ゲーム評論家の桐谷シンジです。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、2025年11月14日に発売が迫った「Call of Duty: Black Ops 7(BO7)」の大きな変更点、特にスキルマッチ(SBMM)の廃止(あるいは大幅な緩和)がどのような影響をもたらすのか、気になっていることでしょう。

この記事を読み終える頃には、スキルマッチ廃止がもたらす光と闇、そして特に初心者プレイヤーが直面するであろう現実についての疑問が解決しているはずです。
- スキルマッチ(SBMM)の基本的な仕組みと歴史
- スキルマッチ廃止がもたらす解放感とメリット
- スキルマッチ廃止の深刻なデメリットと初心者への影響
- 新環境でBO7を最大限に楽しむための具体的な対策
それでは解説していきます。

Call of Duty: Black Ops 7のスキルマッチ(SBMM)廃止とは?
待望の新作「Call of Duty: Black Ops 7」のベータテストで、多くのプレイヤーを驚かせた発表がありました。 それは、近年のシリーズで常に議論の的となってきた「スキルマッチ(SBMM)」を大幅に緩和、あるいは特定のモードで廃止する試みです。 この変更は、シリーズの根幹を揺るがす大きなものであり、プレイヤーコミュニティに激震を走らせました。 まずは、このスキルマッチとは一体何なのか、そしてなぜこれほどまでに大きな議論を呼んでいるのかを基礎から解説していきましょう。

そもそもスキルマッチ(SBMM)とは何か?仕組みを解説
スキルマッチ、正式には「Skill-Based Matchmaking(スキルベースドマッチメイキング)」、通称SBMMとは、オンライン対戦ゲームにおいて、プレイヤーのスキル(実力)に基づいてマッチング相手を決定するシステムの総称です。
このシステムの主な目的は、**「プレイヤーに拮抗した試合体験を提供すること」**にあります。
SBMMの基本的な仕組み
SBMMは、プレイヤーの様々な戦績データを内部的にスコアリングし、そのスコアが近いプレイヤー同士を同じマッチに集めるように機能します。 考慮されるデータはゲームによって異なりますが、一般的には以下のようなものが挙げられます。
- K/D比(キルデス比): 最も分かりやすい実力の指標。
- SPM(Score Per Minute): 1分あたりのスコア。キルだけでなく、目標への貢献度も反映される。
- 勝率: 試合の勝敗結果。
- 直近の試合内容: 最近の数試合のパフォーマンスを重視する傾向がある。
これらのデータを基に、システムは「このプレイヤーはこのくらいの強さだろう」と判断し、同レベルのプレイヤーが集まるロビーを形成しようと試みます。 これにより、初心者がいきなりプロ級のプレイヤーとマッチングして一方的に蹂躙されたり、逆に上級者が初心者を相手に無双するだけの退屈な試合を強いられたりすることを防ぐ狙いがあります。
SBMMの進化とEOMM
近年では、さらに進化した「EOMM(Engagement Optimized Matchmaking)」という概念も登場しています。 これは、単にスキルの近さだけでなく、「プレイヤーのエンゲージメント(ゲームへの没入度やプレイ継続意欲)」を最大化することを目的としたマッチングシステムです。
例えば、連敗してモチベーションが下がっているプレイヤーには、少し勝ちやすいマッチを提供したり、逆に無双を続けているプレイヤーには、手応えのある厳しいマッチを用意したりします。 プレイヤーを飽きさせず、長くゲームをプレイしてもらうための仕組みですが、これが「運営に勝敗をコントロールされている」という批判に繋がることも少なくありません。
なぜ今、スキルマッチの廃止(あるいは緩和)が議論されるのか?
