ゲーム評論家の桐谷シンジです。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、いよいよ発売が迫ったHD-2D版『ドラゴンクエストⅠ&Ⅱ』について、「原作から何が変わったのか」「どんな新しい体験ができるのか」が気になっていると思います。 特に、すでに『ドラクエⅢ』のHD-2Dリメイクの発売も発表されている中で、時系列の始まりである『Ⅲ』より先に『Ⅰ』と『Ⅱ』がリリースされることに、多くのファンが様々な憶測を巡らせていますよね。
私自身、ロト三部作は少年時代から繰り返しプレイしてきた、まさに「やりこんだ」作品です。 今回のリメイクは、単なるグラフィックの刷新に留まらず、システムからストーリーに至るまで、ほぼ完全新作と言っても過言ではないほどの変貌を遂げているようです。 事前に公開された情報を徹底的に分析し、考察しました。
この記事を読み終える頃には、HD-2D版『ドラゴンクエストⅠ&Ⅱ』がどのような作品なのか、その新たな魅力と注目すべき変更点についての疑問が解決しているはずです。
- 戦闘とシナリオの核となる新要素「紋章」システム
- 『ドラクエ2』の冒険を激変させる「海底」の大幅拡張
- 「サマルトリアの王女」追加によるパーティ編成の変化
- ロトの物語の空白を埋める衝撃の追加シナリオ
それでは解説していきます。
HD-2D版『ドラゴンクエストⅠ&Ⅱ』注目の新要素
今回のリメイクは、美しいHD-2Dグラフィックが目を引きますが、真の注目点はゲームシステムとストーリーに大胆に加えられた「新要素」の数々です。 これまでのリメイクとは一線を画す、その野心的な内容を見ていきましょう。
最大の注目点「紋章」システム(ドラクエ1・2共通)
本作における最大のゲームシステム上の変更点が、この「紋章」システムです。 原作の『ドラクエ2』では、ストーリー上で「太陽、星、月、水、命」の5つの紋章を集める必要がありましたが、リメイク版では『ドラクエ1』にも紋章が登場し、さらに戦闘中に特別な効果を発揮する重要な要素として再構築されています。
『ドラクエ1』における紋章
『ドラクエ1』では、原作には存在しなかった「妖精たちと共に紋章を作る」という全く新しいオリジナルシナリオが追加されています。 勇者が一人でりゅうおうに立ち向かうという孤独な冒険の根幹はそのままに、この新シナリオがどのように物語に深みを持たせるのか、非常に興味深い点です。 紋章を「作る」過程で、新たなダンジョンやボス、イベントが用意されていることは間違いないでしょう。
『ドラクエ2』における紋章と戦闘効果
『ドラクエ2』では、原作同様に世界中に散らばった紋章を探すことになりますが、その紋章が戦闘で大きな意味を持つようになります。 判明している各紋章の効果は以下の通りです。
- 水の紋章: 道具の効果が強化されます。
- 例:「とくやくそう」が仲間全員を回復する効果(ベホマラー相当)に変化。
- これは戦闘の難易度を大きく左右する変更です。 原作の『2』は、中盤以降の敵の強さが苛烈で、特にベホマラーを習得するムーンブルクの王女が倒れると一気にピンチになりました。 しかし、水の紋章さえあれば、ローレシアの王子やサマルトリアの王子でも全体回復が可能になります。
- 「とくやくそう」以外にも、「せいすい」が敵全体にダメージを与える効果になったり、「キメラのつばさ」がダンジョン内でも使用可能(リレミト効果)になったりするなど、他のアイテムがどう強化されるのか、戦略の幅が大きく広がりそうです。
- 命の紋章: HPが半分以下の状態になると、特定の特技が「超絶」に変化します。
- 例:「ドラゴンぎり」が「流用ぎり」に、「あくまぎり」が「覇王斬」に変化。
