ゲーム評論家の桐谷シンジです。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、2025年10月10日に発売が予定されている待望の新作「リトルナイトメア3」の主人公、「ロウ」と「アローン」の名前に込められた意味が気になっているのではないでしょうか。

リトルナイトメアシリーズでは、主人公の名前に物語の核心に迫る重要な意味が隠されているのが常です。 前作までの主人公も、その名前にまつわる「罪」を背負っていました。
この記事を読み終える頃には、リトルナイトメア3の主人公たちの名前に隠された意味と、それが物語にどう関係してくるのか、その疑問が解決しているはずです。
- リトルナイトメアシリーズと七つの大罪の深いつながり
- 新主人公アローンの名前に隠された「強欲」の可能性
- 新主人公ロウの名が示唆する「怠惰」という罪
- 二人の関係性から予測する物語の衝撃的な結末
それでは解説していきます。

リトルナイトメアシリーズに共通するテーマ|主人公と「七つの大罪」
リトルナイトメアシリーズの考察において、絶対に欠かせない要素が「七つの大罪」です。 まずは新作の主人公を分析する前に、シリーズの根幹をなすこのテーマについておさらいしておきましょう。

そもそも「七つの大罪」とは何か?
「七つの大罪」とは、キリスト教、特にカトリック教会における教えの一つで、人間を罪に導く可能性があるとされる七つの主要な感情や欲望のことを指します。 これらは単一の行動というよりは、様々な罪の根源となる「罪源(Mortal Sin)」として扱われています。
具体的には、以下の七つが挙げられます。
番号 | ラテン語 | 日本語 | 関連する悪魔 |
---|---|---|---|
1 | Superbia | 傲慢 | ルシファー |
2 | Avaritia | 強欲 | マモン |
3 | Luxuria | 色欲 | アスモデウス |
4 | Ira | 憤怒 | サタン |
5 | Gula | 暴食 | ベルゼブブ |
6 | Invidia | 嫉妬 | レヴィアタン |
7 | Acedia | 怠惰 | ベルフェゴール |
リトルナイトメアシリーズでは、歴代の主人公たちがこの七つの大罪のいずれかを象徴しているという説が非常に有力です。 彼らの名前や行動、そして迎える結末が、それぞれの罪と深く結びついているのです。
初代主人公「シックス」と「暴食」の罪
初代「リトルナイトメア」の主人公である黄色いレインコートを着た少女「シックス」。 彼女の名前「シックス(Six)」は、数字の「6」を意味します。 これは七つの大罪のリストにおいて、様々な説があるものの、一般的に6番目に挙げられることが多い「暴食」に対応していると考えられています。

ゲームをプレイした方なら誰もが衝撃を受けたであろう、シックスの凄まじい食欲。 物語の序盤では、親切なノームが差し出してくれたソーセージすら受け取れなかった彼女が、物語が進むにつれて飢えに苦しみ、ついにはネズミ、ノーム、そして最後の敵である「レディ」までも捕食してしまいます。 この抗いがたい食欲と、それを満たすためのなりふり構わない行動は、まさに「暴食」の罪を体現していると言えるでしょう。 彼女の行動は、生きるための必死さから、次第に罪そのものへと変質していく過程を描いており、プレイヤーに強烈な印象を残しました。
「リトルナイトメア2」の主人公「モノ」と「傲慢」の罪
前作「リトルナイトメア2」の主人公は、紙袋をかぶった少年「モノ」。 彼の名前「モノ(Mono)」は、「単一」や「一」を意味する接頭辞です。 このことから、彼は七つの大罪の1番目である「傲慢」を象徴していると考察されています。

