ゲーム評論家の桐谷シンジです。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、待望の続編『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH (デス・ストランディング 2: オン・ザ・ビーチ)』を始めるにあたって、広大な世界を効率的に進めるコツや、後で後悔するような「取り返しのつかない要素」がないかどうかが気になっていると思います。
前作をプレイした方も、そうでない方も、新たな冒険の序盤でつまずかないための知識は不可欠です。

この記事を読み終える頃には、デス・ストランディング2の序盤をスムーズに進めるための具体的な知識が身につき、安心してサム・ポーター・ブリッジズとしての新たな旅路を始められるようになっているはずです。
- 序盤の探索と戦闘を格段に楽にする装備の早期入手方法
- 前作から進化したシステムの効率的な活用術
- 広大なマップで迷わないための配達の基本
- 本作における取り返しのつかない要素の有無とその対策
それでは解説していきます。

デス・ストランディング2で序盤に知っておきたいこと5選
本作は、前作の正当進化と呼ぶにふさわしく、多くの点が改善され、より快適にプレイできるようになっています。 しかし、その独特なゲーム性ゆえに、知っているといないとでは序盤の快適さが大きく変わるポイントがいくつか存在します。 私自身が70時間以上プレイして「これは最初から知っておきたかった」と感じた5つの重要なポイントを、プレイの時系列に沿って具体的に解説していきます。

1. スタンロッド・カスタムを早めに入手し戦闘を有利に
物語を2時間ほど進めると、「ラマドレ」というキャラクターに出会います。 彼女との会話の中で「エイドリクエスト」という、いわゆるサブクエストが発生します。 メインストーリーの会話が続くため、つい後回しにしてしまいがちですが、このリクエストだけは最優先でクリアすることをおすすめします。
なぜスタンロッド・カスタムが重要なのか?
今作の敵は非常に好戦的で、特に高難易度では攻撃力が高く、執拗にプレイヤーを追い詰めてきます。 通常の格闘攻撃はガードされやすく、反撃を受けてしまうリスクが高いです。 しかし、「スタンロッド・カスタム」を入手すれば、戦闘の難易度が劇的に変わります。 この武器は、敵にガードされることなく、数発で敵を無力化できる強力な近接武器です。 ステルスが難しい状況や、複数の敵に囲まれた際に絶大な効果を発揮し、序盤の戦闘におけるストレスを大幅に軽減してくれます。

