ゲーム評論家の桐谷シンジです。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、2025年9月10日にリリースされたばかりの新作アプリ「ドラゴンボール ゲキシンスクアドラ」(以下、ゲキスク)について、その課金仕様や将来性に関心を寄せているのではないでしょうか。 「キャラクターゲームは課金が酷い」「どうせすぐにサービス終了するのでは?」といった声が聞こえてくるのも事実です。

しかし、ご安心ください。 この記事を読み終える頃には、ゲキスクが本当に廃課金プレイヤー向けのゲームなのか、そしてあなたが今すぐプレイすべきかどうかの疑問が解決しているはずです。
- ゲキスクの課金システムとゲーム性の徹底解剖
- 無課金・微課金プレイヤーが楽しむための具体的な戦略
- 過去のドラゴンボールアプリとの比較から見える立ち位置
- 運営のビジネスモデルとゲームの将来性予測
それでは解説していきます。

ゲキスクは本当に「廃課金ゲー」なのか?課金システムの全貌
多くのプレイヤーが最も気にしているのは、「結局、お金を払わないと勝てないゲームなのか?」という点でしょう。 結論から先に述べると、ゲキスクは「廃課金ゲー」ではなく、**「プレイヤースキルと戦略が色濃く反映されるゲーム」**です。 なぜそう言えるのか、まずはゲームの根幹をなすシステムから紐解いていきましょう。

ゲキスクの基本的なゲームシステム(MOBAとは何か)
ゲキスクのゲームジャンルは「MOBA(マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ)」と呼ばれるものです。 これは、複数のプレイヤーが2つのチームに分かれ、仲間と協力して相手チームの拠点を破壊することを目指す、戦略性の高い対戦ゲームです。 有名なタイトルで言えば、「League of Legends」や「ポケモンユナイト」がこのジャンルにあたります。
ゲキスクでは、4人のプレイヤーが1チームとなり、合計8人で対戦します。 フィールドには「タンク」「ダメージ」「テクニカル」という3つの役割(ロール)があり、それぞれのプレイヤーが自分のロールの特性を活かして戦うことが勝利への鍵となります。
- タンク: 高い耐久力を持ち、前線で味方を守る壁役。
- ダメージ: 高い攻撃力を持ち、相手を倒すチームの矛役。
- テクニカル: 特殊なスキルで味方をサポートしたり、敵を妨害したりする戦略の要。
個々のキャラクター性能も重要ですが、それ以上に**「チーム内での連携」や「戦況に応じた判断力」**が勝敗を大きく左右するのがMOBAの最大の特徴です。 一人のプレイヤーがどれだけ強力なキャラクターを持っていても、チームとして機能しなければ勝利は難しいのです。 この時点で、単純なキャラクターの強さだけで勝敗が決まる、いわゆる「札束で殴り合う」タイプのゲームとは一線を画していることがお分かりいただけるでしょう。
課金の主な使い道はキャラクター解放
では、ゲキスクにおける課金要素はどこにあるのでしょうか。 主な使い道は**「キャラクターの早期解放」**です。

ゲーム内で使用できるキャラクターは、ゲームをプレイすることで得られる報酬(ヒーローメモリーなど)を使って解放していくのが基本です。 しかし、これにはある程度のプレイ時間が必要となります。 課金(ゲーム内通貨の購入)を行うことで、このプレイ時間を短縮し、目当てのキャラクターをすぐに入手することが可能になります。
つまり、課金は「強さ」を直接購入するものではなく、「時間」を短縮するための手段と考えるのが適切です。 もちろん、強力なキャラクターを早期に手に入れれば、その分有利になる場面はあるでしょう。 しかし、前述の通り、ゲキスクはチーム戦略が重要なゲームです。 キャラクターを解放しただけでは勝てず、そのキャラクターの特性を理解し、使いこなすための練習(プレイヤースキル)が不可欠です。
プレイヤースキルが勝敗を分けるゲーム性
私が実際にプレイしてみた感想としても、このゲームはプレイヤースキルへの依存度が非常に高いと感じています。 例えば、相手の攻撃を避ける「回避」のタイミング、スキルを発動する位置取り、味方との連携攻撃など、勝敗を分けるポイントは無数に存在します。
特に、上級者の対戦になると、ミリ単位の駆け引きが繰り広げられます。 キャラクターの性能差を、立ち回りやテクニックで覆す場面も日常茶飯事です。 これは、課金額の多寡に関わらず、すべてのプレイヤーに平等な挑戦の機会が与えられていることを意味します。 むしろ、時間をかけてじっくりと一体のキャラクターを極めた無課金のプレイヤーが、多くのキャラクターを解放しただけの課金プレイヤーを圧倒することも十分にあり得るのです。
