編集デスク ゲーム攻略ライターの桐谷シンジです。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、コジマが発表した「Switch 2 クリスマスセット」の予約販売方法が、なぜこれほどまでに批判を集め、炎上騒ぎになっているのか、その詳細が気になっていると思います。
この記事を読み終える頃には、コジマの商法に対する具体的な批判点、炎上の理由、そしてゲーマーとしてどう向き合うべきかの疑問が解決しているはずです。
- コジマ限定Switch 2クリスマスセットの炎上騒動
 - 専用クレカと購入実績を要する厳格な購入条件
 - ソフト2本強制の抱き合わせ販売への強い批判
 - 転売対策か自社利益優先かを巡る激しい議論
 
それでは解説していきます。
コジマのSwitch 2クリスマスセット炎上の全貌
2025年6月の発売以来、未だに入手困難な状況が続くNintendo Switch 2(スイッチ2)。 クリスマス商戦を目前に控えた今、多くのゲーマーが本体の安定供給を待ち望んでいます。 そんな中、大手家電量販店のコジマ×ビックカメラが発表した「Switch 2 クリスマスセット」が、多くのユーザーから厳しい批判を受け、炎上状態となっています。 いったい何が起きているのでしょうか。
そもそもコジマの「Switch 2クリスマスセット」とは?
まず、問題となっているセット内容を確認しましょう。 コジマ×ビックカメラが11月中旬から予約受付を開始すると発表した、店頭予約限定のセットです。
【コジマSwitch 2クリスマスセット概要】
- セット内容:
- Nintendo Switch 2 本体(日本語・国内専用版)
 - Nintendo Switch 2 ソフト(指定タイトルから選べる2本)
 - オリジナルブランケット(数量限定)
 - オリジナルショッパー(限定デザイン)
 
 - 価格: 49,980円(税込)
 - 予約受付: 11月中旬から(店舗により異なる)
 - お渡し期間: 2025年12月13日(土)〜12月25日(木)
 
一見すると、本体価格49,980円に、ソフト2本(約14,000~15,000円相当)と特典が付いてくるため、非常にお得に見えます。 情報ソースによれば、単品購入より14,400円もお得になると謳われています。 しかし、問題はこのセットの「購入条件」と「販売方法」にありました。
なぜこのセットが「批判殺到」「炎上」しているのか?
このクリスマスセットが発表されるや否や、SNSやネット掲示板は阿鼻叫喚となりました。 その理由は、あまりにも厳しく、そして「コジマ側の都合」が透けて見える購入条件にあります。
主な批判のポイントは以下の3点です。
- 専用クレジットカード縛り: 予約・購入には「コジマ×ビックカメラカード(WAON一体型)」または「コジマクレジット&ポイントカード」が必須。
 - 購入実績の強制: 2023年7月1日〜2025年の予約日までに、コジマ(店舗またはコジマネット)で「税込10,000円以上」の購入履歴が必須。
 - ソフト2本の抱き合わせ: ユーザーが望むかどうかにかかわらず、強制的にソフト2本をセットで購入させられる。
 
これらが「転売対策」という大義名分を大きく逸脱し、単なる「自社の利益追求」「顧客の囲い込み」にしか見えないとして、多くのゲームファンの怒りを買っているのです。
SNSやネット掲示板での主な批判の声まとめ
実際に、ネット上ではどのような声が上がっているのでしょうか。 私、桐谷が観測した範囲でも、厳しい意見が多数を占めていました。
- (専用クレカについて) 「このためだけにクレカ作れってこと?」 「年会費無料でも審査あるだろ。クレカ発行自体がハードルなんだよ」 「クレカ発行させて、コジマはアフィリエイトフィーでも貰う魂胆か?」 「Switch 2買うのに、なんで個人情報差し出してコジマの客になる契約しなきゃいけないんだ」
 - (購入実績について) 「1万円の購入実績とか、普段コジマ使ってない人間は客じゃないってことか」 「転売対策なら『1円以上の購入実績』で十分だろ。1万ってラインが露骨すぎる」 「1万も買うものないよ。このために要らないもの買えってか。それこそ抱き合わせだろ」 「過去2年半の履歴とか、そんなの覚えてるわけない。今から1万使えってこと?」
 - (ソフト2本強制について) 「これが一番最悪。なんでお前らに買うソフト決められなきゃいけないんだ」 「欲しいソフトが1本しかない場合はどうすんだよ。要らないソフトも買えと?」 「どうせ『売れ残りのクソゲー』を強制してくるんだろ」 「ソフトはダウンロード版派だからパッケージ要らないんだよな…」 「オリジナルブランケット(笑)在庫処分お疲れ様です」
 - (総括として) 「転売対策にかこつけて、自社クレカ入会させて、不用品買わせて、ソフト在庫処分したいだけだろ」 「これがコジマの『儲けまくる魂胆』か。イヤらしすぎて反吐が出る」 「普通に抽選販売してくれればいいだけなのに、なんでこんなに客をイライラさせるんだ」 「任天堂はこういう販売方法を容認してるのか?ブランドイメージ下がるぞ」
 
