ゲーム評論家の桐谷シンジです。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、2025年に発売が決定した「Pokémon LEGENDS Z-A(ポケモン レジェンズ ゼットエー)」の物語が、これまでのシリーズの中でどの時間軸に位置するのか、非常に気になっていることでしょう。 「レジェンズ アルセウス」が過去の物語だっただけに、今作も過去なのか、それとも未来なのか、様々な憶測が飛び交っていますよね。

この記事を読み終える頃には、「レジェンズZA」の時系列に関するあなたの疑問が、確信に変わっているはずです。
- レジェンズZAの時系列は未来が濃厚
- 物語の舞台は「X・Y」より後、「スカーレット・バイオレット」とほぼ同時期
- 時系列を紐解く最大の鍵は「スマホロトム」の進化
- 「X・Y」のキャラクターが成長した姿で登場する可能性
それでは解説していきます。

Pokémon LEGENDS Z-Aの時系列は未来!その根拠を徹底解説
多くのファンが考察を繰り広げている「レジェンズZA」の時系列ですが、結論から申し上げます。 本作の舞台は、過去ではなく**「未来」、それも「ポケットモンスター X・Y」の後の物語**である可能性が極めて高いです。 なぜそう断言できるのか、公開されたトレーラーや情報から読み取れる根拠を、一つひとつ丁寧に解説していきます。
結論:時系列は「X・Yの後、スカーレット・バイオレットと同時期または少し未来」
まず、本作の時系列の結論を明確にしておきましょう。 様々な情報を総合的に分析した結果、「レジェンズZA」は以下の時系列に位置すると考えられます。

- 「ポケットモンスター X・Y」よりは未来
- 「ポケットモンスター スカーレット・バイオレット(SV)」と同時期、もしくは少しだけ未来
「レジェンズ アルセウス」が遥か昔のヒスイ地方を描いた作品だったため、今回も過去の物語、例えば3000年前にカロス地方で起こった戦争の時代を描くのでは、という予想もありました。 しかし、PVに散りばめられたヒントは、明らかに未来を示唆しています。 それでは、具体的な根拠を見ていきましょう。
最大の根拠は「スマホロトム」の進化
時系列を特定する上で、最もクリティカルな証拠となるのが、トレーラーの最後に映し出された**「スマホロトム」のデザイン**です。 一見すると何気ないシーンですが、ここに重要な情報が隠されています。

注目すべきは、カメラの数です。 現実世界のスマートフォンが、世代を重ねるごとにカメラの性能や数を増やしていったように、ポケモン世界におけるスマホロトムもまた、作品ごとに進化を遂げています。
- 「ソード・シールド」のスマホロトム: カメラは1つでした。
- 「スカーレット・バイオレット」のスマホロトム: カメラが2つに増えました。
- 「レジェンズZA」のスマホロトム: なんとカメラが3つに増えています。
このカメラの数の変遷は、テクノロジーの進化、つまり時間の経過を明確に示しています。 さらに重要なのは、「SV」に登場する人気キャラクター・ネモの父親が経営する会社が、このスマホロトムを開発しているという設定です。
つまり、「SV」の時代から技術がさらに進歩した、あるいは同時代のハイエンドモデルが登場したと考えるのが自然です。 このことから、「レジェンズZA」は**「SV」からそう遠くない未来、もしくはほぼ同時期の物語**であると強く推測できるのです。 現実世界でも、スマートフォンのモデルチェンジは数年単位で行われます。 ここから、数十年、数百年といった長い時間が経過しているとは考えにくいでしょう。
AZの再登場が示す「X・Y」後の物語
次に注目すべきは、カロス地方の物語における最重要人物、AZの存在です。 トレーラーには、杖をつき、少し腰が曲がったような老人の姿が映し出されます。 この人物こそ、3000年の時を生きる古代カロス王、AZ本人であると考えられます。

「X・Y」の物語のエンディングで、AZは3000年間探し続けていた彼のポケモン「フラエッテ」と再会を果たし、長かった旅に終止符を打ちました。 「レジェンズZA」の公式サイトでは、この人物について「3000年の時を生きるといわれる男性」と紹介されており、AZ本人であることが確定しています。 彼がフラエッテと再会した後の姿で登場するということは、物語が**「X・Y」のエンディングよりも後の時間軸**で進むことの決定的な証拠と言えるでしょう。
