ゲーム評論家の桐谷シンジです。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、2025年発売予定のHD-2D版『ドラゴンクエストⅠ&Ⅱ』、特に『ドラゴンクエスト2 悪霊の神々』に登場する新キャラクター「サマルトリアの王女」について、いつ仲間になるのか、どのような性能なのか、非常に気になっていると思います。
この記事を読み終える頃には、サマルトリアの王女の加入タイミングと、彼女が『ドラクエ2』の物語にどう関わってくるのか、その全貌についての疑問が解決しているはずです。
- サマルトリアの王女の加入時期と条件
- オリジナル版にはない新たな物語の展開
- 王女の特技・呪文・装備など性能の徹底分析
- リメイク版『ドラクエ2』のパーティ編成と戦略
それでは解説していきます。
HD-2D版『ドラゴンクエストⅠ&Ⅱ』とは何か
まずは本作の全体像からおさらいしておきましょう。 『ドラゴンクエストⅠ&Ⅱ』は、1986年に『ドラゴンクエスト』、1987年に『ドラゴンクエスト2 悪霊の神々』として発売された、日本を代表するRPG「ロト三部作」の始まりの二作品を、現代の技術で美しく蘇らせるリメイク作品です。
HD-2D技術で描かれるロトゼタシア
最大の特徴は、なんといっても「HD-2D」技術の採用です。 これは、ドット絵によるクラシックな雰囲気と、3DCGによる現代的な画面効果(光、影、水の表現、奥行き)を融合させた、スクウェア・エニックス独自のグラフィック表現です。
先に発表されている『ドラゴンクエスト3 そして伝説へ…』のHD-2Dリメイクが大きな話題を呼びましたが、本作はその『3』の前日譚(時系列的には後)にあたる『1』と『2』を、同じクオリティラインで制作するという発表に、往年のファンは歓喜しました。
『1』のラダトーム城、『2』のローレシア城やロンダルキアの雪景色が、あの音楽と共にどれほど美しく描き直されるのか。 評論家としても、ゲーム史の金字塔がどのように再構築されるのか、期待で胸がいっぱいです。
なぜ今、『1』と『2』なのか
『ドラゴンクエスト3』のリメイクが先行して開発発表されていたため、時系列を遡る形での『1』『2』の発表は、ある意味で必然だったと言えます。 「ロト三部作」は『3』→『1』→『2』という時系列で物語が繋がっています。 『3』で伝説を作った勇者ロトの血を引く者たちの物語を、最新の技術で一気通貫に体験できる。 これは、ファンにとってこれ以上ない贈り物と言えるでしょう。
特に『1』は孤独な一人旅、『2』はシリーズ初のパーティシステム導入と、それぞれがゲームデザインにおいて重要な転換点となった作品です。 これらがHD-2Dという統一されたフォーマットで遊べる意義は、非常に大きいのです。
サマルトリアの「王女」追加という最大の衝撃
今回のリメイク発表で、私を含め多くのファンが最も驚いたのが、『ドラゴンクエスト2』における新キャラクター「サマルトリアの王女」の追加です。
オリジナル版『ドラクエ2』の仲間たち
ご存じの通り、オリジナル版(ファミコン版)の『ドラクエ2』は、3人パーティでした。
- ローレシアの王子(主人公): 攻撃力に特化した戦士。呪文は使えない。
- サマルトリアの王子: 攻撃も呪文もこなせるが、どちらも中途半端になりがちな器用貧乏タイプ(失礼)。
- ムーンブルクの王女: 呪文のエキスパート。強力な攻撃呪文や回復・補助呪文を操るが、攻撃力と体力は皆無。
この3人の個性(とくにサマルトリアの王子の「弱さ」や、ムーンブルクの王女の「打たれ弱さ」)が、あの伝説的な高難易度バランスを生み出していました。
なぜ「王女」が追加されたのか?
