ゲーム評論家の桐谷シンジです。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、2025年10月16日に発売が予定されている待望の新作『Pokémon LEGENDS Z-A(ポケモンレジェンズ ゼットエー)』をクリアした後、どうすれば最も賢くソフトを売却できるのか、特に「GEO(ゲオ)のような実店舗で売ると損をする」という噂の真相について、詳しく知りたいと考えているのではないでしょうか。
発売日に購入して、ストーリーを堪能したらすぐに次のゲームの資金にしたい、と考えるのはゲーマーとして当然の思考です。 しかし、その一手間を惜しむことで、数千円単位の差が生まれてしまう可能性があるとしたら、見過ごせませんよね。

この記事を読み終える頃には、なぜ実店舗の買取価格がフリマアプリなどに比べて安くなってしまうのか、その構造的な理由から、あなたにとって本当に最適な売却方法はどれなのか、全ての疑問がスッキリ解決しているはずです。
- 実店舗の買取価格が安い構造的な理由
- フリマアプリの利益と隠れた手間の全貌
- 買取方法別メリット・デメリットと最適な人の特徴
- レジェンズZ-Aを最高値で売却するための戦略
それでは解説していきます。

GEO(ゲオ)にゲームを売ると損すると言われる5つの理由
多くのゲーマーが一度は利用したことがあるであろうGEO。 手軽にゲームを売れる便利な存在ですが、なぜ「フリマアプリで売るより損だ」と言われるのでしょうか。 その背景には、実店舗ならではのビジネスモデルが深く関わっています。 感情論ではなく、その構造を理解することで、買取価格の謎が解けてきます。

理由①:人件費や店舗維持費といった莫大な運営コスト
まず最も大きな理由として、実店舗の運営には莫大なコストがかかっているという点が挙げられます。 私たちが普段利用している店舗を思い浮かべてみてください。 そこには必ず、接客をしてくれる店員さんがいます。 この方々の人件費はもちろんのこと、店舗の家賃、電気代や水道代などの光熱費、商品を陳列するための棚やレジなどの設備費、そして多くの人に知ってもらうための広告宣伝費など、店舗を維持するだけで常に費用が発生し続けているのです。
これらの運営コストは、当然ながらお店の利益から賄わなければなりません。 つまり、ゲームソフトを1本買い取る際、その買取価格には、これらの運営コストを回収し、さらに利益を生み出すための「マージン(利幅)」が含まれているのです。 個人間取引であるフリマアプリには、このような店舗運営コストが存在しません。 この根本的な違いが、買取価格の差として直接的に現れてくるのです。
H4見出し:コスト構造の違いが価格差を生む
項目 | GEOなどの実店舗 | フリマアプリ(個人) |
---|---|---|
人件費 | 必要 | 不要 |
店舗家賃 | 必要 | 不要 |
光熱費 | 必要 | 不要 |
広告宣伝費 | 必要 | 不要 |
システム利用料 | – | 販売価格の10%など |
送料 | – | 自己負担(200円前後) |
このように、実店舗が抱える固定費は、そのまま買取価格を押し下げる要因となります。 企業として利益を追求する以上、避けては通れない構造なのです。
理由②:再販時の利益を確保するというビジネスモデル
中古ゲームショップのビジネスは、安く仕入れて(買い取って)、高く売ることで成り立っています。 非常にシンプルですが、これが商売の基本です。 例えば、あるゲームソフトを4,000円で買い取ったとします。 このソフトを中古品として販売する際には、利益を乗せて5,000円や5,500円といった価格で店頭に並べる必要があります。 この「販売価格」と「買取価格」の差額が、店舗の粗利益となるわけです。
この利益の中から前述の運営コストを支払い、残ったものが純粋な利益となります。 もし買取価格を高く設定しすぎてしまうと、販売価格との差が小さくなり、十分な利益を確保できません。 特に、競合店との価格競争も考慮しなければならないため、販売価格を無闇に高くすることも難しいのです。 結果として、安定した利益を確保するためには、どうしても買取価格を一定の水準まで抑える必要が出てくるのです。
理由③:大量の在庫を抱えるリスクを考慮している
特に「ポケモンレジェンズ Z-A」のような超人気タイトルが発売された直後は、クリアしたプレイヤーからの買取依頼が店舗に殺到します。 店舗側からすれば、大量の在庫を一度に抱えることになります。 ゲームソフトは、発売日から時間が経つにつれて中古市場での価値が下落していくのが一般的です。 もし、大量に買い取った在庫が予想通りに売れなかった場合、それは全て店舗の損失、つまり「不良在庫」となってしまいます。
