ゲーム評論家の桐谷シンジです。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、先日ついにエンディングを迎えた「ポケモン レジェンズ Z-A」の衝撃的なラストシーンと、その直後に発表されたDLC「M次元ラッシュ」の関連性が気になっていることでしょう。 なぜジガルデはあの光を放ったのか、そしてなぜDLCの主役がフーパなのか。 多くの謎が残されたまま、私たちの考察欲は掻き立てられるばかりです。

この記事を読み終える頃には、レジェンズZ-AのエンディングとDLCに隠された壮大な物語の繋がりについての疑問が解決しているはずです。
- エンディングのジガルデが見せた新たな姿の徹底考察
- DLC「M次元ラッシュ」の主役フーパが持つ役割の予測
- ジガルデの謎の光とフーパを繋ぐ「M次元」の正体
- 今後のストーリーで登場が期待される伝説のポケモン
それでは解説していきます。

レジェンズZ-A エンディングの謎を徹底解剖
待望の「ポケモン レジェンズ Z-A」のエンディングは、多くの感動と共に、それ以上に大きな謎を私たちに残していきました。 特に、物語の核心を担う伝説のポケモン「ジガルデ」が見せた最後の姿は、今後のカロス地方の物語を占う上で最も重要な要素と言えるでしょう。 まずは、あのクライマックスで何が起こったのかを振り返りながら、一つ一つの謎を解き明かしていきます。
物語の結末:プリズムタワーと最終兵器の脅威
物語のクライマックスは、ミアレシティの象徴である「プリズムタワー」の暴走から始まりました。 タワーから放出される過剰なメガシンカエネルギーは、街中のポケモンたちを意思なき「暴走メガシンカ」へと変えてしまう危険性をはらんでいました。 この危機を止めるため、主人公のライバルであり、最高のパートナーでもあるタウニーが、AZの特別なフラエッテと共にタワーの制御へと向かいます。

しかし、タワーのエネルギーは彼女たちの想像を絶するものでした。 制御不能に陥ったタワーは巨大な樹木のような存在「アンジュ」へと変貌し、さらに強大なエネルギーを放出。 タウニーとフラエッテは、そのコアに取り込まれてしまいます。
この「アンジュ」こそが、かつてAZが作り上げた最終兵器の成れの果てであり、生命エネルギーと破壊エネルギーが混じり合った不安定な存在だったのです。 このままではミアレシティどころか、カロス地方全土が破滅の危機に瀕するという、絶望的な状況に陥りました。
ジガルデ・パーフェクトフォルムの登場とその役割
街が暴走メガシンカポケモンで溢れかえる中、主人公と仲間たちは最後の希望を求め、伝説のポケモン「ジガルデ」の元へと向かいます。 カロス地方の生態系の監視者であるジガルデは、この異常事態を鎮めることができる唯一の存在でした。

仲間たちの協力によってジガルデの元へたどり着いた主人公。 そこで私たちは、世界中に散らばっていたジガルデ・セルが一つになる瞬間を目撃します。 主人公が持つ最後の1%のセルが共鳴し、ついにジガルデはその完璧な姿――「ジガルデ・パーフェクトフォルム」へと姿を変えたのです。
この形態は、カロス地方の生態系に重大な危機が訪れた時にのみ現れる、まさに「秩序の守護神」と呼ぶべき存在です。 その圧倒的な力をもって、暴走する「アンジュ」に立ち向かうことになります。
ラスボス「超暴走アンジュ フラエッテ」とは何だったのか
ジガルデ・パーフェクトフォルムと共にプリズムタワーの頂上へ向かった主人公を待ち受けていたのは、タワーそのものがポケモン化したかのような無機質な存在、「超暴走アンジュ フラエッテ」でした。
これは、最終兵器のエネルギーが、タウニーを助けようとするフラエッテの強い意志とメガシンカエネルギーを取り込み、具現化した存在だと考えられます。 もはやポケモンでもなく、兵器でもない、純粋なエネルギーの暴走体。 それが、私たちが対峙したラスボスの正体です。