リメイク版では、この3人に加えて「サマルトリアの王女」が4人目の仲間として(あるいは特定の場面で)加入することが判明しました。 なぜ彼女が追加されたのか。 これは私の推測ですが、いくつかの理由が考えられます。
1. 物語の深掘りとテンポ改善
オリジナル版の『ドラクエ2』は、ゲーム開始直後、まずサマルトリアの王子を探すところから始まります。 しかし、彼(サマルトリアの王子)は非常にマイペースで、あちこちを寄り道しているため、なかなか出会えません。 この「仲間を探す」というプロセスは、当時のRPGとしては画期的でしたが、現代のゲームテンポからすると、やや冗長に感じられる部分でもありました。
リメイク版では、このサマルトリアの王子が「病気で離脱する」という新たな展開が用意されているようです。 そして、その王子の代わりに、彼の妹である「サマルトリアの王女」が一時的に(あるいは恒久的に)パーティに加わる。 これにより、オリジナル版の「王子を探す旅」が、「王女と共に、病気の王子を助ける旅」へと、よりドラマチックに、そしてテンポ良く再構成されるのではないでしょうか。
2. パーティバランスの調整
オリジナル版の3人パーティは、前述の通りバランスが非常にピーキーでした。 特に中盤以降、敵の猛攻に対して回復が追いつかない場面が多発します。
ここに「軽戦士タイプ」(後述)の王女が加わることで、パーティの戦術に幅が生まれます。 攻撃もでき、回復も(ある程度)こなせるキャラクターがもう一人増えることは、特にあの悪名高き「ロンダルキアへの洞窟」や、ハーゴン神殿での連戦において、大きな助けとなるはずです。 オリジナル版の理不尽とも言える難易度を、現代のプレイヤーが楽しめるよう調整するための、最も効果的な一手だと私は分析しています。
3. キャラクターの魅力向上
近年の『ドラゴンクエスト』シリーズにおいて、魅力的な女性キャラクターは作品の大きな推進力となっています。 『ドラクエ2』のオリジナル版では、仲間になる女性はムーンブルクの王女(ナナ、プリンなど)一人だけでした。 新たに快活そうな「サマルトリアの王女」を加えることで、パーティ内の会話やイベントがより華やかになり、キャラクターの魅力が作品全体の魅力を底上げすることに繋がります。
【最重要】サマルトリアの王女 加入時期と条件を徹底解説
さて、本題です。 では、そのサマルトリアの王女は、一体いつ仲間になるのでしょうか。 判明している情報を時系列に沿って、詳細に解説していきます。
正式加入は「世界樹の森イベントクリア時」
結論から言うと、サマルトリアの王女が**「正式なメンバー」として操作可能になるのは、物語中盤の「世界樹の森イベント」をクリアし、病気で離脱していたサマルトリアの王子が復帰するタイミング**です。
これは非常に重要なポイントです。 彼女は最初からいるわけでも、すぐに正式加入するわけでもありません。 段階を経てパーティに関わってくることになります。
加入までの詳細なストーリーチャート
王女が正式加入するまでの流れを、ゲームの進行に沿って見ていきましょう。
1. 序盤:サポートメンバーとしての「仮加入」
物語はオリジナル版と同様、ローレシアの城から始まります。 主人公(ローレシアの王子)は、ハーゴン討伐の命を受け、まず仲間を集めるためにサマルトリア城へ向かいます。
ここでオリジナル版との大きな違いが発生します。 オリジナル版では、サマルトリアの王子はすでに旅立っており、行方が知れませんでした。 しかしリメイク版では、サマルトリア城で王に話しかけると、妹である「サマルトリアの王女」が「サポートメンバー」として同行してくれることになります。
この時点での王女は、まだ「正式な仲間」ではありません。 サポートメンバーは、戦闘には参加し自動で戦ってくれますが、プレイヤーが直接「さくせん」を指示したり、装備を変更したりすることはできません。
2. サマルトリアの王子の発見と「離脱」
王女と共に旅を続けると、やがてオリジナル版通り「リリザの町」などでサマルトリアの王子と出会うことになるでしょう。 しかし、リメイク版では新たな展開として、サマルトリアの王子が病(あるいは呪い)によってパーティを離脱してしまうイベントが発生します。
オリジナル版では、サマルトリアの王子が(弱いながらも)離脱することはなかったため、これはリメイク版で最も大きな物語の変更点の一つです。 主人公と王女は、病に倒れた王子を助けるため、治療法を探す旅を続けることになります。
3. 世界樹の森イベントと「正式加入」
王子の病を治すため、二人は「世界樹の森」を目指します。 オリジナル版では「世界樹の葉」はザオリクの効果を持つ蘇生アイテムでしたが、リメイク版ではこの森が王子の病を治すための重要なイベントの舞台となるようです。
そして、この世界樹の森のイベントをクリアし、サマルトリアの王子が病から無事に復帰したタイミング。 ここでついに、サマルトリアの王女が「サポートメンバー」から**「正式なメンバー」**へと昇格します。
正式メンバーになることで、プレイヤーは初めて彼女の装備を変更したり、「さくせん」を指示したりできるようになります。 ここからが、リメイク版『ドラクエ2』の本当のパーティ編成の始まりと言えるでしょう。
懸念点:パーティの人数は?