「傲慢」の罪は、万物の創造主である神を差し置いて、自分自身を至上のものと考える罪です。 対応する悪魔は、神に逆らい天界から追放された堕天使の長「ルシファー」。 物語の終盤、モノは相棒であるシックスを救うために巨大なシグナルタワーに立ち向かいますが、その結末は衝撃的でした。 シックスに裏切られ、見捨てられたモノは、絶望の中で椅子に座り込み、時を経てタワーの新たな主「シンマン」へと変貌してしまいます。 これは、世界を意のままに操ろうとした彼の歪んだ力が、結果的に彼自身を世界の中心(唯一の存在)へと祭り上げ、同時に永遠に幽閉するという皮肉な結末です。 まさに「傲慢」の罪を背負った者の末路と言えるでしょう。 シックスを救うという一見すると正義に見える行動が、独善的な力への渇望と支配欲、つまり「傲慢」の裏返しであったと解釈できます。
なぜ主人公に「罪」が割り当てられているのか?シリーズのテーマを考察
では、なぜリトルナイトメアシリーズの主人公たちは、このような重い「罪」を背負わされているのでしょうか。 これは、このゲームシリーズが持つ根源的なテーマと深く関わっています。
リトルナイトメアの世界「ノーウェア」は、子供たちの目を通して見た、歪んだ大人の世界のメタファーです。 そこに登場する醜悪な大人たちは、食欲、虚栄心、怠惰といった、人間の根源的な欲望の権化として描かれています。 そんな世界で生き延びようとする子供たちもまた、無垢な存在ではいられません。 生きるために、彼ら自身もまた、その世界のルール、つまり「罪」を身につけざるを得ないのです。
シックスは飢えを満たすために「暴食」の罪を犯し、モノは世界を正そうとして「傲慢」の罪に囚われました。 彼らの物語は、過酷な世界で純粋さを失い、怪物へと変貌していく子供の悲劇を描いています。 この「罪の継承」とも言えるテーマこそが、リトルナイトメアシリーズの魅力であり、プレイヤーの心を惹きつけてやまない理由なのです。 この文脈を踏まえると、リトルナイトメア3の主人公たちもまた、何らかの「罪」を背負っていると考えるのが自然でしょう。
リトルナイトメア3の新主人公「アローン」の名前に隠された意味
それでは、いよいよ本作の主人公の一人、レンチを携えた少女「アローン」について考察していきましょう。 彼女の名前に隠された意味、そして背負うであろう「罪」とは一体何なのでしょうか。

「アローン(Alone)」が意味する「孤独」
アローンの名前は、その綴り「Alone」から直感的に「ひとりぼっち」「孤独」といった意味を連想させます。 この「孤独」というキーワードが、彼女の罪を解き明かす重要なヒントとなります。
単純に考えると、「孤独」から数字の「1」を連想し、1番目の罪「傲慢」ではないかと考えるかもしれません。 しかし、前述の通り、「傲慢」はすでに前作の主人公モノに割り当てられています。 そのため、アローンには1以外の数字が対応するはずです。 ここで行き詰まってしまいますが、発想を転換し、「七つの大罪の中で、最も孤独な性質を持つ数字は何か?」と考えてみる必要があります。
素数から導き出す「孤独な数字」
数字の世界には、様々な分類があります。 その中で、「孤独な数字」と表現されることがあるのが「素数」です。 素数とは、「1とその数自身でしか割り切れない、1より大きい整数」のことを指します。 他の数字との関係性が希薄であることから、しばしば「孤独」と形容されるのです。
1から7までの数字の中で、素数に該当するのは「2, 3, 5, 7」の4つです。 まだ候補が多く、これだけでは絞り込めません。 そこで、これらの素数をさらに「偶数」と「奇数」に分類してみましょう。
- 偶数の素数: 2
- 奇数の素数: 3, 5, 7
こうして見ると、仲間がいる奇数グループに対し、偶数のグループに属する素数は「2」しかありません。 まさに「ひとりぼっち」の数字です。 このことから、アローンに割り当てられた数字は「2」であり、七つの大罪の2番目「強欲」を象徴しているのではないか、という結論が導き出されます。
強欲の悪魔「マモン」とアローンの共通点
七つの大罪の「強欲」に対応する悪魔は「マモン」です。 このマモンという悪魔の性質を調べていくと、驚くほどアローンの「孤独」というイメージと合致する点が見つかります。
