ゲーム評論家の桐谷シンジです。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、2025年に発売が決定したポケモンシリーズ最新作「Pokémon LEGENDS Z-A(レジェンズ ゼットエー)」と、その前作にあたる「Pokémon LEGENDS アルセウス」の物語にどのような関係性があるのか、気になっていると思います。 「LEGENDS」という名を冠する以上、何かしらの繋がりがあるのでは?と考察が飛び交っていますよね。

この記事を読み終える頃には、レジェンズZAとアルセウスの物語の関係性や、レジェンズZAの時代背景に関する疑問が解決しているはずです。
- レジェンズZAとアルセウスの直接的な物語の繋がり
- シリーズとして継承される共通のテーマや思想
- レジェンズZAの舞台となる時代設定の徹底考察
- 物語の鍵を握る重要人物と回収が期待される伏線
それでは解説していきます。

Pokémon LEGENDSシリーズの概要とコンセプト
まず、レジェンズZAとアルセウスの関係性を考察する前に、それぞれの作品がどのようなゲームなのか、そして「LEGENDS」というシリーズが持つ共通のコンセプトについておさらいしておきましょう。 この前提を理解することが、両者の関係性を深く知るための第一歩となります。
Pokémon LEGENDS Z-Aとは?人とポケモンが共存する街での新たな物語
「Pokémon LEGENDS Z-A」は、2025年の発売が予定されているポケモンシリーズの最新作です。 物語の舞台は、人とポケモンが共存する街を目指し、「都市再開発」が進む「ミアレシティ」。 このミアレシティは、「ポケットモンスター X・Y」で登場したカロス地方の中心都市であり、美しく近代的な街並みが特徴でした。

公開された映像では、ワイヤーフレームで描かれたミアレシティの設計図のようなものが映し出され、これまでのポケモンシリーズとは一線を画す、サイバーでスタイリッシュな雰囲気が漂っています。 また、シリーズの根幹を揺るがした要素である「メガシンカ」のマークが登場しており、このメガシンカが物語の重要な鍵となることが示唆されています。 「LEGENDS」の名を冠していることから、過去のヒスイ地方を舞台にしたアルセウス同様、特定の時代やテーマに深く焦点を当てた作品になることは間違いないでしょう。
Pokémon LEGENDS アルセウスとは?遥か昔のヒスイ地方を冒険
一方、「Pokémon LEGENDS アルセウス」は2022年に発売され、その革新的なゲームシステムと重厚なストーリーで世界中のファンを魅了した作品です。 舞台は、遥か昔、まだ「シンオウ地方」という名で呼ばれる前の「ヒスイ地方」。 人とポケモンが互いを恐れ、厳しい自然の中でようやく共存の道を歩み始めた時代が描かれています。

主人公は現代からタイムスリップし、この地で初めてのポケモン図鑑を完成させるという壮大な任務に挑みます。 広大なフィールドを自由に探索し、野生のポケモンを直接捕まえたり、アクション要素の強いバトルを繰り広げたりと、これまでのシリーズの常識を覆すゲーム体験は、多くのプレイヤーに衝撃を与えました。 まさに「LEGENDS」シリーズの幕開けを飾るにふさわしい、伝説的な一作と言えるでしょう。
「LEGENDS」シリーズに共通するコンセプト
レジェンズZAとアルセウスの関係性を語る上で最も重要なのが、この「LEGENDS」というシリーズが持つ共通のコンセプトです。 単なる外伝やスピンオフではなく、本編とは異なるアプローチでポケモンの世界を深掘りすることを目的としています。
- 特定の時代・地域への焦点 アルセウスが「過去のシンオウ地方(ヒスイ地方)」に焦点を当てたように、LEGENDSシリーズは、特定の時代と地域を深く掘り下げて描くことを特徴としています。 ZAでは「ミアレシティの都市再開発」という、一点に集中したテーマが設定されており、この都市で何が起こるのか、詳細に描かれることが予想されます。
- ポケモンと人間の関係性の探求 アルセウスでは、まだポケモンと人間がパートナーという関係性を築けていない時代を描きました。 人間がポケモンを恐れ、同時にその力に魅了され、少しずつ絆を育んでいく過程が丁寧に描写されました。 ZAのテーマは「人とポケモンが共存する街」。 これは、アルセウスで描かれた関係性の、さらに先の未来、より発展した形での共存のあり方を模索する物語になるのかもしれません。
