ゲーム攻略ライターの桐谷シンジです。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、2025年11月20日に発売が迫った『星のカービィ エアライダー』が気になっているものの、「レースゲームならマリオカートがあるし、何が違うの?」と疑問に思っているかもしれません。
たしかに、どちらも人気キャラクターが登場するレースゲームという点では共通しています。 しかし、僕のようなゲームライターから言わせてもらうと、この2作は「似て非なるもの」どころか、**「全く異なる体験を提供する別ジャンルのゲーム」**と言っても過言ではありません。
この記事を読み終える頃には、『星のカービィ エアライダー』が持つ唯一無二の魅力と、『マリオカート』との決定的な違い、そして今作が「買い」なのかどうかの疑問が解決しているはずです。
- エアライダーとマリオカートの決定的な違い
- 独自モード「シティトライアル」の圧倒的魅力
- アクセル不要の独特な操作性とスピード感
- 「ライダー×マシン」が生み出す無限の戦略
それでは解説していきます。
星のカービィ エアライダーとは? 22年の時を経て蘇る伝説
まずは、今作『星のカービィ エアライダー』がどのようなゲームなのか、基本情報をおさらいしておきましょう。
2025年11月20日発売!待望の完全新作
『星のカービィ エアライダー』は、2025年11月20日にNintendo Switchで発売予定の新作レース&アクションゲームです。
多くのゲームファンにとって記憶に新しいのは、2003年にニンテンドー ゲームキューブで発売された『カービィのエアライド』でしょう。 そう、今作は実に22年ぶりとなる、あの伝説的なタイトルの完全新作なのです。
前作『カービィのエアライド』は、「簡単操作で奥深い」「シティトライアルが神ゲーすぎる」と、発売から20年以上経った今でも根強いファンコミュニティに支えられ、新作が熱望され続けてきました。 今回の発表は、世界中のファンにとってまさに待望の瞬間だったわけです。
『エアライド』から『エアライダー』へ、タイトル変更に込められた意味
前作のタイトルは『カービィのエアライド』でした。 しかし、今作は『星のカービィ エアライダー』へと変更されています。 (『エアライド2』ではないんですね)
この変更には明確な理由があり、それは今作が「ライダーを変えることができる」ようになったからです。
前作では、基本的に操作するのはカービィ(と、一部モードでのデデデ・メタナイト)でしたが、今作ではカービィだけでなく、デデデ大王、メタナイト、バンダナワドルディ、コック川崎など、おなじみのキャラクターたちが「ライダー」としてマシンに搭乗します。
各ライダーは固有の特徴やスペシャル技を持っており、どのライダーがどのマシンに乗るか、その組み合わせが戦略の核となります。 この「ライダー」の重要性こそが、今作のタイトルに込められたメッセージなのです。
マリオカートとは似て非なるゲーム性!エアライダーの3つの核心
では、本題です。 「マリオカートと何が違うのか?」 僕が特に強調したい、決定的に異なるポイントは以下の3つです。
- 圧倒的なスピード感と「加速」の概念 マリオカートが「相手を妨害して減速させる」駆け引きなら、エアライダーは「自分がどう加速するか」を追求するゲームです。 攻撃を当てると自分が加速し、被弾側のデメリットも少ないため、レースのテンポが非常に速いです。
- アクセル不要!「ドリフト前提」の操作性 今作にアクセルボタンは存在しません。 キャラクターは自動で前進します。 プレイヤーが行うのは、スティックでの左右操作と、Bボタン(仮)での「ブレーキ&チャージ」。 このチャージを解放してブースト(急加速)するのが基本操作であり、カーブは「ドリフト(チャージ)で曲がる」のが前提となっています。
- レースゲームの枠を超えた「シティトライアル」 これが最大の差別化ポイントです。 「5分間、広大な箱庭マップでマシンを成長させ、ランダムに選ばれる最終決戦(スタジアム)で戦う」という、育成・探索・対戦アクション・レースが融合した唯一無二のモード。 正直、このモードだけでも買う価値があると断言できます。
これだけ聞いても、まだピンとこないかもしれませんね。 次のセクションで、『マリオカート』シリーズ(特に最新の『8 デラックス』)と具体的にどこが違うのか、深く掘り下げていきましょう。
