ゲーム評論家の桐谷シンジです。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、先日発表された「ドラゴンクエストVII リイマジンド」をきっかけに、長年ファンの間で語り継がれてきた「オルゴ・デミーラ=キーファ説」の真相が気になっているのではないでしょうか。 多くのプレイヤーに衝撃を与えたキーファの離脱、そして彼のその後の物語に思いを馳せた方も少なくないはずです。

この記事を読み終える頃には、なぜこの説がこれほどまでにプレイヤーを魅了し続けるのか、その深い根拠と謎に満ちたドラクエ7のもう一つの物語についての疑問が解決しているはずです。
- オルゴ・デミーラ=キーファ説の根拠を徹底網羅
- 旧約聖書とドラクエ7の驚くべき共通点
- 没ネタから浮かび上がる本来のシナリオ
- 新作「リイマジンド」で謎が解明される可能性
それでは解説していきます。

ドラゴンクエストVIIとは?物語の概要と特徴
まず、この壮大な謎を理解するために、「ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち」がどのような作品であったかを振り返っておきましょう。 2000年にプレイステーション用ソフトとして発売された本作は、シリーズの中でも特に異彩を放つ存在として知られています。

舞台はたった一つの島から始まる壮大な物語
物語の始まりは、広大な海にぽつんと浮かぶ「エスタード島」という小さな島だけが存在する世界です。 主人公とその友人であるグランエスタード王国の王子キーファ、そして網元の娘マリベルは、島の禁じられた遺跡に忍び込んだことから、世界の真の姿を知る冒険へと旅立ちます。

彼らが見つけたのは、不思議な「石板」。 この石板のかけらを集めて台座にはめることで、彼らは過去の、魔王によって封印された様々な土地へと飛ぶことができるようになります。 過去の世界で起こっている問題を解決すると、その土地が現代に復活し、エスタード島の周りに新たな大陸や島が現れるのです。
一つの島しかない閉鎖された世界から、自分たちの手で世界を一つずつ解放していくというカタルシスは、本作ならではの大きな魅力です。 プレイヤーの行動が直接世界の形を変えていくという実感は、他のシリーズ作品では味わえないものでした。
石板システムが賛否両論を呼んだ理由
本作の根幹をなす「石板システム」ですが、これが賛否両論を呼んだ最大の要因でもあります。 物語を進めるには、過去と現代の世界に散らばった石板のかけらを見つけ出さなければなりません。
しかし、この石板が非常見つけにくい場所に隠されていることが多く、プレイヤーを悩ませました。 カメラを特定の角度に変えないと見えない死角にあったり、重要人物との会話を何度も繰り返さないと手に入らなかったりと、ノーヒントで見つけるのは至難の業でした。
結果として、「石板が見つからずにストーリーが進められない」というプレイヤーが続出し、あまりの探索の困難さに途中でプレイを断念してしまった人も少なくありません。 国民的RPGであるドラクエとしては、かなり挑戦的でプレイヤーを選ぶシステムだったと言えるでしょう。 この経験から、後のニンテンドー3DS版リメイクでは、「石板レーダー」などの救済措置が導入されることになります。
暗く重厚なシナリオがプレイヤーの心を抉る
ドラゴンクエストVIIのもう一つの大きな特徴は、そのシナリオがシリーズ屈指の「暗さ」を誇ることです。 これまでのドラクエシリーズが「善なる人間と悪しき魔物の戦い」という王道の構造だったのに対し、本作では「人間の醜さ」「裏切り」「迫害」といった、人間の内面に潜む闇が執拗に描かれます。
物語の序盤で訪れるウッドパルナの村のエピソードは、その象徴です。 村を救った英雄の妹マチルダが、村人たちに裏切られた憎しみから魔物にそそのかされ、自らも魔物と化してしまうという救いのない展開は、多くのプレイヤーに衝撃を与えました。
このように、元は善良な人間が憎しみや絶望によって魔物になってしまうという悲劇が、各地方のシナリオで繰り返し描かれます。 美しいBGMとは裏腹に、陰鬱で重苦しい雰囲気がゲーム全体を支配しており、これもまたプレイヤーの評価が分かれる一因となりました。 しかし、この人間の業を深く描いた重厚な物語こそが、ドラクエ7を唯一無二の作品たらしめているのです。