- 革新的なゲームシステム アクションとRPGの融合、シームレスなフィールド探索と捕獲・バトルなど、アルセウスはゲームシステムにおいても大きな挑戦をしました。 ZAもまた、この革新的な精神を受け継ぎ、ミアレシティという都市空間を舞台にした、新たな遊びを提供してくれることでしょう。 単なる焼き直しではない、プレイヤーを驚かせる新しい体験が待っているはずです。
【結論】レジェンズZAとアルセウスに直接的な物語の繋がりはない可能性が高い
さて、本題に入りましょう。 現時点で公開されている情報から判断すると、「Pokémon LEGENDS Z-A」と「Pokémon LEGENDS アルセウス」の間に、直接的な物語の繋がりはない可能性が高いと考えられます。 その理由を、いくつかの観点から解説していきます。
舞台となる時代と地方が全く異なる
最も大きな理由は、物語の舞台となる時代と地方が完全に異なっている点です。
項目 | Pokémon LEGENDS アルセウス | Pokémon LEGENDS Z-A |
---|---|---|
地方 | ヒスイ地方(後のシンオウ地方) | カロス地方(ミアレシティ) |
時代 | 遥か昔(開拓時代) | 不明(近未来 or 過去の特定時期) |
アルセウスは遥か昔のヒスイ地方、つまりシンオウ地方の過去を描いた物語です。 一方、ZAはカロス地方のミアレシティが舞台。 地理的に全く接点がなく、時代設定も大きく異なっています。 アルセウスの主人公や登場人物がZAに直接登場したり、ヒスイ地方で起きた出来事がカロス地方の物語に直接影響を与えたりする、といったシナリオは考えにくいでしょう。
主人公や登場人物の関連性も現時点では不明
アルセウスの主人公は、時空の裂け目を通って現代からヒスイ地方へとやってきました。 その出自は謎に包まれていますが、物語はヒスイ地方で完結しています。 ZAの主人公が、このアルセウスの主人公と何らかの血縁関係にある、といった設定も可能性としてはゼロではありませんが、現時点ではそれを匂わせる情報は一切ありません。
また、アルセウスで人気を博したキャラクターたち(ウォロ、カイ、セキなど)の子孫がZAに登場する、という考察もファンの間では囁かれています。 しかし、これも「レジェンズアルセウス病」とも言える、前作の体験からくる期待感の表れでしょう。 アルセウスでは、ダイヤモンド・パールに登場するキャラクターの先祖と思わしき人物が多く登場しましたが、ZAの舞台がもし近未来なのであれば、「先祖・子孫」という関係性ではなく、X・Yのキャラクター本人が成長した姿で登場する可能性の方が高いと考えられます。
しかし「LEGENDS」というシリーズとしての思想は共通している
直接的な物語の続編ではない、と結論付けましたが、それで終わりではありません。 重要なのは、両作品が「LEGENDS」というシリーズの思想を共有しているという点です。 これは、単なるゲームのタイトルが同じというだけではなく、根底に流れるテーマや目指す方向性が同じであることを意味します。
アルセウスが「人とポケモンが初めて手を取り合った時代の伝説」を描いたように、ZAでは「人とポケモンが理想的な共存を成し遂げた未来の都市の伝説」が描かれるのかもしれません。 それぞれが独立した物語でありながら、ポケモンという世界の歴史を異なる側面から描き、プレイヤーに新たな発見と感動を与える。 それこそが「LEGENDS」シリーズの真髄であり、ZAとアルセウスの最も強い関係性と言えるでしょう。 つまり、物語の直接的な繋がりはなくとも、テーマ性において深く繋がっているのです。
レジェンズZAの物語の核心に迫る!時系列と背景を徹底解剖
レジェンズZAとアルセウスが直接繋がっていないとすれば、次に気になるのは「ZAの物語は一体いつの時代の話なのか?」という点です。 PVの映像や公式からの情報を元に、その核心に迫っていきましょう。 この時系列の考察こそが、ZAの物語の全貌を理解する上で最も重要な鍵となります。
物語の舞台はXYより未来?それとも過去?
