ゲーム評論家の桐谷シンジです。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、HD-2D版として生まれ変わる「ドラゴンクエストI&II」に、ついに実装されるボイスキャスト、特に「ドラクエ1」の声優陣について詳細な情報が気になっていると思います。
この記事を読み終える頃には、HD-2D版「ドラゴンクエストI」に起用された声優陣の豪華な顔ぶれと、彼ら彼女らの確かな実力、そして「ドラゴンクエストII」のキャストも含めた「ロト三部作」への期待に関する疑問が解決しているはずです。
- HD-2D版ドラクエ1&2の豪華声優キャスト一覧
- 各声優の経歴と圧倒的な実績(代表作)を深掘り
- ドラクエ1の主要キャスト4名を徹底解説
- ドラクエ2の主要キャスト4名も併せて紹介
それでは解説していきます。
HD-2D版「ドラゴンクエストI&II」とボイス実装の衝撃
まずは今回発表されたHD-2D版「ドラゴンクエストI&II」が、我々ゲームファンにとってどれほどのインパクトを持っているのか、そして「ボイスの実装」が何を意味するのかについて、私の見解を述べさせていただきます。
HD-2D版「ドラゴンクエストI&II」とは?
2024年6月19日に放送された「Nintendo Direct」にて、HD-2D版「ドラゴンクエストIII そして伝説へ…」の発売日が2024年11月14日(木)であることが発表されました。 これだけでもビッグニュースですが、さらに驚くべき発表が続きました。 それが、ロト三部作の時系列における続きの物語である「ドラゴンクエストI&II」もHD-2D版として開発中であり、2025年に発売が予定されているというのです。
HD-2Dとは、スクウェア・エニックスが「オクトパストラベラー」などで用いてきた、ドット絵のキャラクターと3Dの背景を融合させた美しいグラフィック表現です。 これが「ドラゴンクエスト」の原点である「I」と「II」に採用されるというのですから、期待せずにはいられません。
「ドラゴンクエストI」がファミリーコンピュータで発売されたのは1986年。 「II」は1987年。 私がまだゲームの可能性に夢中になっていた時代です。 これらの作品が、現代の技術でどのように蘇るのか。 グラフィックや音楽の進化はもちろんですが、今回の最大のトピックは「フルボイス対応」です。
なぜ今、「ドラクエI」にボイスが実装されるのか?
「ドラゴンクエスト」シリーズ本編において、キャラクターボイスが本格的に導入されたのは、ニンテンドー3DS版「ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君」からでした。 続く「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて S」では、豪華声優陣によるフルボイスが大きな話題となり、キャラクターの魅力や物語への没入感を飛躍的に高めることに成功しました。
しかし、シリーズの原点である「I」と「II」は、そのゲームデザインのシンプルさゆえに、ボイスとは無縁の世界でした。 主人公は「はい」「いいえ」すら言わず(選択肢は出ますが)、テキストが中心のRPGでした。
そこに今回、ボイスが実装される。 これは単なるリメイクの追加要素ではなく、「ドラゴンクエスト」という物語体験の「再定義」と言っても過言ではないでしょう。 特に「I」は、主人公とローラ姫、そして竜王という、非常に限られた登場人物で紡がれる物語です。 そこに声が乗ることで、彼らの感情の機微、世界の深刻さ、そして勝利のカタルシスが、オリジナル版とは比較にならないほど深くプレイヤーに刻まれることになります。
ボイス実装に対するファンの反応と期待
この発表を受け、SNSやゲームコミュニティでは賛否両論……かと思いきや、驚くほど「賛成」や「期待」の声が多く見受けられました。 もちろん、「ドラクエはテキストで想像するのが良い」という伝統的なファンの声も尊重されるべきです。