この「売れ残るかもしれない」という在庫リスクを、店舗はあらかじめ買取価格に織り込んでいます。 発売直後はまだ需要が高いため高価買取が期待できますが、それでも店舗側は「1ヶ月後、2ヶ月後にはこれくらい値下がりするだろう」という予測のもとで価格を決定します。 そのため、フリマアプリで形成される「今、この瞬間に欲しい個人」同士のリアルタイムな市場価格よりも、慎重で控えめな価格設定になりがちなのです。
理由④:全国一律の買取基準とデータに基づいた価格決定
GEOのような大手チェーン店では、多くの場合、買取価格は各店舗の裁量で決められているわけではありません。 本部が過去の販売データや市場動向を分析し、全国の店舗で適用される統一された買取リストを作成しています。 これにより、どの店舗に持ち込んでも公平な査定が受けられるというメリットはありますが、一方で、その地域の特定の需要(ローカルな人気)が価格に反映されにくいという側面もあります。
また、査定はマニュアル化されており、ゲームの状態(ディスクの傷、パッケージの破損など)によって減額されるポイントが細かく定められています。 人の手による査定ではありますが、その基準はあくまでシステムに基づいたものであり、フリマアプリのように「この価格なら買いたい」という個人の熱量が介在する余地はありません。 データに基づいた冷静な価格設定が、結果として個人間取引の価格を下回ることが多くなるのです。
理由⑤:フリマアプリ市場との根本的なプラットフォームの違い
最終的に、実店舗とフリマアプリでは、取引の当事者が根本的に異なります。
- 実店舗:「企業(プロ)」対「個人(ユーザー)」の取引
- フリマアプリ:「個人(ユーザー)」対「個人(ユーザー)」の取引
実店舗は、買取と販売のプロとして、ビジネスとして利益を最大化するための価格設定を行います。 そこには前述したコストやリスクが全て含まれています。 一方、フリマアプリは、企業という中間業者を介しません。 売り手は「できるだけ高く売りたい」、買い手は「できるだけ安く、でも欲しいものを手に入れたい」という個人の希望が直接ぶつかり合う市場です。 売り手は店舗運営コストを考える必要がないため、その分を価格に還元し、買い手にとっても店舗で中古品を買うより安い価格で購入できるという、双方にとってメリットのある価格帯で取引が成立しやすいのです。 この構造的な違いが、手取り額に大きな差を生む最大の要因と言えるでしょう。
フリマアプリ売却のメリット・デメリット|本当に得なのか?
「じゃあ、絶対にフリマアプリで売った方がいいんだな」と考えるのは少し早いかもしれません。 フリマアプリには高い換金率という強力なメリットがある一方で、無視できないデメリットや手間も存在します。 両方を天秤にかけた上で、自分に合った方法を選ぶことが重要です。

メリット①:圧倒的に高い手取り額が期待できる
これがフリマアプリを利用する最大の動機でしょう。 では、実際に「ポケモンレジェンズ Z-A」を売却した場合、どれくらいの差が生まれるのかシミュレーションしてみましょう。
【シミュレーション条件】
- ソフトの定価:7,678円(税込)と仮定
- 売却タイミング:発売から1週間後
- フリマアプリ:手数料10%、送料215円(ゆうパケットポスト)と仮定
売却方法 | 売却価格(想定) | 手数料 | 送料 | 最終的な手取り額 |
---|---|---|---|---|
GEOでの買取 | 4,500円 | 0円 | 0円 | 4,500円 |
フリマアプリ | 6,800円 | -680円 | -215円 | 5,905円 |
※上記はあくまで過去の人気タイトルの傾向から算出した予想値です。
このシミュレーションでは、その差額は1,405円にもなります。 ランチ1〜2回分に相当するこの金額をどう捉えるかが、売却方法を選ぶ上での大きな分かれ道となります。 この価格差は、発売日から時間が経つにつれて縮まっていく傾向にありますが、それでもフリマアプリの方が有利な状況は続くことが多いです。
メリット②:自分で価格を決められる自由度の高さ