もし過去の物語であれば、フラエッテを探し続ける悲壮な姿で描かれるはずです。 穏やかな表情でミアレシティの再開発を見守る(あるいは関わる)彼の姿は、まさしく未来の物語であることを示唆しています。
フラダリラボの技術発展に見る未来の姿
トレーラーでは、青写真のようなワイヤーフレームで描かれたミアレシティが、徐々に具体的な都市の姿へと変わっていく様子が描かれます。 この映像表現は、単なる設計図というだけでなく、ホログラム技術を彷彿とさせます。
カロス地方におけるホログラム技術といえば、「X・Y」で敵対組織として登場したフレア団のボス、フラダリが開発した「ホロキャスター」が思い出されます。 「レジェンズZA」では、この技術がさらに発展し、都市計画のシミュレーションなどに活用できるレベルまで進歩しているのではないでしょうか。 フラダリが残した技術が、彼の野望とは違う形で平和的に利用され、ミアレシティの発展に貢献している。 そう考えると、これもまた「X・Y」の物語を経た未来の姿を描いていると解釈できます。
「ミアレ都市再開発構想」の解釈:過去ではなく未来へのアップデート
本作のテーマは「人とポケモンが共存する街」を目指す**「ミアレ都市再開発構想」**です。 一部では、この「再開発」という言葉から、ミアレシティが誕生する以前の物語、つまり過去編ではないかという説もありました。 現実世界のパリが、19世紀に大規模な「パリ改造」を行った歴史的事実も、この説を後押ししていました。
しかし、これも未来説を補強する材料と捉えることができます。 「再開発」とは、必ずしもゼロから街を作ることだけを指すわけではありません。 既存の都市を、新たなコンセプトのもとでより良く作り変える、未来に向けたアップデートもまた「再開発」です。
トレーラーで描かれる近未来的なデザインや、公式サイトの「人とポケモンが共存する街を目指し、都市再開発が進むミアレシティ」という記述は、まさに後者の意味合いが強いでしょう。 「X・Y」時点でのミアレシティをベースに、さらにポケモンとの共生を推し進めた未来都市へと変貌させていく。 それが「レジェンズZA」の物語の核となるのではないでしょうか。
ポケモンシリーズ全体の時系列とレジェンズZAの位置付けを考察
「レジェンズZA」が未来の物語であるとすると、これまでのポケモンシリーズ全体の時間軸の中で、どのような位置付けになるのでしょうか。 ここでは、少し視野を広げて、シリーズ全体の時系列を整理しつつ、本作の重要性を考察していきます。
ポケモン世界の時間軸はどうなっている?公式見解とファンの考察
まず大前提として、ポケモンの生みの親であるゲームフリークは、過去のインタビューで「シリーズの時系列は、それほど重要な要素として設定していない」という旨の発言をしています。 各作品が独立した物語として楽しめるように、あえて厳密な繋がりを持たせていない側面があるのです。
しかし、作品内には他の地方の出来事に言及したり、特定のキャラクターが時を経て再登場したりと、時間的な繋がりを匂わせる要素が数多く存在します。 そのため、ファンの間では長年にわたり、シリーズの時系列考察が活発に行われてきました。
これまでのシリーズ作品 時系列まとめ
現在、最も有力とされているシリーズの時系列(通説)を、表にまとめてみました。 あくまでファンの考察に基づくものですが、作品間の繋がりを理解する助けになるはずです。
作品名 | 時系列上の位置づけ(通説) | 備考 |
---|---|---|
Pokémon LEGENDS アルセウス | 遥か昔(ヒスイ地方時代) | シンオウ地方の開拓時代が舞台 |
ルビー・サファイア・エメラルド / ORAS | 「FRLG」とほぼ同時期 | ホウエン地方が舞台。「メガシンカ」の起源に関わる |
赤・緑・青・ピカチュウ / FRLG | 「ORAS」とほぼ同時期 | カントー地方が舞台。全ての物語の原点 |
ダイヤモンド・パール・プラチナ | 「ORAS」「FRLG」の数年後 | シンオウ地方が舞台 |
金・銀・クリスタル / HGSS | 「DPPt」と同時期、「FRLG」の3年後 | ジョウト地方が舞台 |
ブラック・ホワイト | 「DPPt」「HGSS」の数年後 | イッシュ地方が舞台 |
ブラック2・ホワイト2 | 「BW」の2年後 | イッシュ地方の物語の続編 |
X・Y | 「BW2」とほぼ同時期 | カロス地方が舞台。メガシンカが初登場 |
サン・ムーン / USUM | 「XY」「BW2」の2年後 | アローラ地方が舞台 |
ソード・シールド | 不明(他地方との関係性が薄い) | ガラル地方が舞台 |
