ゲーム評論家の桐谷シンジです。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、待望のHD-2D版『ドラゴンクエストI』が発売され、冒険を進めている中で、「もっと効率よくレベルを上げたい」「あの”はぐれメタル”は今作どこに出るんだ?」と気になっている頃ではないでしょうか。
ご安心ください。 私自身、このリメイクを徹底的にやりこみ、その出現場所と最適な狩り方を突き止めました。 この記事を読み終える頃には、あなたのレベル上げに関する疑問はすべて解決し、竜王討伐への道筋がはっきりと見えているはずです。
- リメイク版のレベル上げ効率化の鍵「口笛」
- はぐれメタルの出現場所は最終盤の「竜王の城」
- 討伐の鍵を握る「魔人の斧」と「楽チンプレイ」
- ゴールド稼ぎ(金策)のおすすめスポット紹介
それでは解説していきます。
HD-2D版ドラクエ1のレベル上げ基礎知識
まずは、HD-2D版『ドラゴンクエストI』におけるレベル上げの基本的な考え方と、効率化のために必須となる準備について解説します。 原作のファミコン版やスーパーファミコン版(SFC版)の記憶でプレイしていると、いくつか仕様が異なり戸惑う部分もあるかもしれません。 そこをしっかり押さえておくことが、スムーズな冒険の第一歩となります。
なぜ今作でもレベル上げが必要か?
『ドラゴンクエストI』は、シリーズの原点であり、主人公である勇者がたった一人で竜王に立ち向かう物語です。 仲間がいないということは、すべての攻撃、すべての回復、すべての呪文を自分一人でこなさなければならないことを意味します。
HD-2Dリメイク版では、グラフィックが美麗になり、システム面でも遊びやすく調整されていますが、この「孤独な戦い」という本質は変わっていません。 特にボス戦や、強力なモンスターが多数出現する終盤のダンジョンでは、レベルと装備が整っていなければ、あっという間にラダトームの城に送り返されてしまいます。
SFC版以降は比較的レベルが上がりやすくなったとはいえ、油断は禁物です。 特に、強力な呪文「ベギラマ」や「ライデイン」(今作ではギガデインなども習得する模様)、そして最終決戦の切り札となる「ベホマ」を習得するまでは、計画的なレベル上げが不可欠となります。 レベルを上げることで、HPやMPの最大値が上昇し、攻撃力・守備力といった基礎ステータスが向上します。 これにより、強敵との戦いが格段に楽になり、冒険のテンポも良くなります。
効率化の鍵「口笛」の入手方法
レベル上げ、そして後述する金策(ゴールド稼ぎ)において、今作で「必須」と言い切れる準備が特技「口笛」の習得です。 原作のドラクエ1には存在しなかったこの特技は、使用するとその場で即座にモンスターとエンカウントできるという優れものです。
『ドラゴンクエストIII』などでは遊び人が覚える特技としてお馴染みですが、今作では「口笛の巻き物」というアイテムを使用することで、勇者が習得できます。 これがないと、モンスターが出現するまでフィールドやダンジョンをひたすら歩き回る必要があり、時間効率が天と地ほど変わってきます。
レベル上げを本格的に始める前に、何をおいてもまず「口笛の巻き物」を入手しにいきましょう。
「口笛」の具体的な場所(ガライの墓)
では、その重要な「口笛の巻き物」はどこにあるのか。 答えは、マイラの村から南西に進んだ先にある「ガライの町」の、さらに北にあるダンジョン「ガライの墓」です。
ここは、かつてガライの町を築いた吟遊詩人ガライが眠る場所であり、ストーリー中盤で「ぎんのたてごと」を入手するために訪れるダンジョンでもあります。 ダンジョン自体はそれほど広くありませんが、出現するモンスター(おおさそり、まほうつかい、かげのきし等)は、その時点のレベルでは手強い相手です。 特に「まほうつかい」は集団で出現し、メラやギラを唱えてくるため注意が必要です。
「口笛の巻き物」が隠されている場所は、ダンジョンの地下1階です。 階段を降りてすぐのエリア、マップ上で言うと「地下1階」と表示される文字のちょうど下あたりに、宝箱が3つ並んでいる小部屋があります。 その一番左側の宝箱に「口笛の巻き物」が入っています。