しかし、それ以上に「あのローラ姫がどんな声で『ゆうしゃさま』と呼ぶのか」「竜王の『世界の半分をやろう』が聴けるのか」といった、新しい体験への渇望が上回っているように感じます。 そして、その期待に応えるかのように発表された声優陣は、まさに現在の日本のアニメ・ゲーム業界を牽引する、これ以上ないほどの豪華な布陣でした。
【ドラクエ1リメイク】主要キャラクター声優一覧と詳細解説
それでは、HD-2D版「ドラゴンクエストI」の世界に命を吹き込む声優陣と、彼ら彼女らの輝かしい実績について、徹底的に解説していきましょう。 情報ソース①で挙げられている代表作だけでは語り尽くせない、その奥深い魅力に迫ります。
主人公 CV: 花江夏樹(はなえ なつき)
「ドラゴンクエストI」の主人公、すなわちロトの血を引く勇者を演じるのは、今や日本を代表する声優の一人である花江夏樹さんです。
花江夏樹さんの経歴と実績
花江さんは、その柔らかくも芯のある声質で、少年から青年まで幅広い役柄を演じ分ける実力派です。 2011年に声優デビューを果たして以来、瞬く間に頭角を現し、数々の人気作品で主演を務めてきました。 特筆すべきはその受賞歴で、「第9回声優アワード」で新人男優賞を、「第11回声優アワード」ではパーソナリティ賞を、そして「第14回声優アワード」では主演男優賞を受賞するという快挙を成し遂げています。 これは彼の人気と実力の両方が、業界内外から高く評価されている証拠です。
花江夏樹さんの主な代表作と演じたキャラクター
情報ソース①にもある通り、彼の名を一躍世に知らしめたのは「鬼滅の刃」の竈門炭治郎役でしょう。
- 「鬼滅の刃」:竈門炭治郎(かまど たんじろう) 家族を鬼に殺され、妹を鬼に変えられた主人公。 花江さんの演技は、炭治郎の優しさ、生真面目さ、そして困難に立ち向かう不屈の闘志を見事に表現しています。 特に、戦闘中のシリアスな演技と、日常シーンでのコミカルな演技のギャップは、彼の高い技術力を示しています。 「I」の主人公は喋りませんが、勇者として一人で旅立つ決意や、強大な敵に立ち向かう姿は、炭治郎と通じるものがあるかもしれません。
- 「東京喰種トーキョーグール」:金木研(かねき けん) 平凡な大学生から一転、人を喰らう「喰種(グール)」になってしまう主人公。 初期の気弱な青年から、過酷な運命に翻弄され苦悩し、やがて冷徹な覚醒を遂げるまでの変貌を、花江さんはまさに圧巻の演技で表現しました。 特に、精神的に追い詰められた際の叫びや、葛藤する内面の描写は、多くの視聴者に衝撃を与えました。 この作品で彼のファンになったという方も多いのではないでしょうか。
- 「四月は君の嘘」:有馬公生(ありま こうせい) 母の死をきっかけにピアノが弾けなくなった元天才ピアニストの少年。 ヒロインとの出会いを通じて、再び音楽の世界と向き合っていく繊細な心の動きを、花江さんは見事に演じきりました。 モノローグ(心の声)が多く、彼の声の持つ透明感と表現力が存分に発揮された作品です。
他にも「アルドノア・ゼロ」の界塚伊奈帆、「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」のビスケット・グリフォン、「あんさんぶるスターズ!」の巴日和など、枚挙にいとまがありません。
ドラクエ1主人公としての期待
「ドラゴンクエストI」の主人公は、プレイヤーの分身であり、台詞がありません。 しかし、HD-2D版では、戦闘中の掛け声や、特定のシーンでの息遣いなどで、その存在感を示すことになるでしょう。 花江さんの持つ、誠実さと強さを併せ持った声は、アレフガルドを救うために立ち上がった若き勇者のイメージに完璧にマッチしています。 彼の声が、あの広大で孤独な冒険に、どれほどの勇気と彩りを加えてくれるのか、今から楽しみでなりません。
ローラ姫 CV: 茅野愛衣(かやの あい)
竜王にさらわれたラダトームの王女、ローラ姫。 彼女を救い出すことが、冒険の大きな目的の一つです。 このヒロインを演じるのが、癒し系の声質で絶大な人気を誇る茅野愛衣さんです。
茅野愛衣さんの経歴と実績
