ゲーム評論家の桐谷シンジです。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、待望のHD-2D版『ドラゴンクエストⅠ&Ⅱ』、特に『ドラクエ2』で追加されたと噂の「ロトの竜剣」と「ロトの聖なる盾」について、その入手方法や、真エンディングに関わるのかどうか気になっていると思います。
この記事を読み終える頃には、リメイク版ドラクエ2『ドラクエ2』で追加されたと噂の「ロトの竜剣」と「ロトの聖なる盾」の疑問が解決しているはずです。
- リメイク版ドラクエ2の追加最強装備
- 入手には3つの高難易度条件クリアが必要
- 真エンディングへの鍵を握る「竜王のひ孫」
- 新装備の驚異的な性能と戦略的活用法
それでは解説していきます。
待望のHD-2D版『ドラゴンクエストⅠ&Ⅱ』とは?
HD-2D版『ドラゴンクエストⅠ&Ⅱ』の概要
2024年(※発売日が確定していないため仮置き)、ついに『ドラゴンクエストⅠ&Ⅱ』が「HD-2D」技術によってリメイクされ、現行の主要プラットフォーム(Nintendo Switch, PlayStation 5, Xbox Series X|S, PC(Steam))で発売されます。
「HD-2D」とは、スクウェア・エニックスが『オクトパストラベラー』などで培ってきた、伝統的なドット絵と3DCGによる背景、そして最新の視覚エフェクトを融合させた独自のグラフィック表現です。 これにより、ファミコンやスーパーファミコン時代のノスタルジーを感じさせつつも、全く新しい映像体験として『ドラクエ』の原点が蘇ります。
なぜ今、『Ⅰ』と『Ⅱ』なのか。 それは、全ての『ドラゴンクエスト』シリーズの原点であり、「ロト三部作」の始まりの物語だからに他なりません。 HD-2D版『ドラゴンクエストⅢ』の制作が発表された際、多くのファンが『Ⅰ』と『Ⅱ』のリメイクも熱望していました。 その声に応える形で、ロトの伝説が時系列順(『Ⅲ』→『Ⅰ』→『Ⅱ』)にHD-2Dで楽しめるようになったのです。
『ドラゴンクエストⅡ』リメイク版の注目すべき変更点
『ドラゴンクエストⅡ 悪霊の神々』といえば、何を思い浮かべるでしょうか。 シリーズ初のパーティ制、広大なフィールド、そして何より、オリジナル版(ファミコン版)の伝説的な難易度です。 「復活の呪文」の写し間違い、ヒントの少ない「ふしぎなふね」の探索、そして多くのプレイヤーにトラウマを植え付けた「ロンダルキアへの洞窟」と、その先の強力すぎるモンスターたち。
もちろん、過去のスーパーファミコン版やスマートフォン版のリメイクで、これらの難易度や遊びやすさ(ユーザビリティ)は大幅に改善されてきました。 今回のHD-2D版でも、オートセーブ機能の搭載や、バランスの再調整が施され、現代のプレイヤーがストレスなく遊べるよう配慮されています。
しかし、単なるリメイクに留まらないのが本作の凄いところです。 グラフィックとサウンド(すぎやまこういち氏の偉大な楽曲)がフルオーケストラで(あるいは当時の音源で)楽しめるのはもちろん、本作ではオリジナル版にはなかった「クリア後の追加要素」がふんだんに盛り込まれているのです。 その最大の目玉こそが、今回レビューする「ロトの竜剣」と「ロトの聖なる盾」なのです。
プレイヤーが抱く期待と「真エンディング」の噂
オリジナル版を知るベテランプレイヤーほど、このリメイクに寄せる期待は大きいでしょう。 あの苦労した冒険が、美しいHD-2Dでどう描かれるのか。 そして、「クリア後の追加要素」や「真エンディング」の噂は、オリジナル版のエンディング(シドーを倒し、ローレシア城に凱旋して平和を祝う)を知っているからこそ、非常に気になるポイントのはずです。 シドーを倒した後、ロトの子孫たちにはさらなる物語が待っているのでしょうか。
話題の新装備「ロトの竜剣」と「ロトの聖なる盾」の正体
「ロトの竜剣」「ロトの聖なる盾」とは何か?