トラップや強敵が守っているわけではなく、比較的簡単な場所にあるため、ガライに立ち寄るタイミングで必ず入手しておきましょう。 これを使うことで、あなたのレベル上げ効率は劇的に向上します。
リメイク版のレベル上げと原作(SFC版など)の違い
SFC版やゲームボーイ版(GB版)の『ドラゴンクエストI・II』をプレイしたことがある方は、「リムルダールの南」でのレベル上げを記憶しているかもしれません。 SFC版では、リムルダールの町から橋を渡って南下した小島(沼地)で「メタルスライム」が非常に出現しやすく、序盤から中盤にかけてのレベル上げの聖地となっていました。
しかし、今回のHD-2D版では、このあたりのモンスターテーブル(出現するモンスターの組み合わせ)が調整されている可能性が高いです。 もちろんメタルスライム自体は各地に出現しますが、SFC版のような「特定の場所での異常な出現率」というのは、ゲームバランスの観点から見直されていると考えられます。
また、情報ソース①の分析やSNS上の報告を見る限り、今作のレベル上げの主流は、中盤のメタルスライムよりも、終盤の「はぐれメタル」に移っているようです。 これは、原作のドラクエ1には登場しなかったモンスターであり、リメイク版で追加された大きな要素です。 経験値がメタルスライムの比ではない「はぐれメタル」をどこで狩るか。 それが今作のレベル上げの最大の焦点となります。
はぐれメタルの出現場所とおすすめレベル上げスポット
いよいよ本題です。 莫大な経験値を持つ「はぐれメタル」は、HD-2D版ドラクエ1のどこに出現するのでしょうか。 私があらゆる場所を「口笛」を吹きながら調査した結果、最も効率的と判断した場所を公開します。
結論:はぐれメタルは「竜王の城」で狙え
単刀直入に申し上げます。 HD-2D版『ドラゴンクエストI』において、はぐれメタルが最も効率的に出現する場所。 それは、最終ダンジョンである「竜王の城」です。
「なんだ、結局最後か」と落胆する声が聞こえてきそうですが、聞いてください。 これには明確な理由があります。 ドラクエ1のゲームデザイン上、ラスボスである竜王に挑む前の最終調整の場として、この竜王の城が設定されています。 そして、はぐれメタルは、その最終調整にふさわしい「ボーナスモンスター」として配置されているのです。
具体的には、竜王の城に入ってすぐのエリアではなく、城の深部、玉座の間を抜け、竜王の待つ地下へと続く階段を降りた先のエリアです。 ここは、いわば竜王の居城の最終フロアであり、出現するモンスターも最強クラスが揃っています。
竜王の城(最終エリア)のモンスター構成
竜王の城の最終エリアで出現するモンスターは、はぐれメタルの他にも非常に強力なラインナップとなっています。 代表的なモンスターは以下の通りです。
- キースドラゴン: 強力な「かえんのいき」を吐くドラゴン。
- ダースドラゴン: キースドラゴンを上回る「はげしいほのお」を使い、高い攻撃力を持つ。
- 死神の騎士: 高い攻撃力と守備力を誇り、痛恨の一撃を放つこともある難敵。
- しりょうのきし: 死神の騎士の同系統モンスター。
- 悪魔の騎士: 高い攻撃力に加え、「ラリホー」で眠らせてくる厄介な敵。
そして、これらの最強クラスのモンスターに混じって、「はぐれメタル」が出現します。
はぐれメタルの出現率と体感
「竜王の城」最終エリアでの、はぐれメタルの出現率についてです。 これは体感にはなりますが、「口笛」を使ってエンカウントを繰り返していると、おおよそ5~10回に1回程度の確率で遭遇できる印象です。 時には2回連続で出現することもあれば、20回吹いても出ないこともあり、乱数には偏りがあります。
しかし、重要なのは「出現する」という事実、そして「他のモンスターの経験値も非常に高い」という点です。 はぐれメタルが出現しなくても、キースドラゴンやダースドラゴン、死神の騎士といったモンスターを倒すだけで、莫大な経験値が手に入ります。 (※今作では、死神の騎士をギガデイン一発で倒せるなど、呪文のバランスも調整されているようです)