初心者保護という大きなメリットがあるにもかかわらず、SBMMは特にシリーズを長くプレイしている層や、上級者から強い批判を受けてきました。
批判される理由1:カジュアルマッチの形骸化
最大の批判点は、「カジュアルマッチなのに全くカジュアルではない」という点です。 SBMMが強力に機能すると、常に自分と実力が拮抗した相手と戦うことになります。 これは、ランクマッチ(実力を競うモード)であれば当然のことですが、気軽に楽しみたいはずのカジュアルマッチでまで、毎試合全力でプレイしなければならない状況を生み出します。 新しい武器を試したり、変わった戦術を練習したりする余裕がなく、常に最適な装備と立ち回りを強いられるため、「ゲームなのに疲れる」と感じるプレイヤーが続出しました。
批判される理由2:上達が実感しにくい
SBMM環境下では、プレイヤーが上達してパフォーマンスが上がると、それに応じてマッチングする相手のレベルも上がっていきます。 その結果、どれだけ練習して上手くなっても、K/D比などの戦績が一定の数値(例えば1.0前後)に収束しやすくなります。 自分の成長が目に見える形で現れにくいため、「上手くなっているはずなのに、試合は楽にならない」というジレンマに陥り、モチベーションの低下に繋がることが指摘されています。
批判される理由3:パーティープレイの弊害
実力差のあるフレンドとパーティーを組んで遊ぶ際に、SBMMは大きな壁となります。 例えば、上級者のプレイヤーが初心者のフレンドをパーティーに誘った場合、システムはパーティー内で最も実力の高いプレイヤーを基準にマッチングを行う傾向があります。 その結果、初心者のフレンドは自分より遥かに格上の敵と戦うことになり、全く楽しめずに終わってしまうケースが頻発しました。 これにより、「気軽にフレンドを誘えない」という問題が発生し、コミュニティの広がりを阻害する一因ともなっていました。
BO7における「スキルマッチ廃止」の具体的な内容
今回、BO7のベータテストで実装されたのは、「オープンモッシュピット」というプレイリストでした。 これは、「スキルマッチをかなり削減した昔ながらのマッチメイキング」と説明されており、完全な廃止というよりは、SBMMの影響を大幅に弱めたモードと考えるのが妥当でしょう。
製品版でこの仕様が全てのモードに適用されるのか、それとも特定のプレイリストに限定されるのかはまだ不明確です。 しかし、開発側が長年のコミュニティからの声に耳を傾け、SBMMに代わる選択肢を提示しようとしていることは間違いありません。 この動きは、CODシリーズのマルチプレイヤー体験が、原点回帰とも言える大きな転換点を迎えようとしていることを示唆しています。
スキルマッチ廃止のメリット|プレイヤーが得られる恩恵とは?
SBMMという”枷”が外れることで、プレイヤーはどのような恩恵を受けられるのでしょうか。 私自身、ベータテストでスキルマッチが緩和されたモードをプレイし、いくつかの明確なメリットを感じ取ることができました。 それは、まるで昔のCODが持っていた、あの頃の”自由”を取り戻すような感覚でした。

メリット①:カジュアルなプレイ体験の復活
これが最も大きなメリットと言えるでしょう。 毎試合、モニターに額をこすりつけるように集中し、全力で戦う必要がなくなります。 時には自分より遥かに強い敵に圧倒されることもあるでしょう。 しかしその逆に、自分より経験の浅いプレイヤーを相手に、気持ちよくキルを重ねられる試合も訪れます。
この「試合ごとの緩急」こそが、本来のカジュアルマッチが持つべき姿です。 リラックスしてプレイできるため、純粋に銃を撃つ楽しさや、マップを駆け回る爽快感を再認識することができます。 ダイヤモンド迷彩解除のために普段使わない武器を担いだり、ふざけた装備で特攻したりといった、「遊び」の幅が格段に広がるはずです。
メリット②:上達の実感を得やすい環境
SBMMが緩和されると、自分の成長が戦績に直接反映されやすくなります。 以前はK/Dが1.0を超えられなかったプレイヤーが、練習を重ねて立ち回りを改善し、エイムが正確になった結果、K/Dが1.5、2.0と伸びていく。 このような目に見える成果は、プレイヤーにとって最高のモチベーションとなります。
格上のプレイヤーと対峙した際には、「なぜ今の撃ち合いで負けたのか」「あのポジションがなぜ強いのか」といった学びを得ることができます。 そして、その学びを次の試合で格下のプレイヤーを相手に実践し、成功体験を積む。 この「学びと実践」のサイクルが自然に生まれることで、プレイヤーは健全な成長曲線を描くことができるようになるのです。