マモンは、富や財産、そして貪欲を象C徴する悪魔として知られています。 有名な叙事詩『失楽園』では、神に反逆した堕天使の一人として描かれていますが、他の堕天使たちとは一線を画す、非常に異質な存在です。
他の堕天使とは一線を画す孤立した存在
神に敗れ、地獄に落とされた堕天使の多くが、リーダーであるルシファー(傲慢の悪魔)のもとで神への復讐を誓います。 しかし、マモンだけは違いました。 彼は「天界に戻って神に仕えるくらいなら、今いる地獄で王として君臨する方がましだ」と考え、復讐には一切興味を示さなかったのです。 彼はただひたすらに、地獄にある金銀財宝を探し求め、地獄に壮麗な首都「パンデモニウム(万魔殿)」を築き上げることに没頭しました。
他の仲間たちが復讐という同じ目的に向かっている中、ただ一人、物質的な富に執着し、独自の道を歩んだマモン。 その姿は、まさに「孤立」した存在であり、「アローン」の名を持つ少女の背景として、これ以上なく相応しいと言えるのではないでしょうか。
アローンの性格は「知識欲」の現れ?開発者インタビューから読み解く
「強欲」と聞くと、多くの人は金銭や物に対する尽きない欲望、いわゆる「物欲」をイメージするでしょう。 しかし、先日公開された開発者のインタビュー記事によって、アローンの「強欲」が別の形で現れる可能性が示唆されました。
インタビューによると、アローンは「好奇心旺盛で、いろいろなものをいじるのが好き。秘密を見つけたり、物がどのように動くのかを知りたいと思っている」キャラクターとのこと。 これは、物欲ではなく「知識欲」が非常に強いことを意味しています。
底なしの欲望である「強欲」が、アローンの場合は「底なしの知識欲」として描かれるのではないでしょうか。 自分の知らない世界の構造、未知の機械の仕組み、そして相棒であるロウが持つ不思議な能力の秘密。 彼女は、その知的好奇心を満たすためならば、どんな危険も顧みないのかもしれません。
好奇心が引き起こす悲劇の可能性
この「知識欲」という設定は、物語に不穏な影を落とします。 例えば、公式トレーラーでは、相棒のロウが鏡を使って異世界のような場所へ移動する能力を見せていました。 知識欲の塊であるアローンが、その不思議な現象を目の当たりにしたらどう思うでしょうか。
「なぜ鏡の中に入れるの?」「鏡の向こうはどうなっているの?」 その純粋な好奇心が、最悪の事態を引き起こす可能性があります。 例えば、ロウが鏡の中に入っている間に、アローンが「仕組みを知りたい」という一心で、手に持ったレンチで鏡を破壊してしまう…といった展開です。 その結果、ロウは永遠に鏡の世界から戻れなくなるかもしれません。
アローン自身に悪意はなくても、抑えきれない知的好奇心、つまり「知識欲という名の強欲」が、取り返しのつかない悲劇を生む。 これは、リトルナイトメアシリーズらしい、やるせない結末の一つとして十分に考えられるシナリオです。
リトルナイトメア3の新主人公「ロウ」の名前に隠された意味
続いて、もう一人の主人公、ペスト医師のような仮面をつけた少年「ロウ」について考察していきます。 彼の名が示す「罪」とは、一体何なのでしょうか。

「ロウ(Low)」が意味する「低い」という概念
ロウの名前「Low」は、英語で「低い」を意味する非常にシンプルな単語です。 ローキック、ローテーブルなど、日常的に使われる言葉でもあります。 ここから、彼の罪を推測する鍵は、「何が低いのか?」という点にあります。
最もストレートな解釈は、「七つの大罪のリストの中で、最も低い位置にある数字」が彼の罪に対応するというものです。 リストの最初と最後、つまり「1」と「7」が最も低い(端にある)数字の候補となります。 しかし、「1」はモノに割り当てられているため、消去法で残るのは「7」となります。
七つの大罪の7番目は「怠惰」。 この「怠惰」の罪が、ロウに割り当てられた罪である可能性が非常に高いと考えられます。
罪の重さの順位は関係あるのか?