この戦闘では、プレイヤーがジガルデ・パーフェクトフォルムを直接操作するという、シリーズでも類を見ない特別な体験ができました。 「サウザンアロー」や「グランドフォース」といった専用技を駆使して戦う展開は、まさに伝説のポケモンと一体になったかのような高揚感を与えてくれました。
注目すべきはエンディングの光!ジガルデの新たな可能性
激闘の末、「超暴走アンジュ フラエッテ」を追い詰めたジガルデ。 しかし、アンジュは最後の力で、ミアレシティを消し飛ばすほどの「はめつのひかり」を放とうとします。 万事休すかと思われたその瞬間、物語は誰も予測できなかった領域へと足を踏み入れます。
主人公のメガリングとジガルデが共鳴。 ジガルデは眩い光に包まれ、その光は「X」と「Y」の文字を思わせる軌跡を描きながら、アンジュの破滅の光を打ち消したのです。
この光こそが、本作最大の謎であり、今後のDLC展開を読み解く鍵となります。 あの光は、単なるジガルデのパワーアップではありません。 メガシンカとも、ゲンシカイキとも異なる、全く新しい力の覚醒を示唆しているのです。
メガシンカを超える力?「Zシンカ」あるいは「オーダーシンカ」の仮説
あの光は何だったのか。 私は、これをジガルデ固有の新たな進化形態、仮に「Zシンカ」あるいは「オーダーシンカ」と名付けたいと思います。
既存のパワーアップ | 特徴 |
---|---|
メガシンカ | メガストーンとキーストーンの共鳴による一時的な進化 |
ゲンシカイキ | 古代のエネルギーを取り戻し、真の力を解放する |
ウルトラバースト | ウルトラホールのエネルギーを利用したパワーアップ |
オーダーシンカ(仮説) | 生命と破壊のエネルギーを調和させ、秩序の力へと昇華 |
メガシンカがトレーナーとの絆の力であるならば、ジガルデが見せた「オーダーシンカ」は、カロス地方そのものとの絆、生態系の頂点捕食者としての秩序を司る力の顕現と言えるでしょう。 最終兵器という「無秩序」の象徴を打ち消すために、ジガルデが「秩序」の究極系へと至った姿。 それが、あの光の正体ではないでしょうか。
「XとY光って」が意味するもの – ゼルネアスとイベルタルの関与
作中の描写で特に重要だったのが、光が「XとY」を彷彿とさせる形を描いたことです。 ご存知の通り、「X」は生命を司るポケモン「ゼルネアス」、「Y」は破壊を司るポケモン「イベルタル」を象徴しています。
ジガルデは、この両者の力を監視し、カロス地方の生態系のバランスを保つ役割を担っています。 つまり、あの光はジガルデがゼルネアスの「生命エネルギー」とイベルタルの「破壊エネルギー」という、相反する二つの力を完全に掌握し、調和させたことで生まれた究極の力である可能性が極めて高いのです。
本編ではゼルネアスとイベルタルは直接登場しませんでした。 それは、ジガルデが彼らの力を内包し、代行する存在へと昇華したからなのかもしれません。 この新たな力が、後のDLCで語られるであろう物語の引き金となるのです。
物語の終着点:AZの永眠とカロス地方の未来
ジガルデの活躍によってミアレシティは救われ、物語は静かなエンディングを迎えます。 3000年もの間、愛するフラエッテを失った悲しみと罪悪感から彷徨い続けた王、AZ。 彼は、自らが作り出した最終兵器の脅威が完全に消え去り、愛するカロス地方に真の平和が訪れたことを見届け、ついに安らかな永眠につきました。
これは悲しい結末ではなく、3000年の時を超えた魂の救済であり、ある種のハッピーエンドと言えるでしょう。 彼の物語が終わりを告げたことで、カロス地方は過去の呪縛から解き放たれ、新たな未来へと歩み始めたのです。 しかし、その新たな未来には、また別の次元の脅威が迫っていました。
DLC「M次元ラッシュ」を徹底考察!フーパがもたらすものとは?
