ゲーム評論家の桐谷シンジです。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、HD-2Dリメイク版『ドラゴンクエストI』で新たに追加された戦闘システム「超絶技」について、その種類や発動条件、そして具体的な使い道が気になっていると思います。
私自身、オリジナル版から数々のドラクエシリーズをプレイしてきましたが、今回のリメイクにおける「超絶技」の追加は、『I』の戦闘を根本から変える、非常にエキサイティングな新要素だと感じています。 この記事を読み終える頃には、超絶技の全てを理解し、アレフガルドでの冒険を有利に進めるための戦略が明確になっているはずです。
- 超絶技システムの完全概要
- 全15種類の超絶技詳細データ
- 状況別のおすすめ超絶技
- 超絶技を使いこなすための応用テクニック
それでは解説していきます。
超絶技とは? ドラクエ1リメイクの戦闘を革新する新システム
まずは、HD-2D版『ドラゴンクエストI』で導入された「超絶技」が、どのようなシステムなのか、その根幹から解説していきましょう。
HD-2D版ドラクエ1における超絶技の位置づけ
オリジナルのファミコン版『ドラゴンクエストI』をプレイされた方ならご存知の通り、当時の戦闘は主人公と敵モンスターが1対1で対峙する、非常にシンプルなコマンドバトルでした。 主人公が使える呪文も限られており、戦闘の基本は「こうげき」コマンドと、タイミングを見計らった「ホイミ」や「ギラ」でした。
しかし、今回のHD-2Dリメイク版では、戦闘システムに大きなメスが入っています。 最も大きな変更点は、**「敵が複数体(またはグループ)で出現する」**ようになったことです。 オリジナル版の1対1の緊張感とは異なり、リメイク版では1対多の状況をいかに捌くかが重要となります。
そこで登場するのが、この「超絶技」です。 超絶技は、単なる強力な攻撃技に留まらず、戦況を一変させる補助効果や、複数の敵を一掃する範囲攻撃など、多彩な効果を持っています。 つまり超絶技は、1対多の戦闘が基本となったリメイク版『ドラクエ1』において、主人公がたった一人で竜王軍に立ち向かうための、**「切り札」**としてデザインされた新システムなのです。
超絶技の基本的な発動メカニズム
超絶技は、通常の呪文や特技とは異なり、特定の条件を満たした時のみ発動できる奥義です。 その発動メカニズムは、いくつかのステップに分かれています。
1. 前提条件:「いのちの紋章」の入手
まず大前提として、超絶技システムを解放するためには、冒険の途中で「いのちの紋章」を入手する必要があります。 「いのちの紋章」は、オリジナル版でも登場したキーアイテムの一つで、今作ではこの紋章を手に入れた時点で、主人公が超絶技の力に目覚めることになります。
入手場所はオリジナル版と同様、ラダトームから南にある「聖なるほこら」と予想されます。 まずはストーリーを進め、この「いのちの紋章」を手に入れることが、超絶技習得の第一歩となります。
2. 必要技の習得
超絶技は、それぞれに対応する「必要技」をあらかじめ習得していなければ発動できません。 例えば、「超はやぶさ斬り」を使いたければ、その下位互換である「はやぶさ斬り」を覚えておく必要があります。
今作の主人公は、オリジナル版とは比較にならないほど多彩な特技や呪文を習得します。 これらはレベルアップ時に得られるスキルポイント(仮称)を、「スキルパネル」のような成長システムに割り振ることで習得していくものと推測されます。 どの超絶技を使いたいかをあらかじめ見据えて、計画的にスキルを解放していく戦略が求められるでしょう。
3. 発動条件の達成
必要技を覚えた上で、戦闘中に以下のいずれかの条件を満たすと、超絶技が発動可能になります。
- 条件A:主人公のHPが50%以下
- 条件B:「リホイミ」または「せいしんとういつ」を使用した次のターン以降
- 条件C:「ローラ姫の祈り」の効果中(特定の超絶技のみ)
