ゲーム評論家の桐谷シンジです。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、2025年に発売が予定されているHD-2D版『ドラゴンクエストⅠ&Ⅱ』、特に『ドラゴンクエスト2 悪霊の神々』に追加されたと噂の「真のエンディング」について、その詳細が気になっていることでしょう。
オリジナル版やスーパーファミコン版では、破壊神シドーを倒して世界に平和を取り戻す…という結末でしたが、今回のリメイクでは、シドーを倒した後にも続きがあり、物語の根幹を揺るがす「真の裏ボス」と「衝撃の結末」が用意されていると大きな話題になっています。
 
この記事を読み終える頃には、HD-2D版『ドラクエ2』の真のエンディングルートへの進み方、シドー撃破後の驚くべき展開、そして真の裏ボス「闇の神」との戦い、その先にある新たなエンディングの物語についての疑問が解決しているはずです。
- HD-2D版ドラクエ2に隠された真のエンディング
- 真のエンディングへの具体的な分岐条件(フラグ)
- シドー撃破後に登場する真の裏ボス「マジャラガ」
- ハーゴンの悲しき動機と王位継承という新たな結末
それでは解説していきます。

HD-2D版『ドラクエ2』に隠された衝撃の「真のエンディング」とは
今回のHD-2D版『ドラゴンクエストⅠ&Ⅱ』は、単なるグラフィックのリマスター作品ではありません。 特に『ドラクエ2』においては、オリジナル版のプレイヤーであれば誰もが知る「あの結末」の、さらに先を描く「真のエンディング」が追加されたことが、発売直後から大きな注目を集めています。 私自身、この情報を耳にしてすぐさまプレイし、その全貌を確かめてきました。 結論から言えば、この追加ストーリーは、ロトシリーズ全体の物語解釈にすら影響を与えかねない、非常に重く、そして深い内容となっています。
オリジナル版・SFC版とは異なる結末
ご存知の通り、これまでの『ドラクエ2』は、大神官ハーゴンを倒し、彼が命と引き換えに召喚した破壊神シドーをも打ち破り、世界に平和が戻る、というエンディングでした。
その後、ローレシアの王子(主人公)は、サマルトリアの王子、ムーンブルクの王女と共に船に乗り、王位を継がずに新たな地を目指して旅立っていく…というのが、公式の結末でした(この結末が、後の『ドラゴンクエストビルダーズ2』の世界へと繋がっていきます)。
しかし、今回のHD-2D版では、特定の条件を満たすことで、シドーを倒した後も物語が続行します。 そして、オリジナル版とは全く異なる、もう一つの結末「王位継承」へとたどり着くのです。 この分岐こそが、本作リメイクの最大の目玉と言えるでしょう。
物語の核心に迫る「ハーゴンの動機」と「闇の根源」
なぜハーゴンは世界を破滅させようとしたのか。 オリジナル版では、彼は単なる「悪の大神官」として描かれ、その背景が深く語られることはありませんでした。 しかし、今回の真のエンディングルートでは、そのハーゴンの「動機」が、悲しい過去のビジョンとしてプレイヤーに明かされます。
 
