限、ダウンロード版の予約を忘れずに。 「しあわせのくつ」の有無は、序盤の快適度に直結します。
- ゲーム内での最重要判断は「巻物」: HD-2D版の新要素「巻物」は、消費アイテムであり、誰に使うかでパーティの個性が決まります。 一度使ったらやり直せません。慎重に判断するか、情報が出揃うまで温存しましょう。
- 過去作のトラウマは改善されている可能性大: 名前変更、たね・きのみ集め、呪いの装備解除など、不便だった要素は「取り返しがつく」ように改善されています。 「あくましんかん」や「ハーゴンの呪い」といったシビアイベントも、何らかの救済措置や仕様変更が加えられていると予想します。
HD-2D版『ドラゴンクエストI&II』は、オリジナル版の理不尽な部分を現代的に遊びやすく調整しつつ、「巻物」のような新しい戦略性や、『3』との連携という三部作の集大成としての楽しみ方を加えてくれる、決定版リメイクとなりそうです。
「取り返しのつかない要素」を過度に恐れる必要はありませんが、この記事で挙げたポイント、特に「データ連携」と「巻物」だけは意識して、ロト伝説の続きを心ゆくまで楽しんでください。






