ゲーム評論家の桐谷シンジです。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、発表されたばかりの『ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち リイマジンド』(以下、リイマジンド)について、期待と同時に一抹の不安を抱いているのではないでしょうか。 なにせ、オリジナルであるPlayStation(以下、PS)版の『ドラゴンクエストVII』は、国内売上No.1という輝かしい記録を持つ一方で、その独特なシステムやストーリーから賛否が激しく分かれた作品でもあります。

「リイマジンドは、あの時の不満点を解消してくれているのか?」 「過去作の問題点を知った上で、新作に期待できるポイントはどこなのか?」
そういった疑問が気になっていることでしょう。
この記事を読み終える頃には、『リイマジンド』が本当に期待できる作品なのか、その判断材料となる過去作の問題点と新作の変更点についての疑問が解決しているはずです。
- PS版ドラクエ7が賛否両論だった理由
- リイマジンドで刷新されるグラフィックとシステム
- 戦略性を深める新たな職業システムと追加特技
- シナリオ再編への期待と懸念点の詳細な考察
それでは解説していきます。

過去のPS版『ドラゴンクエストVII』が抱えていた問題点
2000年に発売されたPS版『ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち』は、シリーズ初のPlayStation向けタイトルとして、そして21世紀最初のドラゴンクエストとして、多くのファンから絶大な期待を寄せられていました。 結果として、国内で417万本という驚異的なセールスを記録し、PS用ソフトとしては歴代1位の座に輝いています。

しかし、その輝かしい功績の裏で、本作が「問題作」「人を選ぶゲーム」として語られることが多いのも事実です。 ここではまず、『リイマジンド』を語る上で欠かせない、PS版が抱えていた賛否両論のポイントを振り返っていきましょう。
進行を妨げた難解な「石板集め」システム
PS版ドラクエ7を語る上で、最も多くのプレイヤーを悩ませたのが「ふしぎな石板」の収集システムです。 このゲームは、世界に唯一存在するエスタード島から始まり、各地に散らばる石板の欠片を集めてパズルのように組み合わせることで、過去の失われた世界へと旅立つことができます。
このコンセプト自体は、自分たちの手で世界を再生させていくという壮大な冒険心をくすぐるものでした。 しかし、問題はその石板の隠し場所にありました。
ノーヒントで強いられる探索
序盤から中盤にかけて、次に行くべき場所を示すヒントが極端に少なく、多くのプレイヤーが広大な世界を闇雲に彷徨うことになりました。 特に厄介だったのが、現代と過去の両方の世界に石板が隠されているケースです。 過去の問題を解決して現代に島が復活した後、もう一度同じダンジョンや街を隅々まで探索し直さなければならない場面が頻繁にありました。
さらに、当時の3Dグラフィックの仕様上、カメラを特定の角度に回転させないと見えない位置に巧妙に隠されていたり、タンスや壺の中といった見落としがちな場所に配置されていたりすることも少なくありませんでした。 これにより、「石板が1枚見つからないだけで、ストーリーが完全にストップしてしまう」という状況に陥るプレイヤーが続出したのです。
ゲーム後半になれば、ヒントをくれるキャラクターも登場しますが、それも「海の向こうの、熱い大地に…」といった非常に曖昧なもの。 結局は自力での探索が求められ、この石板探しの煩わしさから、冒険の途中で挫折してしまったという声は当時、本当によく耳にしました。
プレイヤーを絶望させた主要キャラクターの離脱
ドラクエ7のストーリーは、仲間との絆も大きなテーマの一つです。 しかし、その仲間たちがパーティから離脱する展開が、プレイヤーに大きな衝撃と、そして戦力的な痛手を与えました。
キーファの永久離脱
物語の序盤、主人公の親友であり、パーティの頼れるアタッカーでもあるキーファ王子。 彼が、過去の世界で出会った一族の女性に恋をし、その一族の守り手として生きることを決意して、パーティから永久に離脱してしまいます。
この展開は、あまりにも突然でした。 プレイヤーがキーファに多くの経験値を注ぎ込み、強力な装備を買い与えた矢先の出来事だったため、「育成が無駄になった」「裏切られた気分だ」と感じたプレイヤーは少なくありません。 何より、故郷に残した家族や妹に一言の別れもなく去っていく彼の行動は、シナリオに対する批判的な意見を生む大きな要因となりました。 彼の離脱直後、パーティは3人となり、ゲーム中でも屈指の難易度を誇る「ダーマ神殿編」に挑まなくてはならず、多くのプレイヤーが苦戦を強いられました。