さらに、ハーゴンやシドーすらも利用していた可能性のある、この世界の「闇の根源」とも言える存在…真の裏ボスが登場します。 この追加シナリオは、単なるやり込み要素ではなく、『ドラクエ2』という物語の核心、そしてロトシリーズの歴史の裏側に隠された真実に迫るものとなっています。
真のエンディングへの分岐条件(フラグ)の存在
もちろん、この真のエンディングは、普通にストーリーを進めているだけでは見ることができません。 シドーを倒す前に、とある重要なフラグを立てておく必要があります。 そのフラグこそが、オリジナル版では物語に深く関わってこなかった「竜王のひ孫」とのイベントです。 彼との邂逅と試練の達成が、シドー撃破後の世界を分岐させる鍵となります。 次のセクションで、その具体的な流れを詳しく解説していきましょう。
真のエンディングへの道筋|フラグ立てから裏ボス出現まで
では、具体的にどうすれば真のエンディングルートに進むことができるのか。 私(桐谷)が実際に確認した手順を、詳細にレビューしていきます。 複雑な手順ではありませんが、見逃しやすいポイントもあるため、注意深く進める必要があります。
最重要フラグ:竜王のひ孫との再戦と「光の玉」
物語終盤、ハーゴンの城へ乗り込む前に、必ず行っておくべきイベントがあります。 それが「竜王のひ孫」との一連のイベントです。
「光の玉」の入手と竜王のひ孫への訪問
オリジナル版でもおなじみですが、世界に散らばる5つの紋章を集め、精霊ルビスのもとへ行くと「ルビスのまもり」がもらえます。 ここまでは通常ルートと同じです。 真エンドのフラグはここから始まります。
ルビスのまもりを入手した後、ドラクオンの城(竜王の城)の最深部にいる「竜王のひ孫」に会いに行きます。 彼は主人公たちがロトの子孫であることを見抜き、ある試練を与えてきます。 それは、かつて彼の先祖(ドラクエ1の竜王)が持っていた「光の玉」を取り戻してきてほしい、というものです。 (※リメイク版では、光の玉の入手経緯がオリジナル版と異なり、このイベントラインに組み込まれている可能性が高いです)
文字起こしの内容から察するに、この「光の玉」は「ひ孫さんの一部だと言っていたもの」と表現されており、彼にとって非常に重要なアイテムであることがわかります。 これを彼に渡すことで、彼は本来の力を取り戻し始めます。
試練:竜王のひ孫(人型・竜型)との連戦
光の玉を渡すと、竜王のひ孫は「力が戻り一瞬昔に戻ったようだ」と語り、力を取り戻した自分と、伝説の勇者の装備を揃えた主人公たち、どちらが勝るか試したいと、戦いを挑んできます。
 
第1戦:竜王のひ孫(人型) まずは人間の姿のまま戦うことになります。 とはいえ、彼は竜王の血を引く者。 強力な呪文や痛恨の一撃を放ってきますが、ここまでの冒険で鍛え上げたパーティであれば、苦戦はしないはずです。 冷静に補助呪文をかけ、確実にダメージを与えていきましょう。
第2戦:竜王のひ孫(竜型) 人型で勝利すると、彼は「まだ真の力を見せておらぬぞ」と語り、ついに真の姿である「竜の姿」を現します。
「これこそわしの誠の姿」「このわしに勝って、初戦と同じく竜王をぶち倒した勇者を名乗るがいい」と、ドラクエ1の勇者と竜王の戦いをなぞらえるような、熱い展開となります。
竜の姿となった彼は、激しい炎や強力な物理攻撃を繰り出してきます。 第1戦とは比較にならない強さなので、スクルトやフバーハで守りを固めつつ、ルカニで守備力を下げてから総攻撃をかけるのが定石でしょう。 HP管理には細心の注意を払ってください。
聖なる力の継承:「ロトの流剣」の誕生
激戦の末、竜型の竜王のひ孫に勝利すると、彼は主人公たちの実力を認め、感謝の言葉を述べます。 しかし同時に、彼は「強い闇」を感じ取ります。 それは「ハーゴンではない。ハーゴンに似て非なるもの。いや、ハーゴンの影に潜んでいる」と語ります。
そして、その「これほどの闇の力」に対抗するため、竜王のひ孫は主人公たちに「我が竜の地に宿る聖なる力」を与えることを決意します。 「どんな闇をも切り裂く力を、勇者の剣に宿すのだ」 彼の聖なる力によって、主人公が持つ「ロトのつるぎ」は、より強力な「ロトの流剣(りゅうけん)」へと進化します。
(※文字起こしでは「ロトの流居」と聞こえますが、文脈から「流剣」が妥当と判断します)
この「ロトの流剣」こそが、真のエンディングルートに進むための、そして真の裏ボスと戦うための「鍵」となるアイテムです。 これを入手した時点で、フラグは成立です。
最終決戦:ハーゴン、そして破壊神シドーの撃破
「ロトの流剣」を手にしたら、いよいよハーゴンの城へ向かいます。 城の構造や、ハーゴン神殿での幻術(ローレシア王のダミーなど)はオリジナル版と概ね同じ流れでしょう。
最深部で大神官ハーゴンと対峙します。 ここでの会話も、オリジナル版と似ていますが、文字起こしでは「女王様」という単語への言及があり、真エンドルートではハーゴンのセリフにも若干の変化があることが伺えます。
ハーゴン戦は、「ロトの流剣」を手に入れたパーティにとっては、もはや敵ではありません。 サクッと倒してしまいましょう。
そして、ハーゴンはオリジナル版と同様に、自らの命と引き換えに破壊神シドーを召喚します。 「何もかも無に返す。破壊の神シドーよ。今ここに生贄を捧げよう」 ここでのシドー戦も、基本的な流れは同じです。 ベホマで全回復する厄介さは健在ですが、パーティのレベルも上がり、強力な「ロトの流剣」もあるため、オリジナル版ほどの絶望的な強さではないかもしれません。 しっかりと準備を整えて挑めば、必ず勝利できるはずです。
運命の分岐点:シドー撃破後に訪れる「真の絶望」
さて、ここからが運命の分岐点です。 通常ルート(フラグ未達成)であれば、シドーを倒した時点で戦闘は終了し、エンディングへと移行します。
 