ここで一つ、別の視点も検討してみましょう。 実は、七つの大罪には「罪の重さ」による序列が存在するという説があります。 16世紀の神学者ペーター・ビンスフェルトによる分類では、重い順に以下のようになっています。
- 傲慢
- 嫉妬
- 憤怒
- 怠惰
- 強欲
- 暴食
- 色欲
この場合、最も「低い」罪は「色欲」になりますが、これはまだどのキャラクターにも割り当てられていません。 しかし、一般的にリトルナイトメアの考察では、単純な番号順が採用されることが多いため、現時点では「罪の重さ」は関係なく、やはり「7番目=怠惰」と考えるのが妥当でしょう。
怠惰の悪魔「ベルフェゴール」とロウの共通点
7番目の罪「怠惰」に対応する悪魔は「ベルフェゴール」です。 そして驚くべきことに、このベルフェゴールの伝承には、ロウの姿と直接的に結びつく要素が存在します。
疫病とペスト医師のマスク
ベルフェゴールにまつわる古い伝承の中に、ある事件が記されています。 かつて山の神であったベルフェゴールを、地元民がイスラエルの民に礼拝させたところ、唯一神ヤハウェが激怒。 ヤハウェはその地に「疫病」を流行らせ、2万4000人もの命を奪ったとされています。
この話で重要なのは、ベルフェゴール自身が直接危害を加えたわけではないものの、彼が「疫病」の引き金になった、という点です。 そして、ロウが被っている仮面は、中世ヨーロッパで「ペスト(黒死病)」という疫病の治療にあたった「ペスト医師」のものです。
この符合は偶然とは思えません。 ロウもまたベルフェゴールのように、彼自身が直接的な加害者ではなくとも、彼の存在が原因で周囲に災厄、すなわち「疫病」のような悲劇をもたらしてしまう存在なのかもしれません。 過酷な旅の中で、アローンが徐々に傷つき、衰弱していくとしたら、その原因を作ったのは、紛れもなく彼女を旅に連れ出したロウ自身である、という皮肉な構図が浮かび上がってきます。
意外な一面?ベルフェゴールの「女性不信」
ベルフェゴールの伝承には、もう一つ興味深い側面があります。 彼は人間の結婚生活を覗き見る悪魔であり、その過程で女性の醜い部分をあまりにも多く目の当たりにした結果、極度の「女性不信」になってしまったと言われているのです。
この少し間抜けで人間臭いエピソードは、ロウとアローンのキャラクター設定に活かされている可能性があります。 もしロウが「女性不信」という設定を内包しているとしたら、初めての協力相手である少女アローンと手をつなぐという、ゲームの基本的なアクション一つとっても、特別な意味合いが生まれてきます。 トレーラーで見せた、少しぎこちない二人の距離感は、もしかしたらこの設定を反映しているのかもしれません。 ロウがアローンに対して少し恥ずかしがったり、戸惑ったりするような素振りを見せることがあれば、このベルフェゴールの逸話が元になっていると考えて間違いないでしょう。
視聴者の鋭い考察|ギリシャ文字「ρ(ロー)」との関係
さらに、ロウの名前に関しては、海外のファンコミュニティから非常に鋭い考察が寄せられています。 それは、彼の名前「LOW」が、ギリシャ文字の「ρ(ロー)」にも由来しているのではないか、という説です。
ギリシャ文字の「ρ(ロー)」は、数字としては「100」を表しますが、古代の記数法では「17番目」の文字でもあります。 この「17」という数字には、「7」が含まれています。 そして、「低い」を意味する名前から、七つの大罪で一番下に位置する「7番目=怠惰」がロウの罪である、という見解です。 言葉の意味、文字、数字が複雑に絡み合った、非常に説得力のある考察と言えるでしょう。
ロウとアローン、二人の関係性と物語の行方を大胆予測
これまでの考察を踏まえ、最後に「強欲」のアローンと「怠惰」のロウ、この二人が織りなす物語がどのような結末を迎えるのかを予測してみましょう。
なぜ今回は二人主人公なのか?協力プレイの意図を考察
まず、シリーズで初めて「二人主人公」となり、オンライン協力プレイが導入された点が最大のポイントです。 これは単なるゲームシステムの新要素というだけでなく、物語のテーマそのものに関わる重要な変更です。
リトルナイトメアシリーズは、常に「孤独」がテーマの一つでした。 広大で不気味な世界にたった一人で立ち向かう、あの心細さこそが、このゲームの核となる恐怖体験を生み出していました。 しかし今回は、常に仲間が隣にいます。 この「孤独からの脱却」が、物語に何をもたらすのでしょうか。
おそらく、今作で描かれるのは「他者との関係性」そのものなのではないでしょうか。 信頼、依存、そして裏切り。 一人では乗り越えられない困難を二人で協力して突破していく中で、二人の間には絆が生まれるはずです。 しかし、リトルナイトメアの世界は、そんな純粋な関係性を許してはくれません。 最終的に、その絆が最も残酷な形で断ち切られる、あるいは歪んでしまう未来が待っているのではないでしょうか。
「強欲」と「怠惰」が協力する意味とは?