マリベルの一時離脱
もう一人、主人公の幼馴染であるマリベルも、物語の中盤で父親が病に倒れたことをきっかけに、一時的にパーティを離脱します。 彼女はパーティの主要な魔法の使い手であり、特に強力な全体攻撃呪文を覚える時期での離脱は、戦力的に大きな痛手となりました。
彼女がパーティに復帰するのは、物語が大きく進んだディスク2になってから。 その頃には他の仲間たちも十分に育っており、レベル差が開いてしまったマリベルを再び一軍で活躍させるには、意図的なレベル上げが必要になるなど、育成計画が大きく狂わされたプレイヤーも多かったようです。 このように、キャラクターの離脱がストーリー上の演出にとどまらず、ゲームの難易度や育成のモチベーションに直接的な影響を与えてしまった点が、批判の一因となりました。
ストーリーのボリュームと陰鬱な雰囲気
「100時間遊べるRPG」というキャッチコピーは、発売当時大きな話題となりました。 その言葉に偽りはなく、寄り道をせずともクリアまでに70〜100時間、やり込み要素を含めれば200時間以上も遊べるという圧倒的なボリュームを誇っていました。
しかし、この長大さが、かえってプレイヤーを疲弊させる一因にもなりました。 特に、一つ一つのエピソードが独立したオムニバス形式で進むため、「大きな目的を見失いがち」「単調なお使いイベントの繰り返しに感じる」という意見も少なくありませんでした。
暗く重いシナリオの連続
さらに、ドラクエ7の物語は、シリーズの中でも特に暗く、陰鬱な展開が多いのが特徴です。 訪れる過去の世界は、魔物によって滅ぼされているか、人間同士の醜い争いが繰り広げられている場所ばかり。 最初に訪れるウッドパルナの村からして、悲劇的な結末を迎えるなど、救いのない重苦しい話が延々と続きます。 BGMも相まって、プレイしていて気が滅入るという感想を持つプレイヤーも多く、明るく壮大な冒険活劇を期待していたファンにとっては、好みが分かれる部分だったと言えるでしょう。
賛否を呼んだ独特なキャラクターデザイン
ドラゴンボールでお馴染みの鳥山明先生が手掛けるキャラクターデザインは、ドラクエシリーズの大きな魅力の一つです。 しかし、ドラクエ7のキャラクターたちは、これまでのシリーズとは一線を画す、独特な雰囲気を持っていました。
緑色の頭巾を被った主人公は、勇者というよりは「素朴な田舎の少年」といった印象。 マリベルも快活な美少女というよりは「少し垢抜けない村の少女」といったデザインで、全体的に地味な印象を受けたプレイヤーは少なくありませんでした。
もちろん、このデザインは「平凡な少年少女が世界を救う」という物語のテーマを反映したものであり、仲間会話システムを通じて彼らの内面が深く描かれることで、最終的には多くのプレイヤーが愛着を持つに至りました。 しかし、一見した際の華やかさに欠けるデザインは、特に従来のシリーズファンから賛否両論を巻き起こしました。
没入感を削いだムービーの質と致命的なバグ
PSというハードの性能を活かし、ドラクエ7ではシリーズで初めて本格的な3Dムービーが導入されました。 しかし、そのクオリティにはばらつきがあり、特に物語の重要な局面である「神様復活シーン」のムービーは、キャラクターの表情が乏しく動きも硬いことから、プレイヤーの没入感を削いでしまうと批判されました。
さらに深刻だったのが、ゲームの進行を妨げる数々のバグの存在です。 特に初期ロットの製品では、特定のボス戦後やイベントシーンでゲームがフリーズ(停止)する進行不能バグが多発しました。
バグの名称 | 発生状況 | 影響 |
---|---|---|
カラクリ兵バグ | 過去のフォロッド城でのイベント中 | 高確率でフリーズし、進行不能になる |
デスマシーンバグ | ボス「デスマシーン」撃破直後 | フリーズし、撃破がセーブされない |
ルーラバグ | ルーラ詠唱後、着地しない | フィールド上で行動不能になる |
これらのバグは、プレイヤーに多大なストレスを与え、ゲーム全体の評価を下げる一因となりました。 幸いにも、後期に出荷されたバージョンや廉価版ではこれらの問題は修正されていますが、発売当時にプレイしたユーザーにとっては忘れられない悪夢として記憶されています。
テンポを損なう「お使いイベント」の連続
前述の通り、ドラクエ7のストーリーは、過去の小さな世界の問題を解決し、現代にその土地を復活させる、という流れを繰り返すことで進行します。 個々のエピソードは、人間ドラマとして深みのあるものも多いのですが、ゲームプレイとしては「〇〇に行って、△△を取ってきてくれ」といった、いわゆる「お使いイベント」の連続になりがちでした。