このように、多くのユーザーが「転売対策」という建前を信じておらず、コジマの利益優先の姿勢に強い嫌悪感を抱いていることがわかります。
炎上の火種①:厳しすぎる「囲い込み」購入条件
今回の炎上で最も批判されているのが、この「購入条件」です。 私、桐谷も多くのゲーム機の抽選販売を見てきましたが、ここまで露骨な条件は珍しいです。 一つずつ見ていきましょう。
条件①「コジマ×ビックカメラカード」専用クレカ限定の壁
まず、支払い方法を自社(または提携)のクレジットカードに限定する点です。 Switch 2という超人気商品を「人質」にして、新規のクレジットカード会員を獲得しようという意図が透けて見えます。
もちろん、コジマ側には「カード発行時の本人確認をもって転売ヤーを弾く」という建前があるのでしょう。 しかし、ユーザーにとっては、たかだかゲーム機を買うために、新たにクレジットカードの審査を受け、個人情報を提供し、カードを1枚増やすという手間と心理的ハードルを課せられることになります。
すでに他のクレジットカードを持っている人にとっては余計な手間ですし、様々な事情でクレジットカードを増やしたくない人、作れない人(学生や主婦など)にとっては、スタートラインにさえ立てないという理不尽さがあります。
年会費が無料(条件付きの場合もある)だとしても、カード会社からコジマへ支払われるであろう「会員獲得インセンティブ」のために、ユーザーが利用されていると感じても不思議ではありません。
条件②「10,000円以上の購入履歴」というハードル
さらにユーザーの神経を逆なでしているのが、「税込10,000円以上の購入履歴」です。 対象期間が2023年7月1日からと約2年半ありますが、これも非常に「イヤらしい」設定です。
転売対策として過剰な「1万円」
転売対策として購入履歴を条件にする手法は、ヨドバシカメラなど他社でも行われています。 しかし、その多くは「(比較的少額の)購入履歴」や「ポイントカードの利用履歴」です。 これは、日常的にその店舗を利用している「一般客」であることの証明として機能します。
しかし、コジマの設定した「10,000円」というラインは、日常の買い物客を証明するラインとしては高すぎます。 これは明確に「コジマに利益をもたらした優良顧客」を選別する、あるいは「今から10,000円以上の買い物をしろ」という踏み絵を強いるものです。
「Switch 2が欲しいなら、まずコジマで1万円使え」 これはもはや転売対策ではなく、人気商品を利用した「ついで買い」の強制、あるいは「上納金」と揶揄されても仕方ないでしょう。
既存顧客の切り捨て、新規顧客の絶望
この条件は、様々な顧客層に不満を与えます。
- ライトユーザー: 「電球や電池など、数千円の買い物しかしたことがない」という層は、購入実績を満たせず門前払いされます。
 - 他店メインのユーザー: 「普段はヨドバシやAmazonを使っている」という層も、当然対象外です。
 - コジマネットユーザー: コジマネットでの購入も対象ですが、「ネットで買うときはポイントサイト経由だから、公式コジマネットは使ってなかった」という人もいるでしょう。
 - 新規ユーザー: 「これを機にコジマで買おう」と思った新規顧客は、絶望的なハードルの前に立ち尽くすことになります。
 