他のプレイヤーの声(SNSやレビュー)
SNSや各種レビューサイトを調査してみても、同様の意見が多く見られます。
「最初はキャラ差を感じたけど、慣れてくると立ち回りの方が大事だと気づいた」 「無課金でも全然勝てる。むしろ、チームメイトとの連携が全て」 「課金は好きなキャラをすぐ使いたい人向け。強さを求めるなら練習あるのみ」
一方で、 「特定の強キャラが環境を支配している」 「新キャラが強すぎて、結局課金者が有利」 といった批判的な声も存在します。
これは、MOBAというジャンル特有の問題でもあります。 新しいキャラクターが登場したり、ゲームバランスの調整が入ったりすることで、一時的に特定のキャラクターが強力になる「環境」が生まれることは避けられません。 しかし、これは運営のバランス調整によって常に変化していくものであり、長期的に見れば、特定のキャラクターだけが勝ち続けられるような状況は是正されていくのが一般的です。
結論:課金は「時間短縮」であり必須ではない
以上の点を総合的に判断すると、「ゲキスクは廃課金プレイヤーでなければ楽しめない」という噂は正しくないと言えるでしょう。
課金はあくまで、キャラクター集めを効率化するための「ショートカット」であり、ゲームの勝敗を決定づける絶対的な要素ではありません。 むしろ、無課金・微課金であっても、時間をかけて戦略を練り、プレイヤースキルを磨くことで、十分にトップレベルを目指せる奥深いゲームであると評価できます。
無課金・微課金プレイヤーがゲキスクで生き残るための戦略
「課金が必須ではないことは分かった。でも、具体的にどうすれば効率よく強くなれるの?」 そんな疑問を持つ無課金・微課金プレイヤーのために、ここからは具体的な戦略を伝授します。 ちょっとしたコツを知っているだけで、スタートダッシュに大きな差がつきます。

まずは「スターコレクション」を効率的に進めよう
キャラクターを解放するためには、「スターコレクション」のレベルを上げていく必要があります。 このスターコレクションを最短で進める、とっておきの方法があります。
それは、**「1体のキャラクターを使い続けるのではなく、様々なキャラクターを順番に使い、それぞれで1勝する」**ことです。
スターコレクションのレベルは、各キャラクターの「グレード」を上げることで進行します。 そして、このグレードは、最初の「グレード1」に上げるのが最も簡単なのです。 具体的には、1試合勝利するだけで、グレードを1段階アップさせるのに必要な「ヒーローメモリー」が溜まります。
つまり、
- まだ使ったことのないキャラクターを選ぶ
- 対戦で1勝する
- ヒーローメモリーを使って、そのキャラクターのグレードを1上げる
- スターコレクションが1進む
- また別の、まだ使ったことのないキャラクターを選ぶ
このサイクルを繰り返すことで、1勝するたびにスターコレクションが1ずつ、テンポよく進んでいきます。 1体のキャラクターでグレードを2、3と上げていくには、より多くのヒーローメモリー(つまり、より多くの勝利)が必要になるため、序盤はとにかく**「広く浅く」**キャラクターを使っていくのが、最も効率的なキャラクター解放ルートなのです。
最初におすすめのロールとキャラクター
「色々なキャラを使えと言われても、どれから使えばいいか分からない」という方のために、初心者におすすめのロールとキャラクターを紹介します。
ずばり、**最初におすすめのロールは「タンク」**です。
理由は単純で、「硬くて死ににくいから」です。 ゲームに慣れないうちは、どうしても相手の攻撃を受けてしまいがちです。 ダメージロールやテクニカルロールのキャラクターは耐久力が低いため、すぐに倒されてしまい、ゲームの楽しさを味わう前に試合が終わってしまうことも少なくありません。
その点、タンクロールは耐久力が高く、多少の攻撃では倒れません。 生存時間が長ければ、それだけゲームのルールを理解したり、味方と連携する練習をしたりする時間が増えます。 さらに、ゲキスクのタンクはただ硬いだけでなく、十分な攻撃力も兼ね備えているため、「敵を倒す」という爽快感もしっかりと味わえます。
特におすすめのタンクキャラクターは以下の通りです。
キャラクター | 特徴 |
---|---|
クーラ | 攻守のバランスが非常に良い。無敵になれるスキルを持ち、生存能力が極めて高い。必殺技の範囲も広く、初心者でも当てやすい。現環境最強のタンクとの呼び声も高い。 |
カリフラ | 相手を挑発してダメージを軽減する能力を持つ。敵を追いかける性能も高く、一度捉えた相手を逃さない。スーパーサイヤ人2への変身も強力。 |