茅野さんは、その透明感のある優しい声で、多くのアニメファンを魅了してきました。 デビューは2010年。 翌2011年には「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」のヒロイン・本間芽衣子(めんま)役で大ブレイク。 「第6回声優アワード」で新人女優賞を受賞しています。 おっとりとした役柄から、知的でクールな役、さらには芯の強い戦うヒロインまで、その演技の幅は非常に広いです。
茅野愛衣さんの主な代表作と演じたキャラクター
情報ソース①で挙げられた作品群も、彼女のキャリアを語る上で欠かせないものばかりです。
- 「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」:本間芽衣子(ほんま めいこ / めんま) 彼女の出世作であり、代名詞とも言えるキャラクター。 幼馴染たちの前に幽霊として現れる少女。 茅野さんの持つ独特のふんわりとした、それでいてどこか儚げな声質が、めんまというキャラクターの魅力を最大限に引き出しました。 「見つかっちゃった」の台詞は、多くのアニメファンの心に刻まれています。
- 「ギルティクラウン」:楪いのり(ゆずりは いのり) ミステリアスなヒロインであり、歌姫でもある。 感情の起伏が少ないクールな側面と、主人公と出会い徐々に人間らしい感情を芽生えさせていく過程を、繊細な演技で表現しました。
- 「冴えない彼女の育てかた」:霞ヶ丘詩羽(かすみがおか うたは) 一見クールビューティーな優等生だが、内面は毒舌で情熱的なラノベ作家。 茅野さんの「お姉さん」ボイスの魅力が存分に発揮された役柄で、主人公を翻弄する妖艶な演技は多くのファンを生み出しました。 情報ソース①の「冴えカノ」のもう一人のヒロイン、加藤恵は後述の安野希世乃さんが演じており、声優ファンの間では「共演」も話題になるかもしれません。
- 「無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜」:シルフィエット 主人公の幼馴染。 少年のような容姿(と声)から、成長して可憐な女性へと変貌していく様を、長期間にわたって演じ分けています。 茅野さんの演技の引き出しの多さが光る役柄です。
ドラクエ1ローラ姫としての期待
ローラ姫は、ドラクエシリーズにおける「囚われのヒロイン」の元祖です。 オリジナル版では「よくぞ きてくれました」「わたくしを おしろまで つれていって」といった数少ない台詞でしか彼女を知ることはできませんでした。 茅野さんの優しく、気品あふれる声が乗ることで、ローラ姫の健気さ、勇者を待ちわびる切実な想い、そして救出された時の喜びが、より一層リアルに伝わってくるはずです。 彼女の声が、勇者の冒険の大きなモチベーションになることは間違いないでしょう。
精霊ルビス CV: 安野希世乃(やすの きよの)
ロト三部作の世界「アレフガルド」を創造したとされる精霊ルビス。 「I」では直接的な登場は少ないかもしれませんが、世界観の根幹を成す非常に重要な存在です。 この神秘的な役柄を演じるのは、声優としてもアーティストとしても活躍する安野希世乃さんです。
安野希世乃さんの経歴と実績
安野さんは、声優業だけでなく、歌手活動や舞台など、多方面でその才能を発揮しています。 声優としては、2011年から本格的に活動を開始。 柔らかく、聴く者を包み込むような心地よい声質が特徴で、ヒロインからサポート役まで幅広くこなします。 特に「歌唱力」には定評があり、キャラクターソングや自身のアーティスト活動でも高い評価を得ています。
安野希世乃さんの主な代表作と演じたキャラクター
安野さんを語る上で外せないのが、情報ソース①にもある「冴えカノ」の加藤恵です。
- 「冴えない彼女の育てかた」:加藤恵(かとう めぐみ) 「メインヒロイン」でありながら、当初は個性がない「ステルスヒロイン」。 安野さんは、この「普通っぽさ」を演じるという非常に難易度の高い役柄を見事にこなし、物語が進むにつれて感情豊かになっていく加藤恵の成長を、卓越した演技力で表現しました。 この役で彼女のファンになった人は数知れません。