エンディングの感動も冷めやらぬうちに発表された有料DLC「M次元ラッシュ」。 そのキービジュアルには、幻のポケモン「フーパ」が不敵な笑みを浮かべて描かれており、私たちの考察は新たなステージへと進みました。 なぜフーパなのか。 そして「M次元」とは一体何を指すのか。 エンディングとの繋がりを軸に、その謎に迫ります。

DLCの主役は確定!いたずらポケモン「フーパ」の能力
DLCの主役となるフーパは、「リング」を使ってあらゆるものを空間を越えて召喚する能力を持つ、非常にトリッキーなポケモンです。 その能力は、人やポケモンはもちろん、果ては島や伝説のポケモンさえも別の場所からいとも簡単に呼び出してしまいます。 さらに、フーパには「いましめられしすがた」と、真の力を解放した「ときはなたれしすがた」の二つのフォルムが存在します。
特に「ときはなたれしすがた」は、複数のリングで時空を歪め、異次元から伝説のポケモンを次々と召喚するという、神の領域に踏み込んだ能力を持っています。 「M次元ラッシュ」というタイトルから考えても、この能力がDLCの物語の根幹をなすことは間違いないでしょう。
「M次元」とは何か?3つの仮説を立てて考察
最も気になるのが「M次元」というキーワードです。 この謎の次元について、私は3つの仮説を立てました。
仮説①:メガシンカエネルギーが満ちる異次元
最も有力な仮説は、「M」が「Mega Evolution(メガシンカ)」を指しているというものです。 つまり、「M次元」とは、メガシンカのエネルギーが常に満ち溢れている特殊な次元空間である、という考えです。
レジェンズZ-Aの物語は、一貫してメガシンカエネルギーがテーマでした。 エンディングでジガルデが放った秩序の光は、カロス地方に満ちていた過剰なメガシンカエネルギーを浄化、あるいは別の次元へと追いやったのかもしれません。 そのエネルギーの行き着いた先が「M次元」であり、その次元の扉をフーパが開いてしまう、という展開が考えられます。
仮説②:マルチバース(平行世界)への扉
もう一つの可能性として、「M」が「Multiverse(マルチバース)」を指しているという説です。 近年のポケモンシリーズでは、ウルトラホールなどを通じて平行世界の存在が示唆されてきました。
メガシンカが存在しない世界、ダイマックスが主流の世界、テラスタルが文化として根付いた世界など、様々なカロス地方が存在するのかもしれません。 フーパの能力は、そうした無数の平行世界を繋ぎ、各世界のトレーナーやポケモンをミアレシティに呼び寄せてしまうのかもしれません。 「M次元ラッシュ」とは、様々な次元から挑戦者が押し寄せる、大規模なバトルコンテンツになる可能性も秘めています。
仮説③:「Mugen(無限)」や「Mirage(幻)」を意味する次元
少し捻った考察ですが、「M」が日本語の「無限(Mugen)」や英語の「幻(Mirage)」を指している可能性も考えられます。 フーパが作り出す幻影の世界、あるいは無限にポケモンが湧き出てくる異空間。 これまでのシリーズで言うところの「バトルフロンティア」や「バトルツリー」のような、やり込み型のバトル施設がこの「M次元」の正体かもしれません。
ジガルデとフーパを繋ぐストーリーラインを予測
では、エンディングでカロスを救ったジガルデと、DLCで現れるフーパは、どのように繋がるのでしょうか。 この二つの物語は、決して無関係ではありません。
私は、**「秩序の守護者であるジガルデが放った究極の力が、逆に無秩序の象徴であるフーパの干渉を招いてしまった」**というストーリーラインを予測します。
ポケモン | 司る概念 | レジェンズZ-Aでの役割 |
---|---|---|
ジガルデ | 秩序 (Order) | カロス地方の生態系のバランスを保ち、最終兵器の暴走を鎮める |
フーパ | 混沌 (Chaos) | 時空を歪め、異なる次元の存在を召喚し、混乱をもたらす |
エンディングでジガルデが放った「オーダーシンカ(仮説)」の光は、最終兵器という巨大な「無秩序」を打ち消すほどの、強大な「秩序」のエネルギーでした。 しかし、そのあまりにも強大なエネルギーは、世界の理、次元の壁そのものを揺るがしてしまったのです。
エンディングの光が時空の歪みを引き起こした?