情報ソース①では、「Switch 2関連商品(保護フィルム、microSDカード、Proコンなど)を先に買っておけば、条件クリアと将来の投資になって一石二鳥」といったポジティブな紹介がされています。
しかし、これは「本体が手に入るかどうかも分からない」状況で、先に1万円もの「投資」を強制されることに他なりません。 もしこのセットの予約に漏れたら、その1万円分の周辺機器は無駄になる(あるいは他で本体を確保するまで塩漬けになる)リスクをユーザーが負うことになるのです。
「転売対策」としては厳しすぎないか?既存顧客の不満
コジマ側は「転売対策」と主張するでしょう。 しかし、この方法は「転売ヤー」だけでなく、それ以上に多くの「本当に欲しい一般ユーザー」を排除しています。
本当にコジマを愛用し、この2年半で1万円以上を使い、かつ専用クレカまで持っている「ロイヤルカスタマー」しか、今回のクリスマスセットを予約する権利がないのです。
これは転売対策というよりは、「ロイヤルカスタマー向けの優待販売」です。 それならば最初からそう告知すればいいのですが、「クリスマスセット」として大々的に謳うことで、「自分も買えるかもしれない」と期待した多くのユーザーを裏切る結果となっています。
他社の抽選販売(ヨドバシ、ビック)との比較
他社の販売方法と比較してみましょう。 (※以下の状況は、情報ソース①や一般的な傾向に基づく仮定のものです)
| 店舗 | 主な販売方法 | 購入条件(例) | ユーザーの評価 | 
|---|---|---|---|
| コジマ | 条件付き店頭予約 | 専用クレカ + 1万円購入履歴 | 批判殺到(今回の事案) | 
| ビックカメラ | ゲリラ店頭販売 / 抽選 | 過去2年以内に3,000円以上の購入履歴 | △(ゲリラ販売は情報戦。条件はコジマより緩い) | 
| ヨドバシカメラ | 抽選販売 | ヨドバシクレカ / 会員登録+購入履歴 | ○(クレカ優遇はあるが、条件が比較的明確で公平感) | 
| Amazon | 招待制 | プライム会員 / 購入履歴 | △(招待基準が不明確だが、クレカ強制などはない) | 
| マイニンテンドーストア | 抽選販売 | ニンテンドーアカウント | ◎(最も公平だが、当選確率が低い) | 
このように比較しても、コジマの「専用クレカ」と「1万円」という二重のハードルがいかに突出して厳しいかが分かります。 ビックカメラが条件を「3,000円以上」に緩和(仮定)しているとすれば、グループ内でなぜコジマだけがこれほど厳しい条件を課すのか、理解に苦しみます。
炎上の火種②:「ソフト2本強制」の抱き合わせ商法への嫌悪感
購入条件のハードルを奇跡的にクリアできたとしても、次なる関門が「ソフト2本強制」です。 これもまた、ユーザーの選択の自由を奪う、ひどい抱き合わせ販売だと批判されています。
なぜ「ソフト2本」が強制なのか?ユーザーの選択権の侵害
まず大前提として、ゲーム機本体を買うときに、どのソフトを買うか(あるいは買わないか)は、ユーザーが自由に決めるべきことです。
- 「まずは本体だけ確保して、遊びたいソフトの発売日まで待つ」
 - 「欲しいソフトは1本だけ」
 - 「ソフトは全てダウンロード版で買う」
 - 「友達が持っているソフトを借りて遊ぶ」
 
これら全ての選択肢が、コジマのクリスマスセットでは否定されます。 ユーザーは「コジマが指定したリストの中から」「2本」のソフトを強制的に購入させられるのです。
このリストに、自分が欲しいソフトが2本とも含まれていればラッキーですが、そうでない場合、不要なソフトを定価で買わされることになります。
抱き合わせソフトのラインナップへの懸念
ゲーム攻略ライターとしての経験上、このような「選べるセット」で用意されるソフトのラインナップには、強い懸念があります。 もちろん、「マリオカート」や「ポケモン」のような超人気タイトルも含まれるでしょう。 しかし、それと同時に、販売店の「在庫処分」対象となりがちな、いわゆる「売れ残りソフト」がリストに紛れ込んでいる可能性が極めて高いのです。
もし「人気ソフトAとB」の組み合わせができず、「人気ソフトAと不人気ソフトC」の組み合わせしか選べないような仕様になっていたら、それはもはや「抱き合わせ」以外の何物でもありません。
ユーザーは「Switch 2本体」という人質のために、不人気ソフトの在庫処分に強制的に加担させられることになります。
49,980円は本当にお得なのか?価格メリットの徹底検証
情報ソース①では、このセットが「単品購入より14,400円もお得」と計算されています。 しかし、これは「強制されるソフト2本(約14,400円相当)と特典(0円と仮定)が、本体価格49,980円にそのまま上乗せされている」と見るべきです。
- Switch 2 本体価格(定価): 49,980円
 - コジマセット価格: 49,980円
 
