ゲーム評論家の桐谷シンジです。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、2025年9月25日にリリースされた新作RPG「イザリア」について、「面白くない」「つまらない」といったネガティブな評判を目にして、実際のところどうなのか気になっていると思います。

期待の新作だけに、手放しで賞賛する声もあれば、手厳しい批判の声も聞こえてくるのが常です。 しかし、なぜ「つまらない」と感じる人がいるのか、その具体的な理由を知らなければ、プレイすべきかどうかの判断は難しいでしょう。 私自身、リリース初日からイザリアをやり込んでおり、そのシステムの隅々まで理解しています。
この記事を読み終える頃には、イザリアがなぜ賛否両論を巻き起こしているのか、その理由とあなた自身がこのゲームを楽しめるかどうかの疑問が解決しているはずです。
- イザリアが抱えるシステム面の複雑さ
- ユーザーが不満を感じやすい育成と周回の構造
- PVP(対人戦)コンテンツの賛否両論
- 現状の評価と面白いと感じられるポイント
それでは解説していきます。

イザリアが「面白くない」「つまらない」と言われる主な理由8選
早速ですが、なぜイザリアが一部のプレイヤーから「面白くない」「つまらない」と評価されてしまうのか、その具体的な理由を8つのポイントに分けて徹底解説していきます。 これらの点は、ゲームの根幹に関わる部分であり、プレイヤーの好みがはっきりと分かれる要因となっています。

1. 複雑怪奇で理解しにくい育成システム「元気」と「シェル」
イザリアの評価を大きく分ける最大の要因は、間違いなくこの育成システムにあるでしょう。 本作にはキャラクターのレベルアップやスキル強化とは別に、「元気」と「シェル」という2つの主要な装備システムが存在します。
- 元気: 他のゲームでいう「ルーン」や「聖遺物」のようなもので、キャラクターに6つまで装備できます。 メインステータスとサブステータスがあり、理想の組み合わせを求めて厳選する必要があります。
- シェル: ペットや召喚獣に近い存在で、キャラクターに1体だけ装備できます。 固有のスキルやステータスを持っています。
これだけなら他のRPGでも見られる要素ですが、イザリアが複雑なのは「マトリックス」というセット効果の存在です。 「元気」と「シェル」にはそれぞれ「異性」「処刑」「失走」といったマトリックスが付与されており、その合計値によって攻撃力アップや防御無視といった強力なバフが発動します。
理解を妨げる専門用語の多さ
「元気」「シェル」「マトリックス」「メインステータス」「サブステータス」「実数」「補正」…序盤からこれらの専門用語が次々と登場し、丁寧なチュートリアルがあるわけでもありません。 特にステータスの「実数(固定値アップ)」と「補正(割合アップ)」の違いは、キャラクターの元ステータスによって効果が変動するため、どちらが最適かを判断するには知識と経験が求められます。 この複雑さについていけず、「何をすれば強くなるのか分からない」と序盤で投げ出してしまうプレイヤーが少なくないのです。
底なしの厳選沼と育成コスト
さらに、高難易度コンテンツに挑むには、これらの「元気」のサブステータス厳選が必須となります。 欲しいマトリックスを持ち、かつメインステータスとサブステータスが理想的な「元気」がドロップする確率は非常に低く、延々とコンテンツを周回する、いわゆる「厳選沼」にハマることになります。 加えて、元気やシェルの強化には大量のゲーム内通貨「イザリアコイン」が必要ですが、これが驚くほど枯渇します。 序盤は潤沢にあるように見えても、装備のレベルを1つ上げるだけで数万コインが消し飛ぶため、常に金策に追われることになります。 この手間とコストが、爽快なプレイ感を損なう一因となっているのです。
2. 時間がかかりすぎるリセマラと序盤のチュートリアル
多くのスマートフォン向けRPGにおいて、快適なスタートを切るために「リセマラ(リセットマラソン)」は半ば必須の儀式となっています。 イザリアも例外ではなく、最高レアリティである究極SSRのキャラクターがいるかいないかで、序盤の攻略難易度が激変します。 しかし、本作のリセマラは非常に時間がかかり、多くのプレイヤーを疲弊させています。
1周20分、スキップ不可の道のり
イザリアのリセマラは、1周あたり約15分から20分かかります。 これは、ゲーム開始からガチャが引けるようになるまでのチュートリアルが長く、大部分をスキップできないためです。 戦闘やイベントシーンを一つ一つこなしていく必要があり、これを何度も繰り返すのは大きな苦痛を伴います。 さらに、リセマラを行うには新しいメールアドレスがその都度必要になるため、Gmailのエイリアス機能などを使わない限り、アカウントの準備自体も手間となります。