ベジータ | 攻撃範囲が広く、アーマーによる耐久力も併せ持つ。ピンチになるとスキルのクールダウンが短縮されるため、逆境にも強い。必殺技のビッグバンアタックは広範囲を巻き込める。 |
まずはこれらのタンクキャラクターを使いこなし、ゲームの基本的な流れを掴むことを強く推奨します。
各ロールの役割と立ち回りを理解する
ゲキスクで勝利するためには、自分が使うキャラクターだけでなく、各ロールがチームの中で果たすべき役割を理解することが不可欠です。
タンクの立ち回り
常にチームの最前線に立ち、味方の「盾」となることが求められます。 敵の攻撃を引きつけ、ダメージロールの味方が攻撃しやすい状況を作り出しましょう。 ただし、無謀に突っ込むだけではいけません。 味方が近くにいることを確認し、孤立しないように注意することが重要です。
ダメージの立ち回り
タンクの後ろに位置取り、安全な場所から敵の体力を削ることが主な役割です。 耐久力が低いため、前に出すぎるとすぐに倒されてしまいます。 常にタンクの位置を意識し、敵のヘイトがタンクに向いている隙を突いて、最大火力を叩き込みましょう。 現環境では、瞬間火力の高いケールや、追撃性能に優れた孫悟空がダメージロールとして高い評価を得ています。
テクニカルの立ち回り
戦況を最も大きく左右する可能性を秘めた、トリッキーなロールです。 味方にバフ(強化効果)をかけたり、敵にデバフ(弱体化効果)を与えたり、バリアを張って味方を守ったりと、その役割は多岐にわたります。 特に、味方と共に行動することで真価を発揮する**孫悟飯(少年期)**は、サポート性能が極めて高く、いるだけでチームの勝率を大きく引き上げてくれます。 テクニカルを使うプレイヤーは、常にマップ全体を把握し、どこで、誰を、どのようにサポートすべきかを考え続ける必要があります。
無課金で入手可能な強キャラクターは?
ゲキスクは、時間をかければ全てのキャラクターを無課金で入手可能です。 その中でも、特に無課金プレイヤーの強い味方となる、評価の高いキャラクターをピックアップします。

- 孫悟空(ダメージ): 主人公だけあって、非常にバランスの取れた高性能キャラクター。相手を追撃する能力が高く、一度捉えた敵を逃しません。必殺技の元気玉も強力で、様々な場面で活躍できます。
- 孫悟飯(少年期)(テクニカル): 味方へのサポート能力が全キャラ中トップクラス。近くにいるだけで味方を強化でき、ワープで味方の元へ駆けつけて守ることも可能。彼がいるかいないかで、集団戦の安定感が全く異なります。
- クーラ(タンク): 前述の通り、攻守に優れた最強クラスのタンク。無敵スキルによる生存能力は驚異的で、相手からすると非常に厄介な存在です。
これらのキャラクターを優先的に解放・練習することで、無課金でも十分に課金プレイヤーと渡り合っていくことができるでしょう。
毎日コツコツプレイすることが最強への近道
結局のところ、ゲキスクで強くなるための最も確実な方法は、毎日少しずつでもプレイを続けることです。 デイリーミッションやイベントなどをこなしてキャラクター解放に必要な素材を集め、一戦一戦の経験から立ち回りを学んでいく。 その地道な努力こそが、プレイヤースキルを向上させ、あなたを勝利へと導く一番の近道なのです。
過去のドラゴンボールアプリと比較してゲキスクの立ち位置を分析
「ゲキスクがMOBAというジャンルであることは分かった。でも、ドッカンバトルやレジェンズと比べてどうなの?」 ここでは、既存の代表的なドラゴンボールアプリと比較することで、ゲキスクならではの立ち位置と魅力を明らかにしていきます。

ドッカンバトルとの比較:コレクション性と戦略性の違い
「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」は、キャラクターを収集し、育成してパーティーを編成し、気玉を繋げて戦うパズルRPGです。 ゲームの主軸は、いかに強力なキャラクターを手に入れ、理想のパーティーを組むかという**「コレクション性」**にあります。 対人戦要素はほとんどなく、自分のペースで黙々とキャラクターを育て、高難易度イベントに挑むのが主な楽しみ方です。 課金の重要度も高く、強力な新キャラクターを入手するためにガチャを引くことが、戦力アップに直結します。
一方、ゲキスクはリアルタイムの**「対人戦略」**が全てです。 キャラクターのコレクション要素はありますが、それはあくまでスタートラインに立つための準備に過ぎません。 本番はそこから始まる、プレイヤー同士の知恵と技術のぶつかり合いです。 一人で完結するドッカンバトルとは対照的に、ゲキスクは仲間との連携が不可欠であり、コミュニケーションも重要な要素となります。