しかし、「ロトの流剣」を持っている(フラグ達成済み)場合、シドーを倒しても戦闘BGMが鳴り止みません。 「やった。」「これで…」と安堵する仲間たち。 しかし、画面が暗転し、不気味な声が響き渡ります。
「まだ消えぬ。」 「まだ終わらぬ。」 「大いなる闇の力は…」
何事かと驚く主人公たちの足元に、突如として闇の裂け目が出現。 パーティ全員が、なすすべもなくその闇の中へと吸い込まれてしまいます。 「みんな落ちないように気をつけて!」「ここすごい体が重い…」 仲間たちの悲鳴が響き渡る中、一行は謎の異空間へと飛ばされてしまいます。
導きの光:ルビスとラーミアの登場
飛ばされた先は、闇に包まれた異空間。 体が重く、身動きが取れない絶望的な状況の中、主人公の心の光に応え、精霊ルビスの声が響きます。 「勇者たちよ。あなたの心の光が、闇に覆われたこの世界へ私を導いてくれました」
さらに驚くべきことに、ルビスの導きと共に現れたのは、あの『ドラゴンクエスト3』に登場した伝説の不死鳥「ラーミア」でした。
(※文字起こしでは「ミラ。え、ラーメンだ」と聞こえていますが、状況(浮いている、傷が消えていく)やドラクエ3との関連性から、ラーミアであることはほぼ間違いないでしょう)
ラーミアの光がパーティを包み込み、戦いで負った傷や状態異常をすべて回復させてくれます。 これは、ドラクエ8のラプソーン戦における「七賢者の力」を彷彿とさせる演出であり、ここからが本当の最終決戦であることを示唆しています。 ルビスは告げます。 「さあ、勇者たちよ、最後の戦いを。その手で、長きに渡る闇との戦いを終わらせるのです」
真の裏ボス「マジャラガ(闇の意思)」徹底攻略
ルビスとラーミアの導きにより、万全の状態を取り戻した主人公たちの眼前に、ついにこの世界の闇の根源たる存在が姿を現します。 その名は「マジャラガ」。 これまでのシリーズには登場しなかった、完全新規のボスです。
「暗黒の神」マジャラガの正体と能力
姿は禍々しく、巨大な異形のモンスターといった様相です。
 