徹底比較!エアライダー vs マリオカート 決定的な違い
国民的レースゲーム『マリオカート』も、もちろん素晴らしいゲームです。
しかし、『エアライダー』が提供する体験は、その対極にあると言ってもいいほど異なります。 項目ごとに徹底的に比較してみましょう。
| 比較項目 | 星のカービィ エアライダー | マリオカート (8 デラックス) |
|---|---|---|
| 操作の基本 | アクセル不要(自動前進) | アクセルボタン必須 |
| カーブ | チャージ&ブースト(ドリフト前提) | ドリフト(ミニターボ) or 減速 |
| スピード感 | 非常に速い。攻撃で「自身が」加速 | 速い。アイテムで「相手が」減速 |
| アイテム | コピー能力(敵を吸い込み、任意で選択) | アイテムボックス(ランダム) |
| キャラクター | ライダー(性能に大きく影響、SP技あり) | キャラ(性能差はあるが、カスタム依存度高) |
| マシン | マシン(性能差が極端) | カート・タイヤ・カイト(組み合わせで調整) |
| メインモード | シティトライアル(育成・対戦) / エアライド(レース) | グランプリ / VSレース(純粋なレース) |
比較①:操作性「アクセル不要のチャージ&ブースト」
まず、ゲームの根幹である操作性が全く違います。
エアライダーの操作:ドリフト前提の「溜め」と「解放」
エアライダーは、スティックを倒すだけで自動で進みます。 そして、Bボタン(仮)を押すとブレーキがかかり、そのまま押し続けると「チャージ」が始まります。 カーブでは、このチャージで車体の向きを変え、カーブの出口でボタンを離すことで一気に「ブースト(急加速)」! この一連の動作が、基本的な曲がり方になります。
マリオカートのように「ドリフトしないで曲がる」という選択肢はほぼ無く、常にチャージとブーストを繰り返して速度を維持・向上させていく操作感が求められます。 この「溜めて、解放する」リズム感が、エアライダー特有の気持ちよさを生み出しているのです。
マリオカートの操作:アクセルとドリフトの併用
対するマリオカートは、Aボタン(仮)でアクセルを踏み続け、Rボタン(仮)でドリフトを開始します。 ドリフト中はミニターボが溜まり、走りを工夫することでタイムを縮めていきます。 しかし、初心者であればドリフトを使わず、アクセルとハンドル操作だけでも十分にレースを楽しむことができます。
エアライダーは、この「ドリフト(チャージ)前提」という点で、よりアグレッシブな操作をプレイヤーに要求すると言えるでしょう。
比較②:スピード感「攻撃は最大の加速」
レースゲームの華であるスピード感も、両者でアプローチが異なります。
自身を加速させる攻撃システム
エアライダーの最大の特徴は、「他のプレイヤーに攻撃を当てると、自分が加速できる」システムです。 マリオカートのキラーやダッシュキノコのように、瞬間的に速度が上がります。
さらに、攻撃を当てられた側のダメージリアクション(減速)は意図的に小さく設定されています。 これにより、「攻撃=妨害」ではなく「攻撃=自分の加速手段」という意味合いが強くなっています。 レースは常にハイスピードで展開され、減速によるイライラが少ないのが特徴です。
減速がメインのマリオカートとの駆け引きの違い
マリオカートは、赤こうらやサンダー、トゲゾーこうらなど、「相手を減速・停止させる」アイテムが駆け引きの中心です。
上位にいればいるほど妨害のリスクが高まり、下位からの追い上げチャンスも生まれます。 これはこれで非常に面白い戦略ですが、エアライダーは真逆の思想で作られていることがわかります。
比較③:アイテムシステム「戦略的なコピー能力」
レースをかき乱すアイテムも、思想が全く異なります。
自分で選べる「コピー能力」
エアライダーでは、コース上にいる敵キャラクターを吸い込むことで「コピー能力」を得られます。
ファイア、ソード、ボム、ホイールなど、おなじみの能力がレース中の攻撃手段となります。 重要なのは、これが「ランダムではない」という点です。
「あのカーブの先にファイアの敵がいるから、吸い込んで次の直線で使おう」 「今は攻撃より速度が欲しいから、ジェットの敵をコピーしよう」 このように、プレイヤーが戦略的に能力を選択できるのです。 (もちろん、能力を持たない敵もおり、その場合は吸い込んで「星型弾」として吐き出す攻撃ができます)