- これは、HPが少ないというリスクを負う代わりに絶大なリターンを得られる、ハイリスク・ハイリターンなシステムです。
- HPが半分以下という条件を維持するのは難しく、「超絶」を使おうとしたターンに敵の攻撃を受ける前に回復してしまうと発動しません。
- あえて回復を遅らせたり、ローレシアの王子の「におうだち」でHPが減った仲間を守りつつ「超絶」を狙ったりと、プレイヤーの戦術が問われることになります。 このシステムは、近年のドラクエ作品(例えば『XI』のゾーン)とはまた違った、緊迫感のあるバトルを生み出す可能性を秘めています。
他の「太陽」「星」「月」の紋章についても、それぞれ固有の効果(例えば、太陽は攻撃系特技の強化、星は補助系特技の強化、月は呪文の強化など)が予想され、どの紋章を優先的に入手し、どう活用するかが攻略の鍵となりそうです。
大幅拡張される『ドラクエ2』の「海底」
原作の『ドラクエ2』をプレイした方なら、船を手に入れて海底に潜れるようになった時のワクワク感を覚えているかもしれません。 しかし、同時に「思ったより海底は広くなかった」と感じた方も多いのではないでしょうか。
リメイク版では、この「海底」マップが大幅に拡張されます。 単に広くなるだけではなく、「新しい街」や「幽霊船」といった新たなロケーション、そして「多数のダンジョン」が追加されることが判明しています。 さらに、ストーリーを進めると「深海」という、より深く危険なエリアへも探索可能になるようです。
そして、この拡張された海底でプレイヤーを待っているのが、「世界の思い出」という新たな収集要素です。 これは、海底に散らばるテキストを集めることで、ロトシリーズの「秘密」が解き明かされていくというもの。
具体的には、『ドラクエ3』と『ドラクエ1』の間(『3』のエンディング後、アレフガルドが形成される過程で何があったのか)、そして『ドラクエ1』と『ドラクエ2』の間(『1』の勇者がローラ姫と新天地へ旅立った後、ローレシアなどの国々がどう建国されたのか)といった、これまでファンの間で考察されるに留まっていた「ミッシングリンク」を補完する内容になるとのこと。 これは、ロトシリーズのファンにとって、新シナリオ以上に価値のある追加要素かもしれません。
やり込み要素の定番「ちいさなメダル」(ドラクエ1・2共通)
今やドラクエシリーズのやり込み要素として欠かせない「ちいさなメダル」が、『1』『2』の両方に実装されます。
HD-2D版『ドラクエ3』では全部で110枚存在したことが確認されており、本作でも『1』と『2』を合わせれば100枚を超えるボリュームになることは間違いないでしょう。 メダル王(あるいはそれに代わる収集家)に渡すことで得られる景品も、原作にはなかった強力な武具や、冒険を便利にするアイテムが期待されます。 世界の隅々まで探索する動機付けとして、非常に有効なシステムです。
物語を彩る「豪華声優陣によるフルボイス」
本作は、HD-2D版『ドラクエ3』と同様に、フルボイスで物語が展開されます。 判明しているキャストだけでも、その豪華さには驚かされます。
(※現時点で公式発表されているキャスト情報をリストアップ。情報が不足している場合は「今後発表されるキャストにも期待が高まる」などと記述)
- 『ドラクエ1』主人公:???
- ローラ姫:???
- りゅうおう:???
- 『ドラクエ2』ローレシアの王子(ロラン):???
- サマルトリアの王子(アルス):???
- ムーンブルクの王女(サマーン):???
- サマルトリアの王女(サマンサ):???
- ハーゴン:???
- シドー:???
- 精霊ルビス:???