つまり、このセットは本体価格だけで販売されており、ソフト2本と特典は「無料」で付いてくる計算になります。 これは一見、信じられないほどお得です。
……しかし、ここに大きな罠があります。 このセットの「購入条件」を満たすために、ユーザーは「専用クレカの発行(心理的コスト)」と「10,000円の(もしかしたら不要な)買い物」を強制されています。
つまり、このセットの実質的な価格は、**「49,980円 + 10,000円(事前購入) + クレカ発行の手間」であり、さらに「不要なソフトを買わされるリスク(選べない場合)」**を負うことになります。
もしソフト2本が本当に無料なのだとしたら、コジマはソフトメーカーや問屋から無償で仕入れているとでもいうのでしょうか? 考えにくいです。 おそらく、Switch 2本体の仕入れと引き換えに、一定数のソフト在庫(不人気ソフト含む)の買い取りをメーカーや問屋から「強制」されている可能性すらあります。 そして、その「強制」された在庫を、今度はユーザーに「強制」している……そんな構図が透けて見えます。
もし「ソフト2本が無料」ではなく、「本体価格が値引きされている」のだとしても、定価49,980円の本体を値引きして売ることは考えにくいです。 最もあり得るのは、「本体 49,980円 + ソフト1(定価)+ ソフト2(定価)+ 特典」から、コジマが設定した「セット割引」を引いた額が49,980円、という見方ですが、それならば「14,400円もお得」という計算(=ソフト2本分がほぼタダ)はどこから来たのでしょうか。
情報ソース①の価格計算「(本体49,980円 + ソフト1 約7,200円 + ソフト2 約7,200円 = 合計64,380円)→ 14,400円お得」は、セット価格が49,980円である事実と矛盾しています。
正しくは、**「本体定価49,980円のところ、ソフト2本(14,400円相当)と特典をつけて、合計49,980円で売る」**というのがコジマの主張でしょう。 (情報ソース①の価格計算が間違っているか、あるいは私の解釈が間違っている可能性もありますが、ここでは「本体価格だけでソフト2本がついてくる」と解釈して進めます)
だとしても、その「無料のソフト2本」を選ぶ自由がユーザーにない(あるいは極端に制限されている)のであれば、それは「お得」ではなく「迷惑」でしかありません。
ライターが選ぶ「本当に欲しいソフト」と「強制されるソフト」のギャップ
情報ソース①では、「家族向け(マリオカート+ポケモン)」「ゲーマー向け(ゼルダ無双+ドラゴンボール)」といった、おすすめのソフト組み合わせが紹介されています。 これらは確かに魅力的なタイトルです。
しかし、問題は「これら全ての組み合わせが自由に選べるのか?」という点です。 もしリストに「どうぶつの森」「カービィ」のようなライトユーザー向けタイトルしかない場合、ハードなゲーマーは「ゼルダ」や「モンハン」を別途買い直すことになります。 その逆もまた然りです。
私、桐谷が今Switch 2で遊びたいのは、例えば「スプラトゥーン4」や「モンスターハンターワイルズ」です。 しかし、このクリスマスセットで「スプラトゥーン4」と「モンスターハンターワイルズ」の2本が自由に選べる保証はどこにもありません。 むしろ、「スプラトゥーン4」を選んだら、もう1本は「〇〇(不人気タイトル)」を強制される可能性すらあります。
これが、ユーザーが「抱き合わせ」と呼んで強く批判する理由です。 お得感を装った、在庫処分の押し付けに他なりません。
炎上の火種③:コジマの「儲け主義」に見える戦略への不信感
これら①②の炎上火種を総合すると、ユーザーがコジマに対して抱いている「不信感」の正体が見えてきます。 それは、「転売対策」という便利な言葉の裏に隠された、露骨なまでの「自社利益優先主義(儲け主義)」です。
専用クレカ発行による継続的収益の狙い
専用クレジットカードを発行させる最大の目的は、その場の「会員獲得インセンティブ」だけではありません。 一度クレカ会員にしてしまえば、ユーザーは「コジマでの買い物がポイントでお得になる」と感じ、継続的にコジマを利用するようになります(ロックイン効果)。
また、コジマはユーザーの購買データを詳細に把握できるようになり、ターゲティング広告などに利用することも可能になります。 Switch 2という「撒き餌」で、長期的に利益をもたらしてくれる「養殖顧客」を捕まえようという戦略です。
購入実績による「ついで買い」の強制
「10,000円の購入実績」も同様です。 Switch 2本体の利益率は(おそらく)低いでしょう。 しかし、それまでに「10,000円」分の他の商品(利益率の高い白物家電や、在庫の周辺機器など)を買わせることができれば、コジマとしては大成功です。
情報ソース①で「先に買っておくべき周辺機器」として紹介されているものも、コジマにとっては利益率の高い商品である可能性が高いです。
- 液晶保護フィルム(約1,500円〜3,000円): 原価は安い。利益率が高い。
 - microSDカード 256GB(約3,000円〜5,000円): 価格競争が激しいが、セット販売なら利益を確保しやすい。
 - Proコントローラー(約7,000円〜8,000円): 高単価。これ1個で実績の多くを稼げる。
 - キャリングケース(約2,000円〜4,000円): 利益率が高い。
 