つまり、はぐれメタルが出れば「大当たり」、出なくても「当たり」という、レベル上げにおいて一切の無駄がない狩り場となっているのです。 これこそが、私が「竜王の城」を最強のレベル上げスポットとして推奨する理由です。
はぐれメタル討伐の具体的な戦術
はぐれメタルに遭遇できても、倒せなければ意味がありません。 ご存知の通り、彼らは異常に高い素早さと守備力を持ち、すぐに逃げ出してしまいます。 ドラクエ1は勇者一人の戦いです。 仲間による「せいすい」や「どくばり」での一撃必殺コンボもありません。 では、どうやってこの俊敏な金属スライムを仕留めるか。 その具体的な戦術を解説します。
はぐれメタルのステータスと特徴(なぜ倒しにくいか)
まず、敵を知ることから始めましょう。 はぐれメタル(およびメタル系)の主な特徴は以下の通りです。
- 異常に高い守備力: ほとんどの物理攻撃は「ミス」または「1ダメージ」しか通りません。
- 呪文耐性: ほぼすべての攻撃呪文を無効化(または軽減)します。
- 高い素早さと回避率: こちらの攻撃が当たる前に逃げ出すことが多々あります。
- HPは低い: 攻撃さえ当たれば、数回で倒せます(ドラクエ1ではHP4~6程度と推測されます)。
この特性を踏まえ、ドラクエ1の勇者が取るべき戦術は、大きく分けて2つあります。 「会心の一撃」を狙うか、「手数」で攻めるか、です。
戦術①:会心の一撃狙い「魔人の斧」
守備力を無視して大ダメージを与える「会心の一撃」。 これを意図的に狙う装備が、リメイク版で追加された(あるいは調整された)「魔人の斧」です。
この武器は、装備すると攻撃力が大幅に上がる代わりに、一定の確率で「ミス(空振り)」が発生するというデメリットがあります。 しかし、そのデメリットと引き換えに、「会心の一撃」の発生確率が通常よりも格段に高くなっています。 はぐれメタルのように、通常攻撃では1ダメージしか与えられない相手に対しては、ミスを恐れずに会心の一撃に賭ける方が、結果的に討伐確率は上がります。
「魔人の斧」を装備し、竜王の城ではぐれメタルに遭遇したら、ひたすら通常攻撃を繰り返す。 これが最もシンプルかつ有効な戦術の一つです。
「魔人の斧」の入手方法(ラダトーム城)
この強力な「魔人の斧」は、どこで手に入るのでしょうか。 答えは、冒険の拠点である「ラダトームの城」です。
ただし、入手するにはストーリーを終盤まで進め、「さいごのかぎ(最後の鍵)」を手に入れている必要があります。 最後の鍵は、リムルダールの町の鍵屋で「ようせいのふえ」と交換することで入手できます(SFC版準拠の場合。今作でも同様の流れと推測されます)。
最後の鍵を手に入れたら、ラダトーム城内の「鍵のかかった扉」を開けに行きましょう。 城内の宝物庫(SFC版では玉座の間の裏手などにありました)に、この「魔人の斧」を含む貴重なアイテムが眠っている宝箱があります。 竜王の城に挑む前に、必ず入手しておきたい装備です。
戦術②:手数で攻める「はやぶさの剣」
もう一つの戦術は、「手数」で攻める方法です。 それを可能にするのが、シリーズお馴染みの「はやぶさの剣」です。
「はやぶさの剣」は、1ターンに2回攻撃できる特殊な武器です。 1回あたりの攻撃力は他の武器に劣りますが、はぐれメタルに対してはどうせ1ダメージ(または会心の一撃)しか狙えません。 であれば、攻撃回数を2倍にして、ヒットする確率(および会心の一撃の抽選回数)を増やす方が合理的です。
さらに、今作では「はやぶさ斬り」という特技も存在するようです。 これは「はやぶさの剣」を装備していなくても、特技として2回攻撃(あるいはそれ以上)を繰り出せるものと推測されます。 (情報ソース①では「はやぶさの剣ではやぶさ切り」と言及されていますが、これは「はやぶさの剣」+「はやぶさ切り」で4回攻撃ができる『III』などと混同している可能性もあります。今作の仕様としては、特技「はやぶさ切り」がシンプルに2回攻撃の特技である可能性が高いです)