- 「マクロスΔ(デルタ)」:カナメ・バッカニア 戦術音楽ユニット「ワルキューレ」のリーダー。 安野さんの卓越した歌唱力が存分に発揮された役柄です。 リーダーとしての包容力と、時折見せる弱さを併せ持った大人の女性を演じ、多くのマクロスファンを魅了しました。
- 「アイカツ!」:北大路さくら(きたおおじ さくら) 名門歌舞伎役者の家系に生まれ、おっとりとした大和撫子。 安野さんの持つ「和」の雰囲気と、柔らかな声質がぴったりとハマった役柄でした。
- 「うしおととら」:井上真由子(いのうえ まゆこ) 主人公の幼馴染の一人。 快活な少女時代から、物語の核心に関わるシリアスな運命に巻き込まれていく様を演じきりました。
ドラクエ1精霊ルビスとしての期待
精霊ルビスは、アレフガルドの創造主であり、プレイヤーを導く存在です。 その声には、神聖さ、慈愛、そして時には厳しさも求められるでしょう。 安野さんの持つ、透明感と包容力に満ちた声は、まさに精霊ルビスのイメージにふさわしいと言えます。 彼女の声が、勇者の冒険をどのように導き、見守ってくれるのか。 「III」での登場がメインになるかと思いきや、「I」の時点で起用が発表されたということは、物語の導入や重要な局面で、その声を聞くことができるのかもしれません。
夢の妖精 CV: 恒松あゆみ(つねまつ あゆみ)
「夢の妖精」という役柄は、オリジナル版には明確には登場しなかったキャラクター(あるいは役割)かもしれません。 HD-2D版オリジナルの案内役、あるいは特定のイベントに関わる重要な存在である可能性が高いです。 演じるのは、ベテランの域に達する実力派、恒松あゆみさんです。
恒松あゆみさんの経歴と実績
恒松さんは、アニメ声優としてはもちろんのこと、洋画の吹き替えやナレーションでも幅広く活躍されている、非常に安定感のある声優です。 その落ち着いた知的な声質は、多くの作品で信頼感のある役柄を任されてきました。 デビューは2000年代初頭とキャリアも長く、その実力は折り紙付きです。
恒松あゆみさんの主な代表作と演じたキャラクター
恒松さんのキャリアは多岐にわたりますが、情報ソース①で挙げられた作品は彼女の代表作の一部です。
- 「機動戦士ガンダムOO(ダブルオー)」:マリナ・イスマイール アザディスタン王国の王女(姫)。 戦争根絶を願う平和主義者であり、物語のヒロインの一人です。 恒松さんの持つ、気品と芯の強さを感じさせる声が、マリナの信念の強さを見事に表現していました。 「ドラクエI」で奇しくも二人目の「姫」を演じることになります(一人はローラ姫)。
- 「ガンパレード・オーケストラ」:金城美姫(きんじょう みき) ゲーム・アニメが展開された作品。 恒松さんは、この作品で主要キャラクターの一人を演じ、キャリアの初期において重要な役割を果たしました。
- 「でんぢゃらすじーさん」:孫 これは非常に意表を突くキャスティングですが、彼女の演技の幅広さを示す一例です。 ハイテンションなギャグアニメの主要キャラクター(ツッコミ役)を、見事に演じきっています。 シリアスな役からギャグまでこなせる、まさにプロフェッショナルです。
洋画吹き替えでは、「アバター」のネイティリ役(ゾーイ・サルダナ)や、「Glee」のクイン・ファブレイ役(ディアナ・アグロン)など、多くの有名女優の声を担当されています。
ドラクエ1夢の妖精としての期待
「夢の妖精」という役名からは、神秘的でありながらも、プレイヤーに寄り添う案内役のような存在が想像されます。 恒松さんの落ち着いた知的な声は、プレイヤーに的確なアドバイスを与えたり、物語の世界観を解説したりするナレーター的な役割にも最適です。 あるいは、主人公が迷った時に「夢」という形でヒントを与える存在かもしれません。 彼女の安定した演技が、HD-2D版「ドラクエI」の物語に深みと安心感を与えてくれることでしょう。
【ドラクエ2リメイク】主要キャラクター声優一覧と詳細解説
「ドラゴンクエストI」の発表と同時に、「II」の声優陣も発表されました。 「I」から100年後の世界を舞台に、今度は3人の仲間(パーティー)で冒険を繰り広げる物語。 こちらも「I」に負けず劣らず、超豪華なキャストとなっています。