50連以上引けるが…
チュートリアル完了後、事前登録報酬やシリアルコードを入力することで、約50連から60連のガチャを引くことができます。 回数自体は多いものの、究極SSRの排出率は0.25%と非常に低く、狙ったキャラクターを引ける確率は天文学的です。 2日目のログインボーナスで好きな究極SSRを1体選べる救済措置はありますが、それでもリセマラで強力なアタッカーを確保しておきたいと考えるのがプレイヤー心理でしょう。 この長く険しいリセマラの道で心が折れ、本格的にゲームを始める前に「つまらない」という印象を抱いてしまうケースが後を絶ちません。
3. 単調になりがちなコンテンツ周回とスタミナ管理
イザリアのゲーム進行は、プレイヤーレベルを上げることで新たなコンテンツやストーリーが解放されていく仕組みです。 そして、そのプレイヤーレベルを上げる主な手段は、スタミナ(安定値)を消費して「チャレンジ」コンテンツを周回することです。

レベル上げのための作業プレイ
序盤は特に、キャラクターの育成素材や経験値を集めるために「ミステリー調査」や「原点前哨」といったチャレンジをひたすら周回することになります。 ストーリーを進めたいのにプレイヤーレベルが足りず、足止めを食らう。 そして、レベルを上げるために同じステージを何度もオートで周回する。 この流れが非常に作業的に感じられ、「やらされている感」が強いという意見が多く見られます。
特に、ゲームに新鮮な驚きや発見を求めるプレイヤーにとって、この単調な周回は面白みを感じにくい部分でしょう。
シビアなスタミナ管理とドロップ2倍イベントの罠
スタミナ回復アイテムは配布されるものの、無限ではありません。 どのコンテンツを優先して周回するか、計画的にスタミナを使う必要があります。 さらに、イザリアでは不定期に「ドロップ2倍キャンペーン」が開催されます。 このイベントは、他のゲームと違って1日の挑戦回数に制限がありません。 つまり、スタミナ回復アイテムを溜め込んでいるプレイヤーほど、イベント期間中に圧倒的なアドバンテージを得られる仕様になっています。 これを知らずに序盤で回復アイテムを使い切ってしまうと、後々大きな後悔につながる可能性があります。 常にイベントを意識しながらスタミナ管理をしなければならないというプレッシャーが、自由なプレイを阻害し、窮屈に感じさせてしまうのです。
4. プレイヤー間の格差を生むPVP(対人戦)コンテンツ
イザリアには、他のプレイヤーとリアルタイムで対戦するアリーナなどのPVPコンテンツが用意されています。 しかし、このPVPが面白いと感じるプレイヤーがいる一方で、大きなストレスを感じるプレイヤーも少なくありません。
「速度」が全てを決める環境
現在のPVP環境で最も重要視されているステータスは「速度」です。 相手より先に行動することで、味方にバフをかけたり、敵に行動不能のデバフを付与したりと、一方的な試合展開に持ち込めます。 そのため、PVPで上位を目指すには、速度が上がるマトリックス「失走」を持つ「元気」を厳選し、キャラクターの行動順を緻密に調整する必要があります。 これにより、編成の多様性が失われ、「いかに速いキャラクターを用意できるか」という装備比べになりがちです。 戦略的なバトルを楽しみたいプレイヤーにとっては、この速度偏重の環境は面白みに欠けるかもしれません。
PVEとPVPで評価が分かれるキャラクター
PVE(対ボス戦など)で最強クラスのキャラクターが、PVPでは全く活躍できない、というケースが頻繁に起こります。 逆もまた然りで、PVP特化の性能を持つキャラクターも存在します。 育成リソースが限られている中で、PVEとPVPのどちらを優先してキャラクターを育てるか、という悩ましい選択を迫られます。 また、マッチングシステムも完璧ではなく、育成が全く進んでいない状態で、装備を極めた格上のプレイヤーとマッチングすることも珍しくありません。 一方的に蹂躙されるだけの対戦を繰り返せば、PVPコンテンツそのものが嫌いになってしまうのも無理はないでしょう。
5. キャラクター育成の進行が遅く爽快感に欠ける
魅力的なキャラクターたちを育て、その成長を実感するのはRPGの醍醐味の一つです。 しかし、イザリアの育成ペースは非常に緩やかで、強くなったという実感をなかなか得にくい構造になっています。

限界突破の仕様と大量の素材要求