ここで一つ、多くのプレイヤーが抱く疑問があります。 「王子が復帰したら、王女は抜けるのか?」 「それとも、4人目の仲間として加わるのか?」
現時点での情報(「王子が復帰したタイミングで正式なメンバーになる」)を素直に解釈すれば、ローレシアの王子、サマルトリアの王子、ムーンブルクの王女、そしてサマルトリアの王女、というシリーズ初の「4人パーティ」が実現する可能性が非常に高いです。
もし仮に王子と王女のどちらかを選択する形式(いわゆる二者択一)だとしたら、それは『ドラクエ2』のゲームデザインの根幹を変えるほどの大きな変更になります。 しかし、「サポートメンバー」から「正式メンバー」になるという流れは、4人目の仲間としてパーティの厚みを増すための追加要素と考えるのが最も自然です。
4人パーティになることで、オリジナル版のあの過酷な難易度(特にロンダルキア以降)が、どのように変化するのか。 これは、本作を評価する上で最大の焦点になると私は見ています。
サマルトリアの王女 性能と実力分析
では、正式メンバーとなったサマルトリアの王女は、どのような性能を持つキャラクターなのでしょうか。 判明している特技や装備から、その実力を分析します。
「軽戦士タイプ」という新機軸
情報によれば、サマルトリアの王女は「スカートやローブといった女性用装備に加え、軽い剣や盾も装備できる軽戦士タイプ」とされています。 これは、従来の『ドラクエ2』の仲間にはいなかったタイプです。
- ローレシアの王子:重戦士(呪文不可)
- サマルトリアの王子:魔法戦士(中途半端)
- ムーンブルクの王女:魔法使い(物理不可)
王女は、ムーンブルクの王女よりは前衛に出られ、サマルトリアの王子よりは物理攻撃か呪文(特技)のどちらかに秀でている、というバランスになることが予想されます。 パーティの「潤滑油」として、攻撃にも補助にも回れる便利な存在になりそうです。
習得する特技・呪文
サマルトリアの王女が習得する特技や呪文は、非常に多彩です。 攻撃呪文、物理特技、回復・補助と、バランス良く揃っています。
| LV | 習得技 | 効果 |
|---|---|---|
| 初期 | ホイミ | 仲間ひとりのHPを30~回復する |
| 初期 | インパス | 道具を鑑定したり宝箱の中を判別する |
| 初期 | メラ | 敵1体にメラ系小ダメージ |
| 初期 | メラミ | 敵1体にメラ系中ダメージ |
| 初期 | ヒャド | 敵1体にヒャド系小ダメージ |
| 初期 | ヒャダルコ | 敵1グループにヒャド系中ダメージ |
| 初期 | ねむりアタック | 敵1体に眠り攻撃 |
| 初期 | まわしげり | 強力なけりで敵1グループをなぎ払う |
| 初期 | しびれアタック | 敵1体をマヒにする攻撃 |
| 初期 | ツッコミ | 仲間ひとりのマヒ眠り混乱を解除する |
| 初期 | みかわしきゃく | 攻撃を回避しやすくなる |
| 初期 | くすぐりの刑 | 敵1体を行動不能にする |
| 23 | まりょくの風 | 仲間全体のMPを数ターン回復する |
| 25 | しんくうは | 敵全体に攻撃 |
| 26 | ヒャダイン | 敵全体にヒャド系中ダメージ |
| 27 | らせん打ち | 敵1グループを攻撃+稀に麻痺 |
| 30 | リホイミ | 仲間1人のHPを毎ターン回復 |
| 32 | マホキテ | 自分の受けた呪文のMPを回復する |
| 32 | ムーンサルト | 敵全体に攻撃 |
| 33 | 明鏡止水 | 数ターン自分のHPを回復する |
| 34 | マヒャド | 敵全体にヒャド系大ダメージ |
| 35 | ヒュプノスハント | 状態異常の敵1体に通常攻撃の6倍ダメージ |
| 37 | ハッスルダンス | 仲間全員のHPを70~回復する |
| 38 | メラゾーマ | 敵1体にメラ系大ダメージ |
| 41 | 双竜打ち | 敵1体に2回攻撃 |
注目すべき強力な特技
このリストを見て、私が特に注目しているのは以下の特技です。
- ハッスルダンス (LV37): 『ドラクエ6』以降でおなじみの、MP消費0で味方全体を回復できる超強力な特技です。 オリジナル版『ドラクエ2』の終盤は、ムーンブルクの王女のベホマラーだけでは回復が追いつかず、サマルトリアの王子もベホイミで補助するようなギリギリの戦いが続きました。 ここに「ハッスルダンス」が加わることは、パーティの耐久力を劇的に向上させることを意味します。 ロンダルキアのブリザードやギガンテスの群れ、アトラス・バズズ・ベリアルとの連戦において、この特技が生命線となることは間違いないでしょう。