これらの「おすすめ商品」を購入させて1万円の実績を作らせる行為は、Switch 2本体の予約権利を「人質」にした、悪質なアップセル(高額商品の推奨)に他なりません。
品薄商法と抱き合わせ:過去のゲーム機販売問題の再燃
私、桐谷も長いことこの業界にいますが、人気ゲーム機の品薄時に、小売店が「抱き合わせ販売」を行うのは今に始まったことではありません。 古くはファミコン時代から、最近ではPS5の品薄時にも、一部店舗で同様の商法が問題視されました。
しかし、これらは通常、公正取引委員会が定める「不公正な取引方法(抱き合わせ販売)」に該当する可能性があり、公然と行われることは少なくなっていました。
今回のコジマの件が法的に「抱き合わせ販売」と認定されるかは専門家の判断を待つ必要がありますが(※セット価格が「お得」であるため、違法性を問うのは難しいかもしれません)、少なくとも消費者の心証としては「最悪の抱き合わせ商法」と映っています。
「転売対策」という大義名分さえあれば、ここまで露骨な「囲い込み」と「抱き合わせ」が許されるのか。 コジマの今回の戦略は、ゲーム業界全体のイメージダウンに繋がりかねない、危険なものだと私は考えます。
この炎上、コジマ側の「転売対策」という側面は?
ここまでコジマの販売方法を厳しく批判してきました。 しかし、彼らの擁護できる点、あるいは同情すべき点はないのでしょうか。 それが「転売対策」の難しさです。
転売ヤー排除のための「苦肉の策」だった可能性
情報ソース①でも触れられている通り、Switch 2は深刻な品薄状態にあります。 (情報ソース①より:2025年6月発売、半導体不足、転売ヤーの買い占め、フリマサイトで7万〜9万円で取引)
このような状況下で、もしコジマが「無条件・先着順」で店頭販売を行えば、どうなるでしょうか。 間違いなく、組織化された転売ヤーグループが前日(あるいは数日前)から並び、一般客が買える分は一瞬でなくなるでしょう。 店舗は混乱し、警備費用もかさみます。
「完全ランダムの抽選」にすれば、運次第にはなりますが、転売ヤーも一般客も同じ確率で応募するため、多くの在庫が転売ヤーの手に渡る可能性は残ります。
そこで、「転売ヤーには真似できない条件」を課すことで、一般客に優先的に販売しようという発想に至るのは理解できます。
- 転売ヤーは、身元を明かすクレジットカードの発行を嫌がる(かもしれない)。
 - 転売ヤーは、その店での「購入実績」を持っていない(かもしれない)。
 