ローレシアの王子 CV: 内田雄馬(うちだ ゆうま)
「II」の主人公であり、ロトの血を引く勇者。「I」の主人公の子孫です。 演じるのは、今最も勢いのある男性声優の一人、内田雄馬さんです。
内田雄馬さんの経歴と実績
内田雄馬さんは、その爽やかでパワフルな声質で、熱血漢の主人公からクールなライバルまで幅広く演じ分けます。 実姉が同じく声優の内田真礼さんであることも有名です。 2013年にデビュー後、着実にキャリアを重ね、「第11回声優アワード」で新人男優賞を、「第13回声優アワード」では主演男優賞を受賞。 歌手活動も精力的で、その高い歌唱力とパフォーマンスでも多くのファンを魅了しています。
内田雄馬さんの主な代表作と演じたキャラクター
- 「呪術廻戦」:伏黒恵(ふしぐろ めぐみ) 情報ソース①にもある通り、彼を代表する役柄の一つ。 クールで常に冷静沈着な呪術師。 内田さんの低めで落ち着いたトーンの演技が、伏黒の知的な魅力を引き立てています。 ローレシアの王子も、王族としての落ち着きと、ハーゴンを倒すという強い意志を持つキャラクターであり、通じる部分があるかもしれません。
- 「ブルーロック」:御影玲王(みかげ れお) 大企業の御曹司であり、何でもこなす天才。 自信家でありながらも、相棒への強い執着を見せる複雑なキャラクター。 内田さんの多彩な演技が光る役柄です。
- 「アイドルマスター SideM」:桜庭薫(さくらば かおる) 元医者という異色の経歴を持つアイドル。 クールで完璧主義者だが、仲間思いの一面も持つ。 内田さんの歌唱力も存分に発揮されています。
ドラクエ2ローレシアの王子としての期待
ローレシアの王子は、「I」の主人公と異なり、仲間を率いるリーダーとしての側面が強くなります。 内田雄馬さんの持つ、若々しさと力強さ、そして仲間を導くリーダーシップを感じさせる声は、まさに適役。 「I」の花江夏樹さんとはまた違った、熱血漢の勇者像を見せてくれるのではないかと期待しています。 戦闘中の掛け声も、より力強いものになるでしょう。
サマルトリアの王子 CV: 福山潤(ふくやま じゅん)
ローレシアの王子と共に行動する、二人目の仲間。 オリジナル版では「のんきもの」「お調子者」といったイメージが強く、また「いやー さがしましたよ」の台詞であまりにも有名です。 このトリッキーな役柄を、超実力派の福山潤さんが演じます。
福山潤さんの経歴と実績
福山潤さんは、その独特の艶のある声質と、圧倒的な演技力で、長きにわたり声優界のトップを走り続けているレジェンドの一人です。 「第1回声優アワード」で主演男優賞を受賞(「コードギアス」ルルーシュ役)して以来、その人気は衰えることを知りません。 クールな二枚目、狂気的な悪役、三枚目のコメディリリーフまで、その演技の幅は計り知れません。
福山潤さんの主な代表作と演じたキャラクター
- 「コードギアス 反逆のルルーシュ」:ルルーシュ・ランペルージ 彼の代名詞。 世界を変えるために「ギアス」の力を手に入れた主人公。 知略を巡らせる冷徹な指導者「ゼロ」の側面と、妹を想う優しい兄「ルルーシュ」の側面を、完璧に演じ分けました。 福山さんの演技なくして、この作品の成功はなかったと言われています。
- 「ペルソナ5」:雨宮蓮(あまみや れん / 主人公) 情報ソース①にもある通り、ゲーム作品での代表作。 「怪盗団」のリーダー。 ゲーム本編では台詞が少ない主人公ですが、アニメ版や派生作品では、福山さんのクールで知的なボイスがキャラクター像を確立させました。
- 「おそ松さん」:松野一松(まつの いちまつ) あの「おそ松くん」が大人になった姿を描くギャグアニメ。 ネガティブで皮肉屋だが、猫が好きな四男。 福山さんの「三枚目」演技の真骨頂であり、彼の新たな魅力を開花させました。
- 「青の祓魔師」:奥村雪男(おくむら ゆきお) 主人公の双子の弟。 真面目で知的な優等生だが、内面には葛藤を抱えている。 福山さんの「二枚目」ボイスが光る役柄です。
ドラクエ2サマルトリアの王子としての期待