- 双竜打ち (LV41): これも『ドラクエ6』以降の強力な物理特技です。 敵1体に2回攻撃できるため、単体ボス(シドーなど)に対して絶大なダメージソースとなります。 「軽戦士タイプ」である王女が、終盤においてローレシアの王子に匹敵する単体火力を出せる可能性があることを示唆しています。
- ヒュプノスハント (LV35): 状態異常の敵に6倍ダメージ。 「ねむりアタック」や「しびれアタック」を自前で習得するため、自分で状態異常にしてから高火力を叩き込むコンボが可能です。 ムーンブルクの王女が習得するであろうラリホーやマヌーサと連携できれば、戦術の幅が大きく広がります。
- ツッコミ (初期): 仲間ひとりの状態異常を解除します。 オリジナル版では「キアリー」や「キアリク」が必須でしたが、これを特技で代用できるのは便利です。
- まりょくの風 (LV23): 仲間全体のMPを数ターン回復。 長期戦になりがちなダンジョン攻略やボス戦で、MP管理が格段に楽になります。
巻物で習得させたいおすすめ特技・呪文
リメイク版では「巻物」で追加のスキルを習得できるようです。 王女は攻撃と回復のバランスが良い反面、敵の能力を下げる「デバフ」や、味方を強化する「バフ」が手薄です。
そのため、以下の補助系呪文を優先的に習得させるのが良いでしょう。
- ルカニ: 敵1体の守備力を大幅に下げる。ボス戦の必須呪文です。
- フバーハ: 仲間全員のブレスダメージを軽減する。ロンダルキアの「ブリザード」対策に。
- おうえん: 味方1人の攻撃力を大幅に上げる。ローレシアの王子や、「双竜打ち」を覚えた王女自身に使うと効果的です。
サマルトリアの王女 おすすめ装備
「軽戦士」というだけあり、装備の幅も独特です。
中盤(紋章全取得まで)のおすすめ装備
| 部位 | 装備名 | 入手場所 |
|---|---|---|
| 武器 | ふっかつのつえ | 世界樹の森の宝箱 |
| 盾 | まほうのたて | ベラヌールの防具屋 |
| 兜 | ふしぎなぼうし | – |
| 鎧 | やすらぎのローブ | – |
| 装飾 | 破封のネックレス | メルキドの道具屋 |
| 装飾 | まよけのすず | ふくびき4等、ルプガナの道具屋 |
中盤の注目は「まほうのたて」です。 魔法ダメージを軽減できるため、呪文を多用する敵が増えてくる中盤以降、生存率を大きく上げてくれます。 武器の「ふっかつのつえ」は、世界樹の森の宝箱で手に入るようです。 これは王子の復帰イベントと連動した装備であり、名前からしても何らかの特殊効果(道具として使うとザオラル?など)が期待されます。
終盤(ロンダルキア地方)のおすすめ装備
| 部位 | 装備名 | 入手場所 |
|---|---|---|
| 武器 | 王女のナイフ | ストーリー進行で入手 |
| 盾 | 女神の盾 | ヌシのすみか(北)の宝箱 |
| 兜 | ふしぎなぼうし | ロンダルキア洞窟 |
| 鎧 | やみのころも | ヌシのすみか(東)の宝箱 |
| 装飾 | 破封のネックレス | メルキドの道具屋 |
| 装飾 | ほしふるうでわ | オアシスの宿屋の宝箱 |
終盤は、耐性と回避力が重要になります。 「やみのころも」や「女神の盾」は、オリジナル版でもムーンブルクの王女の最強装備(あるいはそれに準ずる装備)でした。 これらをサマルトリアの王女も装備できるとなると、ムーンブルクの王女と装備の取り合いになる可能性もあります。
「ヌシのすみか」という新しい地名が見えるのも気になります。 オリジナル版では船でしか行けない小島などに強力な装備が隠されていましたが、リメイク版では海底(深海)を探索する要素が追加され、そこで強力な装備が手に入るようです。
武器の「王女のナイフ」は、ストーリー進行で入手する専用装備のようであり、彼女のキャラクター性を象徴する武器となりそうです。
リメイク版『ドラクエ2』のパーティ戦略と難易度
サマルトリアの王女が4人目の仲間として正式加入することを前提とすると、オリジナル版とは比較にならないほど戦略の幅が広がります。
王女加入によるパーティの役割変化