キャラクターは一定のレベルに達すると「限界突破」をしないと、それ以上レベルを上げられなくなります。 この限界突破には、特定の素材が大量に必要となります。 さらに、イザリアの特殊な仕様として、限界突破を行うとキャラクターのレベルが1に戻ってしまいます。 ステータス自体は突破前より強くなるものの、再びレベルを上げ直すために大量の経験値素材が必要となり、二度手間感は否めません。 この仕様が、育成のテンポを著しく悪くしています。
コツコツプレイが苦手な人には向かない
「育成には結構時間がかかる」「コツコツしていくタイプのゲーム」と公言されているように、短期間で劇的に強くなることはできません。 毎日デイリーミッションをこなし、スタミナを消費して素材を集め、少しずつキャラクターを強化していく。 この地道なプロセスを楽しめないプレイヤーにとっては、ただただ面倒で退屈な作業に感じられてしまいます。 すぐに最強キャラクターで無双したい、といった爽快感を求めるプレイヤーとは相性が悪いゲーム性と言えるでしょう。
6. 魅力が伝わりにくいストーリーと世界観
イザリアは美しいグラフィックで描かれたSFファンタジーの世界が舞台です。 しかし、多くのプレイヤーがそのストーリーに没入できていない、という問題点を抱えています。
その最大の理由は、前述した複雑なシステムと育成の忙しさにあります。 序盤はとにかくプレイヤーレベルを上げ、コンテンツを解放し、リセマラで手に入れたキャラクターを育成することに追われます。 多くの攻略情報サイトでも「ストーリーはスキップ推奨」とされているほど、プレイヤーはシステム面の理解と効率化に意識を向けざるを得ません。 結果として、キャラクターたちがなぜ戦っているのか、この世界の謎は何なのか、といった物語の核心部分がプレイヤーに届きにくくなっています。 せっかくの魅力的な世界観やキャラクター設定が、ゲームシステムによって霞んでしまっているのは非常にもったいない点です。
7. 渋いガチャ排出率と課金圧
スマートフォンゲームである以上、ガチャの仕様は評価に直結します。 イザリアは、ログインボーナスやイベントで大量のガチャチケットを配布しており、一見すると無課金に優しいように思えます。 しかし、その実態は少々異なります。
最高レアの壁と「すり抜け」
最高レアリティである究極SSRの排出率は0.25%、通常のSSRでも1%と、決して高くはありません。 80連でSSR以上が1体確定する天井システムはありますが、ピックアップ対象ではないキャラクターが出現する、いわゆる「すり抜け」も当然のように起こります。 400連ガチャが引けるといった謳い文句に惹かれて始めても、欲しいキャラクターが手に入らず、手持ちがSRキャラクターばかり…という状況も十分にあり得ます。 特定のキャラクターがいないと攻略が難しいコンテンツも存在するため、ガチャの結果次第では進行が滞り、課金を検討せざるを得ない状況に追い込まれることもあります。
8. コンテンツ解放のテンポの悪さとプレイヤーレベル依存
ゲームを始めたばかりの頃は、新しい発見や体験に満ち溢れているものです。 しかしイザリアは、多くのコンテンツがプレイヤーレベルによってロックされています。
例えば、PVPコンテンツである「コロシアム」はプレイヤーレベル15、期間限定イベント「シェル騒動員」もレベル15で解放されます。 つまり、これらのコンテンツを遊ぶためには、まずレベル15までひたすら周回をこなさなければなりません。 自分のペースで自由に遊びたいプレイヤーにとって、レベル上げというノルマを課せられるのは、ゲームのテンポを悪く感じさせる要因です。 早く対人戦をやってみたい、イベントに参加したいと思っても、そこにたどり着くまでが遠く、モチベーションが削がれてしまうのです。
それでもイザリアをプレイする価値はある?面白いと感じるポイント
ここまでイザリアのネガティブな側面を重点的に解説してきましたが、もちろん面白いと感じられる魅力的なポイントも数多く存在します。 「つまらない」という評価は、あくまで一面的なものであり、以下の要素に魅力を感じるのであれば、あなたにとってイザリアは最高のゲームになる可能性を秘めています。

1. 脳が焼かれるほど奥深い戦略性の高いターン制コマンドバトル
複雑なシステムは、裏を返せばそれだけ戦略の幅が広いということです。 キャラクターのスキル、速度、マトリックス効果、シェルのパッシブスキル、属性相性など、考慮すべき要素は無数にあります。
どのキャラクターをどの順番で行動させるか。 誰のスキルクールダウンを短縮し、誰にバフを集中させるか。 敵の強力な攻撃をどのキャラクターで受け、どうやって立て直すか。 一つの判断が戦局を大きく左右する、非常に歯ごたえのあるバトルが楽しめます。 パズルのピースをはめるように理想のコンボを組み立て、格上の敵を打ち破った時の達成感は格別です。 単純な作業ゲームでは満足できない、じっくりと考えて戦略を練るのが好きなプレイヤーにはたまらない魅力でしょう。