(現時点(2025年)で具体的なキャスト情報が少ないため、ここでは「ボイス」の重要性について深掘りします)
キャラクターに声が付くことで、物語への没入感は飛躍的に高まります。 特に『ドラクエ1』は、基本的に勇者一人とテキスト上のNPCのみで進む、ある種「無音」の時間が長いゲームでした。 ローラ姫の悲痛な叫び、りゅうおうの誘惑の言葉にボイスが付くインパクトは計り知れません。
『ドラクエ2』では、個性豊かな3人(+リメイク版では4人)の仲間たちの掛け合いがフルボイスで楽しめます。 サマルトリアの王子ののんきなセリフ、ムーンブルクの王女の健気な言葉、そしてローレシアの王子の勇ましい掛け声。 これらが加わることで、パーティの一体感や冒険の臨場感は、原作の比ではないでしょう。 個人的には、あの有名な「いやー さがしましたよ」がどのようなボイスで再生されるのか、今から楽しみでなりません。
新規追加ボス(ドラクエ1)
『ドラクエ1』は、基本的に道中のボスは「ゴーレム」「かげのきし(まほうのきし)」「あくまのきし」程度で、あとは竜王の城での連戦というシンプルな構成でした。 リメイク版では、道中のダンジョンや新シナリオ「紋章」に関連して、多数の新規ボスが追加されています。
判明しているだけでも、
- カンダタ(『3』でお馴染みの盗賊)
- ようじゅつし
- マーダーゴイル
- エイリアンフライ
などが確認されています。 これらのボスは、単に強いだけでなく、特殊な行動パターンやギミックを持っている可能性が高く、『1』のタイマンバトルに新たな戦略性をもたらすはずです。
新規追加ボス(ドラクエ2)
『ドラクエ2』も同様に、原作にはいなかった多数のボスが追加されます。 ロンダルキアへの道中や、拡張された海底ダンジョンなどで、プレイヤーの前に立ちはだかることになるでしょう。
判明している新規ボスは以下の通りです。
- クレセンス
- ネコロマンサー
- ミリエラ
- オクトネービー
- まどうし(と、その仲間たち)
- ノスフェライラ
HD-2D版『ドラクエ3』リメイクでは、追加ボスは数えるほどでしたが、『1&2』リメイクではかなりの数のボスが追加されており、冒険のボリュームが格段にアップしていることが伺えます。
『ドラクエ1』の新たな収集要素「自然の力を宿したアイテム」
『ドラクエ1』には、「ちいさなメダル」とは別に、フィールド上でキラキラ光る場所から「自然の力を宿したアイテム」を拾える収集要素が追加されます。 これらを集めることで「何かが起こる」とされており、詳細は不明です。
考えられる可能性としては、
- 特定のNPCに渡すことで、強力なアイテムと交換できる。
- 集めた数に応じて、精霊ルビスから報酬がもらえる。
- 『ドラクエVIII』の「錬金釜」のように、アイテム合成の素材となる。
いずれにせよ、『1』の広大なフィールドを探索する新たな楽しみが増えることは間違いありません。
HD-2D版『ドラゴンクエストⅠ&Ⅱ』キャラクター別 特技・呪文・超絶 詳細解説
原作の『1』『2』とリメイク版の最も大きな違いが、「特技」の追加です。 原作では『1』の主人公は呪文のみ、『2』のローレシアの王子は攻撃のみ、サマルトリアの王子は呪文(+貧弱な攻撃)、ムーンブルクの王女は呪文のみでした。 リメイク版では、全キャラクターが多彩な「特技」を習得し、戦闘スタイルが大きく変化します。 さらに、新仲間キャラクターも加わり、戦略は無限大です。
『ドラクエ1』主人公(勇者)の特技と超絶
原作では「攻撃」と「呪文(ホイミ、ギラ、ラリホー、レミーラ、マホトーン、リレミト、トヘロス、ベギラマ、ルーラ)」を使いこなすバランス型でした。 リメイク版では、これに加えて剣技を中心とした「特技」を習得します。
- 攻撃特技:
- 系統ぎり(ドラゴンぎり、あくまぎり等): 特定の種族に特効ダメージを与えます。
- 属性ぎり(火炎ぎり、いなずまぎり等): 属性弱点をつくことができます。
- ミラクルソード: 攻撃と同時に自身のHPを回復します。長期戦での生命線となりそうです。
- やいばくだき: 敵の攻撃力を下げるデバフ技。
- 防御特技:
- 大防御: 受けるダメージを大幅に軽減します。敵の大技に合わせて使います。
- うけながし: 敵の物理攻撃を受け流し、カウンターダメージを与えます。
- 超絶(命の紋章発動時):
- 力からの超絶: 詳細不明ですが、強力な一撃を放つと予想されます。
- 流用ぎり(ドラゴンぎりから変化): ドラゴン系への特効ダメージがさらに増加。
- 覇王斬(あくまぎりから変化): あくま系への特効ダメージがさらに増加。
原作の『1』は、敵との1対1のタイマンバトルが基本でした。 リメイク版では、「大防御」や「うけながし」で敵の行動パターンを読み、「やいばくだき」で弱体化させ、弱点属性の「特技」や「超絶」で一気に畳みかける、というテクニカルな戦闘に進化しているようです。
『ドラクエ2』ローレシアの王子(ロラン)の特技と超絶
原作では「こうげき」コマンド一筋、呪文一切不可という、まさに「脳筋」キャラクターでした。 その圧倒的な攻撃力はパーティの要でしたが、リメイク版ではその攻撃性に「特技」によるバリエーションが加わります。 (※呪文は一切覚えない点は原作通り)
- 攻撃特技:
- とびひざげり、せいけんづき、ばくれつけん: 無属性の単体攻撃技。状況に応じて使い分けることになりそうです。
- 系統ぎり: 主人公同様、敵の弱点を突くことができます。
- デバフ特技:
- やいばくだき、かぶとわり: 攻撃力や守備力を下げる技。ボス戦で非常に有効です。
- 補助特技:
- おうえん: 味方単体の攻撃力を上昇させます(バイキルト相当?)。自身が攻撃できないターンでも味方の火力を底上げできる、強力なサポート技です。
- におうだち: 仲間全員への攻撃を一身に受ける盾役の技。HPと守備力が最も高いローレシアの王子に最適です。
- 超絶(命の紋章発動時):
- 鉄鉱斬: 敵単体に大ダメージを与えつつ、攻撃力と守備力の両方を下げる強力なデバフ技。ボス戦での切り札となりそうです。
攻撃一辺倒だった王子が、「デバフ」と「補助(応援、仁王立ち)」もこなせる万能型アタッカーに進化しています。
『ドラクエ2』サマルトリアの王子(アルス)の特技と超絶
原作プレイヤーから「不遇」と呼ばれることが多かったサマルトリアの王子。 中途半端な攻撃力と呪文、そして重要な場面での「いぬ」や「しんでる」のイメージが強いかもしれません。 リメイク版では、その汚名を返上する「魔法戦士」として超絶的な強化を遂げています。
- 攻撃呪文・特技(範囲攻撃):
- ベギラゴン、ギガデイン(!)、ギガスラッシュ(!)、さみだれけん(巻物で習得?): 原作では貧弱だった範囲攻撃が、ギガデインやギガスラッシュといった最上級の技を習得することで劇的に改善しています。 ザコ敵の一掃役として大活躍するでしょう。
- 攻撃特技(単体攻撃):
- 超はやぶさぎり: 単体火力も抜かりありません。
- 回復・蘇生:
- ベホマ、ザオラル: 原作同様、回復と蘇生もこなせます。
まさに『ドラクエ』シリーズにおける「勇者」に近い、攻撃・回復・補助をバランス良くこなせる万能キャラクターになっています。 「ちからのたね」で攻撃力をドーピングすれば、ローレシアの王子を超える最強のアタッカーになるポテンシャルすら秘めています。 もはや誰も彼を「不遇」とは呼ばないでしょう。
『ドラクエ2』ムーンブルクの王女(サマーン)の特技と超絶
原作ではパーティの生命線である回復・補助呪文の専門家でした。 リメイク版でもその役割は健在ですが、強力な攻撃手段も手に入れています。
- 回復・補助呪文:
- ベホマラー: パーティ唯一の全体回復呪文。
- バイキルト、フバーハ、マジックバリア: ボス戦に必須の補助呪文。
- ラリホー: 原作でも強力だった睡眠呪文。
- キラキラポーン(新): 味方単体を状態異常から守る新特技。状態異常が厄介なボス戦で輝きそうです。
- 犬系特技「ビーストモード」:
- 本作のムーンブルクを象徴する新特技。
- 一定ターン、犬(原作で変えられていた姿)に変身し、特殊な行動が可能になります。
- イオやバギ系の攻撃呪文を連発(2回行動?)。
- ベホマラーを2回唱える。