魅力的な仲間たちと「仲間会話システム」
暗い物語の中でも、プレイヤーの心を支えてくれるのが個性豊かな仲間たちの存在です。 おてんばで毒舌ながらも仲間思いなマリベル、野性味あふれる元気な少年ガボ、かつて神と共に戦った伝説の英雄メルビン、そしてキーファの子孫である踊り子のアイラ。

彼らの個性を際立たせているのが「仲間会話システム」です。 移動中や街の中など、いつでも仲間と会話することができ、状況に応じた彼らの感想や意見を聞くことができます。 このシステムによって、キャラクターたちの人間性や関係性が深く掘り下げられ、プレイヤーは彼らと共に旅をしているという没入感を強く感じることができました。
物語の核心に迫るキーキャラクター紹介
さて、いよいよ本題である「オルゴ・デミーラ=キーファ説」に迫っていきましょう。 この説を理解するためには、当事者である「キーファ」と「オルゴ・デミーラ」がどのようなキャラクターなのかを正確に把握しておく必要があります。

プレイヤーを裏切った王子?キーファの人物像
キーファはグランエスタード王国の王子であり、主人公の無二の親友です。 好奇心旺盛で行動力があり、退屈な城の暮らしを嫌って冒険に憧れています。 彼が不思議な石板を発見したことから、ドラクエ7の壮大な物語は幕を開けます。
パーティにおいては、高い攻撃力を持つ戦士タイプのキャラクターとして序盤の戦闘を牽引する、非常に頼もしい存在です。 多くのプレイヤーが、彼の強さを見込んで「ちからのたね」などの貴重なドーピングアイテムを優先的に使ったことでしょう。
しかし、物語の序盤、ユバール族という民と出会ったキーファは、一族の踊り子であるライラに恋をします。 そして、神を復活させる使命を持つ彼らを守る「守り手」として過去の世界に留まることを決意し、主人公たちのパーティから永久に離脱してしまうのです。 この突然の離脱は、プレイヤーに大きな衝撃と喪失感を与えました。 貴重なアイテムをつぎ込んだキャラクターが二度と戻ってこないという事態に、「種を返せ」という怒りの声が上がり、彼は親しみを込めて(あるいは皮肉を込めて)「種泥棒」と呼ばれるようになりました。
世界を封印した元凶 ラスボス・オルゴデミーラの正体
オルゴ・デミーラは、本作における全ての元凶であり、最終ボスです。 かつて、この世界の万物を創造した神に戦いを挑み、長きにわたる死闘の末に勝利。 その後、神に代わって世界の支配者となるべく、エスタード島を除く全世界を時代ごと、大陸ごとに切り取って封印しました。
ドラクエシリーズの歴代魔王の中でも、世界征服をほぼ完遂させた唯一の存在であり、その実力は計り知れません。 彼の特徴は、単なる武力による支配に留まらない点にあります。 人間の「弱さ」「醜さ」「疑心暗鬼」といった負の感情を巧みに利用し、人々を内側から崩壊させていくのです。 時には偽りの神として現れ、人々を欺き、偽りの信仰を集めるなど、人心掌握術に長けた極めて狡猾な魔王として描かれています。 その執念深さと人間心理への深い理解は、他の魔王とは一線を画す不気味さを漂わせています。
オルゴデミーラ=キーファ説を徹底考察
屈強な仲間だったはずの王子キーファと、万物の支配者たる魔王オルゴ・デミーラ。 一見、何の関係もないように見えるこの二人が、なぜ「同一人物ではないか」と噂されるようになったのでしょうか。 その根拠は、作品の奥深くに隠された、数々の暗示と謎に満ちています。
なぜこの説が生まれたのか?その背景
この説が広く囁かれるようになった背景には、キーファの離脱劇に対するプレイヤーの強い「納得感のなさ」があります。 あれほど冒険に憧れ、世界の謎を解き明かすことに情熱を燃やしていた彼が、出会って間もない女性のためにあっさりと仲間と故郷を捨てるという展開に、多くのプレイヤーが違和感を覚えました。 「何か、もっと深い理由があったのではないか?」という疑問が、この壮大な考察の出発点となったのです。