フリマアプリでは、出品価格を自分で自由に設定できます。 市場の相場をリサーチし、「この価格なら売れるだろう」という戦略を立てることができます。 例えば、他の出品者よりも少しだけ安くして早く売る、あるいは、商品説明や写真で付加価値をつけ、相場より少し高めに設定して利益を最大化するなど、ゲーム感覚で楽しむことも可能です。 店舗のように提示された価格を受け入れるしかない、という一方的な取引ではない点が大きな魅力です。
デメリット①:出品・梱包・発送の一連の手間
フリマアプリで高い手取り額を得るためには、それ相応の「労働」が必要になります。
- 商品の状態確認・クリーニング:パッケージを綺麗に拭き、傷がないか確認する。
- 写真撮影:商品の魅力が伝わるように、明るい場所で何枚か撮影する(表、裏、中身など)。
- 商品説明の作成:ゲームのタイトル、状態、付属品の有無、動作確認済みであることなどを記載する。
- 購入者とのやり取り:購入された際の挨拶や、発送通知などのコミュニケーション。時には値下げ交渉のコメントに対応する必要も。
- 梱包:商品を水濡れや衝撃から守るために、ビニール袋や緩衝材(プチプチ)で包み、封筒や箱に入れる。
- 発送手続き:コンビニや郵便局に商品を持ち込み、発送手続きを行う。
これらの作業を面倒だと感じる人にとっては、数千円の価格差よりも、店舗に持ち込むだけで完結する手軽さの方が価値が高いと感じるかもしれません。
デメリット②:販売手数料と送料を計算に入れる必要がある
シミュレーションで示した通り、フリマアプリの販売価格がそのまま手元に入ってくるわけではありません。 多くのプラットフォームでは、販売価格の約10%が手数料として差し引かれます。 さらに、送料も出品者負担となるのが一般的です(送料込みで出品しないと売れにくいため)。 これらのコストを差し引いた上で、最終的な手取り額がいくらになるのかを正確に計算しておかないと、「思ったより利益が出なかった」ということになりかねません。
デメリット③:個人間取引に潜むトラブルのリスク
企業が相手ではないため、予期せぬトラブルが発生する可能性もゼロではありません。
- クレーム:「パッケージに説明にない傷があった」「正常に動作しない」などのクレームを受け、返品や返金を求められるケース。
- 値下げ交渉:執拗な値下げ交渉や、無礼なコメントにストレスを感じることも。
- 受取評価の遅延:商品が到着しているはずなのに、購入者が受取評価をしてくれず、売上金がなかなか確定しない。
- 配送事故:非常に稀ですが、配送中に商品が紛失・破損する可能性も。
もちろん、多くの取引はスムーズに進みますし、プラットフォーム側もトラブル解決のためのサポート体制を整えています。 しかし、このようなリスクが常に存在するということは、頭の片隅に置いておくべきでしょう。
GEO(ゲオ)で売るのが逆におすすめな人の特徴
ここまで読むと、実店舗での売却はデメリットだらけのように感じるかもしれません。 しかし、視点を変えれば、その手軽さと安心感は、特定のニーズを持つ人にとっては非常に大きなメリットとなります。 以下のような方は、無理にフリマアプリを利用するよりも、GEOのような実店舗で売却する方が満足度が高いかもしれません。
とにかく時間と手間をかけたくない「効率重視」の人
「時は金なり」という言葉があるように、フリマアプリで出品作業に費やす1〜2時間を、他のことに使いたいと考える人もいるでしょう。 仕事やプライベートが忙しく、ゲームを売るために余計な時間や労力を割きたくないという方にとって、店舗に持ち込んで10〜15分程度で現金化できるスピード感は、何物にも代えがたい魅力です。 差額の1,000円〜2,000円は、「手間を省くためのサービス料」と割り切れるのであれば、実店舗での売却は非常に合理的な選択です。
スマホ操作や個人間取引が苦手・不安な人
フリマアプリの操作は直感的で分かりやすいものが多いですが、それでもスマートフォンの操作自体に慣れていない方や、アプリのインストール、会員登録といった初期設定にハードルを感じる方もいるでしょう。 また、見知らぬ個人と金銭のやり取りをすることに、心理的な抵抗や不安を感じる方も少なくありません。 その点、実店舗であれば、対面でスタッフが丁寧に対応してくれるため、絶対的な安心感があります。 「よく分からないことにお金と時間をかけるくらいなら、少し安くても確実な方法を選びたい」という方には、実店舗が最適です。
他のゲームソフトや本などをまとめて処分したい人
大掃除や引っ越しのタイミングで、遊び終えたゲームソフトが何本も出てきたり、読まなくなった漫画やDVDなども一緒に処分したかったりするケースもあるでしょう。 フリマアプリでこれらを一点一点出品するのは、非常に骨の折れる作業です。 実店舗であれば、ジャンルが異なる商品でも一度にまとめて査定に出し、一括で現金化できます。 この「まとめて処分できる利便性」は、フリマアプリにはない大きなメリットです。