入手方法とワンポイントアドバイス
ラマドレからエイドリクエストを受注し、指定された場所へ向かいます。 この時、周辺を探索すると乗り物(車)が見つかることがあります。 クエストの道のりはまだ徒歩がメインの時期なので、この車を利用すれば、配達と帰路が非常に楽になります。 目的地に荷物を届ければ、「スタンロッド・カスタム」の設計データが解放され、作成可能になります。 ステルスプレイを基本とするプレイヤーであっても、いざという時のために、この武器は必ず早期に手に入れておきましょう。
2. ブラッドグレネードの戦略的活用法を覚える
BT(座礁物)との戦闘は、デス・ストランディングの象徴的な要素の一つです。 ブラッドグレネードはBTに対して有効な武器ですが、直接投擲する以外にも、非常に効果的な使い方があることを覚えておきましょう。
通常弾のダメージを倍増させる裏技
マシンガンなどの通常の銃器は、そのままBTに撃ってもほとんどダメージが通りません。 そこで活躍するのがブラッドグレネードです。 BTに直接当てるのではなく、BTと自分の間の地面や障害物にブラッドグレネードを投げつけます。 すると、サムの血液を含んだ赤い煙が立ち上ります。 この赤い煙を通してBTに銃弾を撃ち込むと、ダメージが倍増し、効率的にBTを倒すことが可能になります。 これは通常のBTだけでなく、大型のボス級BTとの戦闘でも非常に有効な戦術です。 弾薬の節約にも繋がるため、序盤から積極的に活用していきましょう。
緊急時の回避行動
ちなみに、敵に掴まれた際の緊急回避としてブラッドグレネードを使う場合、L2ボタンで構えた状態で□ボタン(PS5コントローラーの場合)を押すことで、その場に設置するようにして起爆できます。 パニックにならず、冷静に対処することが重要です。
3. カイラル結晶はこまめに集めて常に所持しておく
フィールドの至る所で、金色に輝く手の形をした「カイラル結晶」を見つけることができます。 これは単なる素材ではなく、サムの能力に直接関わる重要なリソースです。 見つけたら必ず、こまめに収集する癖をつけましょう。
カイラル結晶が荷物の重量を軽減する
カイラル結晶は、所持している量1000cgごとに、サムが背負う荷物の総重量を1kg軽減してくれる効果があります。 デス・ストランディングは、いかに多くの荷物を、バランスを崩さずに運ぶかが重要となるゲームです。 特に序盤は運搬能力が低いため、この1kgの差が踏破できる地形や、一度に運べる荷物量に大きく影響します。 各地の配送センターなどにもストックされていることがあるので、立ち寄った際には忘れずに回収しましょう。 また、カイラル結晶は国道やモノレールといったインフラ設備の建設にも大量に必要となります。 序盤からコツコツ集めておくことが、後の快適な配達網構築に繋がるのです。
4. どこ行きの荷物を持っているかマップで効率的に確認
広大なフィールドを旅していると、落とし物の荷物を拾う機会が頻繁にあります。 ストーリーとは関係のない配達依頼も増えてくると、どの荷物がどこ宛のものなのか、管理が煩雑になりがちです。
マップの表示で一目瞭然
そんな時は、マップを開いてみてください。 マップ上の各施設(配送センターなど)にカーソルを合わせると、その施設が目的地となっている荷物を現在サムが所持している場合、施設のアイコンの周りに丸い輪っかのようなマークが表示されます。 これにより、今自分が持っている荷物の配送先を直感的に把握することができます。 特に序盤は、メインクエスト以外の配達依頼が少ないため、フィールドで拾った落とし物を届けることが各施設との親密度を上げる主な手段となります。 移動ルートを計画する際に、この機能を活用して「ついで配達」を意識することで、効率的にゲームを進めることができます。
5. トレッキングブーツを早期に入手して移動を快適に
サムの装備の中でも、最も消耗が激しいのがブーツです。 特に序盤で手に入る「トランスポーターブーツ」は耐久度が低く、険しい地形を歩くだけですぐにボロボロになってしまいます。 ブーツが壊れると移動速度が落ち、バランスも崩しやすくなるため、スタミナ消費も激しくなります。 このストレスを解消するために、「トレッキングブーツ」の早期入手を目指しましょう。
入手方法と性能
トレッキングブーツは、特定の配送先との親密度を上げることで設計図が解放されます。 その配送先は「ボッカ」という施設です。 一生の途中でバイクが手に入ったら、少し寄り道をして「ボッカ」周辺で落ちている荷物を探してみましょう。 ボッカ宛の荷物を拾って届けることで、親密度が上がり、報酬としてトレッキングブーツのデータが手に入ります。 トレッキングブーツは、トランスポーターブーツに比べて耐久度が高く、険しい地形でもバランスを崩しにくいのが特徴です。 装備を切り替えるだけで、移動の快適性が劇的に向上し、重い荷物を背負っていても軽快に動けるようになります。 配達の快適性は、このゲームの面白さに直結する要素です。 できるだけ早い段階で入手しておくことを強く推奨します。
デス・ストランディング2で後戻りできない要素はある?
これから長大な物語を始めるにあたり、「取り返しのつかない選択」や「後戻りできない要素」がないか心配になる方もいるでしょう。 結論から言うと、本作において、ストーリー進行やキャラクターの育成で完全にやり直しがきかなくなるような、致命的な取り返しのつかない要素はほとんどありません。 しかし、知っておくべき注意点がいくつか存在します。

ストーリー進行は後戻り不可
これは多くのゲームで共通ですが、一度進めたメインストーリーを過去に戻ってやり直すことはできません。 物語の展開やイベントシーンをじっくりと味わいたい方は、自分のペースで進めることをお勧めします。 また、特定の章に進むと、一時的に以前のエリアに戻れなくなることがあります。 やり残した配達依頼などがある場合は、ストーリーを進める前にクリアしておくと良いでしょう。 ただし、最終的にはほとんどのエリアに自由に行き来できるようになるので、過度に心配する必要はありません。
装備の選択と開発の重要性
本作では、配達や戦闘をこなすことで様々な武器や装備が開発可能になります。 どの装備を優先的に開発・アップグレードするかはプレイヤーの自由ですが、一度開発に使用した素材は戻ってきません。
自分のプレイスタイル(戦闘重視か、配達効率重視かなど)に合わせて、計画的に開発を進めていくことが重要です。 特に、国道やジップラインなどのインフラ整備に使う素材は大量に必要となるため、無駄遣いは避けたいところです。
オンライン要素と他プレイヤーとの繋がり
デス・ストランディングの大きな特徴である「ソーシャル・ストランド・システム」は、他プレイヤーが建設した建造物(橋、発電機、ジップラインなど)が自分の世界に現れるというものです。