MPを消費するかもしれませんが、確実に2回攻撃できる「はやぶさ切り」は、はぐれメタル討伐の切り札の一つとなるでしょう。
戦術③:お助け機能「楽チンプレイ」の活用
そして、HD-2D版リメイクで新たに追加された(と思われる)要素が、お助け機能「楽チンプレイ」です。 これは、ゲームの難易度を緩和し、サクサク進めたいプレイヤー向けの機能のようです。
情報ソース①によれば、この「楽チンプレイ」をONにすると、「HPが半分以下になってもやられることがなくなる」という驚異的な効果が発動するとのこと。 これは、ゲーム評論家の立場から言えば、賛否が分かれる機能かもしれません。 オリジナルの緊張感を損なうという意見もあるでしょう。
しかし、私は「システム上入っているものは、活用してこそ」というスタンスです。 特に、レベル上げという単純作業の効率化において、これほど強力なサポートはありません。
「楽チンプレイ」がレベル上げをどう変えるか
この機能がONになっていると、勇者は実質的に「無敵」状態(戦闘不能にならない)となります。 これにより、はぐれメタル討伐の戦術が根底から変わります。
まず、随伴モンスター(ダースドラゴンや死神の騎士)の猛攻を気にする必要がなくなります。 本来であれば、はぐれメタルに攻撃を集中している間に、ダースドラゴンの「はげしいほのお」で焼き尽くされるリスクがありました。 しかし、楽チンプレイ中は、HPが1になっても倒れません。
これにより、勇者はMPが尽きるまで、最強の特技を連発することが可能になります。 例えば、「超はやぶさ切り」や、情報ソース①で言及されている「来光一閃突き」といった超強力な特技です。
「来光一閃突き」の驚異的な威力
特に注目すべきは「来光一閃突き」です。 これは、SFC版『III』の「稲妻斬り」のように、特定の装備やアイテムの組み合わせで発動する合体技(?)のようなものかもしれません。
情報ソース①では、「稲妻切りを命の紋章使って、超絶にすると来光一閃突きになる」と語られています。 これはつまり、「稲妻切り」という特技(または呪文)を選択した上で、「命の紋章」というアイテム(または特技)を使用(または装備)することで、「来光一閃突き」という上位技に変化することを意味しています。
「来光一閃突き」という名前から察するに、これは「会心の一撃」が必ず発生する、あるいは非常に高い確率で発生する技である可能性が高いです。 (『III』の武闘家が覚える「ばくれつけん」が会心の一撃と組み合わさるようなイメージでしょうか)
楽チンプレイでHPの心配がなく、MPが続く限り「来光一閃突き」を連発できるとすれば……。 はぐれメタルは、もはやボーナスモンスターでしかなくなります。 これは、今作における「最速レベル上げ」の答えの一つと言えるでしょう。
レベル上げに時間をかけたくない方、カンスト(レベルキャップ)を目指したい方は、この「楽チンプレイ」と「来光一閃突き」のコンボを試してみる価値は大いにあります。
レベル上げと並行可能?金策(ゴールド稼ぎ)のおすすめ場所
レベル上げと並んで、ドラクエの冒険で重要になるのが「お金(ゴールド)」です。 最強の「ロトのつるぎ」や「ロトのよろい」はストーリー上で手に入りますが、それ以外の「ほのおのつるぎ」や「みかがみのたて」といった強力な装備品は、町の店で高額で売られています。
レベル上げのついでに、効率よくゴールドも稼ぎたい。 そんな欲張りな勇者のために、おすすめの金策スポットも紹介します。
金策の定番「ゴールドマン」
ドラクエシリーズの金策といえば、「ゴールドマン」です。 倒すと大量のゴールドを落とす、全身が金でできたモンスター。 今作でも、もちろん彼らは登場します。
はぐれメタルが「経験値」のボーナスモンスターなら、ゴールドマンは「ゴールド」のボーナスモンスターです。 彼らを効率よく狩ることが、金策の最短ルートとなります。
おすすめ金策スポット「旅人の宿屋」周辺
では、ゴールドマンはどこに効率よく出現するのか。 情報ソース①やネット上の情報を総合すると、最も有力なのは「旅人の宿屋」(ガライの南、沼地の洞窟の近くにある宿屋)の周辺です。