HP50%以下という、あえてピンチの状況で発動を狙う「背水」的な戦い方と、「リホイミ」や「せいしんとういつ」といった準備行動を経て安全に発動する戦い方、二通りの戦略が選べるのが特徴です。
超絶技の具体的な出し方(操作方法)
上記の条件を満たした状態で、コマンドメニューから対応する「必要技」を選択します。 その後、特定のボタン(PS5版では□ボタン、Switch版ではYボタン)を長押しすることで、通常の技が「超絶技」に変化し、発動します。
単にボタンを押すだけでは通常の技が出てしまうため、注意が必要です。 条件を満たしている時は、コマンド欄の技名が光るなどの視覚的なサインが出ると予想されます。 戦闘中は常に主人公のHPや状態を意識し、超絶技のチャンスを逃さないようにしましょう。
【完全網羅】ドラクエ1リメイク 超絶技一覧と詳細解説
それでは、現時点で判明している全15種類の超絶技について、その効果、消費MP、必要技、発動条件を詳しく見ていきましょう。 ここでは、技の特性ごとに「補助系」「攻撃系」「特殊条件系」の3つに分類して解説します。
補助系超絶技 5選(HP50%以下 / リホイミ)
まずは、戦闘を有利に進めるための強力なバフ(強化)やデバフ(弱体化)効果を持つ超絶技です。 発動条件は「HP50%以下」または「リホイミを使用した次のターン以降」となります。
| 超絶技 | 消費MP | 必要技 | 効果 |
|---|---|---|---|
| ミラクルゾーン | 55 | マジックバリア | 数ターンの間、MPを消費しなくなる。 |
| 災禍の陣 | 16 | マホトーン | 敵1グループの守備力と呪文耐性を下げる。 |
| やいばのぼうぎょ | 25 | 大ぼうぎょ | そのターン、ぼうぎょしつつ物理攻撃されたら反撃する。 |
| 超ちからため | 12 | ちからため | 次のターンの攻撃で3倍のダメージを与える。 |
| ぶんしん | 40 | ビーストモード | 自らの分身を2体作り、同じ行動をさせる。 |
ミラクルゾーン
必要技である「マジックバリア」(呪文耐性を上げる)だけでも強力ですが、その超絶技は驚異の「MP消費0」効果。 消費MP55は重いですが、発動さえすれば、続くターンで「ベホマ(仮)」や「ギガデイン」といった強力な呪文を連発できます。 長期戦が予想されるボス戦で、MPが尽きかける中盤以降に発動できれば、戦況を一気にひっくり返せるポテンシャルを秘めています。
災禍の陣
敵1グループの守備力と呪文耐性を同時に下げる、極めて強力なデバフ技です。 オリジナル版の『I』には敵の耐性を下げる手段がほぼ無かったため、この技の追加は革命的と言えます。 ボス戦はもちろん、HPが高い強敵グループに対しても非常に有効です。 必要技が「マホトーン」というのも面白く、まずは呪文を封じ、次に守りを崩すという戦略的な流れが生まれます。
やいばのぼうぎょ
HP50%以下という発動条件と最もシナジーが高い超絶技です。 ピンチの状況で、まずは安全に「ぼうぎょ」しつつ、敵の物理攻撃に対しては「反撃」できるという、攻防一体の構えを取れます。 敵の強力な打撃が予想されるターンに合わせることで、ダメージを抑えながら追加ダメージを狙えます。
超ちからため
「ちからため」の上位互換で、次の攻撃ダメージを3倍にします。 消費MP12と非常に燃費が良く、使いやすいのが特徴です。 後述する「超はやぶさ斬り」など、強力な単体攻撃技と組み合わせることで、凄まじい瞬間火力を叩き出すことが可能です。 確実にダメージを与えたいターンや、ボスのHPを一気に削り切りたい場面での切り札となります。
ぶんしん
今回の超絶技の中でも、特にロマンと実力を兼ね備えた技でしょう。 「ビーストモード」という謎めいた必要技から繰り出されるのは、なんと「分身2体」。 つまり、次のターンから主人公は「3回行動」できるようになる可能性があります(※効果の詳細は要検証)。 もし「超はやぶさ斬り」が3回行動で繰り出されたら……想像するだけで恐ろしいダメージが期待できます。 消費MPは40と重めですが、それに見合うだけの圧倒的なリターンが期待できる、決戦奥義の一つです。
