ゲーム評論家の桐谷シンジです。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、2025年に発売が予定されている待望の新作「DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH (デス・ストランディング 2: オン・ザ・ビーチ)」の購入を検討していて、後悔しないために事前にダメなところや人を選ぶ要素をしっかりと把握しておきたいと思っているのではないでしょうか。

小島秀夫監督が手掛ける作品は常に独創的で多くのファンを魅了しますが、その一方で、その尖った作風がゆえに「自分には合わなかった」という声が挙がるのも事実です。 特に、決して安くはないゲームソフトの購入で失敗したくないと考えるのは当然のことでしょう。
この記事では、前作を100時間以上プレイし、続編の情報を追い続けている私が、現時点で判明している情報や前作の傾向、そして海外の先行レビューやSNSでの反応などから推測される「デス・ストランディング2のダメなところ」や、購入後にガッカリしかねない要素を徹底的に分析・解説していきます。
この記事を読み終える頃には、あなたが「デス・ストランディング2」を買うべきかどうか、その判断材料が明確になっているはずです。
- 人を選ぶ独特すぎるゲーム性
- 前作プレイがほぼ前提のストーリー
- 賛否両論を呼ぶオンライン要素
- プラットフォーム限定という高いハードル
それでは解説していきます。

デス・ストランディング2のダメなところ|購入前に知るべきガッカリ要素
早速ですが、本作の購入を検討する上で、事前に覚悟しておくべき「ダメなところ」や、人によっては「ガッカリする」可能性のある要素を8つのポイントに分けて詳しく解説していきます。 これらは前作の評価や、続編のトレーラー、先行プレイの感想などから見えてきた、本作が抱えるであろう課題や特徴です。

デス・ストランディング2のゲーム性|「配達」が合わないとただの苦痛
最大の注意点は、このゲームの根幹をなすゲーム性そのものです。 「デス・ストランディング」は、一言で言えば「配達シミュレーター」です。 プレイヤーは主人公サム・ポーター・ブリッジズとなり、広大なオープンワールドを舞台に、様々な荷物を目的地まで運ぶことが主な目的となります。