具体的には、宿屋から東に進み、橋を渡ったあたりの平地です。 ここで「口笛」を吹くと、ゴールドマンが単体、あるいは複数で出現しやすいようです。
SFC版などでは、聖なる祠の周辺(リムルダールから南)もゴールドマンの出現スポットとして知られていましたが、情報ソース①の検証によれば、HD-2D版では「旅人の宿屋」周辺の方が出現率が高い可能性があるとのこと。 私自身の検証でも、宿屋周辺での遭遇率の方が安定していました。
なぜ聖なる祠より旅人の宿屋か
「旅人の宿屋」周辺を推奨する理由は、出現率だけではありません。 「利便性」です。
ゴールドマン狩りでは、レベル上げとは異なり、HPやMPの消費はそれほど激しくありません。 しかし、何度も「口笛」を吹いていると、いずれはMPが尽きます。 (※今作の口笛がMP消費なしかどうかは要検証ですが、特技である以上、何らかのコスト(MPまたは時間)がかかるのが通例です)
「旅人の宿屋」周辺であれば、MPが尽きたらすぐに宿屋に戻って回復し、再び狩りを開始できます。 この「狩り場と回復拠点の近さ」が、金策の効率を大きく左右します。 聖なる祠の周辺は、最寄りの町(リムルダール)まで少し距離があるため、この点で宿屋周辺に軍配が上がります。
金策効率を上げる「なりきんベスト」の入手と効果
金策の効率をさらにブーストする装備があります。 それが「なりきんベスト」です。
この装備は、戦闘終了時に獲得できるゴールドの額を増加させる特殊効果を持っています。 (『III』の「おうごんのつめ」のデメリットなし版、あるいは『IV』のトルネコが持つ能力に近いかもしれません)
この「なりきんベスト」の入手場所は、なんと「ガライの町」です。 「口笛の巻き物」を探しに行った「ガライの墓」の入り口がある町です。 ガライの町には船着き場がありますが、その近くに商人がいます。 その商人がいる場所(またはその近くの建物)の宝箱に、「なりきんベスト」が入っています。
序盤で手に入る装備でありながら、その効果は絶大です。 情報ソース①の検証では、ゴールドマン1匹あたりのゴールドが約2000Gから約3200Gへと、実に50%以上も増加している様子が確認できます。 (これは、元々装備していた「けがわのベスト」などから「なりきんベスト」に変更したことによる守備力の変動も考慮する必要はありますが、ゴールド増加効果は本物です)
守備力自体は、中盤以降の「みかわしのふく」や「まほうのよろい」には劣るため、強敵との戦いには向きません。 しかし、ゴールドマンのような、攻撃力は高いがHPはそれほどでもない敵を相手にする金策時には、最強の装備となります。
「旅人の宿屋」周辺で「なりきんベスト」を装備し、「口笛」でゴールドマンを呼び出して倒す。 これがHD-2D版ドラクエ1の、最も効率的な金策術だと結論付けます。
どこまでレベルを上げるべきか?クリア目安とやりこみ
最後に、では一体どこまでレベルを上げれば良いのか、という指標について私の見解を述べます。 これは、プレイヤーのスタイルによって大きく異なります。
ストーリークリアの推奨レベル
まず、HD-2D版『ドラゴンクエストI』のストーリーをクリアし、竜王を討伐するだけであれば、それほど極端なレベルは必要ないでしょう。 原作のファミコン版ではレベル20前後でもクリア可能(ただし、かなりの知識と運が必要)でしたが、SFC版や今作のようなリメイク版では、レベル30が上限とされています(※この点はHD-2D版の仕様を再確認する必要がありますが、ここではSFC版の上限レベル30を仮定して話を進めます)。
もしレベルキャップ(上限)が30であるならば、竜王討伐の推奨レベルは25~27あたりになるでしょう。 最強の呪文「ベホマ」(HP全回復)や「ベギラマ」(敵全体に大ダメージ ※今作ではギガデイン等が相当か)を習得し、ステータスが一定の水準に達していれば、竜王との一騎打ちにも十分勝利できるはずです。
竜王の城ではぐれメタルを数匹狩れば、あっという間に到達できるレベルです。 ストーリークリアだけが目的ならば、それほどレベル上げに固執する必要はありません。
カンスト(レベルキャップ)はどこ?