運要素が強い「アイテムボックス」
マリオカートのアイテムは、「アイテムボックス」を通過した際にランダムで決まります。 順位に応じて出現確率が調整されており、下位ほど強力なアイテム(キラーやサンダー)が出やすくなっています。 これは運の要素が強く、誰もが逆転のチャンスを持てるパーティーゲームとしての側面を強めています。
自分で戦略を組み立てたい人はエアライダー、ランダムな展開を楽しみたい人はマリオカート、という棲み分けもできそうです。
比較④:キャラクター性能「マシンに影響を与えるライダー」
キャラクターとマシンの選び方も、大きく異なります。
エアライダーの「ライダー×マシン」の組み合わせ
エアライダーでは、「ライダー(キャラクター)」と「マシン」を別々に選びます。 そして、この2つの組み合わせが性能に大きな影響を与えます。
例えば、ライダー「デデデ大王」は自動でハンマー攻撃を行う特性があり、マシンに乗ると最高速や攻撃力、耐久性が上がります。 一方、「カービィ」が乗ると、加速や旋回性能が上がるといった違いがあります。
さらに、マシン自体も「ワープスター(バランス型)」、「ウィングスター(飛行特化型)」、「ワゴンスター(チャージ不可だが高性能)」など、性能が極端です。 「この飛行コースなら、飛行特化のウィングスターに、加速性能を補うカービィを乗せよう」といった深い戦略が生まれます。
マリオカートの「キャラ×カスタム」の多様性
マリオカート8DXでは、「キャラクター」「カート」「タイヤ」「カイト」の4つを組み合わせ(カスタム)ます。 キャラクターごとにも性能差はありますが、それ以上にカスタムパーツによる調整幅が非常に広いです。 重量級キャラの弱点である加速をパーツで補ったり、逆にスピードを極限まで高めたりと、こちらも奥深いカスタマイズが楽しめます。
エアライダーの方が、より「ライダー」と「マシン」それぞれの個性が際立っている、と言えるかもしれません。
比較⑤:ゲームモード「唯一無二のシティトライアル」
そして、これが決定的な違いです。 マリオカートのメインが「レース(グランプリ)」であるのに対し、エアライダーには「シティトライアル」という、他のどのゲームにもない独自のモードが存在します。
このモードこそが、前作が20年以上愛され続ける理由であり、今作最大の注目ポイントです。 次のセクションで、この「シティトライアル」の魔力的な面白さを徹底的に解剖します。
エアライダーの核!「シティトライアル」モード徹底解剖
もしあなたが「レースゲームは苦手だから…」と『エアライダー』の購入をためらっているなら、それは大きな誤解です。 この「シティトライアル」モードは、レースゲームの枠組みを完全に破壊しています。
シティトライアルの基本ルール:5分間の成長と最終決戦
このモードのルールは以下の通りです。
- 最大16人(オンライン時)のプレイヤーが、広大な箱庭マップ「スカイア」に同時に放り出される。
- 制限時間(基本5分間)以内に、マップ中に隠された「パワーアップアイテム」を集め、自分のマシンを強化する。
- コンテナを壊したり、他のプレイヤーを攻撃したりしてアイテムを奪い合う。
- マップ内に点在する「マシン」を見つけ、より強力なマシンに乗り換える。
- 5分後、全員が強制的に「スタジアム(最終決戦)」に転送される。
- 最終決戦は、「レース」「バトルロイヤル」「飛距離競争」など、ランダム(あるいは投票)で決まる様々な競技。
- 5分間でどれだけ自分のマシンを「最終決戦に有利な形」に成長させられたかで勝敗が決まる。
純粋なドライビングテクニックだけでなく、「どこでアイテムを集めるか」「どのマシンを選ぶか」「他のプレイヤーと戦うか、逃げるか」といった戦略と立ち回りが勝敗を大きく左右します。
最大16人対戦!広大な箱庭マップ「スカイア」
今作のシティトライアルは、オンラインで最大16人、オフラインでも(CPUを含めれば)最大16人で遊ぶことができます。 (レースモードである「エアライド」は最大6人なので、いかにこのモードに力が入れられているかわかります)
舞台となる「スカイア」は前作よりもさらに広大になっており、火山、氷山、森、ビル街など、様々なロケーションがシームレスに繋がっています。 この広いマップで、15人のライバルとアイテムやマシンを奪い合う chaotic(カオス)な展開は、想像するだけでワクワクしますね。
成長のカギを握る9種類の「パワーアップアイテム」