また、ドラクエ7のシナリオが人間の闇を深く描いていることも、この説の信憑性を高めています。 善良な人間が憎しみから魔物になる世界であるならば、正義感の強い王子が何らかのきっかけで絶望し、魔王へと変貌する物語も十分にあり得ると考えられたのです。
根拠①:旧約聖書との恐るべき共通点
オルゴ・デミーラ=キーファ説を支える最も強力な根拠の一つが、旧約聖書とドラクエ7の物語の間に見られる、驚くほど多くの共通点です。
エデンの戦士たち
まず、本作のサブタイトルは「エデンの戦士たち」です。 しかし、ゲーム本編をクリアしても「エデン」という地名やそれにまつわるエピソードは一切登場しません。 では、この「エデン」とは何を指すのでしょうか。
旧約聖書において、「エデンの園」は神が創った楽園であり、最初の人類であるアダムとイブが暮らしていた場所です。 争いも苦しみもない平和なエデンの園は、魔物もおらず平和な「エスタード島」と重なります。
アダムとイブ、そして蛇
エデンの園で暮らすアダムとイブは、神から「善悪の知識の実(リンゴ)」を食べることだけを禁じられていました。 しかし、一匹の「蛇」が彼らをそそのかし、二人は禁断の実を食べてしまいます。 これに怒った神は、二人をエデンの園から追放しました。
この構図をドラクエ7に当てはめてみましょう。
旧約聖書 | ドラゴンクエストVII |
---|---|
エデンの園(楽園) | エスタード島(平和な島) |
アダムとイブ(最初の人類) | 主人公とマリベル(島の少年少女) |
禁断の実 | 禁じられた遺跡 |
蛇(二人をそそのかす存在) | キーファ(二人を遺跡に誘う存在) |
このように、物語の導入部が旧約聖書のエピソードと酷似しているのです。 さらに注目すべきは、ドラクエ7のパッケージイラストで、マリベルがリンゴをかじっていること。 これは、イブが禁断の実を食べたことを明確に暗示していると考えられます。
蛇の正体ルシファーとオルゴ・デミーラ
では、アダムとイブをそそのかした「蛇」の正体は何だったのでしょうか。 聖書では、この蛇の正体は「ルシファー」という堕天使であるとされています。 ルシファーは、神に匹敵する力を持っていたがゆえに「傲慢」になり、神に反逆した結果、天から追放された存在です。
ここで重要なのは、ルシファーが司る七つの大罪の一つ「傲慢」は、ラテン語で「オルゴ(Orgo)」と訳されることがあるという点です。
オルゴ・デミーラ。 この名前自体が、ルシファーの罪である「傲慢」を意味しているのです。 つまり、「オルゴ・デミーラ = ルシファー = 蛇」という図式が成り立ちます。 そして、ドラクエ7の構図において「蛇」の役割を担っているのがキーファであることから、「キーファ = オルゴ・デミーラ」という説が導き出されるのです。
ライラとリリス
この説をさらに補強するのが、キーファが愛した女性「ライラ」の存在です。 ルシファーには「リリス」という妻がいたとされています。 リリスは元々アダムの最初の妻でしたが、神に反発してエデンの園を飛び出した結果、神の怒りを買い、悲劇的な運命を辿ります。
注目すべきは、この「リリス」という名前の語源の一つが、ヘブライ語で「夜」を意味する「ライラー」であるという説です。
- キーファの妻 → ライラ
- ルシファー(=オルゴ・デミーラ)の妻 → リリス(語源がライラー)
偶然にしては出来すぎた符合と言えるでしょう。 神に仕える一族でありながらその運命に疑問を抱いていたライラと、神に反発したリリス。 彼女たちの境遇にもまた、共通点が見出せるのです。
根拠②:没ネタに隠された本来のシナリオ
開発段階で削除された、いわゆる「没ネタ」の中にも、この説を裏付ける重要なヒントが隠されています。 ドラクエ7は開発が難航し、度重なる発売延期の末にリリースされた経緯があり、本来の構想から変更・削除された要素が数多くあったと考えられています。
キーファの離脱はもっと後半だった
原作者である堀井雄二氏は、イベントで「本当はキーファの離脱はもっと物語の後半だった」と発言しています。 もし、キーファが物語の後半までパーティに在籍していたら、どうなっていたでしょうか。