問題は、レベルキャップがどこに設定されているかです。 SFC版のレベル30が踏襲されているのか。 それとも、近年のドラクエ作品のようにレベル99まで上がるのか。 あるいは、『I&II』というタイトルから、『II』の仕様(レベル50)に一部準拠しているのか。
情報ソース①では、レベル42になっているシーンが確認できます。 これはつまり、今作のレベルキャップはSFC版の30を大幅に超えていることを示しています。 レベル99まで上がる可能性が非常に高いです。
HD-2D版ドラクエ1のやりこみ要素とレベル上げ
レベルキャップが99(あるいはそれに近い高レベル)であるならば、「竜王の城」での「はぐれメタル狩り」の重要性は、単なるクリア目的から「やりこみ」の領域へとシフトします。
レベル30で竜王を倒した後も、レベル99を目指して冒険を続けることができる。 そのための経験値稼ぎの場として、竜王の城が機能しているわけです。
また、今作は『I&II』のセットです。 『I』のクリアデータが『II』に何らかの形で引き継がれる可能性は低いですが(原作の『I・II』でも『I』のクリアは『II』の開始フラグでしかなかった)、『I』をカンストまでやりこんだという達成感は、『II』の冒険への大きなモチベーションとなるでしょう。
HD-2Dという美しいグラフィックで蘇ったアレフガルドを隅々まで堪能し、勇者を最強の状態に育て上げる。 その「やりこみ」の終着点まで付き合ってくれる狩り場が、「竜王の城」なのです。
まとめ
今回のレビューでは、HD-2D版『ドラゴンクエストI』における効率的なレベル上げ、特に「はぐれメタル」の出現場所と討伐方法について、私のやりこみ経験と分析を交えて徹底的に解説しました。
- 準備: まず「ガライの墓」で「口笛の巻き物」を、「ガライの町」で「なりきんベスト」を入手する。
- 金策: 「旅人の宿屋」周辺で「なりきんベスト」を装備し、「口笛」で「ゴールドマン」を狩る。
- レベル上げ: 最終ダンジョン「竜王の城」(最終エリア)で「口笛」を吹く。
- 討伐: 出現した「はぐれメタル」を、「魔人の斧」の会心の一撃、「はやぶさ切り」の手数、あるいは「楽チンプレイ」中の「来光一閃突き」で仕留める。
今作は、原作の良さを残しつつも、リメイクならではの新たな発見と攻略法が数多く盛り込まれています。 レベルキャップの解放や「楽チンプレイ」機能の追加は、古参のファンにも新規のプレイヤーにも、それぞれのスタイルでアレフガルドの冒険を楽しんでもらおうという開発陣の意図を感じます。
ぜひ、この記事を参考にレベル上げに励んでいただき、最強の勇者として竜王に挑んでください。 あなたの冒険が、光あふれるものになることを願っています。
ゲーム評論家 桐谷シンジ