過去と現代で同じような場所を行き来することも多く、移動のテンポも決して良いとは言えなかったため、中盤あたりで単調さを感じて飽きてしまうプレイヤーも少なくありませんでした。 メインストーリーとの関連性が薄い独立したエピソードが続くため、世界を救うという大きな目的への没入感が薄れてしまったという意見もあります。
達成感の薄かった終盤の展開
100時間にも及ぶ長い冒険の果てに、プレイヤーが期待するのは壮大なクライマックスと、すべてが報われるカタルシスです。 しかし、ドラクエ7の終盤の展開は、その期待に十分に応えられたとは言えない部分がありました。
苦労して集めた石板によって復活した世界は、結果として広大な大陸ではなく、小さな島々の集まりでした。 これにより、「世界を救った」という達成感が薄れてしまったと感じるプレイヤーがいました。 また、ラスボスを倒した後のエンディングについても、それまでの伏線がすべて綺麗に回収されるわけではなく、ややあっさりとした印象を受けたという声も上がっています。 長いプレイ時間に見合っただけの感動や達成感が得られにくかったことも、本作の評価が分かれる一因と言えるでしょう。
3DSリメイク版での改善点と残された課題
2013年に発売されたニンテンドー3DS版のリメイクでは、PS版で指摘された問題点の多くが改善されました。 石板集めには、次のかけらの場所を示してくれる「石板レーダー」が導入され、探索のストレスは大幅に軽減。 戦闘もランダムエンカウントから、敵の姿が見えるシンボルエンカウントに変更されました。
これらの改善により、ゲーム全体の遊びやすさは格段に向上しました。 しかし、その一方で新たな賛否両論も生まれています。 シンボルエンカウントは、敵の出現が唐突で避けきれない場面も多く、かえって戦闘回数が増えたと感じるプレイヤーもいました。 また、職業システムのバランス調整により、一部の特技が強力になりすぎ、戦闘の難易度が低下したという意見もあります。 このように、3DS版はPS版の不満点を解消した良リメイクであると同時に、完璧な決定版とは言えない部分も残していました。 だからこそ、今回の『リイマジンド』に多くのファンが期待を寄せているのです。
『ドラクエ7 リイマジンド』で期待される変更点と新要素
PS版が抱えていた数々の問題点。 そして、3DS版でも残された課題。 それらを踏まえた上で、完全新作として生まれ変わる『リイマジンド』は、一体どのような進化を遂げているのでしょうか。 公式から発表された情報をもとに、期待される変更点と新要素を深く掘り下げていきましょう。

HD-2Dではない新たなグラフィック表現
まず誰もが驚いたのが、そのグラフィックでしょう。 近年のスクウェア・エニックスのリメイク作品では、『オクトパストラベラー』で確立された「HD-2D」技術が主流でした。 しかし、『リイマジンド』ではそのいずれとも異なる、全く新しいグラフィック表現が採用されています。

公式によると、キャラクターのCGモデルを、まるでフィギュアのような質感で動かし、背景は絵本のように温かみのあるタッチで描かれているとのこと。 公開された映像を見ると、ドラクエ11のようなリアル路線でも、HD-2Dのようなドット絵ベースでもない、独特のデフォルメ感が印象的です。 この「手作り感」のあるグラフィックが、ドラクエ7の持つどこか物悲しく、しかし温かい物語の世界観と見事にマッチするのではないかと、今から期待が高まります。
フィールドも完全な3Dではなく、デフォルメされた箱庭のような作りになっており、PS版の雰囲気を残しつつ、現代の技術で美しく再構築されているのが見て取れます。
ストレスフリーな冒険へ!システム面の刷新
グラフィックだけでなく、ゲームプレイに関わるシステム面も大幅に刷新されているようです。

オルスバン制度の廃止
PS版では、パーティメンバーが5人になる中盤以降、戦闘に参加しない1人をマリベルの家に待機させる、通称「オルスバン」システムがありました。 しかし、『リイマジンド』の戦闘画面では、戦闘メンバーの後ろに5人目のメルビンが「スタンバイメンバー」として控えているのが確認できます。 これにより、戦闘中に自由なキャラクターの入れ替えが可能になり、戦略の幅が大きく広がることは間違いないでしょう。 いちいち預かり所に行く手間が省けるだけでなく、状況に応じてキャラクターを使い分ける楽しさが生まれます。
戦闘システムの進化
戦闘画面のUI(ユーザーインターフェース)にも注目です。 行動を選択しているキャラクターの順番を示す線が引かれており、これは『ドラゴンクエストXI』で採用された、素早さ順に行動が回ってくるターンシステムに似ています。 従来のドラクエのようにターン開始時に全員のコマンドを一度に入力する方式ではなく、行動順が来たキャラクターから都度コマンドを入力する方式であれば、より戦況に応じた柔軟な戦い方が可能になります。 例えば、敵の行動を見てから回復役の行動を決めるといった、より戦略的なバトルが期待できます。