想像してみてください。 静かな水面に大きな石を投げ込むと、波紋が広がります。 ジガルデが放った光は、いわば「時空」という水面に投げ込まれた巨大な石です。 そのエネルギーの波紋は、次元と次元の間に微細な裂け目、つまり「時空の歪み」を生み出しました。
普段であればすぐに修復されるはずのその歪みを、フーパが見逃すはずがありません。 彼はその歪みを格好の遊び場とみなし、リングを使ってこじ開け、ミアレシティと「M次元」を繋いでしまった。 これが、本編とDLCを繋ぐミッシングリンクではないでしょうか。
フーパ(ときはなたれしすがた)の登場と新たな脅威
DLCでは、フーパの真の姿である「ときはなたれしすがた」の登場が確実視されます。 この形態のフーパは、もはや「いたずら」では済まないレベルの、世界を危機に陥れるほどの力を持っています。
彼が「M次元」から呼び出すのは、おそらく過去作に登場した伝説・幻のポケモンたちでしょう。 ディアルガ、パルキア、ギラティナといった時空を司る神々や、あるいはメガシンカする力を持ったレックウザやミュウツーなど、オールスター級のポケモンたちがミアレシティに集結する可能性があります。 プレイヤーは、ジガルデ、そして本編では出会えなかったゼルネアスやイベルタルと共に、この未曾有の危機に立ち向かうことになるのかもしれません。
DLCで登場が期待される伝説・幻のポケモンたち
「M次元ラッシュ」の名の通り、フーパによって様々なポケモンが召喚されることが予想されます。 特に期待が高いのは、以下のポケモンたちです。
- ゼルネアス、イベルタル: カロス地方の物語を完結させる上で、彼らの登場は不可欠です。ジガルデとの共闘が見られるかもしれません。
- ディアンシー: 同じくカロス地方の幻のポケモン。メガシンカする能力を持っており、物語への関与が期待されます。
- ボルケニオン: こちらもカロス地方の幻のポケモン。蒸気機関のような特殊な生態を持っており、ミアレシティの近代的な雰囲気とマッチします。
- 過去作の伝説・幻のポケモン: ホウオウ、ルギア、グラードン、カイオーガなど、フーパのリングはあらゆる伝説を呼び覚ますでしょう。特にメガシンカ可能な伝説のポケモンは、DLCの目玉となる可能性が高いです。
過去作との関連性は?ORASの「エピソードデルタ」との比較
フーパが引き起こす騒動という点では、「オメガルビー・アルファサファイア(ORAS)」のクリア後シナリオ「エピソードデルタ」との関連性も考えられます。 エピソードデルタでは、宇宙から飛来する巨大隕石の脅威が描かれ、その中でデオキシスが登場しました。
「M次元ラッシュ」は、このエピソードデルタのように、本編の裏で進行していた、あるいは本編の出来事がきっかけで発生した、もう一つの大きな物語を描くものになるでしょう。 時空を超えた脅威に、地方の伝説のポケモンたちが立ち向かうという構図は、非常に似ています。 レジェンズZ-AのDLCは、カロス地方版エピソードデルタとして、壮大なスケールの物語を見せてくれるに違いありません。
まとめ
「ポケモン レジェンズ Z-A」は、エンディングでジガルデの新たな可能性「オーダーシンカ(仮説)」を描き、カロス地方の物語に一つの区切りをつけました。 しかし、それは同時に、新たな混沌の始まりでもありました。 秩序を求める究極の力が、皮肉にも無秩序の化身であるフーパを呼び寄せるきっかけとなってしまったのです。
DLC「M次元ラッシュ」では、フーパが開いた「M次元」の扉から、未知なる脅威、そして懐かしき伝説のポケモンたちが押し寄せることになるでしょう。 私たちは再び主人公として、ジガルデやカロス地方の仲間たちと共に、この次元を超えた危機に立ち向かうことになります。
本編で残された伏線がどのように回収され、そしてカロス地方の物語がどのような完全な結末を迎えるのか。 今からDLCの配信が待ちきれません。