2. 見惚れるほど高品質なグラフィックと魅力的なキャラクターデザイン
イザリアのビジュアルクオリティは、現行のスマートフォンゲームの中でもトップクラスです。 キャラクターはLive2Dで滑らかに動き、一人ひとりのデザインも非常に洗練されています。 戦闘中のスキルエフェクトも派手で美しく、見ているだけでも楽しめます。 「推し」となるキャラクターを見つけ、そのキャラクターを育成し、美麗なグラフィックで活躍させるという楽しみ方は、本作の大きな魅力の一つです。 性能だけでなく、見た目やキャラクター性でパーティーを組むのも一興でしょう。
3. 無限に遊べる豊富なコンテンツとやり込み要素の多さ
序盤はやることが多くて混乱しがちですが、ゲームに慣れてくると、そのコンテンツの豊富さは長く遊べる「やり込み要素」に変わります。 メインストーリーの攻略はもちろん、高難易度ボスの討伐、PVPでのランクアップ、最強の「元気」を求める装備厳選、教会(ギルド)メンバーとの協力コンテンツなど、目標が尽きることがありません。 自分のプレイスタイルに合わせて、今日は装備厳選、明日はPVPと、好きなコンテンツに打ち込めるのは大きなメリットです。 一つのゲームを長く、深く遊びたいプレイヤーにとっては、この上ない環境と言えます。
4. 快適なプレイを支えるバックグラウンド周回機能
単調な周回作業が欠点であると述べましたが、イザリアにはそのストレスを軽減するための非常に便利な機能が搭載されています。 それが「バックグラウンド周回」です。 これは、周回を自動で行わせながら、別のコンテンツをプレイしたり、編成を考えたりできるという画期的なシステムです。 例えば、経験値素材を集めるための周回をバックグラウンドで実行しつつ、自分はPVPに挑戦する、といった遊び方が可能です。 これにより、ゲームプレイの密度が格段に向上し、時間を効率的に使えるようになります。 忙しい現代人にとって、この機能は非常にありがたいものとなるでしょう。
5. ログインボーナスや配布が豪華で無課金でも楽しめる側面
ガチャの厳しさに触れましたが、運営はそれを補うかのように、非常に豪華な報酬を配布しています。 特筆すべきは、ゲーム開始から2日目のログインボーナスで、リラムやリリといった最強クラスの究極SSRキャラクターの中から好きな1体を選んで入手できることです。 リセマラで1体、ログインボーナスで1体と、序盤から強力なキャラクターを2体揃えてスタートできるため、無課金や微課金プレイヤーでも十分に戦っていくことが可能です。 イベントごとにガチャチケットや育成素材も大量に配布されるため、真面目にプレイしていれば着実に戦力を強化できます。
6. 自分だけの最強編成を模索する育成の奥深さ
育成が大変であることは事実ですが、その苦労の先には大きな達成感が待っています。 時間をかけて厳選した「元気」を装備させ、理想のマトリックス効果を発動させたキャラクターが、今まで勝てなかったボスを圧倒した時の喜びは計り知れません。 低レアリティのキャラクターでも、育成や編成次第で高レアリティのキャラクターを凌駕する活躍を見せることがあります。 ネット上の最強ランキングをなぞるだけでなく、自分だけのオリジナルな編成や戦術を研究し、それがうまくハマった時の快感は、このゲームの醍醐味と言えるでしょう。
まとめ
今回は、イザリアが「面白くない」「つまらない」と言われる理由と、それでも多くのプレイヤーを惹きつける魅力について、両方の側面から徹底的にレビューしました。
結論として、イザリアは**「人を選ぶ、玄人好みのスルメゲー」**であると言えます。
こういう人には「つまらない」と感じるかも | こういう人には「面白い」と感じるはず |
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ゲームに手軽さや爽快感を求める人 | 複雑なシステムを理解し、戦略を練るのが好きな人 |
コツコツとした地道な作業が苦手な人 | じっくり腰を据えて一つのゲームをやり込みたい人 |
すぐに強くなって無双したい人 | 試行錯誤しながら自分だけの最強編成を作るのが好きな人 |
シンプルで分かりやすいゲームが好きな人 | 歯ごたえのある高難易度コンテンツに挑戦したい人 |
もしあなたが、少しとっつきにくくても、時間をかけて向き合うことで面白さが分かるような、奥深いゲームを求めているのであれば、イザリアは間違いなくプレイする価値のある一本です。 一方で、忙しい合間にサクッと楽しみたい、難しいことは考えずに遊びたいという方には、残念ながらあまりお勧めできません。
このレビューが、あなたがイザリアをプレイするかどうかの判断材料となれば幸いです。