この「配達」という行為が、本作の評価を二分する最大の要因です。 一般的なオープンワールドゲームのように、敵を倒してレベルを上げたり、爽快なアクションで暴れ回ったりすることを期待していると、肩透かしを食らう可能性が非常に高いでしょう。
移動そのものがコンテンツだが単調さは否めない
本作の面白さは、険しい地形をどう乗り越え、荷物を無事に届けるかという「過程」にあります。 はしごをかけたり、ロープを使ったり、時には他のプレイヤーが設置した建造物を利用しながら、最適なルートを開拓していく。 このストイックなゲームプレイに、パズルのような面白さや、達成感を見出せる人にとっては、唯一無二の体験となるでしょう。
しかし、その一方で、ゲームプレイの大部分は「移動」に費やされます。 人によっては、これを「単調なお使いの繰り返し」「退屈な作業」と感じてしまうでしょう。 特に、ゲーム序盤は使える装備も少なく、ひたすら徒歩での移動が続くため、ここで挫折してしまうプレイヤーが前作では少なくありませんでした。 「デス・ストランディング2」では、新たな乗り物や移動手段が追加されると発表されていますが、ゲームの根幹が「配達」であることに変わりはないため、この基本的なゲーム性が肌に合わないと感じる方は、購入を慎重に検討すべきです。
デス・ストランディング2のストーリー|前作未プレイだと魅力が半減する
小島監督作品の大きな魅力の一つが、深く作り込まれたストーリーと世界観です。 「デス・ストランディング2」は、前作のエンディングから続く、完全な続編として描かれます。
これは、前作のファンにとっては非常に喜ばしいことですが、新規プレイヤーにとっては高いハードルとなり得ます。 前作をプレイしていなくても楽しめるように、あらすじを振り返る機能などが搭載される可能性は高いですが、物語の感動を100%味わうためには、前作のプレイがほぼ必須と言えるでしょう。
複雑な専門用語と人間関係
「デス・ストランディング」の世界には、「カイラル通信」「BT」「ビーチ」「DOOMS」といった、数多くの専門用語が登場します。 これらの設定を理解した上でないと、物語の全容を把握するのは困難です。
さらに、サムとルー(BB)、フラジャイル、ヒッグスといったキャラクターたちの複雑な人間関係や、前作で起きた出来事が、今作の物語の基盤となっています。 前作での彼らの旅路を知っているかどうかで、キャラクターへの感情移入の度合いは大きく変わってくるでしょう。 もし、あなたが重厚なストーリー体験を求めて本作に興味を持ったのであれば、まずは前作「デス・ストランディング ディレクターズカット」からプレイすることを強く推奨します。
デス・ストランディング2のムービー|冗長でテンポが悪いと感じる可能性
これも小島監督作品の「お約束」とも言える特徴ですが、非常に長いムービー(カットシーン)が頻繁に挿入されます。 まるで映画を観ているかのような高品質な映像と演出は、物語への没入感を高めてくれる一方で、プレイヤーによっては「ゲームプレイを阻害されている」「テンポが悪い」と感じる原因にもなります。
特に、ゲームの冒頭や章の終わりには、1時間を超えるような長尺のムービーが流れることも珍しくありません。 また、乗り物から降りる、アイテムを作成するといった些細な動作にも、スキップできない短い演出が挟まることがあり、これが積み重なるとストレスに感じる可能性があります。 サクサクと自分のペースでゲームを進めたいタイプのプレイヤーは、この独特のテンポ感に注意が必要です。
デス・ストランディング2の戦闘|前作より進化したがゲームの主軸ではない
「デス・ストランディング2」の最新トレーラーでは、派手な銃撃戦や新たな敵との戦闘シーンが公開され、アクション要素の大幅な進化が期待されています。 前作では「おまけ程度」と揶揄されることもあった戦闘システムが、より本格的で楽しめるものになるのは間違いないでしょう。
しかし、忘れてはならないのは、本作の主軸はあくまで「配達」であるという点です。 本格的な三人称視点シューティング(TPS)や、高難易度のアクションゲームを期待して購入すると、物足りなさを感じるかもしれません。 先行プレイのレビューによれば、戦闘の自由度は増しているものの、ステルスで敵を回避したり、戦闘自体を避けて配達ルートを確保したりすることが、依然として有効な攻略法の一つとなっているようです。 戦闘は、困難な配達を乗り越えるための「手段」の一つであり、それ自体が目的ではないのです。
デス・ストランディング2のUIと操作性|複雑で慣れが必要になる
「デス・ストランディング」は、管理すべき要素が非常に多いゲームです。
- 荷物の重量と重心バランス
- スタミナや血液残量
- 装備品の耐久度
- 天候の変化
- カイラル結晶などの素材管理
これらの情報を管理するためのユーザーインターフェース(UI)は、情報量が多く、初見ではかなり複雑に感じられます。 また、L2・R2ボタンで体のバランスを取る、といった独特の操作も要求されるため、直感的にプレイできるまでにはある程度の慣れが必要になるでしょう。 シンプルな操作で手軽に遊びたいと考えている人にとって、この複雑さは大きな参入障壁となる可能性があります。
デス・ストランディング2のオンライン要素|フラゲ勢による弊害と意図しない影響
本作の独自システム「ソーシャル・ストランド・システム」は、他のプレイヤーと緩やかにつながり、協力し合える画期的なオンライン要素です。 しかし、このシステムが諸刃の剣となる可能性も指摘されています。
AmazonレビューやSNSの一部では、前作において発売日直後にもかかわらず、不正な手段でゲームを先行プレイしたいわゆる「フラゲ勢」によって、フィールド上に大量の便利な建造物が設置されていた、という報告がありました。 本来であれば、プレイヤー全員で少しずつ世界を開拓していく過程が楽しめるはずなのに、最初からインフラが整ってしまっていることで、その楽しみがごっそり奪われてしまうという問題です。
「デス・ストランディング2」でも同様の問題が起こらないとは限りません。 自分のペースで、まっさらな世界を開拓していく体験をしたいプレイヤーにとって、他人の存在がノイズに感じられる場面があるかもしれないことは、覚悟しておくべきでしょう。
デス・ストランディング2のプラットフォーム|PS5独占という高いハードル
2024年6月現在、「デス・ストランディング2」の対応プラットフォームはPlayStation 5(PS5)のみと発表されています。 これは、PCやNintendo Switch、Xboxといった他のプラットフォームでゲームをプレイしているユーザーにとっては、非常に高いハードルとなります。