マジャラガは自らを「大いなる闇」「光世界に生まれずる暗黒の神」と名乗ります。 これは、ドラクエ8の「暗黒神ラプソーン」と近い概念の存在であり、ハーゴンやシドーすらも、この「闇の意思」の手のひらの上で踊らされていたに過ぎない可能性を示しています。
戦闘開始時、マジャラガは「闇の衣」をまとっており、あらゆる攻撃が効きにくい(あるいは無効化される)状態になっています。
攻略の鍵:「ロトの流剣」による「闇の衣」の無効化
この「闇の衣」をどう攻略するか。 ここで、あの「ロトの流剣」が真価を発揮します。
戦闘が始まったら、まずは主人公の行動で、道具として「ロトの流剣」を使用します。 (※文字起こしでも「ロトのやつ、闇のやつを払って」「来た。やっぱ闇の転もこれで剥がすんだ」と確信を持って使用しています)
「ロトの流剣」が聖なる光を放つと、マジャラガの「闇の衣」は打ち破られます。 マジャラガは「またしても我が闇の衣を打ち破るか」と驚愕し、ここで初めてボスにダメージが通るようになります。 このギミックを知らなければ、まず勝利は不可能です。 竜王のひ孫の試練は、この瞬間のためにあったのです。
第1形態の攻略法と推奨行動
衣を剥がした後のマジャラガ(第1形態)は、まだ本気ではありません。 しかし、「闇の波動」による状態異常や、高威力の全体攻撃を仕掛けてきます。 文字起こしでは「ベホマ使うんだ。8000回復くらい」とあるため、HP回復能力も持っているようです。
ここは焦らず、まずはムーンブルクの王女が「キラポン(※リメイク版での追加呪文か、あるいは光のカーテンなどのアイテムか)」や「スクルト」「フバーハ」で守りを固めるのが賢明です。 サマルトリアの王子は「ルカニ」が有効(文字起こしで「下がった」と確認)なので、守備力を下げて物理攻撃のダメージ効率を上げましょう。 主人公は「精神統一」(※リメイク版での新とくぎ?)からの「渾身斬り」や「超はやぶさ斬り」などで、着実にダメージを与えていきます。
第2形態(本番)の攻略法と注意点
第1形態のHPを一定量削ると、マジャラガは「全身から闇の力が溢れ出す」というメッセージと共に、さらに禍々しい姿(第2形態)へと変貌します。
ここからが本番です。
攻撃パターンが激化し、おそらく「精神統一」からの強力な一撃なども使ってくるでしょう。 文字起こしでは「やべえな」「ルカニが通るかわかんないけど」と、プレイヤー(評論家)も警戒を強めています。
第2形態でも基本的な戦術は変わりません。
- ムーンブルクの王女: 回復(ベホマラー)と補助呪文(キラポン、スクルト)の維持を最優先。手が空けば攻撃呪文(イオナズンなど)も。
- サマルトリアの王子: ルカニの維持。第1形態で効いたなら第2形態でも効く可能性は高いです。あとは回復補助と「いなずまのけん」などでの攻撃。
- ローレシアの王子: 「精神統一」からの「大竜(だいりゅう)打ち」や「全身全霊斬り」など、最大火力を叩き込み続けます。
第2形態は非常にタフですが、文字起こしを見る限り、回復を怠らなければ十分に渡り合える相手のようです。 「もう黄色早いな」「次のターンで多分第2形態終わりそう」とあるように、衣さえ剥がしてしまえば、あとは火力で押し切ることが可能なボスと言えます。
評論家が推奨するパーティ編成と装備
この真の裏ボス「マジャラガ」戦は、長期戦が予想されます。 推奨レベルは、おそらく80~90以上は欲しいところでしょう。
- ローレシアの王子: 攻撃の要。装備は「ロトの流剣」「ロトのよろい」「ロトのかぶと」「ロトのたて」。アクセサリーは「ちからのゆびわ」などで攻撃力を底上げしたいです。
- サマルトリアの王子: 補助とサブアタッカー。「ルカニ」は必須。「いなずまのけん」や「はやぶさのけん」で攻撃にも参加。「みずのはごろも」などで呪文耐性を。
- ムーンブルクの王女: 回復と補助の要。MPが枯渇しないよう「ふしぎなぼうし」や「いのりのゆびわ」は必須。「みずのはごろも」はもちろん、「まよけのすず」などで状態異常耐性を高めるのも重要です。
特にムーンブルクの王女が倒されると一気に崩れるため、彼女のHPとMP管理が勝利の最大の鍵となります。
衝撃の結末|真のエンディングで明かされる物語の真相(ネタバレ)
死闘の末、ついに真の裏ボス「マジャラガ(闇の意思)」を撃破した主人公たち。 しかし、その直後、彼らは信じられない光景を目の当たりにします。 それは、この戦いの元凶であったはずの「大神官ハーゴン」の、悲しき過去のビジョンでした。
暴かれるハーゴンの悲しき過去:「女王様」への思慕