マップで集められるパワーアップアイテムは、以下の9種類が確認されています。
| アイテム名 | 効果 | シティトライアルでの重要度(考察) |
|---|---|---|
| カソク | 加速性能がアップ | どの競技でも重要。特に04アタックやレース系。 |
| サイコウソク | 最高速度がアップ | 04アタックやレース系で必須。 |
| センカイ | カーブの曲がりやすさがアップ | レース系、デスマッチでの立ち回りに影響。 |
| ヒコウ | 空を飛ぶ性能がアップ | エアグライダー、ポイントストライクで最重要。 |
| コウゲキ | 攻撃力がアップ | デスマッチ、バトルロイヤルで必須。アイテム収集効率もUP。 |
| ボウギョ | 防御力がアップ | デスマッチ、バトルロイヤルでの生存率UP。 |
| チャージ | チャージ速度がアップ | チャージが重要なマシンの性能を引き出す。 |
| オモサ | マシンの重さがアップ | 敵の攻撃で吹き飛ばされにくくなる。スカイフォールで重要か? |
| タイリョク | マシンの耐久力がアップ | マシン破壊を防ぐ。デスマッチ等で重要。 |
5分間の制限時間で、これらのステータスをどう伸ばすか。 例えば、「最終決戦はエアグライダー(飛距離)だ!」と予測(※後述)したら、「ヒコウ」と「サイコウソク」を重点的に集める。 「いや、デスマッチ(バトル)が来そうだ」と読んだら、「コウゲキ」と「ボウギョ」、「タイリョク」を優先する。 こうした戦略の組み立てが、シティトライアルの醍醐味です。
マシンの乗り換えと強奪:戦略的な立ち回り
最初は全員が貧弱な「ライトスター」というマシンでスタートしますが、マップ内には様々なマシンが隠されています。 強力なマシンを見つけたら、すぐに乗り換えましょう。
さらに、他のプレイヤーのマシンが壊れかけの時に体当たりすると、そのマシンを強奪することもできます。 逆に、自分のマシンが破壊されると、徒歩での移動を余儀なくされます(めちゃくちゃ遅い)。 アイテム収集どころではなくなるため、マシンの耐久力管理も重要です。
前作からの進化点:アイテムストック機能
前作プレイヤーにとって朗報なのが、「アイテムストック機能」の追加です。 前作では、コピー能力以外の攻撃アイテム(ボムなど)は、取得した瞬間に使うしかありませんでした。
今作では、1つだけアイテムをストックしておき、好きなタイミングで使えるようになります。 これにより、「今は使いたくないのに…」というストレスがなくなり、戦略性が格段にアップしています。
一発逆転の「ランダムイベント」
5分間の探索中、マップでは様々な「ランダムイベント」が発生し、展開をかき乱します。
- ボスの「ダイナブレード」が出現(倒せば大量のアイテム)
- 隕石が降り注ぐ(大ダメージ)
- アイテムが大量に隠された「秘密の部屋」が開く
- 雷を落とす「クラッコ」が出現
こうしたイベントにどう対処するかも、プレイヤーの腕の見せ所です。
新イベント「ショートレース」と「デスマッチ」の考察
今作では、新たなイベントも追加されています。
- ショートレース:マップ上にスタート地点が出現し、短距離レースが始まる。早くゴールするほど多くの能力がアップ。
- デスマッチ:狭い円形ステージに転送され、バトルロイヤルが始まる。これも結果に応じて能力がアップ。
これらのイベントは、参加するだけでも能力が上がるボーナスタイムのようなものだと推測されます。 アイテム収集を中断してでも、積極的に参加すべきイベントになりそうです。
運命の「スタジアム(最終決戦)」
5分間の成長タイムが終わると、いよいよ最終決戦「スタジアム」です。 判明しているだけでも、以下のような多様な競技があります。
- エアグライダー:ジャンプ台から飛び、飛距離を競う。(ヒコウ、サイコウソクが重要)
- 04アタック:ゼロヨン。ひたすら直線を走り、速さを競う。(カソク、サイコウソクが重要)
- デスマッチ:他のプレイヤーを倒した数を競う。(コウゲキ、ボウギョ、センカイが重要)
- バトルロイヤル:出現する敵CPUを倒した数を競う。(コウゲキが重要)
- ポイントストライク:空中に浮かぶ数字の的にぶつかり、得点を競う。(ヒコウ、センカイが重要)
- グルメレース:体力回復アイテム(食べ物)を取りまくり、点数を競う。
- スカイフォール(新):高所から急降下し、高得点を狙う。(オモサが重要?)