攻撃系超絶技 8選(HP50%以下 / せいしんとういつ)
次に、戦闘の主役となる攻撃系の超絶技です。 こちらの多くは、「HP50%以下」または「せいしんとういつを使用した次のターン以降」が発動条件となります。 「せいしんとういつ」は、ドラクエ他作品の仕様を踏まえると、「1ターン集中し、MPを少量回復しつつ、次に行う特技や呪文の威力を高める」効果である可能性が高いです。 安全かつ高威力で攻撃超絶技を放つための基本行動となりそうです。
| 超絶技 | 消費MP | 必要技 | 効果 |
|---|---|---|---|
| ジゴスパーク | 36 | ギガデイン | 敵全体にダメージを与え、たまにマヒ状態にさせる。 |
| まじゅう斬り | 22 | けもの突き | 敵1体にダメージ。けもの系にはダメージ増。 |
| 竜王斬り | 22 | ドラゴン斬り | 敵1体にダメージ。ドラゴン系にはダメージ増。 |
| 空裂斬 | 34 | しんくう斬り | 敵全体にダメージ。ゾンビ・物質・不定形にダメージ増。 |
| 雷光一閃突き | 30 | いなずま斬り | 攻撃が命中すると必ず会心の一撃になる。 |
| 超はやぶさ斬り | 38 | はやぶさ斬り | 敵1体に4回攻撃を行う。 |
| グランドクロス | 26 | ゾンビ斬り | 敵全体にダメージ。ゾンビ系にはダメージ増。 |
| 覇王斬 | 24 | あくま斬り | 敵全体にダメージを与える。 |
ジゴスパーク
「ギガデイン」の上位となる、雷系の最上級全体攻撃。 単なるダメージだけでなく、追加効果の「マヒ」が非常に強力です。 1対多の状況で、敵の動きを止めながら一掃できるため、雑魚戦の殲滅力が劇的に向上します。 ボスにマヒが入るかは不明ですが、取り巻きの雑魚を無力化するだけでも価値は絶大です。
まじゅう斬り / 竜王斬り / グランドクロス
特定の系統に対して絶大な威力を発揮する、いわゆる「系統特効」の超絶技です。 『ドラクエ1』の世界には、「ゴーレム」(物質系?)、「かげのきし」(ゾンビ系?)、「スターキメラ」(けもの系?)など、様々な系統の強敵が登場します。 そして何より、「竜王斬り」は、その名の通り最終ボスである「竜王」に対して特効がある可能性が極めて高いです。 それぞれの必要技も消費MPが軽そうなので、道中の雑魚戦からボスの弱点狙いまで、幅広く活躍するでしょう。
空裂斬
ゾンビ系、物質系、不定形(スライム系など)という、非常に広範囲の敵グループに特効を持つ全体攻撃。 消費MP34とやや重めですが、対応できる敵の多さから、非常に汎用性が高いメインの全体攻撃技となりそうです。 ガライの墓や岩山の洞窟など、アンデッドや物質系モンスターが多く出現するダンジョンで猛威を振るうことでしょう。
雷光一閃突き
「必ず会心の一撃になる」という、一点突破型の強力な技です。 これが真価を発揮するのは、もし今作にも「メタルスライム」が登場し、オリジナル版以上に経験値稼ぎの重要性が増している場合です。 逃げられる前に確実に仕留めるための、メタル狩り最終兵器となる可能性があります。 もちろん、メタル系でなくとも、守備力が異常に高い敵(「だいまじん」など)に対しても貫通ダメージを与えられるため、ボス戦でも有効な選択肢となります。
超はやぶさ斬り
「はやぶさ斬り」が2回攻撃であるのに対し、その倍の「4回攻撃」を叩き込む、単体火力最強の超絶技です。 「超ちからため」や「ぶんしん」と組み合わせた際のダメージは、まさに圧巻の一言でしょう。 ボス戦において、いかにこの技を叩き込むかが攻略の鍵を握ると言っても過言ではありません。 習得への道のりは遠そうですが、最優先で目指したい奥義の一つです。
覇王斬
必要技「あくま斬り」から放たれる全体攻撃。 「グランドクロス」や「空裂斬」と異なり、系統特効の記述がありませんが、その分、あらゆる敵に安定した全体ダメージを与えられる可能性があります。 消費MPも24と攻撃系全体技としては最も軽いため、雑魚散らしの「燃費技」として重宝するかもしれません。 あるいは、「あくま斬り」の上位として、あくま系に絶大なダメージを与えつつ、その他にもダメージが入る技という可能性も考えられます。