サマルトリアの王子は、オリジナル版のイメージから「ネタキャラ」として愛されてきました。 しかし、福山潤さんが演じるとなれば、単なるお調子者では終わらないはずです。 彼の持つ知的な声色が、サマルトリアの王子の「のんき」な言動の裏にある、王族としての教養や、意外な鋭さを表現するかもしれません。 もちろん、「いやー さがしましたよ」の台詞が、福山ボイスでどのように再生されるのかは、全ドラクエファン最大の注目ポイントと言えるでしょう。
ムーンブルクの王女 CV: 上坂すみれ(うえさか すみれ)
ハーゴンによって滅ぼされたムーンブルク城の王女。 「II」のヒロインであり、強力な呪文を使いこなすパーティーの紅一点です。 この悲劇のヒロインを、個性派声優として絶大な人気を誇る上坂すみれさんが演じます。
上坂すみれさんの経歴と実績
上坂さんは、その類稀なる美貌と、ロシアや昭和歌謡への深い造詣といったユニークな個性で、声優界でも異彩を放つ存在です。 「第10回声優アワード」で新人女優賞を受賞。 声質は特徴的で、一度聴いたら忘れられない魅力を持っています。 高飛車なお嬢様役から、物静かな少女、さらにはエキセントリックな役柄まで、彼女にしかできない演技で多くのファンを獲得しています。
上坂すみれさんの主な代表作と演じたキャラクター
- 「オーバーロード」:シャルティア・ブラッドフォールン 情報ソース①の筆頭に挙げられる、彼女のハマり役。 真祖の吸血鬼であり、主人公に仕える守護者の一人。 可憐な少女の姿とは裏腹に、高慢で残虐な性格を持つ。 上坂さんの甘く特徴的な声が、シャルティアの狂気的な魅力を完璧に表現しています。
- 「中二病でも恋がしたい!」:凸守早苗(でこもり さなえ) 「~デス」という特徴的な語尾を使う、中二病の少女。 上坂さんの高い演技力と個性が爆発した役柄で、彼女の知名度を大きく押し上げました。
- 「異世界食堂」:アレッタ 異世界食堂で働く魔族の少女。 純粋で心優しいキャラクター。 シャルティアとは対極的な、上坂さんの「清純派」な演技を聴くことができます。
ドラクエ2ムーンブルクの王女としての期待
ムーンブルクの王女は、オリジナル版では「強い女性」のイメージがありましたが、リメイク版では悲劇的な境遇がどう描かれるのか注目です。 上坂さんの声は、単に可愛いだけでなく、どこか影や強さを感じさせます。 家族や国を失った悲しみを乗り越え、ハーゴンに立ち向かう王女の強さを、彼女なら見事に演じきってくれるはずです。 強力な呪文(イオナズンやベギラマ)を唱える際のボイスも、非常に楽しみなポイントです。
サマルトリアの王女 CV: 篠原侑(ささはら ゆう)
「サマルトリアの王女」という役柄も、オリジナル版には登場しない(あるいは明確に描かれなかった)キャラクターです。 サマルトリアの王子の「妹」である可能性が高く、HD-2D版での追加キャラクター、あるいは物語の鍵を握る人物として登場するかもしれません。 演じるのは、今後の活躍が期待される若手実力派、篠原侑さんです。
篠原侑さんの経歴と実績
篠原さんは、2016年頃から活動を開始した若手声優です。 その愛らしい声質と、キャラクターに寄り添う繊細な演技で、徐々に頭角を現しています。 フレッシュな魅力と、確かな演技力を兼ね備えた、注目の声優です。
篠原侑さんの主な代表作と演じたキャラクター
- 「シャドーハウス」:エミリコ 情報ソース①にもある通り、彼女の現在の代表作。 「影」の一族に仕える「生き人形」の少女。 常に前向きで明るく、純粋な心を持つ主人公。 篠原さんの持つ、天真爛漫で聞く人を元気にするような声質が、エミリコのキャラクター性に完璧にマッチしています。 この作品で彼女のファンになった方も多いでしょう。
- 「原神」:リネット 世界的に人気なゲーム「原神」で、主要キャラクターの一人を演じています。 口数が少なく、感情をあまり表に出さないマジシャンの少女。 エミリコとは対照的な、クールでミステリアスな演技を披露しており、彼女の演技の幅広さを示しています。