レジェンズとの比較:アクション性とチームプレイの違い
「ドラゴンボール レジェンズ」は、指一本で操作できる本格的な3Dアクション対戦ゲームです。 こちらもリアルタイムの対人戦がメインですが、基本は1対1の駆け引きが中心となります(3キャラクターを交代させながら戦う形式)。 個人の**「アクションスキル」**やキャラクター同士の相性、コンボの精度などが勝敗を分けます。
ゲキスクもアクション要素はありますが、レジェンズほど複雑なコンボやシビアな操作は要求されません。 それよりも重視されるのが、マップ全体を見渡して戦況を判断する**「マクロな視点」と、4人での「チームプレイ」**です。 レジェンズが「個の強さ」を競うゲームだとすれば、ゲキスクは「チームとしての強さ」を競うゲームと言えるでしょう。 eスポーツで言えば、レジェンズは「格闘ゲーム」、ゲキスクは「チームストラテジーゲーム」に近い感覚です。
なぜ「すぐサ終する」と囁かれるのか?キャラクターゲームの宿命
ドラゴンボールに限らず、人気IP(知的財産)を使ったキャラクターゲームには、常に「すぐにサービス終了(サ終)するのではないか」という不安がつきまといます。 これにはいくつかの理由が考えられます。
- 短期的な収益モデル: 一部のキャラクターゲームは、原作の人気に依存し、リリース初期にガチャで一気に収益を上げた後、運営が手薄になって短期間でサービスを終了するというビジネスモデルを取ることがあります。この過去の事例が、プレイヤーに根強い不信感を植え付けています。
- 原作人気の波: ゲームの面白さとは別に、原作アニメの新シリーズや映画の公開など、外部要因によってユーザー数が大きく変動します。原作人気が下火になると、ゲームの勢いも失われ、サービス終了につながるケースがあります。
- 運営の難しさ: 特にゲキスクのような対人ゲームは、キャラクター間のバランス調整が非常にデリケートです。調整を誤ると、プレイヤーの不満が高まり、ユーザー離れを引き起こします。長期的な運営には、高度な開発・運営能力が求められます。
これらの理由から、「キャラクターゲーム=短命」というイメージが定着してしまっているのです。
バンダイナムコの狙いとは?eスポーツ市場への挑戦か
では、ゲキスクの運営元であるバンダイナムコは、このゲームで何を狙っているのでしょうか。 私は、これは単なるキャラクターゲームの枠を超えた、本格的なeスポーツ市場への挑戦だと分析しています。
MOBAというジャンルは、eスポーツの世界で最も人気と権威のあるジャンルの一つです。 世界中で大規模な大会が開催され、億単位の賞金が動くことも珍しくありません。 バンダイナムコが、世界的な知名度を誇る「ドラゴンボール」というIPと、eスポーツの王道である「MOBA」を組み合わせたのは、この巨大な市場に本気で参入しようという野心の表れではないでしょうか。
もしこの狙いが正しければ、運営は短期的な収益よりも、長期的なコミュニティの形成と競技シーンの盛り上がりを重視するはずです。 そうなれば、「すぐにサ終する」という懸念は杞憂に終わり、継続的なアップデートとバランス調整によって、長く愛されるタイトルへと成長していく可能性を秘めています。 もちろん、これはあくまで私の推測ですが、ゲームの作り込みを見る限り、その可能性は十分にあると感じています。
ゲキスクの現状と今後の展望【ゲーム評論家が斬る】
最後に、ゲーム評論家としての視点から、ゲキスクが抱える課題と、今後の可能性について、少し踏み込んだ分析を述べたいと思います。
賛否両論のゲームバランスとシステム
現状のゲキスクは、手放しで絶賛できる完璧なゲームかと問われれば、正直に言って「ノー」です。 一部のプレイヤーからは、ゲームシステムに対する批判的な意見も出ています。
- 戦略性の単調さ: ポケモンユナイトなど他のMOBAにある「中央レーン」が存在せず、上と下の2ルートに分かれて戦うしかないため、序盤の戦略の幅が狭いという指摘。
- テンポの悪さ: キルを取った時や変身時の演出が長く、ゲームのテンポを阻害している。これは1対1のゲームなら良いが、複数人が入り乱れるMOBAとは相性が悪い。
- 強制される攻守交代: 「前王」というキャラクターのシステムにより、攻撃と防御のターンが半ば強制的に決められてしまうため、奇襲などの自由な戦略が取りにくい。
これらの点は、MOBAとしての奥深さや戦略性を削いでいる面があり、経験豊富なMOBAプレイヤーほど、物足りなさを感じるかもしれません。 カジュアルに遊びやすくするための工夫が、逆にゲームの魅力を損なっているという、ジレンマを抱えている状態です。
「ドラゴンボールらしさ」はどこにあるのか?