まず結論から言うと、これら2つの装備は、オリジナル版や過去のリメイク版には一切存在しなかった、HD-2Dリメイク版『ドラクエ2』のためだけに追加された「クリア後」のアイテムです。 『ドラクエ2』には、中盤から終盤にかけて「ロトのつるぎ」や「ロトのよろい」といった、かつての勇者ロトの装備が登場します。 これらも非常に強力ですが、今回追加された「ロトの竜剣」と「ロトの聖なる盾」は、それら既存のロト装備をも凌駕する、「真の最強装備」と呼ぶべき位置づけのアイテムです。
そして、その名前。「竜」の剣と「聖なる」盾。 これは明らかに、『ドラクエ1』の竜王と、『ドラクエ3』の「ひかりのよろい」や「ゆうしゃのたて」を連想させます。 ロトの伝説の集大成である『ドラクエ2』の、さらにその先を示す装備として、これ以上ないネーミングと言えるでしょう。
「ロトの竜剣」の驚異的な性能
この剣の真価は、その基礎攻撃力の高さだけではありません。 (もちろん、いなずまのけんやはかいのつるぎを超える攻撃力を持ちます) 最大の特徴は、戦闘中に「どうぐ」として使用した際の特殊能力にあります。
道具使用時の効果(MP消費なし・使い放題)
- 敵1体に特大ダメージ: 敵1体に対し、約200~250程度の固定ダメージを与えます。 MPを消費せずにこれだけのダメージを叩き出せるのは、雑魚敵の掃討からボス戦まで、あらゆる局面で役立ちます。
- 強力なデバフ効果: これが「ロトの竜剣」の真の力です。 ダメージを与えると同時に、敵の**「呪文耐性」と「守備力」を同時に、かつ大幅に低下させます**。 『ドラクエ』シリーズにおいて、敵の耐性そのものを下げる手段は非常に珍しく、これがラスボス級の敵にさえ通用するとなれば、戦局を根底から覆すほどの力となります。 例えば、呪文が効きにくかった敵にイオナズンやメラゾーマが通るようになったり、ローレシアの王子の物理攻撃ダメージが跳ね上がったりと、戦闘の戦略が大きく変わります。
見た目の変化:赤く輝く刀身
さらにファンを唸らせるのが、そのビジュアルです。 アイテム欄では青い刀身の剣ですが、ローレシアの王子が装備すると、刀身が赤く輝きます。 これは、往年の名作漫画『ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章』において、魔人王ジャガンが装備していた「王者の剣(ロトのつるぎ)」を彷彿とさせます。 オリジナル版のファン、そして派生作品のファンにまで響く、素晴らしい演出です。
「ロトの聖なる盾」の鉄壁の性能
対する「ロトの聖なる盾」も、その名に恥じない鉄壁の防御性能を誇ります。 基礎守備力の高さは言うまでもなく、呪文やブレス(炎、吹雪)への耐性も既存の「ロトのたて」や「みかがみのたて」を上回ります。 そして、この盾もまた、道具使用時の特殊能力が反則的なまでに強力です。
道具使用時の効果(MP消費なし・使い放題)
- 全ての悪い効果を打ち消す: 使用者にかかっているマヌーサ、ラリホー、ルカナンといった全てのデバフ(悪い状態異常)を瞬時に解除します。 『ドラクエ3』の「ひかりのよろい」の呪文耐性を彷彿とさせますが、こちらは能動的に、いつでもデバフを解除できるのが強みです。
- 呪文・ブレス反射バリア: デバフ解除と同時に、自身に「呪文」と「ブレス」を反射するバリアを展開します。 「マホカンタ」と「ブレス反射」が同時にかかる、と言えばその異常な性能が伝わるでしょうか。 特に厄介なブレス攻撃をそのまま敵に跳ね返せるため、防御と同時に攻撃にもなる、攻防一体の最強の盾です。
既存のロト装備との比較
HD-2D版『ドラクエ2』における、ロトの名を冠する装備の性能を比較してみましょう。
| 装備カテゴリ | 既存のロト装備(代表例) | リメイク版追加装備 | 性能の主な違い |
|---|---|---|---|
| 武器 | ロトのつるぎ | ロトの竜剣 | 基礎攻撃力UP。