スカーレット・バイオレット | 不明(他地方との関係性が薄い) | パルデア地方が舞台 |
Pokémon LEGENDS Z-A | 「XY」の後、「SV」と同時期 or 少し未来(濃厚) | カロス地方(ミアレシティ)が舞台 |
この表を見ると、「X・Y」以降の作品は、他の地方との時間的な繋がりが比較的希薄になっていることがわかります。 「レジェンズZA」は、この流れに変化をもたらし、「X・Y」と「SV」という異なる世代の物語を繋ぐ、重要な橋渡し役となるのかもしれません。
レジェンズアルセウスとの比較:過去と未来の対比
「レジェンズ」シリーズの前作「アルセウス」は、人とポケモンがまだ共存する前の、厳しい自然が広がる過去の世界を描きました。 ポケモンは恐ろしい生き物とされ、モンスターボールも木製で、全てが手探りの時代でした。
それに対し、「レジェンズZA」は**「人とポケモンの共存」**をテーマに、未来都市を築き上げていく物語です。 これは、「アルセウス」とは正反対のベクトルを向いた、明確な対比構造になっています。
- レジェンズ アルセウス: 人とポケモンの**「共生の始まり」を描く「過去」**の物語。
- レジェンズ Z-A: 人とポケモンの**「新たな共生の形」を模索する「未来」**の物語。
この対比こそが、「レジェンズ」シリーズの新たなコンセプトなのかもしれません。 単に過去を描くだけでなく、未来の可能性にも焦点を当てることで、ポケモン世界の歴史に深みと広がりを与えようとしているのではないでしょうか。
メガシンカの存在が時系列に与える影響と「パラレルワールド」の可能性
「レジェンズZA」の時系列を語る上で、避けては通れないのが**「メガシンカ」**の存在です。 PVの最後でメガシンカのマークが大きく表示されたことから、本作の重要な要素であることは間違いありません。
メガシンカは「X・Y」で初めて登場し、「ORAS」「サン・ムーン」でも引き継がれましたが、「ソード・シールド」以降の本編シリーズでは登場していません。 このメガシンカの有無によって、ポケモン世界には2つの異なる世界線(パラレルワールド)が存在するのではないか、という考察があります。
- メガシンカが存在する世界線: 「X・Y」「ORAS」「サン・ムーン」など。
- メガシンカが存在しない世界線: 「ソード・シールド」「スカーレット・バイオレット」など。
この説は、「ORAS」の作中で、メガシンカのない別の世界(初代ルビー・サファイアの世界を指すと思われる)の存在が示唆されたことに端を発します。 「レジェンズZA」がメガシンカを主軸に置くのであれば、本作は**「メガシンカが存在する世界線」の未来を描く物語**ということになります。 これにより、「SV」の世界とは直接繋がらない、パラレルワールドの物語として展開する可能性も考えられます。 今後の情報で、この世界線の謎がどう扱われるのか、注目していきたいポイントです。
レジェンズZAで期待される過去作との繋がりと新要素
時系列が「X・Y」の未来であるならば、ファンとしては当然、過去作との繋がりや、おなじみのキャラクターたちの再登場に期待が高まります。 ここでは、考えられる繋がりや新要素について、さらに深く考察を広げてみましょう。
成長した「X・Y」のキャラクターたちが登場?
「X・Y」から「SV」までの時間経過を、仮に現実世界と同じ約10年と仮定すると、「X・Y」に登場したキャラクターたちが、すっかり成長した姿で登場する可能性があります。
シトロンとユリーカの再登場
ミアレシティといえば、ジムリーダーのシトロンと、その妹ユリーカの存在が欠かせません。 天才発明家であるシトロンは、ミアレシティの都市開発において、中心的な役割を担っているかもしれません。 彼の発明が、人とポケモンがより快適に暮らせる街づくりに貢献していることでしょう。 また、幼かったユリーカも、立派なポケモントレーナーとして成長しているはずです。 兄をサポートするエンジニアになっている、あるいは全く別の道に進んでいる可能性もあり、彼らの成長した姿を見るのが今から楽しみです。
ライバルやジムリーダーたちのその後
主人公の仲間であるサナ、ティエルノ、トロバといったライバルたちも、それぞれが夢を追いかけ、成長しているはずです。 彼らがミアレシティの再開発にどう関わってくるのか、あるいは街を訪れるトレーナーとして登場するのか、再会が期待されます。 メガシンカ使いのジムリーダー・コルニや、チャンピオンのカルネといった人気キャラクターたちのその後も気になるところです。
未回収の伏線は回収されるのか?