これだけ多様な競技があるため、「最強のステータス」は存在しません。 「飛行特化にしたのに、最終決戦がデスマッチだった…」という悲劇も(あるいは喜劇も)起こり得ます。
勝利を掴む「投票システム」とその懸念点
今作では、この最終決戦をある程度コントロールできる「投票システム」が導入されています。
5分間の終了後、ランダムに提示される4種類のスタジアムから、自分が参加したいものに投票できます。 自分が育てたマシンのステータスに合った競技を選べば、勝利の確率が上がります。
このシステムの良い点は、「希望した競技に必ず参加できる」ことです。 もし8人以上が同じ競技に投票した場合、その競技が2つに分かれて開催されるため、あぶれることがありません。
ただし、僕が少し気になったのは、「自分だけしか選択していないスタジアムがあった場合、その時点で勝利が確定する」という点です。 (一応、NPCとのエキシビション戦は遊べるようですが…)
せっかく育てたマシンで他のプレイヤーと戦いたいのに、誰も投票してくれなかったから不戦勝、というのは少し寂しい気もします。 このあたり、例えば「1人だった場合は、次に投票が多かったスタジアムに移動するか選べる」といったオプションが欲しいところです。 (とはいえ、少人数でフレンドと遊ぶ場合は、投票で全員が同じスタジアムで戦う設定にもできるようなので、遊び方次第ではありそうです)
純粋な速さを競う「エアライド」モードの詳細
シティトライアルの影に隠れがちですが、もちろん純粋なレースモード「エアライド」も搭載されています。 マリオカートでいう「VSレース」に近いモードですが、ここにもエアライダーならではの特徴が詰まっています。
シンプルかつ奥深いレース体験
操作はシティトライアルと同じく、スティックとチャージボタンのみ。 コース上の敵を吸い込んでコピー能力を使い、ライバルを攻撃して加速し、ゴールを目指します。 シンプルな操作ながら、チャージ&ブーストのタイミングや、コピー能力の選択など、突き詰めれば非常に奥深い駆け引きが楽しめます。
最大6人対戦の意図とサクサク遊べるテンポ感
このモードは最大6人対戦です。 シティトライアルが16人なのになぜ?と思うかもしれませんが、開発者によると「人数を増やしすぎると1位を目指すのが難しくなるから」という意図があるようです。 確かに、12人(マリオカート)や16人で純粋なレースをすると、運の要素も強くなります。 6人に絞ることで、より実力と戦略が反映されやすいバランスを目指しているのでしょう。
また、ゴールした後、他のプレイヤーを待つ必要はなく、すぐに次のレースに行けるようになっているそうです。 この「サクサク感」は、何度も繰り返し遊びたいレースゲームにとって非常に重要なポイントです。
多彩なギミックが待ち受けるコース紹介
公開されているコースも個性豊かです。
- フララリア:色とりどりの花が咲く草原コース。基本的な操作を学ぶのに適していそう。
- ケイビオン:ジャングルの奥地にある洞窟コース。暗い場所や高低差がありそう。
- タイベリオ:レーザーや崩れる床が待ち受ける電脳世界のコース。トリッキーなギミックが多そうです。
- ホーリス:雪山から砂浜まで、風景がガラリと変わる山下りコース。
- ダグウォーター:美しい海が広がるコース。しかし、割れた海の中に入ると減速するなど、見た目ほど甘くはなさそうです。
これらのコースで、どのマシンとライダー、コピー能力を選ぶかが勝利のカギとなります。
戦略の幅を広げる「ライダー」と「マシン」
今作のタイトルにもなっている「ライダー」と、相棒となる「マシン」。 この組み合わせこそが、エアライダーの戦略性を無限に広げる要素です。
個性爆発!判明しているライダーの特徴まとめ
現時点で判明しているライダーたちの特徴をまとめます。 これを見るだけでも、マリオカートのキャラクター性能差とは比較にならないほど、個性が強いことがわかります。