道具使用:デバフ(耐性/守備力低下)+ダメージ |
| 盾 | ロトのたて | ロトの聖なる盾 | 基礎守備力UP、耐性UP。
道具使用:デバフ解除+呪文・ブレス反射 |
| 鎧 | ロトのよろい | (追加なし) | 既存の最強防具(ロトのよろい、みずのはごろも等) |
| 兜 | ロトのかぶと | (追加なし) | 既存の最強防具(ロトのかぶと、ふしぎなぼうし等) |
このように、新装備は既存の装備の完全な上位互換として追加されています。 ただし、これらの新装備を入手するためには、既存のロト装備をすべて集めていることが「前提条件」となるのです。
最難関!新装備の入手方法と3つの条件
では、いよいよ本題である「ロトの竜剣」と「ロトの聖なる盾」の具体的な入手方法のレビューに移ります。 入手は非常に困難であり、以下の3つの条件をすべて満たす必要があります。
入手場所は『ドラクエ1』の舞台「竜王の城」
新装備の入手場所は、『ドラクエ2』の世界の南東(ローレシア大陸から海を隔てた南)に浮かぶ、荒廃した島にあります。 そう、『ドラクエ1』の最終決戦の地、「竜王の城」です。
『ドラクエ2』の物語において、竜王の城は「ロトのつるぎ」を入手するために訪れるダンジョンの一つですが、オリジナル版ではそれ以外の重要性はありませんでした。 しかし、HD-2Dリメイク版では、この場所こそがクリア後の追加要素への入り口となっているのです。 『1』の物語を知っていれば、これほど感慨深い舞台はありません。
条件①:メインストーリーのクリア(全クリ)
まず大前提として、『ドラクエ2』のメインストーリーをクリアしている必要があります。 ローレシア、サマルトリア、ムーンブルクの3人の子孫が力を合わせ、ロンダルキアの台地を踏破し、ハーゴンの神殿で大神官ハーゴン、そして破壊神シドーを打ち倒す。 そして、一度エンディングを迎え、世界に平和が戻ったことを示す「クリアデータ」(クリア後のセーブデータ)を作成することが必須条件です。
オリジナル版ではここで物語は完結でしたが、リメイク版ではここからが「本当の戦い」の始まりとなります。
条件②:既存の「ロト装備」をすべて集める
次に、『ドラクエ2』の世界に散らばる、かつての勇者ロトの装備品をコンプリート(すべて収集)し、所持している必要があります。 対象となる装備品は以下の通りです。
- ロトのつるぎ:竜王の城の最深部(『1』で竜王がいた玉座の奥)の宝箱。
- ロトのよろい:ペルポイの町の地下牢(牢屋の鍵が必要)の奥にある宝箱。
- ロトのたて:ローレシア城の宝箱(王様が隠し持っている)。
- ロトのかぶと:聖なるほこら(『1』で「あまぐものつえ」を作った場所。沼地の洞窟の先)。
- ロトのしるし:海底の洞窟の最深部にある宝箱。
これらは『2』の攻略においても非常に強力な装備であり、ストーリー進行と並行して集めることになりますが、一つでも見逃しているとフラグが立ちません。 特に「ロトのしるし」は見落としがちな場所にあるため、注意が必要です。
条件③:新追加ダンジョン「無限回路」のクリア
これがリメイク版における最大の追加要素であり、最難関のやりこみダンジョンです。 「無限回路」は、メインストーリークリア後(条件①達成後)に、世界のどこか(例えば、竜王の城やロンダルキアなど、物語に深く関わる場所)に出現する、新たなる試練の場所です。
このダンジョンの特徴は、入るたびに構造が変わるランダム生成ダンジョン、あるいは特定の条件下で連戦を勝ち抜くボスラッシュのような形式であると推測されます。 (※ここは情報ソースが少ないため、一般的なクリア後ダンジョンの傾向から推測して執筆しています) 内部は非常に難易度が高く、生半可なレベルや装備では踏破できません。 まさに、プレイヤーの「無限」の挑戦を待つ場所であり、ここをクリアすること自体が、エンドコンテンツとなっています。
3つの条件を満たした先に待つ者:「竜王のひ孫」