メリット③:マッチング時間の短縮
マッチングシステムが考慮すべき条件が少なくなるため、理論上はマッチング時間が短縮される可能性があります。 SBMMでは、同じ地域の、同程度のスキルレベルで、かつ回線状況が良いプレイヤーを探すという複雑な処理を行っていました。 スキルという条件が緩和されれば、システムはより広いプールの中からプレイヤーを選ぶことができるため、特に人口が少ない時間帯や、マイナーなゲームルールをプレイする際に、より早く、そして安定してマッチが見つかることが期待されます。
メリット④:フレンドと気軽に遊びやすくなる
「初心者のフレンドを誘いたいけど、自分のせいでボコボコにされたら申し訳ない…」 こんな風に感じていたプレイヤーにとって、SBMMの緩和は朗報です。 もちろん、実力差のあるパーティーが厳しい戦場に放り込まれる可能性がゼロになるわけではありません。 しかし、SBMMが強力だった頃に比べれば、その度合いは確実に軽減されるでしょう。
上級者は初心者のフレンドをキャリーする楽しみを、初心者は上級者のプレイを間近で見ながら学ぶ機会を得ることができます。 これにより、CODというゲームを通じたコミュニティの輪が、より一層広がりやすくなるはずです。
項目 | 強力なSBMM環境下 | SBMM緩和後の環境 |
---|---|---|
マッチの質 | 常に拮抗した試合(疲れる) | 緩急のある試合(リラックス) |
上達の実感 | 感じにくい(戦績が停滞) | 感じやすい(戦績が向上) |
マッチング速度 | 条件が多く遅くなる傾向 | 条件が少なく速くなる傾向 |
フレンドとのプレイ | 気軽に誘いにくい | 気軽に誘いやすい |
このように、SBMMの廃止・緩和は、特にシリーズを長くプレイしてきたプレイヤー層にとっては、多くのメリットをもたらす可能性を秘めているのです。
スキルマッチ廃止のデメリット|特に初心者が直面するリスク
しかし、物事には必ず裏の側面が存在します。 SBMMが「初心者保護」という重要な役割を担っていたことを忘れてはなりません。 その保護が取り払われた戦場は、新規プレイヤーにとっては地獄絵図と化す危険性を孕んでいます。 ここからは、目を背けることのできない厳しい現実、スキルマッチ廃止がもたらす深刻なデメリットについて深く掘り下げていきます。
デメリット①:初心者狩り・弱いものいじめの横行
これが最大かつ最も深刻な懸念点です。 SBMMというフィルターがなくなることで、ゲームを始めたばかりの右も左も分からない初心者が、何千時間もこのシリーズをプレイしてきた猛者や、連携の取れたフルパーティーと直接対峙することになります。
その結果、何が起こるかは火を見るより明らかです。 リスポーンした瞬間に狩られ、どこから撃たれたかも分からずに倒され、なすすべなく試合が終わる。 このような一方的な「初心者狩り」が横行する可能性があります。
私自身、ベータテストでSBMM緩和モードをプレイした際、明らかに動きがおぼつかないプレイヤーと遭遇し、連続キルを重ねてしまいました。 その時感じたのは、爽快感よりもむしろ「申し訳なさ」でした。 彼らは本来、SBMMがあれば私とは決してマッチングしなかったはずのプレイヤーです。 ゲームの楽しさを知る前に、このような理不尽な体験を繰り返すことで心が折れてしまい、二度とCODを起動しなくなる。 この「新規プレイヤーの早期離脱」は、ゲーム全体の寿命を縮める深刻な問題に直結します。
デメリット②:試合展開の大味化・アンバランス化
拮抗した試合が減るということは、つまり一方的な試合が増えるということです。 片方のチームがもう片方のチームを完全に支配し、ダブルスコア、トリプルスコアといった大差がついて試合が終わる。 このような「クソ試合」の割合が増加することは避けられないでしょう。
一度劣勢に陥ると、キルストリーク(連続キルで得られる強力な兵器)の差でさらに状況が悪化し、逆転の望みがほとんどないまま試合終了までの時間を耐え忍ぶだけ、ということにもなりかねません。 こうした面白みのない試合は、プレイヤーの途中抜けを誘発し、さらにマッチの質を低下させるという悪循環を生み出します。
デメリット③:実力差のあるパーティーによる戦場の支配