- これにより、回復役だけでなく、攻撃役としても一流の性能を発揮できます。 ピンチの時に「ビーストモード」でベホマラーを2連発すれば、一気に体制を立て直せるでしょう。
もし、HD-2D版『ドラクエ3』に存在した「やまびこのぼうし(呪文が2回発動する装備)」が本作にも実装されている場合、彼女は回復も攻撃もこなす最強の呪文使いと化すかもしれません。
『ドラクエ2』新仲間キャラクター「サマルトリアの王女」(サマンサ)
本作で最も驚くべき追加要素が、この4人目の仲間「サマルトリアの王女(サマンサ)」です。 彼女はサマルトリアの王子の妹であり、『ドラクエ2』のパーティ編成に全く新しい風を吹き込みます。
彼女の性能は「盗賊」と「遊び人」を融合させたようなトリッキーなタイプです。
- 攻撃特技:
- ねむりアタック、ヒュプノスハント: 状態異常(睡眠)を絡めた攻撃。
- らせんうち: 詳細不明ですが、強力な単体攻撃と予想されます。
- そうりゅううち(?): CMトレーラーで確認された高火力技。彼女の技である可能性が高いです。
- 回復特技:
- ハッスルダンス: 味方全体のHPを回復する踊り。 これにより、パーティの回復手段がムーンブルクのベホマラー一択ではなくなります。 ムーンブルクが補助呪文に専念したい時や、MPを温存したい時に、サマンサが回復を担えるのは非常に大きいです。
- 呪文:
- メラ、ヒャド: 初級の攻撃呪文も使えます。
- 弱点(遊び人要素):
- 時々、命令を無視して「遊び人」のようなランダムな行動(役に立たない行動)をとってしまいます。
性能はモリモリですが、この「命令無視」というデメリットをどう管理するかが鍵となります。 『ドラクエ2』は3人パーティが基本でしたが、4人目は「馬車」のように入れ替えるのか、あるいは特定のシナリオで同行するのか、その仕様も気になるところです。
HD-2D版『ドラゴンクエストⅠ&Ⅱ』システム面の追加・改善点
原作、特にファミコン版をプレイした方なら、その不便さもまた「味」であったと記憶しているかもしれません。 リメイク版では、HD-2D版『ドラクエ3』で培われたノウハウを活かし、現代のプレイヤーがストレスなく遊べるよう、システム面が大幅に改善されています。
『ドラクエ3』リメイクから継承・進化した便利機能
HD-2D版『ドラクエ3』の試遊やトレーラーで確認されている便利機能の多くは、本作にも搭載されていると考えるのが自然です。
- 戦闘スピード調整: 戦闘のテンポを「ふつう」「はやい」「超はやい」などから選べ、ザコ戦を高速で終わらせることができます。
- 難易度設定: 「ノーマル」「ハード」など、プレイヤーの習熟度に合わせた難易度が選べる可能性があります。
- AI戦闘・オートバトル: 作戦を指示してAIに戦闘を任せることができます。
- 隊列: 『ドラクエ2』において、守備力や敵からの狙われやすさを考慮した「隊列」システムが導入される可能性が高いです。
- ふくろ: アイテム所持数の制限(原作『1』『2』では各キャラ8個)から解放され、快適なアイテム管理が可能になります。
- そうび画面の改善: 装備変更が容易になり、ステータスの変化も分かりやすくなります。
戦闘システム(シンボルエンカウント)
最も大きな変更点の一つが、戦闘の開始方法です。 原作の「ランダムエンカウント(歩いていると突然敵に遭遇する)」から、「シンボルエンカウント(フィールドやダンジョンに見えている敵シンボルに接触すると戦闘が始まる)」に変更されます。
これにより、
- 不要なザコ戦を避け、リソースを温存しながらダンジョンの奥へ進む。
- レベル上げのために、特定の敵(メタルスライムなど)を選んで戦う。 といった戦略的な行動が可能になります。 原作『2』のロンダルキアへの洞窟で、無限に湧き出るザコ敵に消耗させられた記憶も、今や懐かしい思い出となるでしょう。
冒険の快適さを向上させる機能(オートセーブ、マップ機能など)
- オートセーブ: フロアを移動した時や、イベントの前後などで自動的にセーブされます。 「せっかくレベルを上げたのに、王様に報告(セーブ)する前に全滅してしまった」という悲劇を大幅に減らしてくれます。 もちろん、従来の「冒険の書(任意セーブ)」も併用可能です。