もう一つの大きな課題は、「ドラゴンボールのゲーム」としての魅力が十分に発揮されているかという点です。 MOBAというジャンルの特性上、キャラクターが小さく表示され、ドラゴンボールの魅力であるダイナミックなアクションやキャラクターの表情が伝わりにくいという欠点があります。
また、ゲームの根幹をなすオブジェクトが「破壊神」や「前王」といった、原作の中でも特に好みが分かれるキャラクターである点も、多くの原作ファンから疑問の声が上がっています。 なぜセルやフリーザ、魔人ブウといった、誰もが知る魅力的な悪役を主役に据えなかったのか。 世界観の統一感がなく、様々な時代のキャラクターが雑多に登場することに違和感を覚えるプレイヤーも少なくありません。
これは、既存のMOBAのシステムに、ドラゴンボールのキャラクターを後から当てはめたような、いわゆる「ガワ替え」感が拭えない原因となっています。 「ドラゴンボールでMOBAをやる」という企画自体が、そもそも相性が悪かったのではないか、という厳しい意見があるのも事実です。
運営に求められる今後のアップデート
これらの課題を乗り越え、ゲキスクが長期的に成功するためには、今後の運営の舵取りが極めて重要になります。
- 大胆なシステム改修: 小手先のバランス調整だけでなく、戦略の幅を広げるための新ルールや新マップの追加など、プレイヤーを飽きさせないための大胆なアップデートが求められます。
- 「ドラゴンボールらしさ」の追求: ゲーム内イベントなどで、原作のストーリーを追体験できるようなモードを追加したり、ファンが喜ぶようなキャラクターの掛け合いや演出を強化したりすることで、MOBAファンだけでなく、ドラゴンボールファンをもっと惹きつける努力が必要です。
- ユーザーとの対話: プレイヤーからのフィードバックを真摯に受け止め、バランス調整や改善に迅速に反映させていく姿勢が、コミュニティの信頼を勝ち取るためには不可欠です。
最終的な評価:ゲキスクはプレイすべきか?
多くの課題を抱えているのも事実ですが、それでも私は、ゲキスクには大きな可能性が秘められていると考えています。 MOBAという複雑なジャンルを、ドラゴンボールという親しみやすいIPを使って、多くの人が触れるきっかけを作った功績は大きいでしょう。
何よりも、仲間と協力して強敵を打ち破った時の達成感は、他のゲームでは味わえない格別なものがあります。 プレイヤースキルが直接勝利に結びつくゲーム性は、やり込みがいがあり、一度ハマれば長く楽しめることは間違いありません。
あなたがもし、
- 一人で遊ぶゲームに飽きて、仲間と協力する楽しさを味わいたい人
- 単純な作業の繰り返しではなく、常に頭を使う戦略的なゲームが好きな人
- ドラゴンボールのキャラクターを、これまでにない新しい形で動かしてみたい人
であるならば、ゲキスクは一度プレイしてみる価値のあるゲームです。 「廃課金ゲー」「すぐサ終する」といった先入観は一度捨てて、この新しい戦場に飛び込んでみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回のレビューでは、「ドラゴンボール ゲキシンスクアドラ」が廃課金プレイヤー向けのアプリであるという声の真相について、多角的に分析してきました。
- ゲキスクはプレイヤースキルとチーム戦略が重視されるMOBAであり、「廃課金ゲー」ではない。
- 課金はキャラクターを早期解放するための**「時間短縮」**が主な目的。
- 無課金でも、効率的な進め方(スターコレクション)とロールの理解で十分に戦える。
- ゲームシステムや世界観には課題も多いが、eスポーツとしての将来性も秘めている。
最終的にこのゲームがあなたに合うかどうかは、実際にプレイしてみなければ分かりません。 幸い、ゲキスクは基本プレイ無料です。 この記事で得た知識を武器に、まずは一度、仲間と共に戦場に立ってみてください。 そこには、これまでのドラゴンボールゲームとは全く違う、新たな興奮と感動が待っているかもしれません。