特殊条件(ローラ姫)超絶技 2選
最後に、発動条件が特殊な2つの超絶技です。 これらは「ローラ姫の祈りの効果中」にのみ発動可能となります。 「ローラ姫の祈り」とは、ローラ姫を救出した後、特定の戦闘(例えば竜王戦など)において、ローラ姫が主人公を応援し、特殊なバフ(強化効果)をかけてくれる状態を指すと思われます。 最終決戦を盛り上げる、イベント的な側面も持つ強力な奥義でしょう。
| 超絶技 | 消費MP | 必要技 | 効果 |
|---|---|---|---|
| 姫祈りベギラゴン | 40 | ベギラゴン | 強化されたベギラゴンで敵全体にダメージ。 |
| ギガブレイク | 55 | ギガスラッシュ | ギガスラッシュの上位互換。敵全体にダメージ。 |
姫祈りベギラゴン
オリジナル版でも主人公の最強呪文だった「ベギラマ」(今作ではベギラゴンまで習得?)が、ローラ姫の祈りによってさらに強化されます。 消費MP40で、おそらく「ジゴスパーク」に匹敵するか、それを超える威力の全体ダメージを叩き出す、決戦用の呪文となるでしょう。
ギガブレイク
勇者の代名詞とも言える「ギガスラッシュ」の、さらに上位となる究極の全体攻撃技。 消費MP55は全超絶技中最大ですが、その威力はまさに桁違いであると予想されます。 竜王が変身した後の姿や、その取り巻きを一掃するための、最後の切り札として眩い光を放ってくれるはずです。
超絶技を使いこなす!上級者向けテクニックと戦略
超絶技の種類と効果を理解したところで、次はこれらを「いかに使いこなすか」という戦略的な側面に踏み込みます。 ゲーム評論家として、やり込みを見据えた上での応用テクニックを伝授しましょう。
HP管理の極意「HP50%以下」を維持する戦略
超絶技の多くは「HP50%以下」で発動できます。 これは、あえてHPを低い状態(いわゆる「背水」の状態)で維持しながら戦うことにメリットがあることを示しています。
「やいばのぼうぎょ」とのシナジー
この戦術の核となるのが、補助系超絶技「やいばのぼうぎょ」です。 HPが低い状態は敵の攻撃で倒されるリスクと隣り合わせですが、この技を使えば、ダメージを軽減しつつ反撃まで可能です。 「HPが低い → 敵の攻撃ターンに『やいばのぼうぎょ』を発動 → 反撃でダメージを与えつつ生存 → 次の自分のターンで攻撃系超絶技を発動」 このような華麗なコンボが成立します。
回復タイミングの見極め
常にHPを赤くしておくのは危険ですが、回復しすぎると超絶技が発動できません。 重要なのは、敵の最大ダメージを把握し、「一撃で倒されない」ギリギリのラインを見極めることです。 例えば、「ベホイミ」(仮)ではなく、あえて回復量の少ない「ホイミ」を使うことで、HP50%以下を維持しつつ立て直すといった、繊細なHP管理が求められます。
安全に超絶技を発動する「リホイミ」「せいしんとういつ」活用術
「背水」戦術はハイリスク・ハイリターンですが、安全に超絶技を使いたい場面も多いはずです。 そのための準備行動が「リホイミ」と「せいしんとういつ」です。
補助系超絶技の起点「リホイミ」
「リホイミ」は、数ターンの間、自動でHPが回復していく呪文でしょう。 これを使用すると、次のターンから補助系の超絶技(ミラクルゾーン、災禍の陣など)が発動可能になります。 ボス戦の序盤で、まずは「リホイミ」をかけ、次のターンに「災禍の陣」でデバフを入れ、その次に「マジックバリア」から「ミラクルゾーン」を狙う……といった、緻密な戦略の起点となります。 1ターン準備に使うコストはありますが、HPを安全に保ったまま強力な補助効果を得られるメリットは計り知れません。
攻撃系超絶技の起点「せいしんとういつ」