マジャラガが消滅した後、空間にハーゴンの残滓(ざんし)とも言える思念が流れ込んできます。 それは、彼がまだ闇に堕ちる前の記憶のようでした。
ビジョンの中で、ハーゴンは「女王様」と呼ばれる存在に仕えていました。 「女王様、どこに?」「私は ここ…」 しかし、その「女王様」は命を落としかけています。 「女王様はご自身でも先は長くない。別れの時は近いと…」 ハーゴンは「違う、違う、違う!そんなことあってはならん!」と絶叫します。
この「女王様」とは一体誰なのか。 文字起こしの「ハーボットの卵を」という言葉や、前述の「竜王のひ孫」のイベントラインを踏まえると、この女王は『ドラクエ3』に登場した「竜の女王」である可能性が極めて高いです。
ハーゴンは、かつて竜の女王に仕える神官だったのかもしれません。
すべての元凶?ハーゴンが闇に堕ちた理由
ビジョンは続きます。 ハーゴンは、女王が命を落とした原因を「勇者のせいだ」と断じます。 「勇者が女王様の光の玉を奪ったせいで、女王様のお命は…」 「己れ己れ!世界のためなどと言って女王様をそそのかして!」
これは、衝撃的な事実です。 『ドラクエ3』において、勇者アレルは竜の女王から「光の玉」を授けられます。 それはゾーマを倒すために必要なアイテムでしたが、ハーゴンにとっては、敬愛する女王の命を縮めた「元凶」に他なりませんでした。 彼は、世界を救ったはずの「勇者(ロト)」と、その血筋、そして彼らが守ろうとした「世界」そのものを憎むようになったのです。 これが、ハーゴンが「闇の意思(マジャラガ)」に付け入られ、悪の道へと堕ちた直接的な動機だったのです。
驚愕の事実:「ハーゴンの卵」が意味するもの
絶望の中、ハーゴンは一つの希望を見出します。 それは、女王が残した「卵」でした。 「そうだ、そうだな。ハーゴンの卵(※おそらく『竜の女王の卵』の意)を…守ればまた女王様に会えるというのか」 「この卵こそ、唯一残された、あなたとの繋がり」
そしてハーゴンは誓います。 「女王様、あなたの子を、世界を統べる偉大な竜に育て上げてみせます」 「ただ、あなたにもう一度会いたかった…」
このセリフが意味するものは、あまりにも重大です。 竜の女王が残した卵。 それをハーゴンが育て上げ、「世界を統べる偉大な竜」にする。 …そう、この卵こそが、『ドラゴンクエスト1』に登場する「竜王」その人なのです。
つまり、ハーゴンは『ドラクエ3』の時代から生きており、ロト(アレル)への復讐のために、そして敬愛する女王の忘れ形見である竜王を育てるために、暗躍していたことになります。 『ドラクエ2』で彼が破壊神を崇拝していたのは、『ドラクエ1』でロトの子孫に竜王が敗れたため、さらなる力(=闇の根源であるマジャラガ)を求めた結果だったのかもしれません。 ロトシリーズの歴史の裏側に、こんなにも悲しい物語が隠されていたとは…私(桐谷)も言葉を失いました。
平和の帰還:ルビスが語る「ロトの意思」
ハーゴンの悲痛な思念が消え去った後、再び精霊ルビスが現れます。 彼女は、ハーゴンとシドー、そして大いなる闇マジャラガが滅び、世界に真の平和が戻ったことを宣言します。 「あなた方こそ、ロトの意思と英知を継ぐもの」 「今回の勝利は、ロトの勇者の伝説として、永遠に語り継がれていくでしょう」
そしてルビスは、元の世界へ戻るよう促します。 「さあ、おきなさい。世界が、あなた方の帰りを待ち侘びています」 光に包まれ、主人公たちはローレシア城へと帰還します。
もう一つの結末:「王位継承」が意味するもの
真のエンディングは、ハーゴンの過去が明かされるだけでは終わりません。 ローレシア城に帰還した後、オリジナル版とは決定的に異なる、もう一つの結末が待っています。
オリジナル版との最大の違い:ローレシアの王となる勇者
仲間たちとの感動の再会、そして平和の訪れ。 涙を流す仲間たちと共に、主人公(ローレシアの王子)は父であるローレシア王のもとへ向かいます。
父王は、息子の帰還と世界の救済を心から誇らしく思います。 そして、オリジナル版にはなかった、ある重大な宣言をします。 「世界を救ったお前こそ、ローレシアを治める王にふさわしい」 「息子よ。今こそお前に、王位を譲ろう。引き受けてくれるか?」
この問いかけに対し、主人公は静かに頷きます。 オリジナル版やSFC版では、彼は王位を継がず、仲間と共に新天地を求めて旅立ちました。 しかし、HD-2D版の真のエンディングルートでは、彼は「王になること」を選んだのです。
父王は喜び、高らかに宣言します。 「皆のものも聞いたな!ローレシアの新たな王の誕生だ!」 城に集まった人々は歓喜に沸き、新たな王の誕生を祝福します。 そして、壮大な音楽と共に、スタッフロールが流れ始めるのです。