コジマが設定した「専用クレカ」と「1万円の実績」は、この「転売ヤーには真似できない条件」を突き詰めた結果、生まれた「苦肉の策」だった可能性はゼロではありません。
現状のSwitch 2入手困難な状況
情報ソース①によれば、任天堂は2025年度の販売目標を1,500万台に設定しているとのこと。 これは決して少ない数字ではありません。 しかし、それでもクリスマス需要には追いつかないほどの人気です。
小売店としては、限られた在庫を「誰に」売るのか、非常に難しい判断を迫られています。 「誰でも買える」ようにすれば転売ヤーの餌食になり、「条件を厳しく」すれば一般客から不満が出る。 まさにジレンマです。
しかし、本当に欲しいユーザーが買えない本末転倒な事態
コジマの「苦肉の策」が、結果としてどうなったか。 それが現在の「炎上」です。
コジマの課した条件は、「転売ヤー」を排除するには効果があったかもしれません。 しかし同時に、**「コジマのロイヤルカスタマーではない、大多数の一般ゲームファン」**をも排除してしまいました。
「転売ヤーも買えないが、俺も買えない」
これでは、一般ユーザーにとっては何の意味もありません。 むしろ、転売ヤー対策を口実にした「顧客の選別」と「自社利益の追求」というコジマの姿勢に、強い不快感だけが残りました。
転売対策は必要です。 しかし、その方法が「本当に欲しいと願う一般ユーザー」をここまで疲弊させ、不快にさせるものであってはならない。 私、桐谷はそう強く思います。
もしコジマで買わない場合:Switch 2を今から入手する現実的な方法
コジマの販売方法に「NO」を突きつけたい。 あるいは、条件が厳しすぎて買えない。 そんな人が、今からSwitch 2をクリスマスまでに(あるいは年明けに)入手するための現実的な方法を、ゲームライターの視点から解説します。
他の量販店の抽選販売スケジュールを狙う
コジマのやり方が全てではありません。 他店は(比較的)まともな抽選販売を行っています。
- ビックカメラ: 情報ソース①によれば、店頭ゲリラ販売が行われているようです。「過去2年以内に3,000円」という条件は、コジマの1万円に比べれば遥かに良心的です。木曜・金曜の午前中が狙い目という情報もありますが、これは情報戦です。X(旧Twitter)での「Switch2 ビックカメラ 入荷」などのリアルタイム検索が必須です。
 - ヨドバシカメラ: 定期的にアプリやサイトで抽選販売を行っています。多くの場合、「ヨドバシのクレジットカード(ゴールドポイントカード・プラス)」会員が優遇されますが、必須ではない場合もあります。コジマと違い「購入実績」のハードルは低め(あるいは無い)ことが多いので、抽選には必ず参加しましょう。
 - コジマネット: 店頭のセットとは別に、コジマネットでも抽選販売が行われる可能性があります。情報ソース①によれば、店頭セットとの「並行応募」も可能とのこと。ただし、店頭の炎上を受けて、ネット抽選に応募が殺到する可能性は高いです。
 
Amazon招待制やマイニンテンドーストアの状況
- Amazon(招待制): 招待リクエストは必須です。プライム会員であり、過去の購入履歴が豊富であるほど招待されやすいと「噂」されていますが、基準は不明確です。リクエストを送っておくだけで、忘れた頃に招待メールが来るかもしれません。根気強く待ちましょう。
 - マイニンテンドーストア: 任天堂公式の抽選販売です。最も公平な方法ですが、それゆえに応募が殺到し、当選確率は極めて低い「宝くじ」状態です。しかし、応募しなければ始まりません。ニンテンドーアカウント(無料)さえあれば応募できるので、必ずエントリーしましょう。
 