戦略の幅を広げる新たな職業システム「掛け持ち」と「バースト」
ドラクエ7の魅力の中核をなす「職業システム」も、大きな変貌を遂げます。
モンスター職の廃止と「職業の掛け持ち」
PS版には、人間職の他にスライムやゴーレムといったモンスターになりきれる「モンスター職」が存在しました。 しかし、『リイマジンド』では、その数が膨大すぎるという理由から、モンスター職は廃止されることが発表されました。 これを残念に思う声もありますが、その代わりとして、非常に興味深い新システムが導入されます。 それが「職業の掛け持ち」です。
プレイヤーは、メインの職業とは別に、もう一つサブの職業を設定できるようになります。 公開された情報によれば、サブに設定した職業のステータス補正も得られるようです。 例えば、「メイン:ゴッドハンド」「サブ:バトルマスター」とすれば、攻撃力に特化した物理アタッカーを育成できますし、「メイン:僧侶」「サブ:戦士」とすれば、回復もこなせるタフな前衛キャラクターが生まれます。 1回の戦闘で2つの職業の熟練度を同時に稼げる可能性もあり、育成のテンポアップにも繋がりそうです。
新要素「バースト」
各職業には、「バースト」と呼ばれる新たな必殺技のようなコマンドが追加されます。 これは戦闘中にゲージを溜めて放つ特殊な効果のようで、戦況を一変させる力を持っているようです。 現在判明しているバースト効果の一部を見てみましょう。
職業 | バースト名 | 効果 |
---|---|---|
魔法使い | 魔力暴走 | 2ターンの間、唱える呪文が必ず暴走する |
僧侶 | 天使の歌声 | 仲間全体を確実に復活させ、悪い効果も消し去る |
盗賊 | 悪事千里 | 敵に状態異常を与えると、再行動できる |
バトルマスター | 排水の構え | 守りを捨てて物理攻撃の威力を大幅に上げる |
賢者 | やまびこのさとり | 1ターン、呪文を2回連続で唱える |
ゴッドハンド | アルテマソード? | メルビンの使用シーンから、強力な攻撃技と推測 |
これらの効果を見るだけでも、戦略の幅が大きく広がることが想像できます。 特に盗賊の「悪事千里」は、上手く使えば連続で行動し続けることも可能かもしれません。 これまで不遇だった職業も、このバーストの追加によって独自の強みを持つことになり、パーティ編成を考える楽しみがさらに増すことでしょう。
呪文最強時代到来?特技・呪文の大幅な追加
戦闘バランスにも大きな変化がありそうです。 公開された映像では、マリベルが「メドローア」を使用し、700を超えるダメージを叩き出しているシーンが確認されました。 メドローアは、原作では賢者と魔法戦士をマスターしたキャラクターが使える合体呪文でしたが、今回はマリベルが単独で使用しています。
さらに、新たな呪文として最強クラスの炎呪文「メラガイアー」の存在も明らかになっています。 PS版では、最強の攻撃手段は「アルテマソード」や「ギガスラッシュ」といった物理系の特技でしたが、『リイマジンド』では呪文の価値が大きく見直され、魔法使い系の職業がアタッカーとして大活躍する可能性があります。 ステータスに「こうげき魔力」と「かいふく魔力」が明記されていることからも、呪文の威力がこれらのステータスに大きく依存する、近年のドラクエシリーズの仕様が取り入れられていることが伺えます。
また、マリベルが序盤から「ギラ」や「ヒャド」を習得しているなど、キャラクターの習得呪文も見直されており、序盤の冒険がより快適に進められるような配慮もなされているようです。
シナリオの「取捨選択」と「再編」がもたらす光と影
今回のリメイクで、最も注目すべきであり、同時に最も不安視されているのが、シナリオの変更です。 公式サイトには「各シナリオの取捨選択と構成の再編を行った」と明記されています。
「再編」は、物語をより分かりやすく、テンポ良くするためのブラッシュアップと捉えられ、基本的には歓迎すべき変更でしょう。 しかし、問題は「取捨選択」という言葉です。 これは、PS版に存在した一部のシナリオが、リメイクにあたって削除される可能性を示唆しています。
ドラクエ7のオムニバス形式の物語は、どれも印象深いものばかりです。 どのエピソードが削除されてしまうのか、ファンの間では既に様々な憶測が飛び交っています。 物語の根幹に関わる4精霊や主要キャラクターに関連するエピソードは残されると思われますが、比較的重要度が低いとされるいくつかの町や村の物語は、カットの対象になるかもしれません。 この変更が、物語の重厚感を損なうことなく、テンポの良さに繋がることを祈るばかりです。
アイラの早期加入?