攻撃系超絶技の多くに対応するのが「せいしんとういつ」です。 これは「1ターンためて、次ターンの特技・呪文威力アップ+MP回復」という効果が濃厚です。 つまり、「せいしんとういつ」→「超はやぶさ斬り」と繋げることで、威力が増強された超絶技を、安全かつMP効率良く放てる可能性が高いです。 特にボス戦では、敵の行動パターンを読み、「安全に行動できる」ターンに「せいしんとういつ」を挟み、次の大技に備えるのが基本戦術となるでしょう。
シナリオ攻略別 おすすめ超絶技(習得優先度)
今作のスキルシステム(仮)を考慮し、どの超絶技から目指すべきか、攻略のヒントを提示します。
序盤〜中盤(いのちの紋章 入手後)
この時期は、1対多の雑魚戦をいかに効率よく突破するかが鍵となります。
- 最優先候補:「空裂斬」(必要技:しんくう斬り)
- 特効範囲が広く、多くのダンジョンで活躍します。
- まずは「しんくう斬り」を目指してスキルを振っていくのがおすすめです。
- 次点:「ジゴスパーク」(必要技:ギガデイン)
- 全体攻撃+マヒは強力無比。ただし、「ギガデイン」の習得が中盤以降になる可能性もあります。
- 対メタル(仮):「雷光一閃突き」(必要技:いなずま斬り)
- もしメタルスライムによるレベル上げが有効なら、真っ先に習得したい技です。
ボス戦特化
ゴーレムや竜王など、強力なボスとの戦いに備えるなら、単体火力を高めるべきです。
- 最優先候補:「超はやぶさ斬り」(必要技:はやぶさ斬り)
- 単体火力最強技。これを習得するだけでボス戦の難易度が激変するはずです。
- デバフ要員:「災禍の陣」(必要技:マホトーン)
- ボスにデバフが有効な場合、必須級の超絶技となります。
- MP対策:「ミラクルゾーン」(必要技:マジックバリア)
- 長期戦に備え、「マジックバリア」のルートも伸ばしておくと安心です。
ドラクエ1リメイク その他の新要素と超絶技の関連性
最後に、超絶技の導入が、ゲーム全体の他の要素とどう関連しているかを考察します。
「1対多」の戦闘が生み出す戦略性
前述の通り、今作は「1対多」が基本です。 これにより、オリジナル版には無かった「どの敵から倒すか」「全体攻撃で一掃するか、厄介な敵を単体攻撃で集中狙いするか」という戦略性が生まれました。 超絶技は、この戦略性に更なる深みを与えます。 「ジゴスパーク」で全体を足止めしつつ、「超はやぶさ斬り」で呪文を使う敵を先に潰す、といった戦術が可能になるのです。
特技・呪文システムの刷新と「育てる」楽しさ
超絶技の前提となる「必要技」の存在は、主人公の成長システムがオリジナル版から完全に刷新されていることを意味します。 レベルを上げれば自動的に呪文を覚えたオリジナル版とは異なり、リメイク版では「どのスキルを習得し、どの超絶技を目指すか」をプレイヤー自身が選択することになります。 これにより、「自分だけの主人公を育てる」という、近年のドラクエ作品が持つ育成の楽しさが『I』にも加わりました。
HD-2Dグラフィックとド派手な演出
忘れてはならないのが、HD-2Dで描かれる戦闘演出です。 オリジナルのドット絵も味がありましたが、HD-2Dで描かれる「ギガブレイク」や「ジゴスパーク」は、間違いなく息を呑むような迫力となるでしょう。 超絶技は、性能面だけでなく、「使っていて楽しい」「見ているだけでワクワクする」という、リメイク版の魅力を最大限に引き出すための演出装置としても機能しているのです。
まとめ
HD-2D版『ドラゴンクエストI』に導入された新要素「超絶技」は、単なる追加攻撃ではありません。 「1対多」の戦闘システムへの変更に伴い、オリジナル版のゲーム性を根本から進化させ、現代のRPGとしてふさわしい奥深い戦略性を与えるための、見事な「解」だと私は評価しています。
HP管理によるリスクとリターン、準備行動からのコンボ、そしてスキル習得の計画性。 これら全てが絡み合い、『I』の戦闘を、単調な作業からエキサイティングな駆け引きへと昇華させています。
本記事で解説した全15種類の超絶技の特性を理解し、自分なりの戦略を組み立てて、ぜひHD-2Dで蘇ったアレフガルドの冒険、そして竜王との決戦を存分に楽しんでください。