買取アップキャンペーンを戦略的に利用できる人
GEOをはじめとする中古ショップでは、「ゲームソフトをまとめて3本売ると買取金額1,000円アップ」といったキャンペーンを定期的に実施しています。 もし「ポケモンレジェンズ Z-A」以外にも売りたいソフトがいくつかある場合、このキャンペーンを狙って持ち込むことで、フリマアプリとの価格差を大きく縮めることが可能です。 1本あたりの買取価格は低くても、ボーナス金額が加わることで、総額ではフリマアプリで個別に売るのと遜色ない、あるいはそれ以上の手取りになる可能性すらあります。 売るタイミングと本数を計画的に調整できる方にとっては、実店舗も十分に賢い選択肢となり得るのです。
ポケモンレジェンズ Z-Aを1円でも高く売るための4つの鉄則
最後に、あなたがどちらの売却方法を選ぶにしても、共通して言える「ゲームソフトを最高値で売るための戦略」を、ゲーム評論家の視点から伝授します。 特に「ポケモンレジェンズ Z-A」のような注目タイトルでは、この少しの工夫が査定額に大きく影響します。
鉄則①:発売日から1〜2週間以内に売る
これが最も重要な鉄則です。 中古市場の価格は、需要と供給のバランスで決まります。 発売直後は、「早くプレイしたい」という需要が非常に高い一方で、クリアして売却する人の供給がまだ少ないため、価格が最も高騰します。 このピークは非常に短く、発売から2週間も経つと、クリアしたプレイヤーからの供給が一気に増え、価格は急速に下落し始めます。 ストーリークリアを目標としている方は、クリアしたらすぐに売却手続きに移る、というスピード感が査定額を最大化する鍵です。
鉄則②:付属品はすべて揃え、美品をキープする
購入した時の状態に近ければ近いほど、買取価格は高くなります。
- パッケージ:傷や汚れ、日焼けがないように保管する。
- ゲームカード:端子部分などを汚さないように丁寧に取り扱う。
- 封入物:操作説明の紙や、特典のチラシなども、捨てずに保管しておく。
査定時にはこれらの状態が細かくチェックされます。 特にパッケージの状態は重要で、目立つ傷があるだけで数百円の減額対象となることも珍しくありません。 日頃から丁寧に扱うことが、未来の買取価格への投資となるのです。
鉄則③:フリマアプリの「売れた価格」を相場として把握する
実際に売却する前に、フリマアプリで『ポケモンレジェンズ Z-A』が「いくらで取引されているか」を必ずリサーチしましょう。 この時、重要なのは「出品されている価格」ではなく、「売り切れ(SOLD)になっている価格」を見ることです。 これが、実際にユーザーが支払っても良いと考えている、リアルな市場価格です。 この相場を把握しておけば、実店舗の査定額が妥当かどうかを判断する基準になりますし、フリマアプリで出品する際の適切な価格設定にも役立ちます。
鉄則④:複数の買取方法を比較検討する
もし時間に少しでも余裕があるなら、選択肢を一つに絞らないことが賢明です。 GEOだけでなく、他のゲーム買取専門店や、ネット専門の宅配買取サービスなど、複数の業者で査定額を比較してみましょう。 店舗によって特定のタイトルの在庫状況や強化買取キャンペーンは異なるため、意外なところで高値がつく可能性があります。 フリマアプリの相場を基準としながら、各買取サービスの提示額を比較し、最も条件の良い場所を選ぶのが、情報強者の立ち回りです。
まとめ
さて、ここまで「ポケモンレジェンズ Z-A」の売却について、GEOのような実店舗とフリマアプリを比較しながら、そのメリットとデメリットを深掘りしてきました。
結論として、「どちらが絶対に正しい」という答えはありません。 あなたの価値観やライフスタイルによって、最適な選択は異なります。
- 少しでも手取り額を増やしたい、出品の手間を惜しまないという方は、間違いなくフリマアプリがおすすめです。
- 時間や手間をかけず、すぐに安心して現金化したいという方にとっては、GEOなどの実店舗が最良の選択となるでしょう。
重要なのは、それぞれの方法の裏にある仕組みや特性を理解し、納得した上で自分自身で選ぶことです。 「ポケモンレジェンズ Z-A」の発売はまだ少し先です。 ミアレシティでの新たな冒険を存分に楽しんだ後、あなたが後悔のない売却活動ができるよう、このレビューが少しでもその助けとなれば幸いです。