彼は主人公たちと共に、人間の醜さや世界の残酷さを目の当たりにし続けることになります。 正義感の強い彼が、度重なる悲劇に触れるうちに、人間そのものや、そんな世界を放置する神に対して絶望し、心を闇に染めていく…という展開が、より丁寧に描かれた可能性があります。 プレイヤーが十分に感情移入した段階で、彼が闇に堕ちるというシナリオは、本来の構想だったのかもしれません。
ラーの鏡が映すはずだったもの
シリーズおなじみの重要アイテム「ラーの鏡」。 真実の姿を映し出すこの鏡は、多くの作品で物語の鍵を握ってきました。 ドラクエ7でも、このアイテムはラストダンジョンで入手できます。 しかし、その効果は敵が使った「モシャス」という変身呪文を解くだけ。 ストーリーには一切関わらず、クリアに必須ですらないのです。
ラストダンジョンという最後の最後で手に入る重要アイテムが、何の意味も持たない。 これはあまりに不自然です。 本来は、ラスボスであるオルゴ・デミーラに対して使うイベントがあったのではないでしょうか。
もし、オルゴ・デミーラにラーの鏡をかざした時、そこに映し出されるのが、かつての仲間であったキーファの姿だったとしたら…。 その衝撃は計り知れません。
ギガジャスティスの本当の存在意義
作中には「ギガジャスティス」という、敵味方全ての魔法効果を打ち消す特殊な呪文が登場します。 この呪文もイベントで習得できるものの、実用性は低く、なぜ存在するのか不明な点が多いです。
しかし、この下位呪文にあたる「マジャスティス」は、ストーリー上で重要な役割を果たします。 禁断の秘術によって理性を失い魔物化した王を、元の姿に戻すために使われるのです。
このことから類推するに、上位呪文である「ギガジャスティス」もまた、禁断の力に手を出して魔王と化した誰か、つまりキーファを元に戻すために使われるはずだったのではないでしょうか。 ラーの鏡で正体を知り、ギガジャスティスでその魔力を打ち消す。 これが、本来想定されていた最終決戦の流れだったのかもしれません。
根拠③:作中の意味深なセリフや描写
ゲーム本編の中にも、この説を裏付けるかのような意味深な描写が散見されます。
オルゴ・デミーラのセリフ
最終決戦におけるオルゴ・デミーラのセリフには、気になる一文があります。
「お前たちの命はどこまで行ってもお前たちのもの 神のために使うべきものではない」
これは、単なる魔王のセリフとしては少し違和感があります。 しかし、もし彼の正体がキーファだったとしたらどうでしょうか。 キーファは、神の復活を使命とするユバール族と旅を共にする中で、神の存在に疑問や絶望を抱いたのかもしれません。 その結果、「人の命は神の道具ではない」という強い思想を持つに至った。 そう考えると、このセリフは彼の人間時代からの叫びのようにも聞こえてきます。
グランエスタード島が無事だったわけ
オルゴ・デミーラは全世界を封印しましたが、唯一、主人公たちの故郷であるグランエスタード島だけは手付かずでした。 なぜ、この小さな島だけが見逃されたのでしょうか。
これも、彼の正体がキーファであると考えれば説明がつきます。 グランエスタード島は、彼の故郷であり、人間時代の彼自身が存在する場所です。 自分自身を封印することはできない、あるいは心の奥底にかつての仲間や故郷への想いがわずかに残っていた。 その無意識が、島を封印から守ったのではないでしょうか。
根拠④:キャッチコピー「人は誰かになれる」の真の意味
最後に、本作のキャッチコピー「人は誰かになれる」です。 これは、豊富な職業に転職できるゲームシステムを指していると一般的には解釈されています。
しかし、この説を前提とすると、この言葉は全く異なる、そしてより深い意味を帯びてきます。
- 主人公は、旅を通して勇者になった。
- キーファは、絶望の果てに魔王になった。
人は、善なる者にも、悪なる者にもなれる。 その可能性は無限大であるという、本作の重厚なテーマそのものを表したキャッチコピーだったのかもしれません。 ウッドパルナのマチルダをはじめ、作中には元人間だったボスが数多く登場します。 ラスボスが元人間だったとしても、何ら不思議はないのです。
新作「ドラゴンクエストVII リイマジンド」で謎は解明されるのか?