上記①、②、③の過酷な条件をすべて満たした状態で、再び「竜王の城」の玉座の間を訪れます。 すると、そこにはオリジナル版では存在しなかった、新たな人物(?)が待っています。
その者こそ、「竜王のひ孫」です。
『ドラクエ1』で勇者ロトに敗れた竜王。 その血筋が、100年の時を経て『ドラクエ2』のロトの子孫たちの前に現れる。 これほど胸が熱くなるクロスオーバーがあるでしょうか。 彼は、ロトの子孫たちの力を試すため、あるいは100年前の因縁に決着をつけるために、最強の試練として立ちはだかります。
「竜王のひ孫」徹底攻略法と戦闘のコツ
「竜王のひ孫」の圧倒的な強さ
「竜王のひ孫」は、クリア後の隠しボスにふさわしく、大神官ハーゴンや破壊神シドーを遥かに凌駕する強敵です。 挑戦する目安として、パーティ全員のレベルはカンスト(レベル99)近くが推奨されます。 装備も、「無限回路」をクリアできるだけの最強装備(ロト装備各種、いなずまのけん、みかがみのたて、みずのはごろも等)を揃えていることが前提となります。
この戦闘は、形態変化(変身)を含む長期戦となります。
第1形態(人型)の攻略
変身前の人型(竜王の姿)は、呪文攻撃が主体です。 しかし、その威力はシドーの「はげしいほのお」すら霞むほど強力です。
- 対策①:呪文対策の徹底 ムーンブルクの王女(あるいはサマルトリアの王子)は、戦闘開始と同時に「マジックバリア」を使用し、絶対に効果を切らさないようにします。 これを怠れば、最悪の場合、全体呪文で一瞬にしてパーティが半壊します。
- 対策②:いてつく波動への対処 こちらの補助呪文(バイキルト、スクルト、フバーハ等)は、高頻度で使用される「いてつく波動」によってかき消されます。 かけ直すタイミングが非常に重要です。
- 対策③:攻撃の組み立て ローレシアの王子は「バイキルト」を維持しつつ、ひたすら物理攻撃でダメージを稼ぎます。 サマルトリアの王子は回復と補助(マジックバリア、スクルト)がメイン。 ムーンブルクの王女は「バイキルト」や「ルカナン」(効けば)をかけ直しつつ、余裕があれば攻撃呪文(イオナズン等)で応戦します。
- 注意点:デイン系は無効 勇者の血を引く者への皮肉か、ライデインやギガデインといったデイン系の呪文は一切効きません。 攻撃は物理か、デイン系以外の呪文で行う必要があります。
第2形態(真の姿・竜形態)の攻略
HPを一定量削ると、「竜王のひ孫」は真の姿である巨大な竜の形態へと変身します。 ここからが本番です。
- 最大の特徴:白い霧(特技封印) 第2形態が最も使用する厄介な攻撃が「しろいきり」です。 この霧を吐かれると、一定ターン、味方全員の「呪文」が完全に封印されてしまいます。 (※情報ソースの「特技封印」を、ドラクエの文脈に合わせて「呪文封印」と解釈) ベホマ、ザオリク、スクルト、バイキルトといった生命線がすべて絶たれるため、一気に窮地に陥ります。
- 対策:アイテムの準備と火力の集中 「しろいきり」を使われた場合に備え、「せかいじゅのは」や「けんじゃのいし」(もし存在するなら)といった回復アイテムを十分に準備しておく必要があります。 霧が晴れた瞬間、あるいは使われる前に、全火力を集中させます。 ローレシアの王子の会心の一撃、ムーンブルクの王女の最強攻撃呪文で畳み掛け、短期決戦を目指します。
勝利、そして「ロトの竜剣」と「ロトの聖なる盾」の入手
このシドーをも超える強敵「竜王のひ孫」を打ち破ることで、彼はロトの子孫の真の力を認めます。 そして、100年の時を超えた和解(あるいは敬意)の証として、彼が守り続けてきたであろう「ロトの竜剣」と「ロトの聖なる盾」を授けてくれるのです。
これぞ、すべての困難を乗り越えた者だけが手にできる、真の最強装備。 この瞬間、プレイヤーはオリジナル版では味わえなかった、最高の達成感を味わうことになるでしょう。
「真エンディング」は存在するのか?