- ローレシアの王子 (主人公): 変わらずパーティのメインアタッカー。 「おうえん」や「ルカニ」の補助を受け、ひたすら「はやぶさのけん(があれば)」で攻撃することになるでしょう。
- サマルトリアの王子: オリジナル版では「ベホイミ」と「スクルト」が主な仕事でしたが、王女が「ハッスルダンス」や「リホイミ」を習得します。 彼がリメイク版でどのような調整を施されているか(例えば、強力な専用特技を覚えるなど)によって、彼の立ち位置が大きく変わります。 もしかすると、補助呪文のエキスパートとして、スクルト、フバーハ、ルカニを一手に引き受ける役割になるかもしれません。
- ムーンブルクの王女: 「ハッスルダンス」という強力な全体回復特技を妹(サマルトリアの王女)が覚えるため、彼女の役割も変わる可能性があります。 回復の負担が減る分、オリジナル版ではMP不足で撃ちにくかった「イオナズン」や「メガンテ(!)」、あるいは敵の妨害呪文(ラリホー、マホトーン)を積極的に使えるようになります。 攻撃的な魔法使いとしての側面が強まるかもしれません。
- サマルトリアの王女: サブアタッカー兼サブヒーラー。 状況に応じて「双竜打ち」で火力を出し、「ハッスルダンス」で全体回復に回り、「ツッコミ」で状態異常を治す。 まさにパーティの「なんでも屋」であり、彼女の行動選択が戦局を左右する重要なポジションになるでしょう。
難易度はどう変わるのか?
4人パーティになり、強力な特技も追加されるとなると、オリジナル版のあの歯ごたえのある難易度が失われてしまうのではないか、と心配するオールドファンもいるかもしれません。
しかし、私はそうは思いません。 オリジナル版の『ドラクエ2』の難易度は、理不尽なエンカウント率、強すぎる敵の攻撃、そして仲間の性能のピーキーさに依存していました。 HD-2Dリメイク版では、敵のAIが賢くなっていたり、敵の数が増えていたり、あるいはハーゴンやシドーが4人パーティを前提とした新たな攻撃パターン(強力な状態異常など)を使ってくる可能性も十分にあります。
単に簡単になるのではなく、**「理不尽な難しさ」から「戦略的な歯ごたえのある難しさ」**へと、質の高い調整が施されることを期待しています。 サマルトリアの王女の追加は、そのための「戦術の幅」を担保するものでしょう。
HD-2D版『ドラクエⅠ』と『ドラクエ3』への期待
今回は『ドラクエ2』の王女に焦点を当てましたが、『ドラクエⅠ&Ⅱ』は当然『1』もリメイクされます。
『ドラゴンクエストⅠ』の孤独な旅
『ドラクエ1』は、たった一人で竜王に立ち向かう、あの「孤独感」こそが魅力の作品です。 HD-2Dで美しくなった世界を、たった一人で探索する体験は、オリジナル版とも、パーティプレイの『2』『3』とも違う、独特の没入感を生むはずです。 あの広大なフィールドを歩く感覚、初めて「かぎ」を手に入れて未知の扉を開ける興奮が、現代にどう蘇るのか。 非常に楽しみです。
『ドラクエ3』リメイクへの橋渡し
そして、本作は先行する『ドラクエ3』リメイクへと繋がる物語です。 『3』でアレフガルドを救った勇者ロトの伝説が、『1』でどう受け継がれ、『2』でその子孫たちがどう新たな脅威に立ち向かうのか。 この三部作をHD-2Dという最高の形で連続してプレイできることは、我々ゲームファンにとって「体験」そのものです。 『1』『2』でロトゼタシアの世界を堪能した後、『3』でその世界の「始まり」を体験する。 あるいは『3』をクリアした後、『1』『2』でその「未来」を見届ける。 どちらの体験も、これまでのドラクエでは味わえなかった深い感動を与えてくれるはずです。
まとめ
HD-2D版『ドラゴンクエスト2』における新キャラクター「サマルトリアの王女」について、その加入時期と性能を徹底的にレビューしてきました。
彼女は、サマルトリア城で「サポートメンバー」として仮加入し、物語中盤、「世界樹の森イベント」で兄であるサマルトリアの王子が病から復帰するタイミングで**「正式メンバー」**となります。
「軽戦士タイプ」として、「ハッスルダンス」や「双竜打ち」といった強力な特技を習得し、4人パーティ(予想)の戦術の核となる重要な存在です。 彼女の加入は、オリジナル版のゲームバランスを、より戦略的で深みのあるものへと進化させる、今回のリメイク最大の目玉と言えるでしょう。
『ドラゴンクエストⅠ&Ⅱ』の発売が、今から待ちきれません。