PVが公開されて以来、ファンの間では「過去説」と「未来説」で激しい議論が交わされてきました。 それぞれの根拠を見ていきましょう。
未来説を裏付ける有力な根拠
結論から言うと、現状では**「X・Yから数年~十数年後の近未来」**という説が最も有力だと考えられます。 その根拠は以下の通りです。
- AZの存在とフラエッテとの再会 第2弾トレーラーに、カロス地方の歴史において極めて重要な人物である「AZ」が登場しました。 彼は3000年前に最終兵器を作り、永遠の命を得た悲劇の王です。 X・Yのエンディングで、彼は3000年間探し続けた愛するポケモン「フラエッテ」とついに再会を果たします。 ZAに登場するAZは、腰が曲がり杖をついている様子から、X・Yの時点からさらに時が経過していることを示唆しています。 フラエッテと再会した後、彼の物語がどうなったのか。 ZAは、このX・Yのエンディング後の物語を描く可能性が非常に高いのです。
- スマホロトムの進化 これも非常に有力な根拠です。 近年のポケモンシリーズでは、主人公が持つ「スマホロトム」が冒険の必需品となっています。 このスマホロトムのカメラの数に注目すると、興味深い事実が浮かび上がります。 「ソード・シールド」ではカメラは1つ、「スカーレット・バイオレット」では2つ、そしてZAのトレーラーで確認できるスマホロトムには3つのカメラが搭載されているように見えます。 これは現実世界のスマートフォンの進化とリンクしており、剣盾 → SV → ZAという時系列を示唆していると解釈できます。 SVのスマホロトムはネモの父親の会社が開発しているという設定もあり、SVからそう遠くない未来の物語である可能性を高めています。
- 近未来的な都市開発のイメージ PVで描かれるワイヤーフレームや設計図は、明らかに現代よりも進んだ技術を彷彿とさせます。 「都市再開発」という言葉も、古いものを新しくするというよりは、未来に向けた先進的な街づくりをイメージさせます。 フラダリラボが残したホロキャスターの技術などが、さらに発展した形で街づくりに活かされているのかもしれません。
過去説を匂わせる根拠
一方で、当初は過去説も根強く囁かれていました。
- 「都市再開発構想」という言葉 PVに登場した計画書には「都市再開発構想」とあり、プロジェクト名が「ミアレシティ」となっていました。 これは、まだミアレシティが存在しない、あるいは完成する前の時代を描いているのではないか、という解釈を生みました。
- モデルとなったパリ改造の歴史 ミアレシティのモデルはフランスのパリです。 歴史上、19世紀に「パリ改造」と呼ばれる大規模な都市整備事業が行われました。 レジェンズアルセウスが北海道開拓の時代をモデルにしているように、ZAもこのパリ改造をモデルにした過去の物語ではないか、という説です。
しかし、これらの過去説は、前述したAZの登場やスマホロトムの存在によって、現在では可能性が低いと考えられています。 「再開発」という言葉は、必ずしもゼロから作るという意味ではなく、既存の街を未来に向けてアップデートするという意味合いで使われていると考えるのが自然でしょう。
キーパーソン「AZ」が物語の鍵を握る
ZAの物語を語る上で、AZの存在は絶対に欠かせません。 彼は3000年前、戦争で命を落としたフラエッテを蘇らせるために最終兵器を作り、その力で戦争を終わらせましたが、同時に永遠の命という呪いを受けました。 蘇ったフラエッテは、多くの命を奪った兵器の力で蘇生したことを知り、AZの元を去ってしまいます。 彼はそれから3000年もの間、たった一人で世界を彷徨い、後悔と悲しみを抱えて生きてきました。
X・Yの主人公との出会いを通じて、彼はようやく過去の過ちから解放され、フラエッテとの再会を果たします。 ZAは、その後のAZの人生、そして彼がミアレシティの再開発にどう関わっていくのかを描く物語になるのではないでしょうか。 永遠の命を持つ彼だからこそ、都市の過去と未来を見届ける存在として、物語の中心に立つのかもしれません。 彼が3000年前に犯した過ちと、未来への希望が、ミアレシティという舞台で交錯する壮大なストーリーが期待できます。
ロゴに隠された「Z」と「A」の意味とは
タイトルである「Z-A」にも、多くの謎が隠されています。
- Z: これはカロス地方の生態系の監視者である伝説のポケモン「ジガルデ」を指していると考えるのが最も自然です。 ジガルデはセル、コア、10%フォルム、50%フォルム、そしてパーフェクトフォルムと、その姿を変化させます。 「秩序」を司るポケモンであり、カロス地方の自然と生態系のバランスが崩れた時にその姿を現すとされています。 都市再開発という、自然に大きく手を加えるプロジェクトにおいて、ジガルデが何らかの役割を果たすことは間違いないでしょう。
- A: こちらは謎に包まれています。 多くの考察がありますが、最も有力なのはやはり「AZ」でしょう。 タイトルの「Z-A」が、AZの名前を逆から読んだものであるという説は非常に興味深いです。 「終わり(Z)から始まり(A)へ」というテーマを示唆しているのかもしれません。 あるいは、AZが作った「最終兵器(Ultimate Weapon)」に関連する何か、あるいは全く新しい概念やポケモンの可能性も捨てきれません。