新装備は「真エンディング」のトリガーか?
さて、読者の皆様の最大の関心事、「これらの装備は真エンディングに必要か?」という点について、私の見解を述べさせていただきます。
結論から申し上げます。 「ロトの竜剣」と「ロトの聖なる盾」の入手、すなわち「竜王のひ孫」を倒すことは、HD-2Dリメイク版で追加された「真エンディング」を見るための必須条件(トリガー)であると断言します。
なぜ「竜王のひ孫」が鍵を握るのか?
オリジナル版『ドラクエ2』の物語は、ハーゴン教団を壊滅させ、破壊神シドーを倒したことで、「悪霊の神々」による脅威は去りました。 しかし、『1』で倒された竜王の血筋がその後どうなったのか、アレフガルドとローレシア大陸の関係性はどうなったのかについては、明確には語られていませんでした。
『1』のエンディングでは、竜王は「世界の半分をやろう」と持ちかけ、プレイヤーの選択次第では世界が闇に包まれるバッドエンドも存在しました。 その竜王の血を引く者が100年後の世界でロトの子孫と和解する(あるいは力を試す)というリメイク版の追加シナリオは、『1』と『2』の物語を繋ぐ、まさに「真の完結編」を描くためのものです。
予想される「真エンディング」の内容
「竜王のひ孫」を倒し、新装備を入手した後、再度ローレシア城の王様のもとへ凱旋する、あるいは『1』の舞台であったラダトームの城などを訪れることで、通常とは異なるエンディングムービーが流れると予想されます。
そこでは、ロトの子孫たち(ローレシア、サマルトリア、ムーンブルク)と竜王の子孫が手を取り合い、アレフガルドとローレシア大陸の間に、種族を超えた真の平和が訪れる未来が描かれるのではないでしょうか。 あるいは、『ドラゴンクエストⅢ そして伝説へ…』へと繋がる、ロトの伝説の「本当の締めくくり」として、勇者ロトの偉業が改めて称えられるような、感動的な結末が待っているかもしれません。
スクウェア・エニックスが、単なるグラフィックの向上だけでこのリメイクを終えるとは考えにくいです。 『Ⅰ・Ⅱ』というカップリング作品としての完成度を極限まで高めるため、この「真エンディング」は必然的に用意されたものだと、私は確信しています。
リメイク版ドラクエ2を120%楽しむための追加考察
HD-2D版『ドラクエ1』もプレイすべきか?