- カービィ:弱点がなく万能。スペシャル技を4種類使える(ただし、試合前に選んだ「色」によって技が固定され、試合中の切り替えは不可)。
- デデデ大王:近くの敵を自動でハンマー攻撃。スペシャル技はジェット噴射でのブースト。
- メタナイト:近くの敵を自動で剣攻撃。スペシャル技は翼を広げてのモスピード飛行。
- バンダナワドルディ:加速がしやすく小回りが効く。スペシャル技は大車輪攻撃。
- コック川崎:食べ物アイテムでの体力回復量が多い。スペシャル技は火を吹くカレーをばらまく。
- マホロア:相手の後ろについた時(スリップストリーム)に多めに加速できる。
- ナックルジョー:近くの敵に攻撃。タメ技もある模様。
- スターマン:飛行が得意。ジャンプ台での加速効率が良い。
これだけ個性が違うと、使うライダーによって立ち回りが全く変わりそうですね。
マシンの性能と特徴を徹底解説
マシンもライダーに負けず劣らず個性的です。 その性能は極端で、コースや戦略によって使い分ける必要があります。
- ワープスター:陸も空もバランスが良い、カービィの愛機。
- ウィングスター:地上は鈍いが空中は最速。飛行特化型。
- ワゴンスター:チャージができない(!)代わりに、それ以外の性能が全て高い。
- ウイリーバイク:地上の走行スピードが速い。
- デビルスター:クイックアタック(小ジャンプ攻撃)の攻撃力が高い。
- ヘビースター:チャージ時間は長いが、ダメージに非常に強い。
- ルインズスター:チャージ中にカクカクと方向転換ができる。
- スリックスター:ツルツル滑るが、最高速はトップクラス。上級者向け。
- ロケットスター:チャージに時間がかかるが、ブーストの加速が凄まじい。
- タンクスター:チャージ中に旋回できない代わりに、解放時の加速が鋭い。
新マシン「チャリオット」の実力は?
さらに、スターでもバイクでもない新カテゴリ「チャリオット」が登場します。 大きな二輪で安定した走行が特徴で、急なカーブも得意なようです。 重量級の「バトルチャリオット」も確認されており、当たり強さや最高速に優れていると予想されます。 シティトライアルでの奪い合いが激しくなりそうなマシンですね。
「ライダー×マシン」の相乗効果
前述の通り、ライダーがマシンに乗ることで、マシンの性能が変化します。 デデデ大王が乗れば耐久力と攻撃力が上がり、カービィが乗れば加速と旋回が上がる。
「コースが判明してから、ライダーとマシンを選ぶ」というシステムからも、この組み合わせを見つけることが、いかに重要かがわかります。
懸念点:最強構成の固定化は起こるか?
ここで少し、ゲームライターとしての懸念点を。 こうした「キャラ×マシン」の組み合わせがあるゲームでは、研究が進むと「このコースは、このライダーとこのマシンの組み合わせが最強」という、いわゆるテンプレ構成が固定化してしまう可能性があります。
マリオカート8DXでも、オンラインでは「ワルイージ+ハナチャンバギー」のような構成が多く見られた時期がありました(現在はアップデートで多様性が増しましたが)。
エアライダーが、マリオカート以上にキャラとマシンの性能差を際立たせている分、この「最強構成」が見つかってしまうと、オンライン対戦がそれ一色にならないか、少し心配ではあります。
もちろん、これは発売前の杞憂かもしれません。 「最強を見つけること」自体がゲームの楽しみの一つでもありますし、シティトライアルのように競技がランダムであれば、一つの「最強」は生まれにくいかもしれません。 このあたりは、発売後のバランス調整にも期待したいところです。
マリオカートファンにも刺さる!エアライダーは「買い」か?
さて、ここまで『マリオカート』との違いを徹底的に解説してきました。 では、結論として『エアライダー』は「買い」なのでしょうか?