2026年まで待つべきか?
情報ソース①の分析では、「2026年夏頃には普通に買える可能性」が示唆されています。 私、桐谷もこの見解には概ね同意です。
発売から1年が経過すれば、生産体制も安定し、初期需要も落ち着いてきます。 クリスマスという最大の需要期を乗り越えれば、2026年の2月~3月頃から、徐々に店頭で見かける機会も増えてくるでしょう。
「クリスマスプレゼントに」という期限がないのであれば、無理に今回のコジマの炎上商法に乗る必要は全くありません。 来年まで待てば、転売ヤーも駆逐され、適正価格で、好きなソフトと一緒に、自由に買えるようになります。
コジマの理不尽な条件を飲むくらいなら、潔く「待つ」という選択をする。 それもまた、賢明なゲーマーの判断だと私は思います。
【補足】Switch 2購入後に本当に必要な周辺機器
コジマのセットには「オリジナルブランケット」など、不要(かもしれない)特典が含まれています。 今回の炎上騒動とは別に、Switch 2を本当に快適に遊ぶために「必要な周辺機器」とは何でしょうか。 コジマで1万円の実績を作るために「買わされる」のではなく、ゲーマーとして「本当に必要なもの」を厳選します。
必須度★★★★★:液晶保護フィルム
これは本体購入と同時に必須です。 Switch 2の画面がどれほど強化されているかは分かりませんが、持ち運んだり、ドックに出し入れしたりする以上、傷のリスクは避けられません。 情報ソース①でも推奨されている「ガラスフィルム(硬度9H)」が、画面の美しさを損なわず、保護力も高いため、最もおすすめです。 コジマで買う必要はなく、Amazonなどで1,000円~2,000円で良質なものが手に入ります。
必須度★★★★★:microSD Express Card
Switch 2の内蔵メモリは256GB(情報ソース①より)と、初代Switchから大幅に増えましたが、それでもダウンロード版ソフトやアップデートデータを考えると、いずれ不足します。 特に「microSD Express Card」に対応しているのがSwitch 2の大きな特徴で、これによりロード時間が劇的に短縮されます。 容量は、遊び方にもよりますが「256GB」または「512GB」がバランスが良いでしょう。 これもAmazonや専門店のセールを狙えば、コジマで定価で買うより安く入手できる可能性が高いです。
必須度★★★★☆:Pro コントローラー
Joy-Con 2の進化にも期待しますが、「スプラトゥーン」や「モンハン」など、激しいアクションゲームを長時間遊ぶなら、Proコントローラーはほぼ必須です。 純正品は約8,000円と高価ですが、その操作性、耐久性、バッテリー持ちは価格に見合う価値があります。 これは「1万円の実績」を作るためではなく、「快適なゲームライフ」のために投資する価値のある周辺機器です。
必須度★☆☆☆☆:キャリングケース
これはプレイスタイルによります。 自宅のテレビでしか遊ばない人には不要です。 持ち運ぶ人には必須ですが、これもサードパーティ製で安価かつ高機能なものが多数存在します。コジマで慌てて買う必要はありません。
結論
コジマの「1万円購入実績」のために、これらの周辺機器を定価で焦って買う必要は全くありません。 本体を入手できてから、自分に必要なものを、適切な価格で、好きな店で買うのが最も賢い選択です。
まとめ
今回、コジマ×ビックカメラが発表した「Switch 2 クリスマスセット」の炎上騒動について、ゲーム攻略ライターの視点から徹底的に解説してきました。
この販売方法は、コジマ側からすれば「転売対策」と「ロイヤルカスタマーへの優遇」を両立させた(ついでに自社の利益も確保できる)最善の策だったのかもしれません。
しかし、その「ロイヤルカスタマー」の条件があまりにも厳格すぎたために、大多数の「Switch 2を定価で普通に買いたい」と願う一般ユーザーを敵に回す結果となりました。
「専用クレカ必須 + 1万円の購入実績 + ソフト2本強制」
この3つの条件は、消費者に対し「我々のルールに従い、我々に利益をもたらせ。さすれば人気商品を買う権利をやろう」と高圧的に宣言しているに等しいです。
私、桐谷シンジとしては、このような商法に屈してほしくない、というのが本音です。 クリスマスという、子どもたちの笑顔が関わる商戦だからこそ、企業には「儲け主義」ではなく、もう少し「公平性」や「ユーザーへの配慮」を見せてほしかった。
もしあなたがコジマの条件を全てクリアできる幸運な「ロイヤルカスタマー」であり、かつセット内容に魅力を感じるのであれば、予約に走るのも一つの選択です。
しかし、そうでない大多数のユーザーは、この炎上商法に無理に乗る必要はありません。 他店の公平な抽選を待ち、あるいは供給が安定する2026年まで待つという賢明な選択もあります。
あなたのゲームライフが、一部の企業の都合によって不快なものにならないことを、心から願っています。
											





							
							
							
															
							
							
							
															
							
							
							
															
							
							
							
															
							
							
							
															
							
							
							
															
										
					
									
										
										
										
																	
										
										
										
																	
										
										
										
																	
										
										
										
																	
										
										
										
																	
										
										
										
																	
										
										
										
																	
										
										
										
																	