なぜ彼は旅立たなかったのか?リメイク版の新たな解釈
この「王位継承」エンドは、何を意味するのでしょうか。 オリジナル版の「旅立ち」エンドは、ロトの血筋がアレフガルドという閉ざされた世界から、新たな大地へと広がっていくことを示唆していました。 そして、その子孫たちが『ビルダーズ2』の世界を創造する…という解釈も成り立ちます。
しかし、真のエンディングで「闇の根源」マジャラガを倒し、ハーゴンの悲しき因縁すらも知った主人公は、もはや新天地を求める必要がなくなったのかもしれません。 父祖(ロト=アレル)の時代から続いてきた「闇」との戦いに、本当の意味で終止符を打った今、彼がなすべきことは、この世界に留まり、王として平和な時代を築いていくことだったのではないでしょうか。
あるいは、これはオリジナル版とは異なる「IFルート」の物語として提示されたのかもしれません。 「もし、ロトの勇者が王位を継いでいたら」という、もう一つの歴史。 どちらが正史というわけではなく、HD-2D版は『ドラクエ2』の新たな解釈を私たちに示してくれたのです。
HD-2D版『ドラクエ3』への布石となるか
この衝撃的な真のエンディング追加は、間違いなく、今後発売が予定されているHD-2D版『ドラゴンクエスト3』への強烈な布石です。
今回、ハーゴンの動機が「竜の女王」と「光の玉」に関係していたことが判明しました。 であるならば、HD-2D版『ドラクエ3』では、竜の女王やハーゴン(当時はまだ善人だった彼)に関する、さらなる深掘りや追加イベントが用意されている可能性が非常に高いです。
なぜハーゴンは、あれほどまでに竜の女王を敬愛していたのか。 勇者アレルが光の玉を受け取るシーンは、裏でハーゴンの葛藤と共に描かれることになるのかもしれません。 『ドラクエ2』の真のエンディングを知った上でHD-2D版『ドラクエ3』をプレイすることは、ロトシリーズの物語を、これまでとは全く異なる視点で見つめ直す体験となるでしょう。 今からその発売が待ち遠しくてたまりません。
まとめ
HD-2D版『ドラゴンクエスト2』に追加された「真のエンディング」は、単なるおまけ要素ではありませんでした。 それは、シドー撃破後に待ち受ける真の裏ボス「マジャラガ」との死闘であり、ハーゴンが闇に堕ちた悲しき理由と、ロトシリーズの根幹に関わる「竜王誕生の秘密」を解き明かす、衝撃的な追加シナリオでした。
そして、すべてを終えた主人公が「王位を継承する」という、オリジナル版とは異なるもう一つの結末。 このリメイクは、過去作への最大限のリスペクトと、新たな解釈への大胆な挑戦が同居した、まさに「ゲーム評論家」としてレビューし甲斐のある、素晴らしい作品に仕上がっています。
『ドラゴンクエストⅠ&Ⅱ』の発売は2025年。 そして、その先に待つ『ドラゴンクエスト3』。 HD-2Dで蘇るロトの伝説が、私たちにどのような感動と驚きを与えてくれるのか、期待は高まるばかりです。
 
											






 
							
							
							
															 
							
							
							
															 
							
							
							
															 
							
							
							
															 
							
							
							
															 
							
							
							
															 
										
					 
									 
										
										
										
																	 
										
										
										
																	 
										
										
										
																	 
										
										
										
																	 
										
										
										
																	 
										
										
										
																	 
										
										
										
																	 
										
										
										
																	