ゲームライターとして、僕は**「マリオカートを持っている人にこそ、強く推奨したい」**と答えます。
マリオカートとは全く異なる「ゲーム体験価値」
マリオカートが「誰とでも気軽に遊べる、運と実力が絶妙に絡み合うパーティーレースゲームの王様」だとすれば、 エアライダーは「操作の習熟、戦略の構築、そして育成の楽しさが融合した、全く新しい対戦アクションゲーム」です。
あなたがマリオカートに求めているものが「レースでの駆け引き」だけなら、もしかしたらエアライダーの独特な操作性に戸惑うかもしれません。 しかし、もしあなたが「新しいゲーム体験」「やり込み甲斐のある奥深さ」「友達とワチャワチャ盛り上がれるカオスな対戦」を求めているなら、エアライダー(特にシティトライアル)は、マリオカートでは得られない満足感を間違いなく提供してくれます。
レースゲームが苦手な人でも楽しめる理由(シティトライアル)
「カービィは好きだけど、レースゲームは苦手…」という方にも、シティトライアルはおすすめです。 前述の通り、このモードは純粋なドライビングテクニック(速く走る技術)だけが全てではありません。
- アイテムを効率よく集める「探索能力」
- 敵やライバルと戦う「アクション技術」
- 最終決戦を予測する「戦略性」
- イベントに素早く反応する「判断力」
これらが複合的に絡み合います。 レースで勝てなくても、デスマッチで大活躍できるかもしれません。 『エアライダー』は、レースゲームの皮を被った、カービィらしい「なんでもあり」のアクションゲームなのです。
カービィファン感涙のこだわり
そしてもちろん、カービィファンにとってはたまらない要素が満載です。 敵を吸い込み、コピーする。 デデデやメタナイトがマシンに乗って暴れ回る。 BGMやアイテムのアイコン、効果音など、随所に前作(あるいはシリーズ作品)へのリスペクトが感じられ、PVを見ただけで懐かしさを覚えたファンも多いはずです。 全キャラクターにコピー能力ごとの専用ビジュアルを用意するなど、そのこだわりは凄まじいものがあります。
未だ残る謎と期待(今後の続報に期待)
発売までまだ時間があり、公開されていない情報もたくさんあります。 最後に、僕が個人的に気になっている「謎」と、続報への期待をまとめます。
前作ファンが気になる「ウエライド」モードの有無
前作『カービィのエアライド』には、「エアライド」「シティトライアル」の他に、3つ目のモード「ウエライド」がありました。 これは、見下ろし視点(上から見た画面)で、デフォルメされたマシンを操作する、これまた独特のレースモードでした。
今回の発表では、この「ウエライド」については一切言及されていません。 あのシンプルな操作感と妨害の応酬も非常に面白かったので、今作にもぜひ収録してほしいと願っています。
伝説のマシンは今作も登場する?
前作のシティトライアルでは、マップ内に隠された3つのパーツを集めると、全ステータスがズバ抜けて高い「伝説のマシン」(ドラグーン、ハイドラ)を組み立てることができました。 これを完成させられるかどうかで、最終決戦の行方が大きく変わる逆転要素でした。
今作にもこの「伝説のマシン」は存在するのか? もし存在するなら、16人対戦で壮絶なパーツの奪い合いが繰り広げられることでしょう。
ランクマッチやレート対戦の実装は?
今作がオンライン対戦に力を入れていることは間違いありません。 そうなると気になるのが、「ランクマッチ」や「レート」のような、自分の実力を測るガチ対戦モードの実装です。 「サクサク次の試合に行ける」というカジュアルな側面も大事ですが、シティトライアルやエアライドを本気で突き詰めたいプレイヤーのためのモードも期待したいところです。
PVの最後に映る「謎の黒いキャラクター」の正体
そして、PVの最後に一瞬だけ流れた、謎の黒いキャラクター。 カービィに似ているようですが…? 今作のストーリー(があるのかは不明ですが)や、隠しライダーとして関係してくるのでしょうか。 これも続報が待たれます。
まとめ
今回は、『星のカービィ エアライダー』が『マリオカート』とどう違うのか、その独自の魅力、特に「シティトライアル」モードについて徹底的にレビューしました。
マリオカートが「レース」という競技の楽しさを突き詰めたゲームなら、エアライダーは「マシンに乗って行う、なんでもありの祭り(フェス)」です。
アクセル不要の独特な操作感、攻撃による加速、自分で選べるコピー能力、そして何より「育成×探索×対戦」が融合したシティトライアル。 そのどれもが、マリオカートでは味わえない、唯一無二の体験です。
2025年11月20日、22年の時を経て、あの熱狂がNintendo Switchで蘇ります。 マリオカートファンも、カービィファンも、そして新しい対戦ゲームを求めるすべての人に、僕は『星のカービィ エアライダー』を自信を持っておすすめします。