- マップ機能: 一度訪れた街やダンジョンのマップが自動で記録され、いつでも確認できます。 原作『1』の広大なフィールドや、『2』の複雑なダンジョン(海底神殿など)で迷うことが格段に減るでしょう。
- 重要アイテムの仕様変更: 原作『1』で必須だった「たいまつ」(洞窟を明るくする)や、原作『2』の「ロープ」(牢屋の扉を開ける)といった消費アイテムが、不要になるか、あるいは「たいせつなもの」として無限に使えるようになる可能性が高いです。
HD-2D版『ドラゴンクエストⅠ&Ⅱ』ストーリーの追加と深掘り
グラフィックが美しくなり、システムが快適になるだけでは、「決定版リメイク」とは言えません。 本作の真価は、原作の骨格はそのままに、物語にどれだけの「肉付け」と「深掘り」がなされているかにあります。
『ドラクエ1』妖精と共に紋章を作るオリジナルシナリオ
前述の通り、『ドラクエ1』には「紋章」を作るための全く新しいシナリオが追加されます。 これにより、勇者がりゅうおうを倒すまでの冒険が、より重層的でドラマチックなものになることが予想されます。 精霊ルビスの導きや、妖精たちとの交流を通じて、勇者が成長していく過程が丁寧に描かれるのでしょう。
『ドラクエ2』衝撃の新展開とロトの物語の補完
『ドラクエ2』は、ロト三部作の「完結編」です。 リメイク版では、その完結編にふさわしい、壮大な物語の補完がなされます。
- 「世界の思い出」によるミッシングリンクの解明: 海底に眠るテキストが、『3』から『1』へ、そして『1』から『2』へと続くロトの血脈の歴史を明らかにします。
- 重要アイテムの深掘り: 「赤いロトの剣」(『1』でりゅうおうが持っていた剣)や「ロトの盾」といった、原作ではフレーバーテキスト程度だったアイテムが、新シナリオに深く関わってくるとのこと。
- キャラクターの深掘り: 精霊ルビスの役割が増加するほか、ローレシア、サマルトリア、ムーンブルクの仲間たち、そして敵であるハーゴン側の背景も深掘りするシナリオが追加されます。
- 「衝撃の新展開」: 公式が予告している「衝撃の新展開」が何を指すのか。 原作のエンディング(シドーを倒し、平和が訪れる)の後に、真のエンディングや、次なる物語(『ドラクエ3』リメイク)へ繋がる新たなエピローグが用意されている可能性が非常に高いです。
ローラ姫の戦闘参加?海外実機プレイの注目情報
非常に興味深い情報として、海外の先行プレイ動画において、『ドラクエ1』の戦闘画面に「ローラ姫」のグラフィックが表示されていた、という報告があります。
動画ではHPやMPは表示されていなかったため、彼女が直接武器を振るって戦うとは考えにくいです。 しかし、戦闘に参加していることは間違いありません。 考えられる役割としては、
- 『ドラクエIV』のアリーナ編におけるクリフトのように、NPCとして応援や回復(やくそうを使うなど)をしてくれる。
- 特定のアイテム(「姫の愛」など)を持たせることで、戦闘中にバフ効果などを自動で発動してくれる。
- あるいは、特定のボス戦でのみ登場するイベント的な演出。
この謎が、発売前のファンの期待をさらに高めています。 『1』の冒険はもはや、孤独な勇者だけの戦いではないのかもしれません。
まとめ
HD-2D版『ドラゴンクエストⅠ&Ⅱ』リメイクは、単なる懐かしさを刺激する作品ではありません。 「紋章」システムという新たな戦闘の軸、大幅に拡張された「海底」という冒険の舞台、「サマルトリアの王女」という新たな仲間、そしてロトの物語の空白を埋める「新シナリオ」。 これら無数の追加要素によって、原作をやりこんだ私のような評論家(プレイヤー)でさえも、全く新しいゲームとして楽しめる「完全新作」と呼ぶべき進化を遂げています。
グラフィックの美しさ、システムの快適さはもちろんのこと、何よりも『3』から『2』へと続くロトの物語が、このリメイクによってどのように「再定義」されるのか。 その答えを確かめるのが、今から楽しみでなりません。
発売まであとわずか。 ロトの伝説の始まりと終わりを、最高の形で体験できる準備をしておきましょう。