「強欲」のアローンと「怠惰」のロウ。 この二つの罪の組み合わせも非常に興味深いものです。
「怠惰」の元々の意味は、単に怠けることではなく、「なすべきこと(神への愛)を怠り、絶望や無気力に陥ること」を指します。 過酷な旅の中で、ロウは「本来の自分を見失い」、絶望している状態なのかもしれません。 一方、「強欲」のアローンは、尽きない好奇心で世界の真理を求め、前へ前へと進もうとします。
つまり、**「歩みを止めた少年」と「真実を知りたがる少女」**という対照的な構図が見えてきます。 ロウはアローンの好奇心に引っぱられる形で旅を続け、アローンはロウの持つ不思議な能力を頼りに障害を乗り越えていく。 二人は互いに足りないものを補い合う、理想的なパートナーに見えるかもしれません。 しかし、その関係性のバランスが崩れた時、悲劇が起こるのです。
トレーラーに隠された伏線|鏡の世界とレンチの役割
公式トレーラーには、今後の展開を示唆する重要な伏線がいくつも隠されています。
- 鏡の能力: ロウは鏡を通り抜けて、別の場所へ移動する能力を持っています。これは物語の重要な鍵を握る能力ですが、同時に非常に不安定で危険な力である可能性があります。
- レンチ: アローンは常に大きなレンチを携帯しています。これはパズルを解くための道具であると同時に、何かを「破壊」するための凶器にもなり得ます。
- 巨大な赤ん坊: 二人が逃げ惑う巨大な赤ん坊「モンスターベイビー」。これは歪んだ「誕生」や「純粋さの喪失」を象徴しているのかもしれません。
これらの要素を組み合わせると、一つの予測が成り立ちます。 旅の終盤、二人は絶体絶命のピンチに陥り、ロウは鏡の能力を使ってアローンを安全な場所へ逃がそうとする。 しかし、ロウ自身は鏡の世界に取り残されてしまう。 その時、アローンは「ロウを助けたい」という思いと、「鏡の仕組みを知りたい」という抑えきれない「強欲(知識欲)」の間で葛藤します。 そして、彼女は最悪の選択をしてしまう。 ロウを救うため、あるいは真実を知るために、レンチで鏡を叩き割り、結果的にロウを永遠に失ってしまう…という結末です。
最終的に二人はどうなる?リトルナイトメアらしい結末を予測
リトルナイトメアシリーズの結末は、決してハッピーエンドではありません。 救いのない、それでいてどこか物悲しい余韻を残すのが常です。
今作もその伝統に倣うのであれば、ロウとアローンの二人もまた、救われることはないでしょう。 考えられる結末は複数あります。
- 一人が犠牲になり、もう一人が新たな「悪夢」となる結末: 上記で予測したように、アローンの行動が原因でロウが犠牲になり、絶望したアローンが新たな世界の主となるパターン。
- 二人ともが救われず、ループに囚われる結末: 前作のモノのように、二人の冒険そのものが、世界の悪夢を維持するためのシステムの一部であり、永遠に終わらないループに囚われてしまうパターン。
- 共倒れ、あるいは融合してしまう結末: 最終的に二人は対立し、相打ちになる。あるいは、二人の罪が混ざり合い、全く新しい一つの歪んだ存在へと変貌してしまうパターン。
いずれにせよ、彼らの協力関係は、最終的には破綻するようにデザインされているはずです。 プレイヤーが二人に感情移入すればするほど、その結末はより一層、心に深い傷を残すことになるでしょう。 それこそが、リトルナイトメアが提供する最高のゲーム体験なのです。
まとめ
今回は、2025年10月10日発売予定の「リトルナイトメア3」の主人公、ロウとアローンの名前に隠された意味について、七つの大罪との関連性から深く考察してきました。
- アローンは「孤独」を意味する名と、素数の中でも孤独な「2」という数字から、2番目の罪**「強欲」**を象徴している可能性が高い。その強欲は、尽きない「知識欲」として描かれるかもしれません。
- ロウは「低い」を意味する名から、リストの最下層にある「7」という数字、つまり7番目の罪**「怠惰」**を象徴していると考えられます。ペスト医師のマスクは、怠惰の悪魔ベルフェゴールがもたらした「疫病」と関連しているのでしょう。
シリーズで初めてとなる二人の主人公による協力と、その関係性の破綻が、今作の物語の核心となることは間違いありません。 「強欲」と「怠惰」、二つの罪を背負った子供たちが、歪んだ世界でどのような運命を辿るのか。 発売までまだ時間はありますが、新たな情報を待ちながら、この悪夢の世界に思いを馳せるのも、ファンならではの楽しみ方ではないでしょうか。
今後も新たな情報が入り次第、レビューや考察をお届けしていく予定です。