これにより、他の誰かの善意が自分の冒険を助けてくれるユニークな体験ができます。 しかし、どのプレイヤーと繋がりを持つか(ストランド契約を結ぶか)は慎重に選ぶことをお勧めします。 アクティブにプレイしており、有用な建造物をたくさん建ててくれるプレイヤーと契約を結ぶことで、自分の世界のインフラが充実し、配達が格段に楽になります。 これは後から変更可能ですが、序盤から意識しておくと良いでしょう。
スキル育成の方針
今作では、プレイヤーの行動に応じてサムの能力が細かく成長していくシステムが導入されています。 例えば、荷物を丁寧に運べば運搬能力が、戦闘を積極的にこなせば戦闘能力が向上するといった具合です。 また、「aパスエンハンスメント」というスキルツリー形式の育成要素もあります。 スキルポイントの割り振りは、ある程度は後から調整可能ですが、頻繁に変更できるわけではありません。 序盤はバランス良く育てるか、自分の得意な分野に特化するか、ある程度の方向性を決めておくと、スムーズにキャラクターを強化できます。
購入前に知っておきたいゲームの世界観と注意点
本作は間違いなく傑作ですが、その独創性ゆえに、プレイヤーを選ぶゲームであることも事実です。 購入後に「思っていたのと違った」とならないために、本作がどのようなゲームで、どのような点に注意すべきかを解説します。

驚きに満ちた壮大なストーリー
物語は、前作で北米大陸を繋いだサムが、今度はメキシコやオーストラリアといった新たな舞台で、再び世界を繋ぐために旅に出るところから始まります。 小島秀夫監督作品ならではの、謎が謎を呼ぶ展開、魅力的なキャラクターたちが織りなす重厚な人間ドラマ、そして映画のような美しい演出は健在です。
前作の物語は非常に難解でしたが、今作は比較的ストーリーラインが分かりやすくなっており、専門用語や過去の出来事を解説してくれる「コーパス」機能も搭載されているため、物語に没入しやすくなっています。 それでも、独特な世界観や哲学的なテーマは色濃く反映されているため、考察が好きなプレイヤーにはたまらない内容と言えるでしょう。
ゲーム性は人を選ぶ「配達」が中心
本作のゲームプレイの大部分は、荷物を目的地まで運ぶ「配達」です。 そして、その道のりは決して平坦ではありません。 重すぎる荷物を運べば転び、急な川に流され、険しい山道を一歩一歩踏みしめて進む必要があります。 この「思い通りにならない移動」を、はしごやロープ、乗り物、そして他プレイヤーと協力して作り上げるインフラを駆使して、いかに効率的に、いかに安全に乗り越えるか、という工夫の過程こそが本作の醍醐味です。
このストイックなプロセスに中毒性を見出すことができるかどうかが、本作を楽しめるかどうかの分かれ道になります。 単調な作業が苦手な方や、常に派手なアクションを求める方には、退屈に感じられる可能性があることは否定できません。
前作はプレイすべきか?
本作からプレイを始めても、ストーリーの要約や解説機能があるため、物語を理解することは十分に可能です。 しかし、個人的には、もし時間に余裕があるのなら、前作『DEATH STRANDING』(特にディレクターズカット版)をプレイしておくことを強く推奨します。
前作で因縁のあったキャラクターが今作でも重要な役割を果たし、サムと仲間たちとの旅路を知っていることで、物語への感情移入の度合いが全く違ってきます。 前作での経験は、今作で描かれるドラマを何倍にも深く、感動的なものにしてくれるはずです。
まとめ
『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』は、前作の魅力を正当進化させ、より多くのプレイヤーが楽しめるように調整された、他に類を見ない独創的な傑作です。 しかし、そのユニークさゆえに、序盤で知っておくべきいくつかの重要なポイントが存在します。
- スタンロッド・カスタムやトレッキングブーツといった重要装備を早期に入手し、序盤のストレスを軽減する。
- ブラッドグレネードの煙やマップの荷物確認機能など、システムの仕様を理解して効率的に活用する。
- カイラル結晶をこまめに集め、運搬能力の向上とインフラ整備に備える。
- 致命的な取り返しのつかない要素は少ないが、ストーリー進行やスキル育成は計画的に行う。
本作は、困難な道のりを自らの知恵と工夫で乗り越えた先に、他者との緩やかな繋がりを感じられるという、唯一無二の達成感を与えてくれます。 今回紹介したポイントを押さえておけば、序盤でつまずくことなく、この壮大な世界に没頭できるはずです。 さあ、準備は整いました。 再び世界を繋ぐための、あなたの旅を始めてください。