「X・Y」には、作中で明確に語られなかった多くの謎や伏線が存在します。 未来のミアレシティを舞台にする「レジェンズZA」は、これらの謎を解き明かす絶好の機会となるかもしれません。
ミアレの幽霊と謎の発電所
「X・Y」のミアレシティには、特定のビルに突如現れて消える幽霊のイベントがありました。 「あなたは違う…」という謎の言葉を残す彼女の正体は、未だに明かされていません。 また、カロス地方の砂漠地帯にある発電所には、施錠されて入れない謎の扉がありました。 これらのホラー要素やミステリーが、都市開発の過程で明らかになる、といった展開も考えられます。
AZの物語の完全なる結末
「X・Y」でフラエッテと再会したAZですが、彼の3000年にわたる人生の物語は、まだ完全に終わったわけではありません。 彼が最終兵器を作ってしまった後悔や、不老不死となった彼の存在が、未来のカロス地方にどのような影響を与えるのか。 「レジェンズZA」では、彼の物語に本当の意味での結末が描かれることを期待したいです。
新たなメガシンカポケモンの登場予想
メガシンカの復活は、ファンにとって最大の喜びの一つです。 「レジェンズZA」では、既存のメガシンカポケモンに加え、多くの新メガシンカの登場が予想されます。
カロス御三家や伝説ポケモンのメガシンカ
「X・Y」では、不思議なことにカロス地方の御三家(ブリガロン、マフォクシー、ゲッコウガ)にはメガシンカが与えられませんでした。 本作では、満を持して彼らのメガシンカが登場する可能性が非常に高いでしょう。 また、カロス地方を象徴する伝説のポケモン、ゼルネアスとイベルタルにも、新たな力としてメガシンカ(あるいはそれに準ずる新フォルム)が与えられるかもしれません。 そして、本作のタイトルにも含まれる「Z」ことジガルデも、パーフェクトフォルムとは異なる、新たな姿を見せてくれる可能性があります。
他地方のポケモンにもメガシンカが?
「レジェンズ アルセウス」でヒスイのすがたが登場したように、本作でもカロス地方の環境に適応した新たなリージョンフォームや、これまでメガシンカが望まれながらも登場しなかった人気ポケモン(フライゴンなど)のメガシンカが追加されるかもしれません。 誰がメガシンカするのか、予想するだけでも発売が待ち遠しくなります。
ロゴに隠された「A」の謎に迫る
「Z」がジガルデを指すことはほぼ確実ですが、一方で「A」が何を意味するのかは、現時点で最大の謎です。 単純に「AZ」のA、あるいは「アルファ」を意味するのか。 はたまた、全く新しい伝説のポケモンや、物語の鍵を握る重要な概念(例えば、人工的な何かを指す”Artificial”など)を示している可能性もあります。 この「A」の謎が解き明かされる時、本作の真の物語が見えてくるのかもしれません。
まとめ
今回は、2025年発売予定の期待の新作「Pokémon LEGENDS Z-A」の時系列について、徹底的に考察してきました。
- 「レジェンズZA」の時系列は、「X・Y」の後、「SV」と同時期か少し未来の物語である可能性が極めて高い。
- その根拠は、進化した「スマホロトム」、再会後の「AZ」の登場、発展した「ホログラム技術」など、PVの随所に見て取れる。
- 「レジェンズ」シリーズとして、「アルセウス」が描いた”過去”に対し、”未来”の新たなポケモンの可能性を描く作品になるだろう。
- 「メガシンカ」の復活により、新たなメガシンカポケモンや、成長した「X・Y」のキャラクターたちの登場など、ファンにはたまらない展開が期待される。
「レジェンズ アルセウス」がポケモンシリーズに新たな風を吹き込んだように、「レジェンズZA」もまた、私たちを驚かせるような新しい冒険を用意してくれているはずです。 過去と未来が交錯するカロス地方で、一体どのような物語が待っているのか。 今後の続報を楽しみに待ちましょう。