シナリオ再編を象徴する、非常に興味深い画像も公開されています。 それは、本来であればアイラが仲間になるずっと前のエピソードである「ハーメリア」の町に、アイラがパーティメンバーとして参加しているシーンです。 これが意味するのは、アイラの仲間になるタイミングが大幅に前倒しされるか、あるいは各エピソードの攻略順がある程度自由になるか、といった可能性です。 もしアイラが早期に加入するのであれば、キーファ離脱後の戦力ダウンを補う存在となり、ダーマ神殿編の難易度も緩和されるかもしれません。 キャラクター同士の新たな会話も生まれることになり、物語に新しい深みを与えてくれるでしょう。
新たなやり込み要素「闘技場」の追加
PS版では、ダーマ神殿のストーリー中で戦うだけだった「格闘場」が、やり込み要素満載の「闘技場」としてパワーアップして登場します。 「ブロンズ杯」「シルバー杯」「ゴールド杯」といったランク戦が用意されており、勝ち進むことで豪華な景品が手に入るようです。
公開された画像では、ブロンズ杯の景品として「はやぶさの剣」が確認できます。 これは非常に強力な武器であり、入手できるタイミングによってはゲームバランスに大きな影響を与えそうです。 パーティ構成を見ると、アイラとマリベルが共存していることから、この闘技場が本格的に解禁されるのは物語の後半、ディスク2以降のタイミングになるのではないかと推測されます。 過去の世界にしかなかった格闘場が、現代の世界で復活し、いつでも挑戦できるコンテンツとして楽しめるようになるのかもしれません。
フルボイス対応と快適機能の追加
そして、現代のRPGとして欠かせない要素である、キャラクターボイスが本作でついに実装されます。 仲間たちとの会話がフルボイスになることで、キャラクターの個性や感情がより豊かに表現され、物語への没入感は格段に高まるでしょう。 あの長大な仲間会話も、ボイス付きで楽しめるとなれば、移動中の楽しみが一つ増えますね。
また、戦闘スピードの調整機能や、オートバトル機能なども追加されることが予想されます。 育成のためのレベル上げなども、これらの快適機能によってストレスなく行えるようになるでしょう。
まとめ
今回は、大きな期待と共に発表された『ドラゴンクエストVII リイマジンド』について、その評価の源流であるPS版が抱えていた問題点を振り返りつつ、新作で期待される変更点を徹底的に解説しました。
PS版『ドラゴンクエストVII』は、その重厚な物語と革新的なシステムで多くのプレイヤーを魅了した一方で、「石板集め」の煩雑さやキャラクターの離脱、陰鬱なシナリオなど、多くの賛否両論を巻き起こした挑戦的な作品でした。
『リイマジンド』は、単なるグラフィックの向上にとどまらず、これらの問題点を真正面から受け止め、解決しようという強い意志が感じられるリメイク作品です。
- システム面の刷新:オルスバン廃止や戦闘システムの改良により、ストレスフリーで戦略的なバトルが期待できる。
- 新たな職業システム:「掛け持ち」と「バースト」は、キャラクター育成の自由度と戦闘の楽しさを飛躍的に向上させるだろう。
- シナリオの再編:テンポの改善が期待される一方、「取捨選択」が物語にどう影響するかが最大の注目点。
- 現代的な快適さ:フルボイス対応や闘技場の追加、各種便利機能は、新規プレイヤーだけでなく、かつて挫折したプレイヤーにとっても嬉しい要素。
もちろん、実際にプレイしてみなければ分からない部分も多く、特にシナリオの変更が良い方向に作用するかは、一抹の不安も残ります。 しかし、公開された情報を見る限り、『リイマジンド』はPS版の持つ唯一無二の魅力を尊重しつつ、現代のRPGとして最高の体験を提供しようという、開発陣の熱意に満ち溢れた作品であることは間違いありません。
かつて石板の世界を旅したベテランの勇者も、これから初めてエデンの謎に挑む新たな冒険者も、共に楽しめる一作になることを心から期待しています。 発売の日が、今から待ち遠しいですね。