- 「アサルトリリィ BOUQUET」:王莉芬(わん りふぁん) 戦う少女たちを描いた作品。 明るくムードメーカー的な役柄を演じています。
ドラクE2サマルトリアの王女としての期待
サマルトリアの王女がどのような役割を担うのかは、まだ謎に包まれています。 もし、サマルトリアの王子の妹であれば、福山潤さん演じる兄とのコミカルな、あるいは心温まる掛け合いが期待されます。 篠原さんの明るい声質は、パーティーのムードメーカーになるかもしれませんし、あるいは「原神」のリネットのように、意外な秘密を抱えたキャラクターかもしれません。 彼女のフレッシュな演技が、「II」の物語にどのような新しい風を吹き込むのか、非常に楽しみです。
声優陣から見るHD-2D版ドラクエの魅力と新たな体験
今回発表された「I」と「II」の声優陣。 花江夏樹さん、茅野愛衣さん、内田雄馬さん、福山潤さん、上坂すみれさんといった、現在の業界を牽引するトップランナーたち。 そして、安野希世乃さん、恒松あゆみさん、篠原侑さんといった、確かな実力と魅力を持つ声優たち。
このキャスティングは、スクウェア・エニックスが今回のHD-2Dリメイクに、並々ならぬ「本気」を込めていることの表れです。
豪華声優陣が織りなす「ロト三部作」の世界
「I」「II」のリメイクが2025年に発売され、その前(2024年11月)には時系列の始まりである「III」が発売されます。 当然、「III」にも豪華な声優陣が起用されることでしょう。 (すでに発表されている「III」のナレーターは、ベテランの東地宏樹さんです)
つまり我々は、この豪華なキャストによるフルボイスで、「ロト三部作」の壮大な物語をゼロから追体験できるのです。 これは、オリジナル版をプレイした古参のファンにとっては「夢のような体験」であり、新規のプレイヤーにとっては「最高のRPG体験」の入り口となるはずです。
ボイスが加わることで深まる没入感
私、桐谷シンジは、ゲームにおけるボイスの役割は「テキストの補完」ではなく、「感情の増幅」にあると考えています。 「ローラ姫を助けた」というテキストが、「ありがとう、勇者さま」という茅野愛衣さんの声になる。 「サマルトリアの王子がいた」が、「いやー、さがしましたよ!」という福山潤さんの声になる。
それだけで、その瞬間の喜びや安堵、あるいはコミカルさが、何倍にも増幅されてプレイヤーに伝わります。 特に「I」のような、テキストが極端に少ないゲームであればあるほど、ボイスが加わることによる「世界の解像度が上がる」感覚は、凄まじいものがあるでしょう。
原作ファンと新規プレイヤーそれぞれの楽しみ方
原作ファンの方は、まず「自分の想像していた声と違う」という違和感(あるいは喜び)を楽しむところから始まるかもしれません。 しかし、花江さんや茅野さんたちの実力は、間違いなく我々の想像を超えた「新しい勇者像」「新しいローラ姫像」を提示してくれるはずです。 あの頃の思い出を大切にしながら、新しい「ドラクエI&II」の解釈を受け入れる。 それが、HD-2D版を最高に楽しむコツだと私は思います。
新規のプレイヤーの方は、幸運です。 皆さんは、「ドラゴンクエスト」という日本RPGの金字塔の、最もリッチで完成されたバージョンから入ることができます。 美しいHD-2Dのグラフィック、壮大なオーケストラサウンド、そして日本最高峰の声優陣によるフルボイス。 これ以上ない贅沢な冒険が、皆さんを待っています。
まとめ
今回は、HD-2D版「ドラゴンクエストI&II」に起用された豪華声優陣について、その詳細なプロフィールと代表作、そしてゲーム評論家としての私の期待を述べさせていただきました。
「ドラゴンクエストI」の主人公・花江夏樹さん、ローラ姫・茅野愛衣さん。 「ドラゴンクエストII」のローレシアの王子・内田雄馬さん、サマルトリアの王子・福山潤さん、ムーンブルクの王女・上坂すみれさん。
この名前が並ぶだけでも、2025年の発売が待ちきれなくなります。 ボイスが加わることで、あの伝説の冒険がどのように「再創造」されるのか。 ゲーム評論家として、そして一人のドラクエファンとして、その瞬間を心から楽しみにしています。