前作は時限独占の後にPC版が発売されたため、本作もいずれPCでリリースされる可能性は十分に考えられます。 しかし、発売後すぐにプレイしたいのであれば、PS5本体を所有していることが必須条件となります。 本作のためだけに高価なゲーム機本体を購入することに抵抗がある方は、将来的なPC版のリリースを待つという選択肢も視野に入れるべきでしょう。
ハードウェア | 対応状況 | 価格帯(参考) |
---|---|---|
PlayStation 5 | 対応 | 約67,000円 |
PC (Steamなど) | 未対応 | – |
Nintendo Switch | 未対応 | – |
Xbox Series X/S | 未対応 | – |
デス・ストランディング2の現状|発売直後の盛り上がりに欠ける?
海外の一部メディアやゲームファンの間では、「デス・ストランディング2」の売上が前作を下回るのではないか、という懸念が示されています。 例えば、イギリスのパッケージ版初週売上において、前作よりも大幅に低い数字であったという報道がありました。
もちろん、これはパッケージ版のみの数字であり、現在はダウンロード販売が主流であるため、一概に「売れていない」と断じることはできません。 しかし、SNSのトレンドや動画配信サイトの状況を見ても、前作や他のAAA級タイトル(例えば「エルデンリング」など)が発売された時のような、社会現象的な熱狂には至っていない、という見方もあります。
これがゲーム自体の面白さに直結するわけではありませんが、「世間で話題になっている最新のゲームをプレイしたい」というモチベーションで購入を検討している場合、少し物足りなさを感じるかもしれません。
デス・ストランディング2は買うべきか?|こういう人にはオススメできない
ここまで解説してきた「ダメなところ」を踏まえて、具体的にどのような人に「デス・ストランディング2」がオススメできないかをまとめてみました。 もし、以下の項目に複数当てはまるようであれば、購入は一度立ち止まって考えた方が良いかもしれません。

オススメできない人①|爽快なアクションや戦闘を最優先する人
本作の戦闘は進化していますが、あくまで主役は「配達」です。 「The Last of Us」や「Call of Duty」のような、作り込まれた銃撃戦やアクションを期待すると、肩透かしを食らうでしょう。
オススメできない人②|コツコツとした作業や移動が苦手な人
ゲームプレイの大部分は、目的地への「移動」です。 この過程を楽しめず、「作業」と感じてしまう人には、本作のプレイは苦痛になる可能性が高いです。 「あつまれ どうぶつの森」のようなスローライフゲームや、「Euro Truck Simulator」のようなシミュレーションゲームが苦手な方は要注意です。
オススメできない人③|複雑なストーリーや設定を追うのが面倒な人
本作の物語を深く理解するには、前作の知識と、多くの専門用語への理解が求められます。 考察サイトを読み解くような、難解な物語が苦手な方にはオススメできません。

オススメできない人④|手軽にサクッとゲームを楽しみたい人
長いムービー、スキップできない演出、複雑な操作系など、本作は腰を据えてじっくりとプレイすることが前提の作りになっています。 短い時間で手軽に達成感を味わいたい、というプレイスタイルの方には不向きです。
オススメできない人⑤|他のプレイヤーの影響を受けずにソロで没入したい人
ソーシャル・ストランド・システムは、良くも悪くも他者の存在を感じさせるシステムです。 完全にオフラインの、孤独な世界に没入したいという方には、このシステムが邪魔に感じられるかもしれません。
オススメできない人⑥|PS5を持っていない人
現時点ではPS5でしかプレイできません。 他のプラットフォームで遊びたい方は、今後の展開を待つしかありません。
購入を迷っている方への最終提案
もしあなたが前作を未プレイで、今回のレビューを読んで購入を迷っているのであれば、一つの提案があります。 それは、まず**「デス・ストランディング ディレクターズカット」をプレイしてみる**ことです。
ディレクターズカット版は、PS5やPCで比較的安価に購入できるほか、PlayStation Plusのゲームカタログ対象にもなっている場合があります。 まずは前作で「配達」というゲーム性が自分に合うかどうかを確かめてから、続編の購入を検討するのが、最も賢明で後悔のない選択と言えるでしょう。
まとめ
今回は、「デス・ストランディング2のダメなところ」と題して、購入後にガッカリする可能性のある要素を徹底的に解説しました。
- ゲーム性の核である「配達」は、人によって評価が真っ二つに分かれる
- ストーリーは前作の続きであり、新規プレイヤーにはハードルが高い
- 映画的な長いムービーや演出は、ゲームのテンポを重視する人には合わない
- オンライン要素は、意図せず他者の影響を受ける可能性がある
- PS5独占であり、誰もが気軽に手を出せるわけではない
誤解しないでいただきたいのは、これらの要素は、見方を変えれば全て「デス・ストランディング」という作品が持つ唯一無二の魅力にもなり得るということです。 他のどのゲームにもない、独創的な体験がここにはあります。
重要なのは、あなたがゲームに何を求めているかです。 このレビューで挙げた「ダメなところ」を理解し、それでもなお「この世界を旅してみたい」と感じるのであれば、きっと「デス・ストランディング2」はあなたにとって忘れられない一本になるでしょう。 購入前の判断材料として、このレビューが少しでもお役に立てれば幸いです。