SBMMがない、あるいは弱い環境は、「パーティーを組んだ者勝ち」という状況を加速させます。 特に、VC(ボイスチャット)で連携を取り、組織的な動きをするフルパーティーは、個々の実力で勝る野良(ソロプレイヤー)のチームをいとも簡単に蹂躙できてしまいます。 ソロでプレイしている多くのプレイヤーは、常にパーティーチームの餌食になるリスクに晒され、理不尽な敗北を繰り返し味わうことになるかもしれません。 これは、ソロプレイヤーのモチベーションを著しく低下させる要因となります。
デメリット④:モチベーション維持の難しさ
SBMM環境下では、負けたとしても「相手が自分と同じくらい強かったから仕方ない」と納得することができました。 しかし、SBMMがなければ、その言い訳は通用しません。 連敗が続いたとき、それが「単純に運悪く格上と当たり続けているだけ」なのか、「自分の実力が本当に足りない」のか、判断がつきにくくなります。 自分の立ち位置が見えなくなることで、何を目標にプレイすれば良いのか分からなくなり、結果としてモチベーションを維持することが難しくなるプレイヤーも出てくるでしょう。
これらのデメリットは、主に初心者から中級者のプレイヤー層に重くのしかかります。 上級者にとっては快適な環境が、その他大多数のプレイヤーにとっては非常に過酷な環境になってしまう。 SBMM廃止は、まさに諸刃の剣なのです。
新参者はどうなる?スキルマッチなき戦場で生き残る術
ここまでメリットとデメリットを解説してきましたが、読者の皆さんが最も知りたいのは、「結局、これからBO7を始める新参者はどうなってしまうのか?」という点でしょう。 結論から述べさせていただきます。
結論:初心者にとって厳しい環境になる可能性は高い
残念ながら、希望的観測は述べるべきではありません。 スキルマッチというセーフティネットがなくなる以上、初心者にとってBO7のマルチプレイヤーが非常に厳しい環境になる可能性は、極めて高いと言わざるを得ません。 何も対策をしなければ、上級者の餌食となり、CODの面白さを感じる前にやめてしまう未来が待っているかもしれません。
しかし、絶望する必要はありません。 厳しい環境であるからこそ、それを乗り越えた時の達成感は計り知れず、また、開発側もこの問題を座視しているわけではないはずです。 そして、プレイヤー自身ができる対策も数多く存在します。
開発側が用意する可能性のあるセーフティネット
ActivisionやTreyarchも、新規プレイヤーの離脱がゲームの死活問題であることは重々承知しているはずです。 SBMMを緩和する代わりに、以下のような初心者救済措置を導入する可能性があります。
- 初心者専用プレイリスト: 一定のレベルに達するまで、あるいは一定時間プレイするまで、初心者同士でしかマッチングしないサーバーを用意する。
- より実践的なBotマッチ: 非常に高度なAIを搭載したBotと戦うモードを充実させ、対人戦の前に十分な練習ができる環境を提供する。
- 充実したチュートリアル: マップの構造、強ポジ、基本的な立ち回りなどを学べる、より詳細で実践的なチュートリアルを用意する。
これらのシステムが導入されれば、初心者が理不尽な洗礼を受ける機会は大幅に減少するでしょう。
初心者が今からできる対策と心構え
開発側の対策を待つだけでなく、プレイヤー自身が意識を変え、行動することで、厳しい環境を乗り越えることは可能です。
<h4>心構え①:負けて当たり前と心得る</h4>
まず最も重要なのがメンタルです。 SBMMのない戦場では、格上のプレイヤーに負けるのは当然です。 0キル10デスで終わる試合もあるでしょう。 それを「自分の才能がない」と捉えるのではなく、「良い練習相手と戦えた」と考えるようにしましょう。 デスを恐れず、なぜやられたのかを毎回考える癖をつけることが上達への第一歩です。
<h4>対策①:キャンペーンとBot撃ちで基礎を固める</h4>
いきなりマルチプレイヤーに飛び込むのは無謀です。 まずはシングルプレイであるキャンペーンモードをクリアし、ゲームの基本的な操作や銃の感覚を体に叩き込みましょう。 その後、Bot撃ちモードで、納得がいくまでエイム練習や立ち回りの練習を繰り返します。 「止まっているBotに確実にヘッドショットを当てられる」「動き回るBotをスムーズに追える」ようになるだけでも、対人戦での生存率は大きく変わります。
<h4>対策②:上手い人のプレイから学ぶ</h4>
YouTubeやTwitchには、トッププレイヤーたちの素晴らしいプレイ動画が溢れています。 彼らがどのようなルートで移動し、どこを警戒し、どのように敵を倒しているのかを観察しましょう。 ただ見るだけでなく、「なぜ今その動きをしたのか?」を考えながら見ることで、得られるものは何倍にもなります。 自分のお気に入りのストリーマーを見つけ、その人の動きを真似てみるのも非常に効果的です。