長年にわたりファンの想像力を掻き立ててきた「オルゴ・デミーラ=キーファ説」。 この壮大な都市伝説は、2026年発売予定の再リメイク作「ドラゴンクエストVII リイマジンド」で、ついに公式の答えが示されるのでしょうか。
「リイマジンド」で何が変わる?発表された新要素まとめ
現在発表されている情報だけでも、「リイマジンド」が単なるグラフィックの向上に留まらない、大幅な刷新であることが分かります。
- グラフィックの刷新: 「ドールルック」と呼ばれる、人形をスキャンして作られた温かみのあるグラフィック。
- フルボイス対応: キーファを含むキャラクターたちが喋る。
- システムの変更:
- オルスバン廃止: 5人パーティで戦闘中にメンバーを入れ替え可能に。
- 職業システムの変更: モンスター職が廃止され、代わりに人間職の「掛け持ち」が可能に。
- 新要素「バースト」: 各職業に強力な必殺技が追加。
- シナリオの「取捨選択」と「再構築」: シナリオの一部が削除され、構成が再編される。
シナリオの「再構築」が意味するもの
特に注目すべきは、シナリオが「再構築(リイマジン)」されるという点です。 堀井雄二氏は「今の時代に楽しんでもらえるよう一から再構築しております」と語っており、これが物語の根幹にまで及ぶ変更であることを示唆しています。
これは、かつて開発時間の都合やネタバレ問題で断念せざるを得なかった「本来のシナリオ」を描く、絶好の機会と捉えることもできます。 もし「オルゴ・デミーラ=キーファ説」が本来の構想だったのであれば、その片鱗が、あるいは核心部分が、今回のリメイクで描かれる可能性はゼロではないでしょう。
キーファの扱いと都市伝説の行方を大胆予測
「リイマジンド」のトレーラー映像には、ユバールの民と旅をする、見慣れない謎の人物の姿が映し出されていました。 これがキーファであるかは不明ですが、彼の離脱後の物語に何らかの追加要素があることは間違いありません。 3DS版リメイクでもキーファの追加シナリオは存在しましたが、「再構築」と銘打つからには、さらに踏み込んだ描写が期待されます。
彼が闇に堕ちる過程が描かれるのか、あるいは全く異なる形で彼の名誉が回復されるのか。 フルボイス化によって、彼の苦悩や葛藤がより生々しくプレイヤーに伝わるはずです。 「オルゴ・デミーラ=キーファ説」が真実であったと明かされることはなくとも、なぜ彼が離脱を選んだのか、その決断の裏にあった真の想いが描かれるだけでも、この長年の謎に対する一つの答えになるのかもしれません。
まとめ
「オルゴ・デミーラ=キーファ説」は、あくまでファンの間で生まれた都市伝説であり、公式に認められたものではありません。 しかし、旧約聖書との関連性、没ネタの存在、作中の意味深な描写など、その根拠は多岐にわたり、非常に説得力を持っています。
この説は、単なるこじつけではなく、「ドラゴンクエストVII」という作品が内包する物語の深さ、そして本来描かれるはずだったかもしれない、もう一つの悲劇の可能性を示唆しています。 ラスボスとなってしまった親友を、自らの手で討たなければならない主人公の葛藤。 その運命を想像する時、「ドラゴンクエストVII」の暗く重厚な物語は、さらに重みを増して我々に迫ってくるのです。
新作「ドラゴンクエストVII リイマジンド」が、この長年の謎にどのような光を当てるのか。 キーファという一人の王子の物語が、どのように「再構築」されるのか。 その答えを、今はただ楽しみに待ちたいと思います。