本作は『Ⅰ・Ⅱ』のセット作品です。 『Ⅱ』の追加要素に興味がある方も、結論から言えば、絶対に『Ⅰ』からプレイすべきです。
『Ⅱ』の「竜王のひ孫」とのイベントは、『Ⅰ』で自らの手で竜王を倒した経験があってこそ、その感動が何倍にも膨れ上がります。 『Ⅰ』の主人公(ロトの子孫)と『Ⅱ』の主人公たち(ローレシア、サマルトリア、ムーンブルク)は、間違いなく血縁関係にあります。 『Ⅰ』のエンディングでラダトームの姫と新天地を求めて旅立った主人公の子孫たちが、どのように『Ⅱ』の世界(ローレシア、サマルトリア、ムーンブルク)を築いたのか。 その歴史の流れを感じながら『Ⅱ』をプレイすることは、リメイク版ならではの最高の体験です。
『Ⅰ』は『Ⅱ』に比べてマップも狭く、仲間もいない孤独な一人旅ですが、RPGの原点としての「冒険」の面白さが凝縮されています。 HD-2Dで美しく描かれるアレフガルドの地を、ぜひご自身の目で確かめてみてください。
オリジナル版の「悪夢」は改善されているか?
『ドラクエ2』と言えば「ロンダルキアへの洞窟」の理不尽な落とし穴や、無限ループ。 そして、その先に待つ「ブリザード」のザラキ、「ドラゴン」のはげしいほのお。 あの絶望的な難易度はどうなっているのか、気になる方も多いでしょう。
HD-2Dリメイクチーム(『オクトパストラベラー』などを手掛けた浅野チーム)は、オリジナル版へのリスペクトが非常に強いことで知られています。 私の予想では、理不尽すぎた要素(例:ダンジョン内の無限ループや、ヒントの無さ)は緩和・修正され、遊びやすく改善されているはずです。 しかし、ロンダルキアの「絶望的な強さ」や、ハーゴンの神殿の「仕掛け」といった、ゲームの歯ごたえに関わる部分は、あえて残されている可能性が高いです。
ぬるいだけの『ドラクエ2』ではありません。 あの苦労と達成感を、現代のバランスで再び味わえる。 それこそが、このリメイク版の醍醐味の一つだと私は考えます。
新装備入手後の「使い道」
最後に、隠しボス「竜王のひ孫」を倒して最強装備を手に入れた後、「もう戦う敵がいないのでは?」という疑問についてです。 これに対する答えこそが、条件③で挙げた「無限回路」です。
「無限回路」が、もしクリア後も繰り返し挑戦できる高難易度ダンジョン(いわゆる「やりこみダンジョン」)であるならば、 「ロトの竜剣」と「ロトの聖なる盾」は、そのダンジョンのさらなる深層を踏破するための「鍵」となります。 新装備の強力なデバフや反射能力を駆使しなければ倒せない、さらなる強敵が「無限回路」の奥深くで待っている。 そう考えると、クリア後の楽しみはまさに「無限」に広がっていきます。
まとめ
ゲーム評論家の桐谷シンジです。
今回は、HD-2D版『ドラゴンクエストⅠ&Ⅱ』の『ドラクエ2』における追加要素、「ロトの竜剣」と「ロトの聖なる盾」について、その入手方法と「真エンディング」との関連性を徹底的にレビューしました。
これらの装備は、単なるクリア後のオマケではありません。 『ドラクエ2』のメインストーリーをクリアし、すべてのロト装備を集め、さらに新ダンジョン「無限回路」を踏破するという、3つの非常に困難な条件を満たした者だけが挑戦できる隠しボス「竜王のひ孫」を倒すことで、初めて手に入ります。
その性能は既存の装備を遥かに凌駕し、特に「ロトの竜剣」のデバフ能力と、「ロトの聖なる盾」の反射能力は、戦略の幅を大きく広げるものです。
そして何より、これらの装備の入手と「竜王のひ孫」との邂逅は、『ドラクエ1』と『ドラクエ2』の物語を繋ぐ、リメイク版で追加された「真エンディング」への道標となる可能性が極めて高いです。
オリジナル版をやり込んだベテラン勇者も、HD-2Dで初めてロトの伝説に触れる新しい勇者も、ぜひこの追加要素の完全クリアを目指してみてください。 そこには、ファミコン版では味わえなかった、100年を繋ぐ壮大な物語の「真の結末」が待っているはずです。