<h4>対策③:信頼できる仲間を見つける</h4>
もし可能であれば、一緒にプレイしてくれるフレンドを見つけるのが最も効果的な対策です。 たとえ負けたとしても、仲間と笑い合えればモチベーションを維持できます。 分からないことを教えてもらったり、連携して敵を倒したりする成功体験は、あなたをこのゲームに夢中にさせるはずです。
厳しい道のりであることは間違いありませんが、これらの対策を地道に続けることで、あなたもスキルマッチなき戦場で生き残る術を身につけられるはずです。
スキルマッチ廃止以外のBO7の注目ポイント
SBMMの議論に隠れがちですが、BO7には他にも数多くの魅力的な要素があります。 ベータテストをプレイした中で、私が特に心を掴まれたポイントをいくつかご紹介しましょう。
刷新された武器システムとカスタマイズ
私がベータをプレイして感じたのは、BO6以前の作品よりも「使える武器の幅が格段に広がっている」という点です。 近年のBlack Opsシリーズは、特定の強武器、いわゆる「メタ武器」が環境を支配する傾向にありました。 しかしBO7では、様々な武器に個性と強みが与えられており、どの武器を使ってもある程度戦えるという印象を受けました。
特に武器の反動や射撃音が非常に心地よく、純粋に「撃っていて楽しい」と感じさせてくれます。 これは、FPSにおいて最も重要な要素の一つです。 ガンスミス(武器カスタマイズ)もさらに進化し、自分だけの最強の一丁を作り上げる楽しみは健在です。 製品版でどれだけの武器が登場し、どのようなメタが生まれるのか、今から楽しみでなりません。
新ゲームモード「オーバーロード」の魅力
ベータテストで実装された新モード「オーバーロード」は、間違いなく今作の目玉の一つになるでしょう。 これは、マップ中央に出現するオブジェクトを拾い、敵陣のゴールまで運ぶという、アメフトやラグビーのようなルールです。
オブジェクトを持っているプレイヤーは敵に位置がバレてしまいますが、味方のUAVのように周囲の敵をスキャンできるというメリットもあります。 そのため、オブジェクトを運ぶプレイヤーをいかにチームで護衛するか、あるいは敵のキャリアーをいかにして止めるか、という戦略的な攻防が非常に熱いモードです。 ガンガン撃ち合える爽快感と、目標に貢献する達成感を両立した、まさに神モードと言える出来栄えでした。 今後の競技シーンでも採用される可能性が高い、ポテンシャルを秘めたゲームモードです。
ユーザーの声に応える開発姿勢
今回のベータテスト期間中、開発のTreyarchは驚くほど迅速にアップデートを配信しました。 コミュニティから不評だったマップ上の「ドア」を一部撤去したり、今回レビューしたSBMM緩和モードをテスト実装したりと、明らかにユーザーの声に耳を傾けている姿勢が伺えました。 このフットワークの軽さと真摯な態度は、今後の運営に対する大きな信頼と期待に繋がります。 製品版発売後も、プレイヤーコミュニティと二人三脚で、より良いゲームを作り上げていってくれることでしょう。
まとめ
さて、今回は「Call of Duty: Black Ops 7」におけるスキルマッチ(SBMM)廃止の動きについて、メリット・デメリット、そして初心者への影響を徹底的に解説してきました。
スキルマッチの廃止・緩和は、まさに諸刃の剣です。
長年シリーズをプレイしてきたベテランやカジュアル層にとっては、毎試合のプレッシャーから解放され、より自由に、より楽しくプレイできる環境をもたらすかもしれません。 上達が実感しやすくなり、実力差のあるフレンドとも気兼ねなく遊べるようになるでしょう。
しかしその一方で、何の予備知識もなく戦場に飛び込む新規プレイヤーにとっては、あまりにも過酷な洗礼となる危険性を孕んでいます。 一方的な試合、いわゆる「初心者狩り」が横行し、CODの真の魅力に触れる前に、多くのプレイヤーが去ってしまう可能性があります。
最終的にこの変更が吉と出るか凶と出るかは、製品版の仕様と、開発側が用意するであろう初心者向けのセーフティネット、そして何よりプレイヤーコミュニティ全体の意識にかかっています。
一つ確かなことは、BO7は武器の感触、新モードの面白さ、そして開発の姿勢など、多くの点で期待が持てる素晴らしい作品になるポテンシャルを秘めているということです。 この記事が、あなたのBO7に対する理解を深め、購入を検討する一助となれば幸いです。
戦場でお会いできる日を楽しみにしています。