この「Z」と「A」が、ジガルデとAZを指しているとすれば、物語は**「自然の秩序(ジガルデ)」と「人間の科学と業(AZ)」**という二つの対立軸をテーマに展開していくのかもしれません。 人とポケモンが真に共存する街を作るためには、この二つの要素の調和が不可欠となるのでしょう。
メガシンカの復活と新たな可能性
ZAで最もファンを熱狂させた要素の一つが「メガシンカ」の復活です。 メガシンカは、X・Yで初めて登場した、ポケモンの秘められた力を一時的に解放する現象です。 トレーナーとポケモンの強い絆の証とされ、その起源はカロス地方にあるとされています。
X・Yでは、なぜかカロス地方の御三家(ブリガロン、マフォクシー、ゲッコウガ)や、多くのカロス地方初出のポケモンがメガシンカしませんでした。 これは長年の謎でしたが、ZAでついにその理由が明かされ、新たなメガシンカポケモンが登場することが大いに期待されます。 特に、伝説のポケモンであるゼルネアス、イベルタル、そしてジガルデに関連する新たなフォルムやメガシンカが登場すれば、物語は最高潮の盛り上がりを見せるでしょう。 アルセウスにおけるヒスイのすがたのように、ZA独自のメガシンカが登場する可能性も高く、発売までの考察が尽きないテーマです。
レジェンズZAで回収が期待されるXYの伏線と謎
X・Yは、その華やかな世界の裏で、多くの謎や伏線が未回収のまま残されている作品でもあります。 ZAがX・Y後の物語であるならば、これらの謎がついに解き明かされるかもしれません。 ここでは、特に回収が期待される伏線をいくつか紹介します。

3000年前のカロス戦争と最終兵器の謎
AZが最終兵器を作った3000年前の「カロス戦争」。 これは、カロス地方の歴史の根幹をなす非常に重要な出来事です。 どのような国同士が争っていたのか、なぜ戦争が起きたのか、そして最終兵器がもたらした影響の詳細など、まだ多くの謎が残されています。 永遠の命を持つAZの口から、あるいはミアレシティの再開発の過程で発見される古い記録などから、この戦争の真実が語られる可能性があります。 最終兵器のエネルギー源はポケモンの生命エネルギーであったとされており、この重いテーマにZAがどう切り込むのか、注目が集まります。
ミアレシティに潜む数々の都市伝説
X・Yのミアレシティには、プレイヤーの間で語り草となっているいくつかの都市伝説が存在します。

- ミアレの幽霊: とあるビルの2階に突如現れ、「あなたじゃない…」という謎の言葉を残して消える女性の幽霊。 彼女の正体や目的は一切不明です。
- 謎の発電所: カロス地方の電力を賄う発電所ですが、施錠されて入ることができない扉が複数存在します。 この先に何が隠されているのか、多くのプレイヤーが考察を重ねてきました。
これらの都市伝説が、単なるお遊び要素ではなく、ZAの物語に関わる重要な伏線である可能性も考えられます。 ミアレシティの再開発によって、これまで閉ざされていた場所が明らかになり、長年の謎に終止符が打たれるかもしれません。
行き先不明のミアレステーションの謎
ミアレシティの中心には、立派な駅「ミアレステーション」があります。 しかし、X・Yでは特定のイベント以外で電車に乗ることができず、時刻表には「いつものばしょで まってる」という謎のメッセージが隠されています。 このメッセージは誰が誰に宛てたものなのか、そして電車は本来どこへ向かうはずだったのか。 ZAの舞台がミアレシティである以上、この鉄道網が物語に絡んでくることは想像に難くありません。 都市再開発によって新たな路線が開通し、これまで行けなかった場所へ冒険の舞台が広がる、といった展開も期待できるでしょう。
まとめ
今回は、Pokémon LEGENDS Z-Aとアルセウスの物語の関係性について、深く考察してきました。
結論として、両作品に物語としての直接的な続編関係はないものの、「LEGENDS」というシリーズが持つ**「ポケモンの世界を新たな切り口で深掘りする」という思想を共有した、テーマ性の強い姉妹作品**と捉えるのが正しいでしょう。
- レジェンズZAの時代設定: X・Yのエンディングから数年~十数年後の近未来が最も有力。
- 物語の核心: 3000年の時を生きる王「AZ」と、カロス地方の秩序を司る「ジガルデ」を軸に、人とポケモンが真に共存する未来都市を創造する物語。
- 注目ポイント: 復活する「メガシンカ」と、X・Yで残された数多くの未回収の伏線。
レジェンズアルセウスが、過去の世界で人とポケモンの絆の「始まり」を描いたように、レジェンズZAは、未来の都市でその絆の「進化」した形を見せてくれるはずです。 ミアレシティという一つの都市を舞台に、どれだけ濃密で壮大な物語が繰り広げられるのか。 2025年の発売が、今から待ちきれませんね。
今後も新たな情報が公開され次第、さらに深い考察をお届けしていきますので、ぜひご期待ください。